ナニカがタリナイ

葉゚二🌙👤

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サルビアとリンドウ

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「いや、特に問題はな……」

「違うよね。何かあったんだよね。」

サルビアは勘が鋭い時がある。
サルビアは思い切りリンドウを引っ張り、ドアを閉めた。
肩に手をやり

「教えてよ。俺すんごい知りたいんだけどさ」

ムカつく。
リンドウは昔からサルビアが苦手だ。
小さい頃からずっと

「リンドウってば聞いてる?……」

離れて欲しい。

「ねぇ、とーおーるーくん!」

「おい、名前を言うなと言っているだろ。」

「亨(トオル)~良いじゃん。俺らは名前言っても害はないんだし!」

「これ以上言うとお前の本名バラすぞ……実(ミチル)」

サルビアはニコニコとしている。
なんとも思わない顔だ。
本名バレたって教官は大丈夫。

「ねぇねぇ、亨さ。……0の名前知ってる?」

「知らない。何故聞いてくる」

リンドウは最初嫌ってたはずの0に執着するサルビアが余計に嫌いだ。
……

「あー、印つけたいなぁって」

「そうか」

……絶対にさせない。
お前の思い通りにさせない。
絶対に絶対に絶対に

「亨どうしたんだよ。顔が怖いよ?」

「そんなことない。いつもだろ」

帽子を深く被る。
もう見たくない
0ならきっとやってくれる。

「それと2も気になるんだよね」

「意外だな」

「性格悪だから調教したいんだよね」

2が性格が悪い?
そんなことは無い。
あの子は優しそうなイメージがある。
でもサルビアが言うなら完全にそうなんだろう

だが、
サルビア。
俺はあいつらに加担する。
ここは脱獄しても追って来ない。
それまでが難関。
あくまで俺たちは教官だから。
だから自由にしている。

「実、俺はこれから忙しいからあっち行け」

「酷くない!?俺君の幼馴染だよ!?小学校から一緒じゃん?」

そうだとしても。
いくら同い年だとしても
今は無理だ。

「この教育が終わったら奢ってやるから」

「ちぇ、ほんっと亨って変わったよね。」

友達は少なかったが、サルビアとは本当に仲良しだった。
けど、
今はライバル。
お前の後を追ったとしても俺はお前の指示には従わない。
同じ年齢で、
優しかったあいつの背中
今まで追っていた。
あいつが居たから、俺がいた
けど、……
もう大人だ。俺も変わった
あいつが変わらないだけ


サルビアは部屋を後にした。
リンドウはその場に座り込んだ。
ストレスが出る。
無理だ。

「あいつ、本当に何考えてるか全然わからんな……」

昔からそうだ。
何考えてるか分からない。
だから疲れが出る。
本当に疲れが出るのに、チューベローズやシャクヤクは普通にしていられるなと思う。

『え?僕はサルビアの事苦手かも』

シャクヤクは確かにそう言っていたのを覚えている。
俺も最初から苦手だったのかもしれない

『よく、リンドウちゃんって我慢して一緒に居られるよね。僕凄いなって思うよ。』

我慢

『たまにはさ、パーッ!ってさリラックスしようよ。僕いっつもそうだし。』

リラックス
俺が楽して本心を話した奴は3人いる
0と梢……そして
あの指輪の人。
サルビアが苦手その言葉は表には出さないが、
よく言う

『実はサルビアのこと苦手だよね。リンドウって』

梢に言われた時、思わず頷いたのを覚えている。
梢は苦手とかは顔には出さなかったが、
はっきりと

『リンドウの気持ちわかるかも』

なんて言っていた。
相手がサルビアじゃなかったとしても。
俺はサルビア(お前)のことが
昔から
羨ましかった。憎かった。
苦手だ。大嫌いだった。

「なんで、なんで、いつもお前が邪魔をするんだ」

俺の中で!

「潰してやる」

お前の計画全て
その為には俺がサルビアに話すしかない。
シャクヤクなら協力してくれるかもしれない
俺は部屋を後にした。




「5くんって教官嫌い?」

「……知らないっす。けど、リンドウさん悪い人じゃなさそうっす」

「……リンドウちゃん優しいからね。ちなみに、サルビアには本当に気をつけてね」

「……」

5は1度サルビアと重ねてしまった仲
首を横に振る。
もう
絶対にさせない。
サルビアはきっと自分の思い通りになるよう動いている。
これが頭の良いやつの動き。

「……リンドウちゃんがもし僕に協力掛けてきたら、協力する。僕、サルビア泣かしてみたいし」

シャクヤクはかなり本気のようだった。
その時、

「5。」 

「0にき!」

0だった。
5は走って0に抱きついた。
シャクヤクはニコニコしている

「梢に本当にそっくりだね。0くん。」

「……よく言われてた。」

「それよりどうしたんすか?0にき」

5は顔を上げ、首を傾げた。
0は5の肩を触り、

「リンドウが呼んでる。」

「待って、僕も行きたい。」

シャクヤクはリンドウが呼んでると聞くと反応をすぐした。

「多分良いと思うが……5行くか?」

「うっす!」

5は大きく頷いた。
それより0の手首は巻かれており、心配もあるが、
0は大丈夫そうだった。
だが、0には不安があった。

『影、なんで俺のこと無視するの?』

『一緒に死ぬって言ったよね?』

梢の声、幻聴。

『なんで死ななかったの?』

『影、影』

今まで無かったのにリンドウの言葉によって唐突の幻聴。
リンドウは悪くない。
薬のせいだ。
これも全部全部
俺が産まれてきたから

「大丈夫っすか?0」

「……!……あ、あぁ、大丈夫」

頭痛がする。死にたくない。
薬をずっと摂取してないせいか、おかしくなる自分
自分ってどんなだったっけ
自分ってどんな人だったっけ
自分って
自分って

「やっぱり俺って生きててよかったのかな」

と。

「生きてて欲しいっす。」

5が返事を返した。
0は思わず自分が口にしたことに気づき、口を押えた。

「ごめんな……つい」

「良いっす。0にきって……薬物乱用なんすよね」

5は腕のことを見て気付いた。
こんなボロボロになるのは

「……よくわかったな」

「腕見たんで分かるっす。0にき、薬物やめようっす。もうボロボロなるっすよ」

「……もうなってる。」

だからもう死ぬ寸前の病人と思っても良い。
5の優しさはわかる。
が、

「やめたい気持ちはあったが、抜け出せなかった。」

兄になる為無理矢理始めた薬物は
害そのものだった。
分かっていても辞められない
これが恐ろしさそのもの

「……0にき」

5は薬物には手を染めてないため分からないが、0の話で薬物は危険なものと認識できる。
抜け出さない危険なもの。

「皆」

0はほかのメンバーが集まっていた為話しかけた。

5は0に言えない。
なんとなくだが
気持ちわかるなんて。
やってないのにやってる人の気持ちはわからない。
同情も何も

「0さん」

4と2と3が居た。
2はだらしない座りしており、0に気付くと座りを女らしくした

「2、気楽で良いよ」

「0……さん」

座り込むと、軽く微笑んだ

「リンドウが呼んでる。」

「リンドウさんが……!?」

怖い顔した人と認識してる2人

「わかりました」

4は即答した。
2と3は目を逸らした上、4が即答に合わせて頷いた
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