上 下
384 / 418
第26章 楽しいばかりが人生ではないそうですよ⁉︎

380話 競売

しおりを挟む
「やぁ、待たせたね」

 翌朝、宿屋で休んでいたベルフェルとダフネの前に、テレポートでアシヤが帰って来た。

「それで、残り2組の素性と狙いは大体の検討はつきました?」

「はい。1人は帝国の魔術士の貴族で、家系の国内での地位を上げる為に、実子等に珍しい魔導書を集めて習得させるのが目的の様です。もう1人は、強欲の悪魔マンモンでした。コレは、両教団から狙われている為に、保身の為に手に入れようとしているみたいです」

「マンモン⁉︎そうか、やはり残っていたか」

 何故か不敵な笑みを浮かべるアシヤに、2人はどっちが悪魔なのか分からなくなりそうだった。

「もし、競売で負けた場合はどうされるおつもりですか?」

「そりゃあ、勝った組と直接交渉するしかないよね?」

「そう…ですな」

 貴族はともかく、マンモンとは一戦を考慮しておくべきだなと、ベルフェルとダフネは顔を見合わせて頷いた。

「まぁ、競売は明日。今日1日は、あの店舗と貴族が狙われない様に擁護するとしましょうか。何事も、平和的に解決する事が1番ですからね?」

 アシヤが闇市通りに向かい、ベルフェル達が貴族のギュンターが泊まっている宿を隠れて擁護することとなった。
 そもそも、競争相手である貴族を護る必要は無い気がするが、マンモンが接触をする可能性がある。
 「見掛けたら追跡して下さい」と、アシヤはどうやらマンモンを狙っている気がする。

「騒ぎが多すぎて、静かになる事なんてあるんでしょうか?」

「略奪や喧嘩が日常茶飯事な場所ではあるからな。快楽睡眠時は静かだったろうさ」

 2人はそう言いつつ、無理矢理に気絶させたドワーフ達から戦利品を剥ぎ縛りあげる。
 ドワーフから見た人間ノーマルの老人と淑女は、さぞかし良い鴨に見えているのだろう。
 分かりやすく落ちぶれ者達で山を積み上げても、2人は幾度も狙われた。
 最終的には気配を消して、宿屋内で擁護することにしたのだった。

 その一方で、アシヤは闇市巡りを満喫していた。

「コレも良いな」

 ドワーフという種族は、やはりその道を極める事に卓越している様だ。
 種族で有名な鍛治に限らず、薬、服、石工品、美術品、魔道具等、あらゆる分野の品が、大業物に匹敵する物ばかりである。
 ただ、ここは闇市。曰く付きの品ばかりではある様だ。

 飛竜用の爪切りに、永久に冷めないカイロ石、虫の知らせ魔笛、カラクリ金庫等…。
 交換品が鉱石だから安い訳ではないけれど、とりあえずお土産的な物を買ってしまった。

(用心棒も、武を極めんとした武闘家が多いな。落ちぶれ者と違い、かなりの強者揃いだ)

 彼等がいるおかげで、無秩序な街にも関わらず、闇市通りは外よりも安全が保たれている。
 用心棒は、よく見ると皆が共通の腕章をしている。
 どうやら闇市通りを管理している組織(マフィア)的なものがある様だな。

「まぁ、流石にマンモンも闇市通りここで強行手段に出る気は無かったって事か」

 何か仕掛けて来ると踏んでいたのだが、杞憂だったようだ。
 極力目立たない様にしているなんて、正直、厄災の悪魔も人間染みてると思うよね?
 まともに悪魔だと感じたのは、アーリマンやアスモデウスくらいかな?

 まぁ、マンモンが無理矢理にでも禁呪を奪う気が無いのならそれは良い。
 奴が大人しいうちは、俺も暴れる訳にはいかないからね。
 結局、奴を討伐するのは、取り引きが終わった後になるかな。

「まぁ、大人しくしてようが、逃がさないけどな」

 仮想未来だったとはいえ、アヤコにした行為をアシヤは許してなどいない。
 見つけ出した際には、必ず討伐する気ではいたのだ。

 その後も闇市では怪しい動きはないまま、競売を開始する時間となった。

 帝国貴族のギュンターもマンモンも、馬車に乗って現れた。
 店舗の前に3組が揃い、初めての顔合わせにもなった。
 ギュンターは、アシヤとマンモンの身なりを見て鼻で笑い、勝利を確信している。
 マンモンは、アシヤは気にせずにベルフェルに対して軽くニヤつく。
 3組が揃った事を確認した用心棒は店主を呼んだ。

「ああ、揃ったな。では、競売会場へと移動する」

 店主は店から出て来ると、3組を一瞥した後店に向かい魔道具を取り出して魔力を放出した。

「おお、これは…!」

 闇の微精霊達が大勢集まり、を作り上げていく。

「まさか、あの魔力量でゲートを使えるとは…」

 足りない魔力は魔道具で補い、術式の補正は多くの闇精霊達が助けているからできる。
 ダフネは精霊視認を持たないから、そこは分からないだろう。
 だが、大罪教でも使用できる者が少ないとされる闇属性上級魔法を見せられたら、マンモンが驚くのも無理はない。
 この店主は、並大抵の魔術士ではない。
 
「さぁ、入られよ」

 店舗まで飲み込んだゲートは、馬車が通れる大きさは充分にある。
 帝国貴族たるもの我先にと、ギュンターが1番乗りで馬車をゲートに突入させた。
 後に続いてマンモンも馬車で入り、アシヤ達も入る。
 ゲートが繋がっていた先は、コロシアムの様な観客席有りの競売会場だった。

「ここは闇市が管理する競売会場です。ここではあらゆる不正、暴力は我々が阻止します」

 そう説明するのは店舗に居た用心棒の1人ではなく、スーツを着た痩せドワーフだった。
 彼の隣には闇の中位精霊がいる。おそらくは契約者パートナーだろう。

 店主が禁呪魔導書を持ち、中央にある台座の上へと置く。

「では、儂が保有する魔導書の競売を開始したいと思う。儂がコールした品の価値が最上となる。更に上げる事が可能な者はコールし、誰も上回る事が出来なければ、そこで決着となる」

 店主は競争者である3人を順番に見据え、木槌を鳴らした。

「先ずは、先日に提言した交換品を提示せよ」

 ギュンターは、護衛に合図をして馬車から二つの木箱を下ろして蓋を開ける。
 一つ目の箱の中には金剛石が入っていて、二つ目の小さな箱には30センチ程の木の枝が入っていた。

「ギュンター殿の品、確かに確認した。次」

 マンモンも馬車の中へと入ると、荷台の高さと変わらない程の大きな木箱を、浮かせて出してきた。
 地面に下ろすなり、木箱の壁は倒れて中身が明らかになった。

「何だあれは⁉︎」

 その形にギュンターが驚き、近くで見たいと近付くが用心棒に止められる。

(まさか、小型バックホー(パワーショベル)の魔導機械があるとはね。ショベル部の爪が特殊な魔道具の様だ。アラガキが作らせたのかな?でも、並大抵の掘削ならドワーフには必要ない筈だ)

「マモンス殿の品、確認した。次」

 アシヤの番が回ってきて、亜空間収納からヒヒイロカネの入った木箱を取り出すと、ギュンターとマンモンの表情が変わった。

「「亜空間収納持ちか!」」

 そりゃあ、馬車無しで来てれば他には考えられないよね?と思っていたら、亜空間収納持ち自体が希少だという事を忘れていたな。

「アシヤ殿の品、確認した。では…魔導掘削機からのスタートとする」

 いきなりヒヒイロカネが価値負けした。まぁ、あんな機械を見せられたら、構造を知りたいという意味では欲しくなるのかもしれない。

「クソッ、レピドデンドロンの枝を出したというのにっ!ええぃ、追加だ!私はカスカーナ商会の最高級調合壺を追加する!」

 ギュンターは、金色に輝く見た目怪しい模様が入っている壺を追加した。

「確認した。調合壺としての価値は低いが、純金率の高さと量で評価できる。現在、ギュンター殿の品が最上だ。他にコールは無いかね?」

「ならば、私はコレ等を追加する」

 マンモンは、荷台から更に木箱を取り出して置いた。
 既に血の匂いが漂っているが、蓋を開けるとその理由が明らかになる。
 中には、指輪を嵌めたままの手首等が一杯に詰まっていた。

「うわっ⁉︎何だそれは⁉︎」

 ギュンターは、その凄惨な光景に思わず尻餅をついた。

「昨日、この街のあちこちで急ぎ集めたんだよ。ああ、ちゃんとをしているから、無理矢理に奪った品じゃないよ?」

 マンモンは潔白だよと笑顔を見せるが、手首ごと切り取るなど、初めから不当な交渉だったに違いない。

「…確認した。これ等の装飾品は確かに価値ある物が多い。よって、マモンス殿が現在の最上となった。…他にコールは無いかね?」

 店主は木箱を漁り、中から装飾品だけを取り出していく。

「つ、ついていけない…‼︎」

 ギュンターは、その動じない店主にすっかり尻込みしてしまい、競争から降りると決めた。

「じゃあ、俺も追加する」

 アシヤは亜空間収納から肥大させた竜鱗を3枚取り出した。

「眷属竜の竜鱗だ」

「お、おお…!素材としては今までで1番高価な物ですな!しかも眷属竜の竜鱗とは…‼︎」

 鑑定持ちなら、間違いなく反応すると思っていた。

「くっ、俺も追加するぞ!」

 明らかに負けると感じ取ったマンモンは、更に木箱を引っ張り出しに戻る。

「あ、その竜鱗以外に、地上で流行っている小説と異世界の趣向本を足しとくよ。店主は魔術に興味があるんじゃなくて、読書が好きなんだよね?」

 アシヤの追撃を許さない追加品に、マンモンは持ち出した木箱を落として項垂れた。

「おお、気付きましたか!いかにも。儂は本が好きでの。魔術士として成長したのは読み漁る本がたまたま、魔導書が多かったに過ぎない。儂は、初めて知る類いの話が大好物なのです!」

 良かった。店主はカオリと似たタイプな気がして、彼女から幾つか本を貰って来ていたのだ。

「本の対等な価値は、本であると儂は思っている。競売品となったこの魔導書の内容は、儂の知識欲を満たしはしたが、持ち腐れでしかない。故に、この魔導書と同等の価値は、未知なる本が最も正しい。アシヤ殿の提示した交換品は、現在、迷う事無く最上だ。…他の方々はコールが出せるかね?」

 ギュンターも魔導書は持ってはいるが、とても店主を納得させる様な物はない。
 マンモンも、まさか魔導書の交換に本が必要などと思いもしなかったので、奪ってもいなかった。

「決まりですな!この魔導書と交換する権利は、アシヤ殿で決まりました!」

 競売結果はアシヤ達の完勝だった。
 アシヤは店主から禁呪魔導書を受け取り、ベルフェルとダフネに中身を確認させる。

「間違いありません」

「そっか、良かった」

 アシヤは、半年間掛けて探した禁呪魔導書を、ようやく手に入れる事ができたのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~

夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。 しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。 とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。 エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。 スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。 *小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み

解析の勇者、文字変換の能力でステータスを改竄して生き抜きます

カタナヅキ
ファンタジー
高校一年生となったばかりの「霧崎レア」は学校の授業中、自分の前の席に座るクラスメイトの男子が机から1冊の書物を取り出す。表紙は真っ黒でタイトルさえも刻まれていない書物をクラスメイトの男子が開いた瞬間、表紙に魔法陣が浮き上がり、教室は閃光に包まれた。 次にレアは目を覚ますと、自分の他に3人のクラスメイトが床に魔法陣が刻まれた煉瓦製の建物の中に存在する事を知り、さらにローブを纏った老人の集団に囲まれている事を知る。彼等が言うにはここは異世界の「ヒトノ帝国」という国家らしく、レアを含めた4人の高校生たちは世界を救う勇者として召喚されたという。 勇者として召喚された4人は「ステータス」という魔法を扱えるようになり、この魔法は自分の現在の能力を数値化した「能力値」最も肉体に適している「職業」最後に強さを表す「レベル」を表示する画面を視界に生み出せるようになった。だが、レア以外の人間達は希少な職業に高い能力値を誇っていたが、彼の場合は一般人と大して変わらない能力値である事が判明する。他の人間は「剣の加護」「魔法の加護」といった特別な恩恵を受けているのに対し、レアだけは「文字の加護」と呼ばれる書き記された文字を変換するという謎の能力だった。 勇者として召喚された他のクラスメイトが活躍する中、レアだけは帝国の人間から無能と判断されて冷遇される。しかし、様々な実験を経てレアは自分の能力の隠された本当の力に気付く。文字変換の能力はステータスにも有効であり、彼は自分の能力を改竄して馬鹿にされていた人間達から逆に見上げられる立場となる―― ※文字変換シリーズの最初の作品のリメイクです。世界観はこれまでのシリーズとは異なります。

突然だけど、空間魔法を頼りに生き延びます

ももがぶ
ファンタジー
俺、空田広志(そらたひろし)23歳。 何故だか気が付けば、見も知らぬ世界に立っていた。 何故、そんなことが分かるかと言えば、自分の目の前には木の棒……棍棒だろうか、それを握りしめた緑色の醜悪な小人っぽい何か三体に囲まれていたからだ。 それに俺は少し前までコンビニに立ち寄っていたのだから、こんな何もない平原であるハズがない。 そして振り返ってもさっきまでいたはずのコンビニも見えないし、建物どころかアスファルトの道路も街灯も何も見えない。 見えるのは俺を取り囲む醜悪な小人三体と、遠くに森の様な木々が見えるだけだ。 「えっと、とりあえずどうにかしないと多分……死んじゃうよね。でも、どうすれば?」 にじり寄ってくる三体の何かを警戒しながら、どうにかこの場を切り抜けたいと考えるが、手元には武器になりそうな物はなく、持っているコンビニの袋の中は発泡酒三本とツナマヨと梅干しのおにぎり、後はポテサラだけだ。 「こりゃ、詰みだな」と思っていると「待てよ、ここが異世界なら……」とある期待が沸き上がる。 「何もしないよりは……」と考え「ステータス!」と呟けば、目の前に半透明のボードが現れ、そこには自分の名前と性別、年齢、HPなどが表記され、最後には『空間魔法Lv1』『次元の隙間からこぼれ落ちた者』と記載されていた。

クラス転移で神様に?

空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。 異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。 そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。 異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。 龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。 現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

スマートシステムで異世界革命

小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 /// ★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★ 新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。 それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。 異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。 スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします! 序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです 第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練 第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い 第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚 第4章(全17話)ダンジョン探索 第5章(執筆中)公的ギルド? ※第3章以降は少し内容が過激になってきます。 上記はあくまで予定です。 カクヨムでも投稿しています。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

処理中です...