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5章 鍛冶屋と勇者の武具
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しおりを挟むそして数分後・・・。
少年「ほらよ・・・、着てやったぞ!これで満足かよ?」
加治屋「よし・・・、じゃあ次はそれでここを往復してみろ。」
そう言いながら加治屋は庭の端から端までを指差して歩く様に指示していた。
少年「う・・・うげぇ・・・。何でそんな事する必要があるんだよ?
何か意味でもあんのかよ?」
加治屋「いちいち文句が多いな・・・。そんなんじゃ勇者なんて夢のまた夢だな。
まずは自分以外の人間の言う事が聞けなければ勇者なんて呼ばれねぇぞ。」
少年「・・・・・・・・・。」
少年は不満を顔に全面に表しながらも、渋々加治屋の指示通りに庭の端に向かって行った。
少年「・・・ここから走れば良いのか?」
加治屋「いや、無理に走らなくても良い。その装備でどこまで体力が続くのか見るだけだ。」
少年は加治屋のその指示通りに歩き出し、そして1分も立たない内に直ぐに異変が現れた。
少年「・・・な・・・何だ?急に動きが鈍くなって・・・?お・・・重い・・・。」
加治屋「おいおいどうした?まだ数メートルしか進んでないぞ?そんな事で勇者を名乗ろうとしてんのか?」
少年「・・・おい、この装備・・・さ・・・錆びてんじゃないのか?動きにくいん・・・だけど?」
加治屋「・・・いや、それの手入れは怠ってない。お前の未熟さ故に機能しないだけだ。」
加治屋はそう言って少年の言い分を軽く跳ねのけた。
少年「く・・・クソッ!こんな・・・装備で・・・俺が・・・苦戦なんて・・・。」
装備によって瞬く間に動きを制限され出した少年は、普通の会話さえも難しい程に疲弊し始めていた。
加治屋「・・・やはりな。その装備自体使いこなせていない以上、お前にはあの装備を使うにはまだ早い。
出直せ。今度はもっと体を鍛えてから来い。」
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