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しおりを挟む自問自答を繰り返せば写真の中のすました奴の顔しか思い浮かばない…
すぐ傍では高揚した息を漏らす恋人が自分に蔭茎の先を向けている。
早まる手の動き。
無理矢理、自慰行為を見せつけられてる感にも腹が立ってくる。
理央の呼吸が大きく乱れた瞬間。
「あっ…なんで避けてるの!?」
「本能がそうさせる…」
ピュッと勢いよく放たれた白濁とした鉄砲液。
向かってくる攻撃を避けるのは喧嘩で慣らした反射神経のたまものか?
まずいと思いつつ控え目に顔を反らした英二の引き締まった頬に理央の白い雫がかかっている。
「一回こっきりだからな…」
英二は顔に付いたそれを親指でグイッと拭い理央の唇に押し込んだ。
「んっ…あっ…」
「出すモノ出したんだ…次は俺の番だな…」
もう優しくはしてやらない。
英二は膝まで下げてた理央のズボンを強引にひん剥くと理央の白い尻を押し開いた。
「もっと尻を高く上げろっ」
「…痛っ!?」
ピシャっと尻に張り手が飛ぶ。
舐めて飲んでやるくらいなら大目に見てやったのにこのガキはっ…
妙な怒りが沸きおこる。
英二は残り少ないバーボンの入ったボトルを手にするとその瓶の口を理央の花芯に突っ込んだ。
・
「あっ…あっ…ひあっ…んんっ英二っ!」
「なんだ、そんなによがる程イイのか?」
「違っっ…ちょ…深っ…」
ズトっと奥深くまでめり込んでくる。理央の花芯を軸にして、駒のようにボトルを大きく回転させると拡がる度に中のアルコールがゴブッと流れ込んでは溢れ反っていた。
…熱っ…い
はあっ…ふっ…んっ
「あ、あっ…ダメっ英二っ」
すごく気持ちいっ…い…
「ふんっすごいあり様だな…写真に残すか? 裸で撮影はもうお手の物だろ?」
――!…また…そんなことっ…
「ああっ…イイっ…」
後ろを振り返り、キッと睨んでも攻められる快楽に直ぐに顔が溶かされてしまう。
ボトルをぐりぐりと回しては上下に律動を与える。
自分のモノではなく、造り物で何とも言えぬ表情を浮かべ始めた理央に英二は少しムカついてきていた。
「ああっ…すごっ…硬いっ」
あり得ないほど硬い。
それは勿論、クリスタル細工だから。
「ああっ…当た…る…深っ…っ…長すぎるっ…んっ」
注ぎ口は細長く、膨らみを帯た中間には高級酒のボトルらしく、バーボンの原材料。とうもろこしの絵が型どられ、表面はゴツゴツとした手触りをしていた…
・
「最高に久し振りだ…」
「――!?…」
皮肉気な囁きが後方から響く。
「こんなに屈辱を味わったのは二度目だ…」
え!?…
英二は背中を反らした理央の顔を覗き込み頬を掴む。
「なあ理央…お前が欲しいのはこっちだろ」
「あっ!?…っ…」
強引に硬いボトルを引き抜かれ、バーボンが溢れるそこに英二は勢い余ったまま自分の猛りを埋め込んだ。
「っ…ふっ…いっ」
「お前が理由で二度も屈辱を味わうとは思いもしなかった」
「んっ…ん、あっ」
屈辱…二度って…どっちも僕が原因?…
「あっ、イイっ…」
耳の傍で威圧をかけながら、英二は腰の動きを強めた。
バックで攻めてくる英二の怒りのような突きに躰が激しく揺さぶられる。
「はあっ…んで…僕が…原、因っ…」
「ああ? …はんっ…知りたいのか?…」
英二は理央の躰を背中から抱き込むようにして肌を重ねる。アルコールの残る内部。英二のそのものにもバーボンが絡みつき、何時もの倍に熱を感じる。
英二は躰を重ね、腰を揺らしながら喘ぐ理央の耳元に唇を寄せた。
・
「っ…お前を克俊のアホに持っていかれた時だ…」
「――!っ…」
驚く理央の頬に英二は後ろから吸い付いた。
荒々しい腰の動きとアンバランスな英二の優しい口付け。
躰の熱とは別に、英二の囁いた言葉に胸がきゅっと熱くなる。
近くから吹き掛けられる英二の乱れる吐息。
時折、締め付けの快楽に耐えるように英二の筋肉質の躰がぶるっと奮え低い声が漏れる。
耳に掛かる息がまるで
“アイシテル”
そう言ってくれてるような気がして、理央は思わず目を細め快感に甘い声を漏らした。
「気持ちがいいか?」
英二の問掛けに理央は言葉もなく必死で首を縦に振る。
「さっきの道具と俺の道具とどっちがいい?」
「……っ…英、二の方がっカリがおっきっ…いっ」
「ならもっとよがれよ…ん…さっきみたいに泣いてみろ」
「ああ…っ」
ズンっと突きが激しくなる。
「…英二っ…イイっ…英二のっ…すごい引っかかるっ…っ」
気持ちの方が抑えきれない。
無関心だと思っていた英二が嫉妬していた。
胸が疼いて何でも言うことを聞いてしまうっ…
「理央…っ…俺以外に攻められて二度とそんな顔するなよ」
息を切らしたバリトンの声が響く。
・
熱いため息と共に名前を囁かれ躰中が麻痺してきそうだった。
英二の強引なセックスと、皮肉なセリフはいつもたっぷりの熱情を含んでる。
意地悪言われる度に泣かされて…
悪戯混じり優しく抱いて。
……くれたかと思ったらまた乱暴する。
そんな英二に僕はいっつも惑わされるんだ。
でも…
もういい…
今日のセックスは…
僕の心も…なんだか満足してるみたい、だか…ら……
「んっ…あっ…っ…」
英二の腰の振りが強くなってくる。
「――っ…はっ…ああっ英二っ」
「……っ……」
捕まえるように細い躰を抱きしめて、意識の遠くなり始めた理央を激しく貫くと英二は理央の肩に熱い唇を押し付けた。
額に汗を滲ませ荒い呼吸を繰り返していると重なった二人の躰が同時に震えを呼び起こしていた…
「…んっ…っっ――…」
英二の硬いものが理央の内壁を押し上げるように大きく脈を打つ。
その度に熱いほとばしりが快楽の余韻に浸る理央の躰を犯し甘く溶かしていた…
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