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第一章 出会い編

17話 昼下がりの情事

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「おう、アル!今日も来たのか?」

「 うん、せっかく鍛練所が無料なんだから活用しなくちゃ!‥ロイドにも大会迄、体力作りしとけって言われてるから」


   変態長騒動から数日が過ぎ、剣闘技会を目前に控えた今日──

大会まですることがないアルは遊びに行く子供達を見送ると、鍛練所に体を鍛えに来ていた。

アル位の年頃は珍しく、鍛練所の係の人もすぐにアルを覚えてくれたようで、行く度に気軽に話し掛けてくる――

アルはロイドに指摘された腕の筋肉を鍛える運動を重点的にやっていた。



「おっ!偉いっ!!ちゃんとやってんな」


2キロの鉄アレイを交互に持ち上げていると声をかけてきたのはロイドだった。

「あっ ロイドも鍛えに来たの?」

あぁ、とだけ言うとロイドはアルに背を向け上着を脱ぎ、また半裸になった。


……背中も色っぽいんだよなぁ


アルが見とれていると視線に気付いたロイドがいきなりこっちを振り返る。


「頼むからそんな目で見ないでくれ」

「ごめん…」

心なしか怯えるロイドにアルは謝るとアレイ運動を済ませ、腹筋運動に取り掛かった。



ロイドは柔軟体操を始めていたが、アルの運動の仕方が目に余り近づいてくる

そう──
アルは腹筋運動が余り得意ではなかった


苦労しながら運動しているアルを見てロイドは声をかける


「お前‥腹筋弱いな」


まだ5回もしていないのにアルは息が上がっていた。

腹筋台に横になり、足首と膝は固定するバンドが着いていたがアルはどうしても腰が浮いてしまう。

…これじゃ、返って腰を痛めてしまうな…

ロイドはそう判断すると、いきなり台に仰向けになっているアルを跨いだ


「──!?……な、なにっ!?何するのっ!?」

「そんなに焦るなっ腰を固定するだけだ。そしたら少しは楽に腹筋できるから」

ロイドは説明するとアルの腰に両手を添えた。

…っ!?……こいつ!?
なんでこんなに華奢なんだよ!?


「ねえロイド…」

「な、なんだ」

ロイドは急に声を掛けられ意味もなく焦っていた。


「……腹筋、始めてもいい?」


「あっ、あ、ああ…いいぞっ数えてやる…っ…目標何回だ?」


「じゅ…」


「じゅ?」

「……10回です…」


「……お前」


「だってっ…今まで5回が限度だったからっ」


ロイドはふぅーと溜息をついた。

「わかった──…まずは目標10回な‥はぃ始めっ」



アルはロイドの掛け声に合わせ、腹筋を始めた。

一回目の腹筋で今までよりやりやすいのが、すぐわかる

…腰支えてもらうだけで、こんなに変わるんだ!


1~2~3~ と数えていると、アルの動きに合わせて上着から白い滑らかな腹部とキュートなおへそが顔を出したり隠したりしている…


「──…っ……」

…ちょっ、これはっ……

ロイドは思いっきりそこに目を奪われ凝視してしまっていた──

アルの荒い呼吸に合わせ、上下する白い腹部のうねりにロイドは何故か焦るっ



…──これはやばい!


「ロイド!」


「うぁぁ…っ…なんだっ!?」

「‥‥なんだ!?って…カウントしてくれた? 今何回かと思って」


「ああっ今、10回だっ!
10回にしといてやるっ」


もちろんロイドはアルの腹部に夢中でカウントなんかしちゃいなかった。


「しといてやるって。
‥‥じゃあ後10回追加する!もうちょっと出来そうだから!」


「そうかわかった。今度はちゃんと数えるから…っ…」


「今度は、て。じゃあ、お願いします」


ロイドはアルの腹部から目を逸らし、今後は顔を上げた…

1~ 「──…!っ」

2~ 「──!!…っ…」

3~ 「…!!っ…──」

「、、、」




今度は二人して耳まで真っ赤になってしまった。

何故なら、腹筋して起き上がったアルと顔をまともに上げたロイドの距離はあまりにも近すぎたのだ


「ごめんっ……」

「すまんっ……」


二人して真っ赤になったまま、意味もなく謝ってしまった。

「わかったっ…俺が横向きゃいいんだよなっ」

そう言ってロイドはそっぽを向き、真正面のアルから顔を背けた。

「あぁ、そうだねっ!ごめんね気を使わせてっ」

妙な雰囲気が漂う中──
再び腹筋を始める


4~ ハァッ!  (ぅッ!?─)

5~ ハァッ!  (なっ──!?)

6~ ハァッ!  (やばっ!!…)


「──っ……待てっ!!
やっぱり無理だっ・・・」


ロイドは焦って止めたがそれも仕方がなかった…

今度はアルの荒く熱っぽい息が顔を背けたロイドの首筋にかかってしまうのだ。


ロイドの急な制止で腹筋をやめたアルはまだハァハァ荒い呼吸をしている。

「そ、そうだね。よくわかんないけど腹筋はもういいや…ちょっと疲れたから休むよ」

アルはそう言うと外の風通しのいい場所に腰を下ろした。

「…はぁー涼しいぃ!」


運動でかいた汗も体の熱も瞬く間に爽やかな風がさらっていく……

アルは思いっきり深呼吸をした。


「ほら飲め。汗かいたら水分補給は絶対だぞ」


そう言ってロイドはアルに持参の水筒を渡した

「…ありがとう!」

素直に礼をいい、水筒を口に含み水分を取るアルの姿に又してもロイドの視線がとまる…

顎から白い首筋にかけてのラインが水分を飲み干す度にゴクリっと脈打つ……


ロイドはバッと視線を無理矢理そらした。


(ダメだ…今日の俺はおかしいっ……///…)


「プハァ~!…おいしいこれっ!どうやって作るの?」


「えっ!?あぁ、ただのレモン水だよ‥  飲み水にレモン搾ってるだけだ‥運動したあとはこれが一番いいからな」


「そうなんだ?今度エバに頼んでみよう」


「あぁ、それがいい」


他愛もない会話の後にアルはぽつりと言った。


「好きだな‥‥‥‥」


「は!?──…///…」

ロイドは何故か顔を赤くして一瞬焦った。

アルは構わずに続ける。

「この国もここの人達も
みんな好きっ‥‥!」


「あ…そ、そうか?……そうだな‥俺は生まれ育った場所だから何となく生活してるけど、確かに嫌いじゃないな!」


ロイドはそう言ってアルに顔を向けると、アルは両膝を抱え込み首を傾げてロイドを見つめていた


「……っ…」

──…っ…なんだっ!?その乙女チックなポーズはっ
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