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8章 鍛冶屋と共和国
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しおりを挟む騎士団長「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。」
騎士団長はようやく崖を登り切り、切れ切れになりながら息を整えようとしていた。
騎士団長「・・・まさか、ここに・・・登るだけで、こんなに・・・体力を持って行かれるとは・・・。」
そのすぐ近くに身を潜めていいる加治屋はと言うと・・・。
加治屋「・・・・・・・・・。」
声をどうにか出さない様に、口をつぐんでいた。
騎士団長「・・・思っていた以上に・・・外の景色が一望できるな・・・。店の入り口までみ・・・える・・・?」
騎士団長は店の入り口の方へ目を向けた時、数人が倒れている様に見えた。だがはっきりと見えていた訳では無い。
騎士団長「・・・あの格好・・・。共和国軍の兵士の者じゃないか・・・?!一体誰が?
・・・まさか店主が逃げたのか!?だとすると一体どこに身を隠して・・・。」
加治屋(何だ何だ?外で何か起きてんのか?)
主(どうやらあいつが来たみたいだな?少々やり過ぎてるみたいだが。)
加治屋(これって・・・、もしかしてあいつ直ぐに降りそう?)
騎士団長「・・・何だあいつは?いつから裏庭に入って来た?」
騎士団長が裏庭の方へ目を向けると、金田が裏庭に入って来て丁度崖の方を見上げていた。
加治屋(・・・えぇ・・・。降りるまで待ってろよ・・・。)
主(無茶言ってやるな。だがこれで騎士団長も金田に注目してる。降りるかもしれん。)
騎士団長「・・・あいつ、まさか金田か?何故このタイミングで・・・?それに背負っている籠の中の野菜。
まるで救援物資を持って来たような・・・?」
加治屋(・・・ん?)
騎士団長「・・・それに、いつから見ていた?金田ほどの男なら崖から引きずり下ろす事など容易いはず。」
加治屋(おいおいおい?何故そう言う考えに行き着く?)
騎士団長「・・・いるな。ここの・・・どこかに!」
加治屋(・・・いないから帰ってくれ!!)
加治屋はとうとう本心が漏れ出して来ていた。
主(・・・やっぱり、金田は動き出すとロクな事が起きないな?)
騎士団長「だとすると・・・、範囲は随分と絞られた訳だが・・・。」
騎士団長は背後の木の実が生えている植物に目を移し。
騎士団長「・・・丁度人ひとりが身を隠せそうだな・・・。」
そう言いながら騎士団長は、その植物をかき分けてその奥へと入って行くと。
騎士団長「・・・何だ?壁じゃないか?」
その目の前には、岩の壁が現れ、そこには加治屋の姿は見当たらなかった。
加治屋(・・・何とか表面は乾いた様だな・・・?)
加治屋は土の魔法を使い、加治屋が入っていた洞窟の入り口を岩の色に似た土壁で塞ぎ、
カモフラージュをしていた。
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