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第十三話
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そして、台所にマリーとリリアの二人だけになり、パンを作り始める。 リリアは材料を集めてもらおうとマリーに説明する。
「まず、小麦粉と砂糖と塩と水と作った元種とバターを用意したいの」
「じゃあ、手分けしましょうか」
リリアはうなずく。
「マリーは砂糖と塩と水をお願い。水はコップ一杯ぐらいでいいから」
「分かりました」
マリーが材料を取りに行く間にリリアは目分量で小麦粉を用意していく。
材料が揃ったところで、バター以外をすべてを混ぜて捏ね始める。小麦粉と砂糖と塩と水が固まったところにバターを加えて10分ぐらい捏ねてから、布巾をかぶせて暖かい所で休ませる。
生地を休ませて一次発酵が終われば、次は適当に切り分けて丸めて布巾をかけて置く。
少ししてから、もう一度丸め直して、生地が二倍になる様に一時間ぐらい発酵させてから、暖めた石窯で焼き上げるのだった。
リリアがパンを作っている間、マリーは夕食の支度をしながら、リリアの作業を興味深々に見ている。リリアの作業を見ているマリーに気付いたリリアはマリーに話しかけた。
「マリー、私も食べるからって、料理は一品ずつ出さなくてもいいわよ。大皿で盛れるものは盛ってくれていいから」
「でも、私たちと一緒の皿から取られると言うのは……」
心配ないと言わんばかりにリリアは笑う。
「大丈夫よ。そうやって食べると子供の頃に戻ったみたいで嬉しいわ」
マリーは無邪気に喜んでいるリリアを見て、子供を見ているような気持ちになってしまう。
「よろしいのですか。それでは、このあたりの家庭料理を食べますか?」
「良いの?嬉しい!!」
嬉しくて思わずウキウキしてしまうリリアをマリーは微笑ましく見るのだった。
パンが焼かれていると別荘の周辺にもパンのいいにおいが広がる。
その匂いに誘われてマイケルとニールがダイニングルームに入ってきたのだった。
マイケルは待ちきれないようで入るなり台所にいるリリアに話しかけ始めた。話しかけている間も台所に向かって歩いている。
「リリア様、パン焼けましたか?」
「もう少しなの。もうちょっと待ってて!!」
嬉しそうにマイケルに返事をするリリアだった。
「いい香り、楽しみだなぁ」
と言いながら、台所に着いて、鼻をクンクンするマイケルに三人は笑うのだった。
ニールがリリアを見て何か気付く。
「リリア様、頬に粉が着いていますよ」
そう言って、頬に着く粉をそっと優しく払う。リリアを優しく見るニールの目がリリアと合い、二人とも思わず顔を赤くしてしまい、思わず、顔を反らしてしまう。
「ニール、ありがとう。鏡を見ていないから気付かなかったわ」
ニールから目を反らせたままリリアはお礼を言うのだった。
「そりゃあ、リリア様、パン作りに夢中でしたもんねぇ」
二人の様子を見たマリーは面白そうにそう言うのだった。
「まず、小麦粉と砂糖と塩と水と作った元種とバターを用意したいの」
「じゃあ、手分けしましょうか」
リリアはうなずく。
「マリーは砂糖と塩と水をお願い。水はコップ一杯ぐらいでいいから」
「分かりました」
マリーが材料を取りに行く間にリリアは目分量で小麦粉を用意していく。
材料が揃ったところで、バター以外をすべてを混ぜて捏ね始める。小麦粉と砂糖と塩と水が固まったところにバターを加えて10分ぐらい捏ねてから、布巾をかぶせて暖かい所で休ませる。
生地を休ませて一次発酵が終われば、次は適当に切り分けて丸めて布巾をかけて置く。
少ししてから、もう一度丸め直して、生地が二倍になる様に一時間ぐらい発酵させてから、暖めた石窯で焼き上げるのだった。
リリアがパンを作っている間、マリーは夕食の支度をしながら、リリアの作業を興味深々に見ている。リリアの作業を見ているマリーに気付いたリリアはマリーに話しかけた。
「マリー、私も食べるからって、料理は一品ずつ出さなくてもいいわよ。大皿で盛れるものは盛ってくれていいから」
「でも、私たちと一緒の皿から取られると言うのは……」
心配ないと言わんばかりにリリアは笑う。
「大丈夫よ。そうやって食べると子供の頃に戻ったみたいで嬉しいわ」
マリーは無邪気に喜んでいるリリアを見て、子供を見ているような気持ちになってしまう。
「よろしいのですか。それでは、このあたりの家庭料理を食べますか?」
「良いの?嬉しい!!」
嬉しくて思わずウキウキしてしまうリリアをマリーは微笑ましく見るのだった。
パンが焼かれていると別荘の周辺にもパンのいいにおいが広がる。
その匂いに誘われてマイケルとニールがダイニングルームに入ってきたのだった。
マイケルは待ちきれないようで入るなり台所にいるリリアに話しかけ始めた。話しかけている間も台所に向かって歩いている。
「リリア様、パン焼けましたか?」
「もう少しなの。もうちょっと待ってて!!」
嬉しそうにマイケルに返事をするリリアだった。
「いい香り、楽しみだなぁ」
と言いながら、台所に着いて、鼻をクンクンするマイケルに三人は笑うのだった。
ニールがリリアを見て何か気付く。
「リリア様、頬に粉が着いていますよ」
そう言って、頬に着く粉をそっと優しく払う。リリアを優しく見るニールの目がリリアと合い、二人とも思わず顔を赤くしてしまい、思わず、顔を反らしてしまう。
「ニール、ありがとう。鏡を見ていないから気付かなかったわ」
ニールから目を反らせたままリリアはお礼を言うのだった。
「そりゃあ、リリア様、パン作りに夢中でしたもんねぇ」
二人の様子を見たマリーは面白そうにそう言うのだった。
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