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第22章 世界崩壊はわりと身近にあるらしいですよ⁉︎
317話 大精霊との共有
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今日の集まりと、先程の祝福の事象の説明を受けた光の大精霊は、笑顔でアラヤと握手を交わす。
『おめでとう!そうか、エアリエルもとうとう気持ちを伝…痛っ⁉︎』
『余計な事は言わんでいい!』
エアリエルに腕をつねられたミフルは、慌ててアラヤから離れる。
『それよりも、契約者の側に居なくて良いのか?今は帝国がソードム侵攻を開始したばかりだろう?勇者を管理する美徳教も忙しいのではないのか?』
『あー、それなら大丈夫。今、世界的に今日は休戦日というか、お祭り状態になってるから。あの神威があった日に、双月神を崇める彼等が争いなんかしていられないだろう?』
まぁ、前世界では日蝕みたいな現象は、昔では不吉な予兆や天変地異の前触れとして考えられていた。神の力みたく受け取っていた考え方は似ているが、この世界では神の神威や祝福として考えられているのか。
『それにしても、この4人はどうするんだい?独身扱いかい?』
分身体で嫁達から溢れた4人は、いわゆる行き遅れ的な感じに落ち込んでいる。
独身といえば確かに自由そうに聞こえるが、嫁達が遊びを許す筈もないだろう。
『そうだな。しばらくは独り身と言える。まぁ、無理に急ぎ相手を探す必要もあるまい』
エアリエルはそう流したが、ミフルは興味津々の様だ。
『この情報が広まったら、各国の王族、皇族や貴族の娘やらのお見合いが増えるだろうねー?あ、人間以外でも面白いかもよ?』
『面白がるな!全く、情報公開するわけなかろう。もちろん、御主にも箝口令を敷くぞ?従うよな?』
ん~と口を尖らせるミフル。この態度はどうやら、呼ばれなかったことへの仕返しだな。
「まぁまぁ、エアリエル様もミフル様もそのくらいで。今、コルプスがウェディングケーキを仕上げたらしいので、一緒に食べましょうよ?」
先程倒れて連れ出されたディニエルが、カートに乗せられた3段のケーキを恐る恐る運んできた。
その運びに危険を感じたアルディスが運搬を代わり、その代わりに気を失っているハウンを連れ出させた。
去り際にミフルが増えていることに気付いて、再び部屋の向こうでディニエルは気を失ったようだが。
「エアリエル様、このケーキを俺と2人でケーキを分割して、来客に食べて頂くってのが、前世界での初めての共同作業でよく行うんですよ?」
ケーキナイフを手に取り、エアリエルが手を添えるのを待つ。もう既に初の共同作業は済ませたが、前の世界の文化も知ってもらいたいよね。
『アラヤ、我に様は付けずともよい。夫婦とは対等な立場なのだからな』
笑顔でそう言って手を添えるエアリエルは、正に女神に見えた。様を取るなんて滅相もないと言いたいです。
アラヤ達がケーキカットで切り分けたケーキを配り始めると、ミフルも席に着いて食べる真似事に参加する。
「いただきます」
『ん?これは…⁉︎これが甘いという感覚か⁉︎』
アラヤが大精霊達と感覚共有を試したのだ。以前は、エアリエルとは全く出来なかったのだが、アラヤが半神人となった事で可能になったようだ。
『なんだ、この幸福感は⁉︎』
『食べる度に味の広がるのを感じる。何と不思議な感覚だな』
『ヤバイ、私この味好きかも⁉︎』
『中位精霊や微精霊達が、魔素や魔力玉を幸せそうに食べるのが不思議だったが、なるほど、これは生きる為に必要であり、生きていると感じる素晴らしい行為だったのだな…』
創造神に作られた大精霊達は、体にそのまま魔素を吸収できる。故に食事の楽しみも幸せも感じた事が無かったし、必要性も感じていなかった。
だが、その意味を知った大精霊達は一様に感激の涙を流していた。
無理もない。普通の食事だけならまだしも、アラヤの暴食王としての快感も上乗せされているのだから。
「これからは、俺が食べた食事は、エアリエルさ……も一緒に体感できるって事ですよ?いろんな味を体験しましょうね?」
『うむ、楽しみだ!』
しかしこれには、他の大精霊が歯軋りする。味を知ってしまった故の嫉妬を感じたのだ。
『あ、アゲノルもこの技能は持っているのよね?』
「はい、もちろんです」
『やった!じゃあ、私にもこれからはお願いね?』
アラヤの分身体であるアゲノルを確保している水の大精霊はガッツポーズをする。
『む~っ、ヨハネスは持っていない技能だなぁ。いや、持っていたとしても、大精霊とは無理か?』
『結論で言えば、可能なのはアラヤとその分身体のみか…』
ミフル、土の大精霊、火の大精霊の視線が4人の分身体アラヤに向けられる。
『くっ、ここにきて真似をしないと誓った事が悔やまれるな…。婚姻とは違う形で契約者という選択肢もあるが、流石に契約者が3属性となると世界崩壊の危機になりかねんからな』
『むぅ、食欲というのがこれ程までに中毒性の高いものだとは思わなんだ。エアリエルよ、貸し与える事は認められぬか?』
分身体アラヤの貸し出しに期待するムルキベルに、エアリエルは首を横に振った。
『無理に側に置かずとも、ここかアーパスの下に偶に遊びに来れば良い』
『呼ばれずとも来て良いのか?』
『ブーちゃんならいつでもOKだよ!ムルキベルは海に入ったらダメだから来ちゃダメよ?』
『ぐぬっ、創造神による派閥の弊害を感じるぞ⁉︎』
『ちょっ、それを言ったら私は1人になるじゃないか⁉︎』
大地創造神のブラフーマに創られたゲーブとアーパス。
大気創造神シューに創られたエアリエルとムルキベル。
そして、生命創造神テヘヌートに創られたミフルと闇の大精霊。
確かに、この場でペアにならないのはミフルのみである。
「ムルキベル様もミフル様も、偶になら遊びに来て下さって構いませんよ?」
『誠か⁉︎』
『やったね!』
素直に喜ぶ2人に、エアリエルも偶によ?と念を押しながらも了承した。
エアリエルが少し丸くなったように思える。大人の余裕って感じかな?
「その代わり、何か食材をお持ちいただけるとありがたいです」
『無論、手ぶらでは来ないさ』
『儂はドラゴン肉を持参しよう』
「やった!それは嬉しいです。今日はまだまだ料理はあります。せっかくなので、いろんな味を楽しみましょう!」
『それなら儂は、初めに飲んだ喉で弾ける葡萄酒が良いな』
「あ、それはムルキベル様限定ですので、俺が飲むと普通に爆ぜて死にますから。飲むのは普通の葡萄酒になります」
『むぅ、それは残念だ』
喉の刺激が気に入ったのなら、炭酸入りのエールかビールを手配するのも悪くないな。
カオリに頼み、生産品目に加えてもらうとしよう。
その日、空中公国月の庭では一日中歓声や笑い声が絶えなかった。まぁ、1部、エアリエル様を取られたと泣き叫び転げ回る土精霊達がいたけど。
翌朝、寝ぼけてマントが脱げたムルキベルの影響で三度目の軽いボヤ騒ぎになった。
アラヤが慌ててムルキベルを住処へとテレポートで送り届けて戻ると、アーパスと共に出発するアゲノルとハウンが、出発の準備を終えて待っていた。
「リーダー、羅針盤式通信機は念話範囲外でもここに繋がる。偶に連絡はしてくれよ?」
「ええ、貴方達もアラヤ様の偉業を見逃してはいけませんよ?よく観察して、私にも教えてくださいね?」
「もちろんさ」
ハウンは、アスピダ達と別れの挨拶を交わしている。せっかく帰って来たのに、またお別れなのは寂しいよね。
「えーっと、アゲノル?ハウンをよろしくね?」
「分かってるよ。それに、俺達はいつでも感覚共有で繋がれるんだ。俺達が寂しさを感じるのは今だけさ」
「それもそうか」
自分自身と会話するのって、今までは変な感覚だったけど、名前や姿が違うってだけで認識は変わるようだ。今は、親友…いや、兄弟って感じで話せるよ。
考え方が違う魂が10人。ひょっとしたら、その考え方の違いの数がアラヤには9種類あったから、分離分身の最大数が10だったのかも。
「お互いに、次の戦いに向けて備えるとしよう」
「ああ。お前にはエアリエル様、俺にはアーパス様がいる。俺達家族を敵に回した事を、トランスポートに分からせてやろう!」
ガシッと握手を交わし、アラヤはアーパスに頭を下げた。
「2人をよろしくお願いします」
『ええ、大丈夫よ。見てなさい、私の住処も、アナタの国に負けないくらい立派な街にしてみせるからね?』
すっかり気を許してくれるようになったアーパスに頭を撫でられる。
『アラヤよ、ヌル虚無教団との決戦は近い。準備は怠るなよ?』
「はい、ゲーブ様。ゲーブ様も、各大陸の変化、いち早くお知らせください。直ぐに駆けつけます」
『まぁ、その辺は美徳教団も動くからさ。出来れば、ソードムでの加勢がメインで考えててね?』
「ミフル様、その点は勇者の采配をしっかりするようにヨハネス様に言っていてくださいね?敵前で勝負挑まれたくはありませんので」
『ああ、伝えておくよ』
ミフルがゲーブを送り届けてくれるようなので、其方は任せる事にした。
『ゲーブ様…』
アヤコが1人、ゲーブに何やら頼んでいたが、まぁ今は気にしなくても大丈夫だろう。俺達の事を考えての行動だろうし。
『皆、祝福してくれた事、誠に感謝する。ありがとう』
エアリエルが頭を下げ、アラヤ達もそれに続く。見送られるアーパス達も嬉しそうに笑顔で頷いた。
『これからも、夫婦共々よろしく頼む』
『『『ああ、もちろん』だ』よ』
こうして、大精霊達を巻き込んだ披露宴は終わり、アラヤ達の新たな生活が始まるのだった。
『おめでとう!そうか、エアリエルもとうとう気持ちを伝…痛っ⁉︎』
『余計な事は言わんでいい!』
エアリエルに腕をつねられたミフルは、慌ててアラヤから離れる。
『それよりも、契約者の側に居なくて良いのか?今は帝国がソードム侵攻を開始したばかりだろう?勇者を管理する美徳教も忙しいのではないのか?』
『あー、それなら大丈夫。今、世界的に今日は休戦日というか、お祭り状態になってるから。あの神威があった日に、双月神を崇める彼等が争いなんかしていられないだろう?』
まぁ、前世界では日蝕みたいな現象は、昔では不吉な予兆や天変地異の前触れとして考えられていた。神の力みたく受け取っていた考え方は似ているが、この世界では神の神威や祝福として考えられているのか。
『それにしても、この4人はどうするんだい?独身扱いかい?』
分身体で嫁達から溢れた4人は、いわゆる行き遅れ的な感じに落ち込んでいる。
独身といえば確かに自由そうに聞こえるが、嫁達が遊びを許す筈もないだろう。
『そうだな。しばらくは独り身と言える。まぁ、無理に急ぎ相手を探す必要もあるまい』
エアリエルはそう流したが、ミフルは興味津々の様だ。
『この情報が広まったら、各国の王族、皇族や貴族の娘やらのお見合いが増えるだろうねー?あ、人間以外でも面白いかもよ?』
『面白がるな!全く、情報公開するわけなかろう。もちろん、御主にも箝口令を敷くぞ?従うよな?』
ん~と口を尖らせるミフル。この態度はどうやら、呼ばれなかったことへの仕返しだな。
「まぁまぁ、エアリエル様もミフル様もそのくらいで。今、コルプスがウェディングケーキを仕上げたらしいので、一緒に食べましょうよ?」
先程倒れて連れ出されたディニエルが、カートに乗せられた3段のケーキを恐る恐る運んできた。
その運びに危険を感じたアルディスが運搬を代わり、その代わりに気を失っているハウンを連れ出させた。
去り際にミフルが増えていることに気付いて、再び部屋の向こうでディニエルは気を失ったようだが。
「エアリエル様、このケーキを俺と2人でケーキを分割して、来客に食べて頂くってのが、前世界での初めての共同作業でよく行うんですよ?」
ケーキナイフを手に取り、エアリエルが手を添えるのを待つ。もう既に初の共同作業は済ませたが、前の世界の文化も知ってもらいたいよね。
『アラヤ、我に様は付けずともよい。夫婦とは対等な立場なのだからな』
笑顔でそう言って手を添えるエアリエルは、正に女神に見えた。様を取るなんて滅相もないと言いたいです。
アラヤ達がケーキカットで切り分けたケーキを配り始めると、ミフルも席に着いて食べる真似事に参加する。
「いただきます」
『ん?これは…⁉︎これが甘いという感覚か⁉︎』
アラヤが大精霊達と感覚共有を試したのだ。以前は、エアリエルとは全く出来なかったのだが、アラヤが半神人となった事で可能になったようだ。
『なんだ、この幸福感は⁉︎』
『食べる度に味の広がるのを感じる。何と不思議な感覚だな』
『ヤバイ、私この味好きかも⁉︎』
『中位精霊や微精霊達が、魔素や魔力玉を幸せそうに食べるのが不思議だったが、なるほど、これは生きる為に必要であり、生きていると感じる素晴らしい行為だったのだな…』
創造神に作られた大精霊達は、体にそのまま魔素を吸収できる。故に食事の楽しみも幸せも感じた事が無かったし、必要性も感じていなかった。
だが、その意味を知った大精霊達は一様に感激の涙を流していた。
無理もない。普通の食事だけならまだしも、アラヤの暴食王としての快感も上乗せされているのだから。
「これからは、俺が食べた食事は、エアリエルさ……も一緒に体感できるって事ですよ?いろんな味を体験しましょうね?」
『うむ、楽しみだ!』
しかしこれには、他の大精霊が歯軋りする。味を知ってしまった故の嫉妬を感じたのだ。
『あ、アゲノルもこの技能は持っているのよね?』
「はい、もちろんです」
『やった!じゃあ、私にもこれからはお願いね?』
アラヤの分身体であるアゲノルを確保している水の大精霊はガッツポーズをする。
『む~っ、ヨハネスは持っていない技能だなぁ。いや、持っていたとしても、大精霊とは無理か?』
『結論で言えば、可能なのはアラヤとその分身体のみか…』
ミフル、土の大精霊、火の大精霊の視線が4人の分身体アラヤに向けられる。
『くっ、ここにきて真似をしないと誓った事が悔やまれるな…。婚姻とは違う形で契約者という選択肢もあるが、流石に契約者が3属性となると世界崩壊の危機になりかねんからな』
『むぅ、食欲というのがこれ程までに中毒性の高いものだとは思わなんだ。エアリエルよ、貸し与える事は認められぬか?』
分身体アラヤの貸し出しに期待するムルキベルに、エアリエルは首を横に振った。
『無理に側に置かずとも、ここかアーパスの下に偶に遊びに来れば良い』
『呼ばれずとも来て良いのか?』
『ブーちゃんならいつでもOKだよ!ムルキベルは海に入ったらダメだから来ちゃダメよ?』
『ぐぬっ、創造神による派閥の弊害を感じるぞ⁉︎』
『ちょっ、それを言ったら私は1人になるじゃないか⁉︎』
大地創造神のブラフーマに創られたゲーブとアーパス。
大気創造神シューに創られたエアリエルとムルキベル。
そして、生命創造神テヘヌートに創られたミフルと闇の大精霊。
確かに、この場でペアにならないのはミフルのみである。
「ムルキベル様もミフル様も、偶になら遊びに来て下さって構いませんよ?」
『誠か⁉︎』
『やったね!』
素直に喜ぶ2人に、エアリエルも偶によ?と念を押しながらも了承した。
エアリエルが少し丸くなったように思える。大人の余裕って感じかな?
「その代わり、何か食材をお持ちいただけるとありがたいです」
『無論、手ぶらでは来ないさ』
『儂はドラゴン肉を持参しよう』
「やった!それは嬉しいです。今日はまだまだ料理はあります。せっかくなので、いろんな味を楽しみましょう!」
『それなら儂は、初めに飲んだ喉で弾ける葡萄酒が良いな』
「あ、それはムルキベル様限定ですので、俺が飲むと普通に爆ぜて死にますから。飲むのは普通の葡萄酒になります」
『むぅ、それは残念だ』
喉の刺激が気に入ったのなら、炭酸入りのエールかビールを手配するのも悪くないな。
カオリに頼み、生産品目に加えてもらうとしよう。
その日、空中公国月の庭では一日中歓声や笑い声が絶えなかった。まぁ、1部、エアリエル様を取られたと泣き叫び転げ回る土精霊達がいたけど。
翌朝、寝ぼけてマントが脱げたムルキベルの影響で三度目の軽いボヤ騒ぎになった。
アラヤが慌ててムルキベルを住処へとテレポートで送り届けて戻ると、アーパスと共に出発するアゲノルとハウンが、出発の準備を終えて待っていた。
「リーダー、羅針盤式通信機は念話範囲外でもここに繋がる。偶に連絡はしてくれよ?」
「ええ、貴方達もアラヤ様の偉業を見逃してはいけませんよ?よく観察して、私にも教えてくださいね?」
「もちろんさ」
ハウンは、アスピダ達と別れの挨拶を交わしている。せっかく帰って来たのに、またお別れなのは寂しいよね。
「えーっと、アゲノル?ハウンをよろしくね?」
「分かってるよ。それに、俺達はいつでも感覚共有で繋がれるんだ。俺達が寂しさを感じるのは今だけさ」
「それもそうか」
自分自身と会話するのって、今までは変な感覚だったけど、名前や姿が違うってだけで認識は変わるようだ。今は、親友…いや、兄弟って感じで話せるよ。
考え方が違う魂が10人。ひょっとしたら、その考え方の違いの数がアラヤには9種類あったから、分離分身の最大数が10だったのかも。
「お互いに、次の戦いに向けて備えるとしよう」
「ああ。お前にはエアリエル様、俺にはアーパス様がいる。俺達家族を敵に回した事を、トランスポートに分からせてやろう!」
ガシッと握手を交わし、アラヤはアーパスに頭を下げた。
「2人をよろしくお願いします」
『ええ、大丈夫よ。見てなさい、私の住処も、アナタの国に負けないくらい立派な街にしてみせるからね?』
すっかり気を許してくれるようになったアーパスに頭を撫でられる。
『アラヤよ、ヌル虚無教団との決戦は近い。準備は怠るなよ?』
「はい、ゲーブ様。ゲーブ様も、各大陸の変化、いち早くお知らせください。直ぐに駆けつけます」
『まぁ、その辺は美徳教団も動くからさ。出来れば、ソードムでの加勢がメインで考えててね?』
「ミフル様、その点は勇者の采配をしっかりするようにヨハネス様に言っていてくださいね?敵前で勝負挑まれたくはありませんので」
『ああ、伝えておくよ』
ミフルがゲーブを送り届けてくれるようなので、其方は任せる事にした。
『ゲーブ様…』
アヤコが1人、ゲーブに何やら頼んでいたが、まぁ今は気にしなくても大丈夫だろう。俺達の事を考えての行動だろうし。
『皆、祝福してくれた事、誠に感謝する。ありがとう』
エアリエルが頭を下げ、アラヤ達もそれに続く。見送られるアーパス達も嬉しそうに笑顔で頷いた。
『これからも、夫婦共々よろしく頼む』
『『『ああ、もちろん』だ』よ』
こうして、大精霊達を巻き込んだ披露宴は終わり、アラヤ達の新たな生活が始まるのだった。
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