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第二章 闘技会編
9話 生き残り合戦!~繚乱の舞~
しおりを挟む†猟期†
俺様vs
俺様のバンビ*
準決勝までこぎつけたアルはコーナーでスタンバイし、顔面蒼白になっていた──
…あれっ…なんで!?💧
あぁ、そうか‥この人‥シドに勝ったんだっけ…
‥応援……しなきゃよかった…っ…
アルは今更ながら後悔していた‥
目の前には不敵に微笑む野獣が一匹・・
アルは今日の闘いで初めて恐怖に脅えていた──
剣を構えてみるが少しも手応えが感じられない…
‥そうだ…っ…落ち着かなきゃ!!
「…っ…──💧」
無理だった💧
なんだか嫌な予感で胸がいっぱいになる‥
‥お、落ち着きたくても落ち着けないっ…
剣は今のアルの気持ちにそのまま同調していた。
野獣は獲物を見据え瞳を熱く燻(くゆ)らす
絶対に逃がさねぇ!!
そんな強いオーラを全身から放っていた
アルの不安をよそに第二準決勝が始まる。第一準決勝はザドルが不戦勝で決勝進出が決まっていた。
──この試合で勝った方が決勝進出になる…。
…っ…で、でもここまでくれば充分かな…っ…
対戦相手がレオだと知った時点でアルの心に“危険”と“棄権”の文字が浮かんだ💧
・
アルが審判員に己の意向を伝えようとしたその時、遠くで声がした‥
「アル〰頑張ってぇ!!」
子供達が必死で応援している──
‥うっ── ここまで来て試合もせず引き下がったら子供達はきっとがっかりするかもなっ‥
よしっ、やれるだけやってダメだったらコーナーの外に出よう!うんっよしよしっ💧!!
アルは自分に言い聞かせ、一人で相槌を何度も打った‥
なんだかいっぱいいっぱいのようである💧
開戦の準備が整い審判員の手に握られた白い旗が天を仰ぐ──
準決勝とあって試合はアル達だけで、全会場の視線を一斉に浴びていた。
笛の音と共に白い旗が振り降ろされる!!
…始まった💧もう逃げられないっ
そう思いながら剣を構えたのだが──
ただ‥不敵な笑みを浮かべるだけでレオはその場から動く気配がない
剣を抜かないレオにアルは戸惑い困惑していた‥
‥かぁ〰困った顔もイカスぜっ!
まずはやっぱり・・・
“マーキング”だよな?
俺様のもんだって事を周りに知らしめる必要があるしっ♪
レオの表情は異様なほど高揚していた。
…どうしよう・・睨み合うだけじゃどうしようもないっ…
でもなんだか、近づいちゃいけない気がする💧
・
アルは本能で悟っていた
「なかなか、動く様子がないな?アルも脅えきってる…」
ルイス達も固唾を飲んで見守っている
「ああぁぁ!?まただっ──!」
子供達が立ち上がって咄嗟に叫ぶっ!
「―――あちゃ…っ…」
ルイスは思わず頭を抱えた。
バンビは呆気なく野獣に狩られてしまっていた
背後から手を交差して捕われながらも必死でレオの接吻攻めをよけるアル。
レオは顔を背けたアルの、露になった白い首すじに下から上へ熱い舌をゆっくりと這わした‥
「ああ‥‥っ‥」
初めての疼きに声が洩れる
「いい声してるな…
たまんねぇ―――‥」
アルのメスのような声に興奮したレオは耳元で囁く
アルの手に握られた宝剣はいつの間にか地面に落ちていた…
目の前で繰り広げられる情事に観客はみんな顔を赤らめ生唾をゴクリと呑みほす。
真っ赤な顔した審判員が見守る中、レオの攻めは徐々に執拗になりはじめる
レオはアルの柔らかい耳たぶを音を立てながら舌先で愛撫した‥
卑猥な音がアル自身を辱める‥試合放棄を宣言したくても口を開けば喘ぎ声が出てしまう…
アルは歯を食いしばって耐えるしかなかった‥
・
アルの腹部を抱え込んでいたレオの手がゆっくりとアルのシャツを托し上げシャツの中に滑りこむ‥
吸い付くような、なめらかな腹部をレオは優しく撫でまわした…
「あっ‥ぅ‥や、め‥
‥‥やめてっ‥くれ💧」
アルの悲痛な叫びにレオの動きがピタリと止まる。
女らしい叫び声にアルは無理矢理男っぽさをチョイスしていた💧
「──…っ…手をどけろよっ!ここは闘いの場だろっ…///…」
アルは痺れる疼きを堪え、必死で睨みを効かすがレオの余裕の笑みは相変わらずだった
「ちゃんと闘ってんだろ?」
「これのどこが…っ…//」
「肉弾戦!」
「……なっ──💧‥」
レオはおふざけ口調でそう言うと再び、がばっとアルを抱きしめた
「あぁ〰たまんねぇ‥なんでこんなに細いんだ、お前?」
レオはアルのうなじをうっとりと眺め、甘噛みしたかと思うと突然強く噛み付いた
「ああっ……」
そして噛んだ部分の痛みを柔らげるように舌先でゆっくり歯型の後をなぞった‥
まるで獣の交尾でも見ているかのようだ
会場の雰囲気はエロティックムード満載だった
「くそっ…あいつやりたい放題しやがってっ!!」
我慢しきれずに席を立つロイドをルイスが止める!
・
自分の腕を掴むルイスをロイドは強く睨み返した―――
「ロイ!試合続行中だ!!
アルが自分で放棄しない限り闘いは続いてると見なす!いいな!?…
わかったら座れ!」
掴まれた腕を振り払おうとしたロイドに厳しく言い聞かた。
ロイドは舌打ちしながら諦めて席につく。そのロイドの肩にルイスはなだめるように手を置いていた。
険しい表情のままロイドは歯を食い縛る…
アルの白い腹部に巻き付くレオの腕に怒りが沸く
…っ……アルの奴、なんでやられ放題で黙ってんだ!? 案外レオのことがタイプってことかよ!?
はっ!?……
そう言えば・・💧
『かっこよくて頼りがいのある人がタイプかな!』
いや…っ…それなら俺の方が当てはまってるはずっ!
『でも、やっぱり性格重視だよ!』
性格だって俺の方がっ!
──‥って💧‥!‥っ
「‥!‥ぅあぁぁーっ」
「…な!?‥うるせーよっ!
なんなんだよっお前は💧」
いきなり頭を抱えて取り乱すロイドにルイスは目を剥いた。
「ルイスっ!俺なんか変なんだよっ!助けてくれよっ!!」
「──…わ、わかった……っ…パレードすんだら相談に乗ってやるから‥」
うろたえながら、涙目ですがる無二の真友をとても不憫に思うルイスだった💧
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