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第二章

第七話

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 そんなこともありながら、マチルダは学校生活を過ごしていく。

 とは言え、ダニエル・シェーファーとフランク・ベッカーは国王の姪と分かったマチルダに対して面と向かって文句を言ってきたりはしないものの、連絡をあえて伝えないとかみみっちい事でマチルダを     
困らせようとする。パッと出てきたマチルダへの警戒がなかなか解けないようだった。

 マチルダにとって、周囲が悪意に満ち溢れていたマグナス王国にいた頃と比べて、国王やルドルフやリラがいる事もあり過ごしやすく、ダニエルやフランクのすることがたいして気になっていないようだ。

 訓練生の他の3人は……と言うと、ユリアン・マイスナーは仲が悪いと言う事はないものの、必要最小限の会話を交わす程度。エルマーは持ち前の人懐っこさなのか遠慮することなくグイグイ話をしてきた。ハンスはと言うと救護室にマチルダを迎えに来てくれた時から、うまが合うのかマチルダと一緒に居てマチルダには心強い存在となっていった。

 マチルダは初日に倒れた訓練についてはなかなか体力はつかないからかついて行くことがなかなか難しいが、それ以外の訓練はなかなか素質があるようだった。

 そんなある日の放課後、マチルダは体力アップのための日課としているトレーニング場のランニングをしていた。
 
 少しでも他の訓練生についていきたいからトレーニング場の使用許可をもらい自主的に行っていた。

 そんなマチルダが走っているのをたまたまそばを通ったダニエル・シェーファーとフランク・ベッカー、そして、イグニースとブラウが見かけて足を止める。

 必死に走り込みをするマチルダにダニエルは何か思う所があったよう。言葉をかけることなく立ち去ろうとしていると二人と二匹のいる場所とは違うほうからハンスがやってきて、マチルダに寄り添うように走り始めた。

 二人が何か話しながら楽しそうに笑っている様子にダニエルは何故か苦しそうな様子。

 それを見たイグニースが話しかける。

『ダニエル様、どうしたのですか? 体調が悪いのですか?』

「いや、大丈夫だ。すまない」

 そう言って、ダニエルはトレーニング場から身をひるがえし去って行こうとする。フランクとイグニースとブラウが慌ててついていった。
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