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1章 裏の開門

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その声と共に、声の主の背後から数人の男達が姿を現した。


加治屋「そりゃ後から来たお前等が悪い。

それに、別に裏ダンジョンを解放しなくても闘技場にでも行けば戦いは出来るだろ?」


???「・・・残念だったな。俺を含めここにいる者達は、すでにその闘技場を経て高みに上った。

つまり、強くなりすぎて張りが無くなった者達の集まりだ。」


加治屋「・・・はた迷惑な話だな。勝手に戦いを求めて強くなったと錯覚し、新たな戦いを外に求める。

その結果争いを求めていない者にまで迷惑をかけようとする。」


???「今この世界は、新たな救世主・・・勇者を求めている。前の勇者がいなくなって約半年。

国民は何時来るかわからない脅威に怯え今も尚平穏は訪れずにいる。」


加治屋「・・・???お前等の中で国民はそんな風に見えてんのか?

いや、闘技場で戦い過ぎて頭でもやられたか?」


???「お前の様な何もせず昼寝を決め込んで現実から目を背けている者に何を言われようと関係ない。

我々はただ、この世界の完全なる平和、ただそれだけを目的に行動を開始するだけ。

そしてお前の後ろにあるそれは、その平和の第一歩となる扉。そこをどいて貰おう。

一般市民を傷つける趣味は無いのでな?」


加治屋「・・・・・・やれやれ・・・。」


加治屋はそう言ってゆっくりと立ち上がり男達を見据え。


加治屋「俺の居場所をもう二度と奪われるような事はさせねぇ。俺が出口に案内してやる。」


???「・・・致し方無い。多少強引ではあるが店主には退場願おう。」


それを合図として、数人の男達が加治屋に向かって歩きだした。


加治屋「なぁ?ここに無理矢理入って来てる時点で強引だとは思わないのか?

そうか、鍛えすぎて考え方もガチガチに凝り固まってんだな。可哀そうに。」




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