17 / 24
第二章
第七話
しおりを挟む
そんなこともありながら、マチルダは学校生活を過ごしていく。
とは言え、ダニエル・シェーファーとフランク・ベッカーは国王の姪と分かったマチルダに対して面と向かって文句を言ってきたりはしないものの、連絡をあえて伝えないとかみみっちい事でマチルダを
困らせようとする。パッと出てきたマチルダへの警戒がなかなか解けないようだった。
マチルダにとって、周囲が悪意に満ち溢れていたマグナス王国にいた頃と比べて、国王やルドルフやリラがいる事もあり過ごしやすく、ダニエルやフランクのすることがたいして気になっていないようだ。
訓練生の他の3人は……と言うと、ユリアン・マイスナーは仲が悪いと言う事はないものの、必要最小限の会話を交わす程度。エルマーは持ち前の人懐っこさなのか遠慮することなくグイグイ話をしてきた。ハンスはと言うと救護室にマチルダを迎えに来てくれた時から、うまが合うのかマチルダと一緒に居てマチルダには心強い存在となっていった。
マチルダは初日に倒れた訓練についてはなかなか体力はつかないからかついて行くことがなかなか難しいが、それ以外の訓練はなかなか素質があるようだった。
そんなある日の放課後、マチルダは体力アップのための日課としているトレーニング場のランニングをしていた。
少しでも他の訓練生についていきたいからトレーニング場の使用許可をもらい自主的に行っていた。
そんなマチルダが走っているのをたまたまそばを通ったダニエル・シェーファーとフランク・ベッカー、そして、イグニースとブラウが見かけて足を止める。
必死に走り込みをするマチルダにダニエルは何か思う所があったよう。言葉をかけることなく立ち去ろうとしていると二人と二匹のいる場所とは違うほうからハンスがやってきて、マチルダに寄り添うように走り始めた。
二人が何か話しながら楽しそうに笑っている様子にダニエルは何故か苦しそうな様子。
それを見たイグニースが話しかける。
『ダニエル様、どうしたのですか? 体調が悪いのですか?』
「いや、大丈夫だ。すまない」
そう言って、ダニエルはトレーニング場から身をひるがえし去って行こうとする。フランクとイグニースとブラウが慌ててついていった。
とは言え、ダニエル・シェーファーとフランク・ベッカーは国王の姪と分かったマチルダに対して面と向かって文句を言ってきたりはしないものの、連絡をあえて伝えないとかみみっちい事でマチルダを
困らせようとする。パッと出てきたマチルダへの警戒がなかなか解けないようだった。
マチルダにとって、周囲が悪意に満ち溢れていたマグナス王国にいた頃と比べて、国王やルドルフやリラがいる事もあり過ごしやすく、ダニエルやフランクのすることがたいして気になっていないようだ。
訓練生の他の3人は……と言うと、ユリアン・マイスナーは仲が悪いと言う事はないものの、必要最小限の会話を交わす程度。エルマーは持ち前の人懐っこさなのか遠慮することなくグイグイ話をしてきた。ハンスはと言うと救護室にマチルダを迎えに来てくれた時から、うまが合うのかマチルダと一緒に居てマチルダには心強い存在となっていった。
マチルダは初日に倒れた訓練についてはなかなか体力はつかないからかついて行くことがなかなか難しいが、それ以外の訓練はなかなか素質があるようだった。
そんなある日の放課後、マチルダは体力アップのための日課としているトレーニング場のランニングをしていた。
少しでも他の訓練生についていきたいからトレーニング場の使用許可をもらい自主的に行っていた。
そんなマチルダが走っているのをたまたまそばを通ったダニエル・シェーファーとフランク・ベッカー、そして、イグニースとブラウが見かけて足を止める。
必死に走り込みをするマチルダにダニエルは何か思う所があったよう。言葉をかけることなく立ち去ろうとしていると二人と二匹のいる場所とは違うほうからハンスがやってきて、マチルダに寄り添うように走り始めた。
二人が何か話しながら楽しそうに笑っている様子にダニエルは何故か苦しそうな様子。
それを見たイグニースが話しかける。
『ダニエル様、どうしたのですか? 体調が悪いのですか?』
「いや、大丈夫だ。すまない」
そう言って、ダニエルはトレーニング場から身をひるがえし去って行こうとする。フランクとイグニースとブラウが慌ててついていった。
11
お気に入りに追加
1,296
あなたにおすすめの小説
婚約破棄され森に捨てられました。探さないで下さい。
拓海のり
ファンタジー
属性魔法が使えず、役に立たない『自然魔法』だとバカにされていたステラは、婚約者の王太子から婚約破棄された。そして身に覚えのない罪で断罪され、修道院に行く途中で襲われる。他サイトにも投稿しています。
【完結】私の見る目がない?えーっと…神眼持ってるんですけど、彼の良さがわからないんですか?じゃあ、家を出ていきます。
西東友一
ファンタジー
えっ、彼との結婚がダメ?
なぜです、お父様?
彼はイケメンで、知性があって、性格もいい?のに。
「じゃあ、家を出ていきます」
家族と婚約者に冷遇された令嬢は……でした
桜月雪兎
ファンタジー
アバント伯爵家の次女エリアンティーヌは伯爵の亡き第一夫人マリリンの一人娘。
彼女は第二夫人や義姉から嫌われており、父親からも疎まれており、実母についていた侍女や従者に義弟のフォルクス以外には冷たくされ、冷遇されている。
そんな中で婚約者である第一王子のバラモースに婚約破棄をされ、後釜に義姉が入ることになり、冤罪をかけられそうになる。
そこでエリアンティーヌの素性や両国の盟約の事が表に出たがエリアンティーヌは自身を蔑ろにしてきたフォルクス以外のアバント伯爵家に何の感情もなく、実母の実家に向かうことを決意する。
すると、予想外な事態に発展していった。
*作者都合のご都合主義な所がありますが、暖かく見ていただければと思います。
絶対婚約いたしません。させられました。案の定、婚約破棄されました
toyjoy11
ファンタジー
婚約破棄ものではあるのだけど、どちらかと言うと反乱もの。
残酷シーンが多く含まれます。
誰も高位貴族が婚約者になりたがらない第一王子と婚約者になったミルフィーユ・レモナンド侯爵令嬢。
両親に
「絶対アレと婚約しません。もしも、させるんでしたら、私は、クーデターを起こしてやります。」
と宣言した彼女は有言実行をするのだった。
一応、転生者ではあるものの元10歳児。チートはありません。
4/5 21時完結予定。
婚約破棄を目撃したら国家運営が破綻しました
ダイスケ
ファンタジー
「もう遅い」テンプレが流行っているので書いてみました。
王子の婚約破棄と醜聞を目撃した魔術師ビギナは王国から追放されてしまいます。
しかし王国首脳陣も本人も自覚はなかったのですが、彼女は王国の国家運営を左右する存在であったのです。
私をこき使って「役立たず!」と理不尽に国を追放した王子に馬鹿にした《聖女》の力で復讐したいと思います。
水垣するめ
ファンタジー
アメリア・ガーデンは《聖女》としての激務をこなす日々を過ごしていた。
ある日突然国王が倒れ、クロード・ベルト皇太子が権力を握る事になる。
翌日王宮へ行くと皇太子からいきなり「お前はクビだ!」と宣告された。
アメリアは聖女の必要性を必死に訴えるが、皇太子は聞く耳を持たずに解雇して国から追放する。
追放されるアメリアを馬鹿にして笑う皇太子。
しかし皇太子は知らなかった。
聖女がどれほどこの国に貢献していたのか。どれだけの人を癒やしていたのか。どれほど魔物の力を弱体化させていたのかを……。
散々こき使っておいて「役立たず」として解雇されたアメリアは、聖女の力を使い国に対して復讐しようと決意する。
【完結】数十分後に婚約破棄&冤罪を食らうっぽいので、野次馬と手を組んでみた
月白ヤトヒコ
ファンタジー
「レシウス伯爵令嬢ディアンヌ! 今ここで、貴様との婚約を破棄するっ!?」
高らかに宣言する声が、辺りに響き渡った。
この婚約破棄は数十分前に知ったこと。
きっと、『衆人環視の前で婚約破棄する俺、かっこいい!』とでも思っているんでしょうね。キモっ!
「婚約破棄、了承致しました。つきましては、理由をお伺いしても?」
だからわたくしは、すぐそこで知り合った野次馬と手を組むことにした。
「ふっ、知れたこと! 貴様は、わたしの愛するこの可憐な」
「よっ、まさかの自分からの不貞の告白!」
「憎いねこの色男!」
ドヤ顔して、なんぞ花畑なことを言い掛けた言葉が、飛んで来た核心的な野次に遮られる。
「婚約者を蔑ろにして育てた不誠実な真実の愛!」
「女泣かせたぁこのことだね!」
「そして、婚約者がいる男に擦り寄るか弱い女!」
「か弱いだぁ? 図太ぇ神経した厚顔女の間違いじゃぁねぇのかい!」
さあ、存分に野次ってもらうから覚悟して頂きますわ。
設定はふわっと。
『腐ったお姉様。伏してお願い奉りやがるから、是非とも助けろくださいっ!?』と、ちょっと繋りあり。『腐ったお姉様~』を読んでなくても大丈夫です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる