チートを極めた空間魔術師 ~空間魔法でチートライフ~

てばくん

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どうやらこのスライムは魔法を使うようです。

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 特に目的も無いまま、ふらつく足取りでただ歩みを続ける。
 
 あの後両親が乗った馬車がどうなったかは分からない。こんな状態で魔物に遭遇でもすれば命の危機だ。
 俺のステータスは確かに魔力は高いが、その他はまだ一般人の子供と同じ程度だ。
 基礎攻撃魔法は魔物を倒すには威力が足りなすぎる。精々足止め程度だ。
 テレポートも出来るがそれで倒す事は出来ない。

 かと言ってこのまま森にいるのも危険だろう。
 幸いにも、ここは少し前に父が薬草を集めに来るのについてきたことがあり、道に出る方法は分かる。
 
 とにかく道に出よう。そう思い再び歩みを進めようとする。

--ガサガサッ......

 俺のすぐ傍にあった草むらで物音がする。

「キュピっ」

 そこから出てきた魔物--

 それは、1体の真っ赤なスライムだった。
 
「キュイ?」

 スライム......かわいい。
 敵対心の無いように見えるスライムに触れてみる。


 っがぁぁ!?手がっっぁぁぁあ!!!


 という事も無く、そのスライムは特に抵抗も無くされるがままに触られている。
 この世界に来て初めての癒しだ。
 そのまま俺は時間を忘れてスライムと触れ合う。

--グルルル......

 突然背後から聞こえる獣の唸り声。それに俺は背筋を凍らす。
 振り返った先にいたのは、三体の狼だった。

 目が合った時、真ん中にいるリーダー格の狼が吠える。
 それと同時に、スライムが俺の前に飛び出る。狼が1歩下がる。
 そして、スライムの体から微量の光が溢れ出す。それを見たリーダー格の狼が、スライムを目掛けて大きく飛躍する。だが、狼の攻撃がスライムへと届くより前にスライムから放たれた1つの炎の球によって、狼が吹き飛ばされる。
 
 立ち上がった狼に向かったスライムの体から再び、光が溢れ出す。
 それを見た狼たちは、ガウッと鳴いてからもと来た道へと走ってゆく。その頃には、体からの光は無くなっており、俺の足元に擦り寄っていた。

 このスライムはどうやら魔法を使うようだ。
 普通のスライムであれば魔法など使うはずもない。それに普通のスライムは青色だった気がする。
 こいつは恐らくスライムがなんらかの原因で変異したのだろう。
 俺は思った。

 こいつと戦ってたら1発K.O.で今頃はあの世にいるか、あの神様に本を返せと怒鳴られてた。
 だがこいつも、ぷるぷる。ぼくわるいスライムじゃないよう。と言わんばかりに懐いてくれてるので突然腕を持っていかれるなんてことは無いだろう。

 そろそろ道の方に向かうとするか。
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