イレンシ～壱～

case1 公園の少年

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鹿神「田山さん・・・１人で何喋ってるんですか？」


田山は背後から聞こえてきた鹿神の声に驚き振り返った。


田山「し・・・鹿神さん！？い・・・一体どうしたんですか？依頼は完了したはずじゃ・・・？」


鹿神「いやぁ・・・、実は田山さんにお伝えしなければいけない事がありまして・・・。」


田山「・・・え？」


鹿神「あの翔太君の事件が載っていた記事あったでしょ？

あれ、あのお婆ちゃんから手渡された物なんですけど。」


田山「それが・・・どうしたんですか？」


鹿神「実はもう１枚、別の事件の切り抜きを貰ってたんですよ。」


田山「も・・・もう１枚？」


鹿神「まさかこの事件が翔太君と関係があるとは思ってもいませんでした・・・。」


田山「・・・あなたは一体何を言ってるんですか？」


鹿神「事件の内容を話しますね。」


事件はおよそ１０年前。

ある不動産会社の金庫から保管されていた１億円が盗まれた。


金庫の中身や番号は会社内でも限られた人物にしか知らされておらず、

犯人はすぐに特定されるものと思われた。


しかし、

社員全員に明確なアリバイがあり捜査は難航。事件に関して様々な情報提供があったが、

直接犯人逮捕につながる物は無かった。


鹿神「そして・・・、この事件は今なお解決されていません。」


田山「・・・その事件が今回の幽霊と何の関係が？」


鹿神「・・・結論から言わせて貰いますね。田山さん、あなたはこの事件の犯人、・・・いや、黒幕です！」