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白い結婚と田舎暮らしが足りません
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この国の王族には、定期的に『試練』が訪れるらしい。
その理由は、王族が腐敗していないことを確認する為等言われているが、詳細は不明である。ただ解るのは、初代が神と契約し、数代に一度『試練』は訪れる度に王族の主流が変わっているということであった。『試練』が訪れている時は誰も解らず、王族が入れ替わると彼らが『試練』を受けたことが解る。そういうものだと皆理解しているから、王族が入れ替わっても誰も気にしない。定期的に『試練』が彼らに訪れるのは建国時に神と契約しているからと言われているが、呪いとしか思えない。
神に試されているとは言われているものの、巻き込まれた方はどう考えても悪魔の誘惑にしか思えない。特に、『伯母様』を奪われて泣き寝入りするしかなかったお爺様や伯父様やお母様にとっては、災難と言うしかないだろう。
今回は、『試練』が亡き王妃様で、かの男爵令嬢の姿をしていただけのこと。知らず知らずの間に『試練』になった彼女たちは、王様を堕落させ、王子様を堕落させた。
だから、国には相応しくなくなった彼ら彼女らは処分される。
「こんなこともあろうことかと、スペアは沢山いるんだよ」
と、お父様が苦笑したのは、全てが終わって私のところに来た時のこと。
スペアが沢山いることを知らないのは、『試練』を受ける王族のみで。『試練』が終わったことにより状況が解った脳筋なお兄様やお爺様や伯父様は、後始末に駆り出されて大変らしい。一段落ついたら、可哀想な伯母様のお葬式を身内だけでやるとのこと。可哀想な伯母様は、骨も何も残っていなかったので、お墓の中は今までと変わらず空っぽのままなのだけど。一歩間違えば、自分も同じ目に合ったかもしれなかったと思うと、当時お助けできなかったのは残念すぎる。
旦那様はいつの間にか子爵位を手に入れていて、今までもなかったも同然な王族の身分はなかったことにするらしい。今まで領地経営等の経験がなかった為、偶に脳筋なお兄様と従兄にダンジョンに拉致されながら、お父様とお母様にびしばししごかれているとのこと。お爺様と伯父様は王子様にうり二つなお顔に伯母様の目と髪の色を持っていることに心中複雑のようだが、その内和解するだろう。いつだって、結局お二人はお母様の掌の上で躍らされてしまうのだから。
王子様で元婚約者と言えば、私がのした後どこかへ連れて行かれてしまったが、今頃どうしているのだろうか。王様が溺愛している王妃様を殺してしまったのだから、王子様とはいえ無罪放免にはならないだろう。
とはいえ、私は彼らの行き末にさして興味があるわけではない。気になる所か、全くこれっぽっちも気にならない。
なぜなら、田舎暮らしを満喫しているからである。
毎朝、鶏と競争するように起床して、侍女姿で朝から動き回るのは性にあっていたらしい。仕事を手伝おうとすると、旦那様の乳兄弟を始めとして、もの凄い形相でおとなしくしていて下さいと言われるのは解せぬのだけど。その昔、とある王族が田舎の農家を再現した離宮を作って農婦の生活を満喫したという話があるけれど、その気分は解らなくもない。
アニーと屋敷を抜け出して村に遊びに行ったり、物売りと会話をしたり細々としたものを買ったり、厨房で盗み食いをしたりと、今までしたことがないことが新鮮で毎日が面白くてたまらない。それなのに旦那様の乳兄弟である執事は、何故か毎日ため息をついている。そんなにため息をついていると幸せが逃げると教えてあげたら、悪いものでも食べた顔になったけれど、何かおかしいことを言っただろうか。
それにしても旦那様、何でそんなに毎日のように必死に帰宅して白い結婚は辞めようと仰るのでしょうか。
その理由は、王族が腐敗していないことを確認する為等言われているが、詳細は不明である。ただ解るのは、初代が神と契約し、数代に一度『試練』は訪れる度に王族の主流が変わっているということであった。『試練』が訪れている時は誰も解らず、王族が入れ替わると彼らが『試練』を受けたことが解る。そういうものだと皆理解しているから、王族が入れ替わっても誰も気にしない。定期的に『試練』が彼らに訪れるのは建国時に神と契約しているからと言われているが、呪いとしか思えない。
神に試されているとは言われているものの、巻き込まれた方はどう考えても悪魔の誘惑にしか思えない。特に、『伯母様』を奪われて泣き寝入りするしかなかったお爺様や伯父様やお母様にとっては、災難と言うしかないだろう。
今回は、『試練』が亡き王妃様で、かの男爵令嬢の姿をしていただけのこと。知らず知らずの間に『試練』になった彼女たちは、王様を堕落させ、王子様を堕落させた。
だから、国には相応しくなくなった彼ら彼女らは処分される。
「こんなこともあろうことかと、スペアは沢山いるんだよ」
と、お父様が苦笑したのは、全てが終わって私のところに来た時のこと。
スペアが沢山いることを知らないのは、『試練』を受ける王族のみで。『試練』が終わったことにより状況が解った脳筋なお兄様やお爺様や伯父様は、後始末に駆り出されて大変らしい。一段落ついたら、可哀想な伯母様のお葬式を身内だけでやるとのこと。可哀想な伯母様は、骨も何も残っていなかったので、お墓の中は今までと変わらず空っぽのままなのだけど。一歩間違えば、自分も同じ目に合ったかもしれなかったと思うと、当時お助けできなかったのは残念すぎる。
旦那様はいつの間にか子爵位を手に入れていて、今までもなかったも同然な王族の身分はなかったことにするらしい。今まで領地経営等の経験がなかった為、偶に脳筋なお兄様と従兄にダンジョンに拉致されながら、お父様とお母様にびしばししごかれているとのこと。お爺様と伯父様は王子様にうり二つなお顔に伯母様の目と髪の色を持っていることに心中複雑のようだが、その内和解するだろう。いつだって、結局お二人はお母様の掌の上で躍らされてしまうのだから。
王子様で元婚約者と言えば、私がのした後どこかへ連れて行かれてしまったが、今頃どうしているのだろうか。王様が溺愛している王妃様を殺してしまったのだから、王子様とはいえ無罪放免にはならないだろう。
とはいえ、私は彼らの行き末にさして興味があるわけではない。気になる所か、全くこれっぽっちも気にならない。
なぜなら、田舎暮らしを満喫しているからである。
毎朝、鶏と競争するように起床して、侍女姿で朝から動き回るのは性にあっていたらしい。仕事を手伝おうとすると、旦那様の乳兄弟を始めとして、もの凄い形相でおとなしくしていて下さいと言われるのは解せぬのだけど。その昔、とある王族が田舎の農家を再現した離宮を作って農婦の生活を満喫したという話があるけれど、その気分は解らなくもない。
アニーと屋敷を抜け出して村に遊びに行ったり、物売りと会話をしたり細々としたものを買ったり、厨房で盗み食いをしたりと、今までしたことがないことが新鮮で毎日が面白くてたまらない。それなのに旦那様の乳兄弟である執事は、何故か毎日ため息をついている。そんなにため息をついていると幸せが逃げると教えてあげたら、悪いものでも食べた顔になったけれど、何かおかしいことを言っただろうか。
それにしても旦那様、何でそんなに毎日のように必死に帰宅して白い結婚は辞めようと仰るのでしょうか。
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Helloworld様
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おゆう様
お言葉、ありがとうございます!!嬉しいです。無事、完結することができました。
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最後まで、お読みいただきありがとうございました!!!