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第四章 伝説編

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アルはルイスの解りやすい説明に明るく反応する。

「で‥

“ もう一人の汝と向き合え‥”

‥‥これは‥」


ルイスはそう言ってアルの目の前に人差し指を立てるとそれをゆっくりと足元にむけて移動させる。
アルは自然とその指先を目で追った‥

ルイスの指先が地面を指差しながらグルッと後ろに回る‥
それを目で追うと、アルはルイスに尋ねた。

「‥で‥なんなの💧?」

「鈍いなお前?」


ルイスは疑問を浮かべるアルに呆れながら説明した


「いいか、月を仰いでみろ!」

アルは言われた通り月を仰ぐ。そしてルイスは地面をもう一度指差した。

「で、足元を良く見るんだ!‥何が見えた?」

「‥‥‥地、面かな💧?」

アルは困惑しながら答えた

「地面はどこにでもある。じゃあ、そのまま後ろを振り返って地面を見てみろ!」

アルは月明かりを背にして振り返り、地面を眺めた‥

そして何かに気づく…

「‥!‥あ‥」


「居ただろ?
“もう一人の汝”‥が」

アルは自分の足元から伸びた影と向かい合っていた‥


「そんな意味だったんだ‥」

「あぁ、でも解ったのはここまで💧💨
どうやっても“神の力を掲げ”‥これがわからん‥」


「全ての謎が解けなきゃ結局“みちはひらけない”ってことだ!!💧」


「ひらくよ‥」


「――?は💧」


残念そうに頭を掻きむしるルイスにアルは自分の影に目を向けたまま答えた。

そして間の抜けた返事をするルイスをアルは微笑を浮かべ見つめ返す



「たぶん。だけどね…」


「――!…」


後ろから微かに射す月光が、自信に満ちたアルの笑みを美しく際立たせルイスは密かに息を飲む





‥何度目だろうか…

この少女の微笑みに目を奪われたのは…




恋愛に置いては*無手勝流

(戦わずして勝つ)そう自分でも豪語してきたと言うのに――――


ルイスは微かな胸の疼きを悟られないようにとアルから目を反らした。


アルは自分の影を見つめたまま背中の宝剣に手をかける。
そして鞘から錆び付いた剣をゆっくり引き抜くと天に掲げた














辺りはシ――――ン…と静まり返り虫の声が鳴り響く







‥‥‥あ‥‥‥‥れ💧?
や、やっぱり違った💧!??




どーしようっ…格好つけたものの引っ込みがつかない…っ…



何も変化の起きない現状にアルはポーズを決めたまま焦り出す💧



「アル…」


「…!💦」


ルイスの呼びかけにアルはビクつく


「ご、ごめん‥やっぱダメだったみた…」

「そのままでいろッッ!」


詫びながら、天に掲げた剣を降ろしかけるアルをルイスはとっさに止めた。


「剣を見てみろ‥」


「え?」


ルイスに支えられた腕を見上げ剣先に目をやると‥


月から無数に伸びた放射上の光が宝剣に集まり吸い込まれていく…


その光は徐々に消えそしてまた、辺りは静寂の闇に包まれていた


天空ばかりを見つめていた二人はあることに気づく‥


湖の中心にぽっかりと浮かぶ何か――――

何だか入り口のようにも見える。遠目で見た感じは遺跡の石門のような鳥居…その様にも見える。


「な、に‥何あれ?」


「わからん‥」


ルイスとアルは湖の縁に走り寄る。そして、目を細めそれを眺めた



「―――アルッッ!?何す‥」


―――なにっ💧!!


目の前の石門を見つめたまま突然、湖にチャポ‥と入ったアルをルイスは慌てて止めた。


そして目を見張る


「隊長サン‥‥
たぶん、このまま向こうに渡れそう‥💧」


「‥‥っ」

アルの身体は沈まずに水面に立ったままだった──。

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