上 下
21 / 255
7章 スポーツ大会

1

しおりを挟む

そして、スポーツ大会当日──

苗は張り切って弁当をこさえる。今日の弁当はいつもより全然豪華だった。

「エビちゃんエビちゃんどこいくのんフンフン~」


苗はまったく意味を持たない即興のオリジナルソングを口ずさみ、高温の油の中を優雅に泳ぐキツネ色の羽衣をまとった“エビふりゃぁ”を揚げている‥



「すっげー!!姉ちゃん!
今日はエビフライも入ってんのか!?」


三つ子達は弁当を見て興奮している‥‥

「そっ!何てったってノートがたくさん手に入るんだからこのくらいのお礼はしなきゃねっ
ほらっあんた達も早く準備して!学校遅刻するよ!!」


苗は弟達を急かし自分も学校の準備をするとルンルン気分で登校した。



「じゃぁ、由美もバスケ頑張ってね!」


登校して苗は由美に手を振るとバレーのコートに向かった‥


そして、男子バレーを見学する苗がいる──



苗達、1年の女子バレー部門はあっさりと3年に惨敗していた‥‥



「まぁ‥こんなもんさね」

「‥だね‥」


同じグループの女子と慰めあいながら、男子バレーを見学する‥
‥男子は3年に勝っていた。


「でも、田中サン‥‥男バレは調子いいじゃん!
このままなら案外勝てるかもよ!」


「夏目クン水泳やってるから肩が強いんだよね~
さっきから決めまくってんじゃん!!」


そぅ、夏目は初っ端から凄まじい威力のアタックをビシビシと決めていた。


「ちょっと、なんだょコイツのボールっ
恐ぇじゃねぇかよっ!?」


「こんなアタック、バレー部の奴らじゃねぇと受けらんねぇよ!!」

夏目の攻撃的なアタックに2年はビビりまくっている

「よしっ!!大ちゃん!
そこだっ!いけぇ〰!!」

これならノートはコッチのもんだ!!
そう思った苗は興奮しながら夏目を応援している‥


「ちょっと──…このままじゃヤバいぞ‥!?」

「結城サンはまだかっ!?」


試合を見学していた仲間が夏目に攻撃されて、焦りまくるメンバーに叫んだ

「今、男バスが試合終わったからもうすぐ来るって!!だから、もう少し粘れ!」



そして、その言葉を聞いた1年達がざわつく‥


“奴が来るっ──”


そぅ‥恐れられていた伝説のプレイヤーが帰って来るのだ!!!


…なんでだ!?先輩、バスケにしか出ないっつってたじゃねぇか!?
汚ねぇ〰っ油断させやがったなあのじじぃー!!!


夏目は心で叫んだ‥


そして、夏目は今の内に点を取りまくれ!そう言わんばかりにバンバン、アタックを決めまくる!!


「そうだ!!大ちゃん!!
伝説がなんだぁ!!
君なら伝説を塗り変えられる!!」


夏目のハッスルする姿に苗も燃え始めていた


「悪い!遅くなった!!
試合どうなってる!?」

「あ、結城サン…
ちょっと‥悲惨な状態です‥」


「 みたいだな‥」

来るなりバレーコートに入った晴樹はメンバーに試合状況を聞き、得点ボードに目を向けてそう呟いた。


‥17対4かよ…
ちょっと厳しいな‥



そう‥点を取り戻すにはタイムも残り少ない‥晴樹でも勝つのは困難なようだった。

そして目の前には強烈なアタックを打ち込んでくる夏目の姿が‥

バシッ──!

「‥っ!!‥」

なんだコイツのボールはっ!?

さすがの晴樹も夏目の威力を前に一瞬ひるんだ!!




‥なるほどな‥
みんな、これにびびってる訳か──



点を取られてる意味がやっとわかった晴樹は腰を据えて構えた


そして、どんどん繰り出される夏目の猛攻撃をどんどん受けるが‥‥
後が続かない。


他のメンバーは夏目と晴樹の気迫に圧され晴樹がせっかく受けたボールを拾うことができなかった‥

「お前らやる気あんのかよっ!!頼むからボール拾ってくれ!?」

晴樹はメンバーに喝を入れるがそれでも、晴樹達の動きにはついてこれない‥

‥チッ──仕方ない‥ブロックで止めるしかないか‥‥


点を取るには何とか自分達の先制攻撃に望みをかけるしかない!
そう考えた晴樹は夏目のアタックをブロックで完璧に塞ぎ始めた。

そして、自分達の攻撃の番になるとボールを打ち返すして点を取り返す!

1年チームはすべての点取りを夏目に頼っていたため晴樹の攻撃についていけなかった‥‥


そして、コート内はいつの間にかチームプレーではなく、個人プレーに為り変わっている。


ワンonワン

晴樹と夏目の一気打ちになっていた。


ムキになった二人は睨み合う。そんな二人に向けてコートの外から聞き慣れた声が放たれた!!

しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

逃げて、追われて、捕まって

あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。 この世界で王妃として生きてきた記憶。 過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。 人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。 だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。 2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ 2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。 **********お知らせ*********** 2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。 それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。 ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが

マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって? まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ? ※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。 ※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。

伝える前に振られてしまった私の恋

メカ喜楽直人
恋愛
母に連れられて行った王妃様とのお茶会の席を、ひとり抜け出したアーリーンは、幼馴染みと友人たちが歓談する場に出くわす。 そこで、ひとりの令息が婚約をしたのだと話し出した。

貴方を捨てるのにこれ以上の理由が必要ですか?

蓮実 アラタ
恋愛
「リズが俺の子を身ごもった」 ある日、夫であるレンヴォルトにそう告げられたリディス。 リズは彼女の一番の親友で、その親友と夫が関係を持っていたことも十分ショックだったが、レンヴォルトはさらに衝撃的な言葉を放つ。 「できれば子どもを産ませて、引き取りたい」 結婚して五年、二人の間に子どもは生まれておらず、伯爵家当主であるレンヴォルトにはいずれ後継者が必要だった。 愛していた相手から裏切り同然の仕打ちを受けたリディスはこの瞬間からレンヴォルトとの離縁を決意。 これからは自分の幸せのために生きると決意した。 そんなリディスの元に隣国からの使者が訪れる。 「迎えに来たよ、リディス」 交わされた幼い日の約束を果たしに来たという幼馴染のユルドは隣国で騎士になっていた。 裏切られ傷ついたリディスが幼馴染の騎士に溺愛されていくまでのお話。 ※完結まで書いた短編集消化のための投稿。 小説家になろう様にも掲載しています。アルファポリス先行。

処理中です...