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第19章 選択権は弱者には無いそうですよ⁉︎
282話 愚か者
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「あの、コレはどういう状況でしょうか?」
グルケニア帝国領域の上空。
カハピウラの街を出発してから、半日も掛からずに帝都まで来ていた。
風の大精霊エアリエルの胸元に挟まるアラヤは、目の前に広がる光景に驚いていた。
『うむ。壮観ではあるな』
眼下には、帝国軍の飛行戦艦が並んでいる。ざっと見ただけでも50隻はある。
1隻の大きさは貨物船並で、甲板にはどの船にも大砲が並んでいて、半数以上が出航準備が完了しているようだ。
「エンリルに落とされたのはごく一部で、帝都にこれだけの数がまだあったんですね。良かったね、エンリル。これだけあればミフル様も大してお怒りじゃないかもよ?」
『な、な⁉︎わ、我はその後にエアリエル様にお叱り頂いて、もうその話は終わっておるわ!』
エンリルは、エアリエルの機嫌をチラチラと確認しながら言い返してくる。
『まぁ、あれはあれで落とされても文句を言える立場ではないがな』
ラエテマ王国に落とされた石油爆弾による大気汚染を根に持つエアリエルからすれば、本音を言えばまだ落としても大丈夫だと思っているようだ。
『それは少し酷いと思うよ?』
声が聞こえたと思うと、光の球体が近付いてきて、エアリエルの前で光の大精霊ミフルの姿になる。
『エアリエル、あの船には多くの人の子が乗っていたんだ。なす術なく落とされた子達を思うと、少なくとも私は心が痛むな』
『それは私には関係無い話だ。そもそも、人の子同士が起こした争いだろう?ならば、死ぬ覚悟もあった筈だ』
再会して早々、大精霊達は険悪な状況だ。エンリルに至っては存在を消すように静かにしている。
「ち、ちょっと、エアリエル様?今回は別の用事で来たんでしょう?」
『ああ、やはりその話は…』
言いかけたエアリエルの口を押さえて、ミフルは彼女の胸元にいたアラヤを見つけた。
『おっ⁉︎小さ過ぎて気付かなかったが、暴食魔王君、居たのかい!目覚めて何よりだ』
「ありがとうございます、ミフル様。その節はお世話になりました」
『いや何、私は大した事はしていないよ。決着はついていたからね』
『ええぃ、離れろ!レディの胸元を凝視しながら話をするんじゃない!』
エアリエルが叩こうと構えたので、素早くミフルは両手を上げて離れた。
『悪気は無いさ。だって、彼があまりにも小さ過ぎるのだから仕方ないだろう?どうしてそんな姿なのか気になるなぁ?』
「ざっくり言うと技能です」
いきなり説明を省いたが、1センチと極端に小さい理由は、単に身長がコンプレックスのアラヤが、分身に分ける身長をケチっただけだ。
『アラヤ、わざわざ此奴に教える必要はないぞ?直ぐに契約者にバラすに決まっている』
胸元に差し出されたエアリエルの手に乗り、アラヤは彼女の肩に移動する。
「ミフル様は、契約者に頼まれて帝国の戦争に加担しているのですか?」
『それは違うぞ?私は契約者にのみ協力しているにすぎない。契約者が願う全てを叶えている訳でもない。私自身も、エアリエルのように、我が儘を眷属達に強要する真似はしないさ。私達は平等な関係なんだ。信じてもらえないかもしれないが、私はそこの眷属竜に、むやみに命を奪ったことを咎めただけで、戦争に協力したつもりは無いよ』
本心で言っている感じはあるが、価値観が契約者に似ている時には注意が必要な気がする。
『ところでエアリエル、浮遊邸で待たずに会いに来たのは、何か用事があったからじゃないのかい?』
『ああ、アラヤと話をしたがっておった御主の願いは叶えた。これで貸し借りは無しだ。それだけの用事だ。うつけ、さぁもう行くぞ』
『待て待て、私は彼とゆっくりと会話がしたいのだ。それと、目的は私の加護だろう?』
ピクッと眉を動かすエアリエルを見て、ミフルはニヤリと笑う。
『それならそうと、素直に頼めば良いではないか?契約者にはもうなれないが、眷属化することに私は抵抗は無いぞ?』
『気が変わったんだ。アラヤには光以外の加護を集める』
『本心は全属性の加護が狙いか。それは随分と過保護だね。目的は敢えて聞かないけど、それなら尚更私の加護が必要じゃないか』
全大精霊の加護を⁉︎
確かに現時点で風と土の2人の大精霊から加護を得ているけど、水の大精霊アーパスに加護を求めに分身体を向かわせたのも、その為なんだろうか?
『ま、まぁ、くれるって言うなら、有り難く貰っときなさい』
何故か視線を外すエアリエル。
ミフルは過保護だと言ったけれど、いったい、全大精霊からの加護を得るとどうなるんだ?
『おっと、契約者に見つかったようだ。口出しされる前に、先に加護を与えておこう』
ミフルがアラヤに手をかざすと、僅かに体が熱くなった気がした。
『この加護は、君という存在に与えた加護だ。だから、君以外の他の分身体にも効果あるはずだよ』
「あ、ありがとうございます!」
分身してるって見抜かれているみたいだ。この見た目では仕方ないかな?
『うん、素直で宜しい』
誰かさんと違ってね?と、ミフルはチラッとエアリエルを見る。だが彼女は、知らんぷりを通していた。
『エアリエル様!来ます!』
今まで大人しく黙っていたエンリルが、エアリエルを警護するように前に移動する。
「ミフル、何をしている?何故、帝国に暴風竜を侵入させているのだ?」
ミフルの前に、金色の竜鱗の飛竜が現れた。この竜は光の眷属竜ベレヌス。エンリルよりは小振りだが、尾は長くツノが多い。
そしてその背に乗っているのは、ミフルの契約者たるフレイ美德教教皇と現皇帝のパオロ2世だった。
アラヤは慌ててエアリエルのうなじに隠れた。
『今回の彼は、エアリエルの護衛で来ただけだ。帝国に危害を加えないことは約束している』
「エアリエル?」
ふと、エンリルの後方にいる姿を見るが、何も言わずに再びミフルに詰め寄る。
「だとしてもだ。用が済んだのなら、早急に帝国から出てもらってくれ。国民達がその竜の姿を見て不安になっているんだ」
『ああ、もう彼女達は帰るところさ』
ミフルが、エアリエルに行くように合図を送る。だが、それを見た皇帝はエアリエルを睨む。
「帝国領地であるナーサキで、極めて高位だと思われる風の精霊が、土地を浄化して回っているらしいのだが、何を企んでいる?」
離れようとしていたエアリエルの動きが止まる。
「企んでいるですって?」
大気が少し重く感じる。アラヤはエアリエルが苛立ってきていると分かった。
「お前達の所為であの土地や大気は穢れている。それを、我が眷属に浄化させている。お前達は本来なら我に感謝するべきところ、それを企むとは随分と身の程を知らぬと見える」
語尾を低く強めたエアリエルの態度に、全く気付く気配が無い皇帝は、不満そうに溜め息を吐く。
「殿下、それ以上はおやめください」
「教皇よ、何を臆する?あの領土は帝国の植民地だ。例え穢れていようと、豊穣神でもあるフレイ様の加護で後に復元は成される筈だ。他国に住む精霊が関与するべきではない」
『あの土地が、貴様達の領土だと?貴様達の持ち物だと吐くか?とんだ思い上がり、とんだ愚か者だな!ミフルよ、我々大精霊を何処ぞに住む小さき者達と同様に見ているらしいぞ?』
皇帝の言葉に、ミフルも流石に頭を抱える。契約者の友とはいえ、これは流石に擁護できない状況だ。
「ミフル様は我が帝国の力。ミフル様に比べて、其方は我が敷地に…(勝手に這い回る醜女と変わらぬ)」
後半を、教皇は無理矢理に皇帝の口を押さえて黙らせた。
教皇は青ざめていた。怖い者知らずというよりも、皇帝はあまりにも無知過ぎる。
『我々大精霊が国に管理されているとでも?笑わせるな!土の大精霊ゲーブは大地を!水の大精霊アーパスは海を!火の大精霊ムルキベルは星の源たる噴炎を!風の大精霊たる我は大気を!勘違いするな!貴様達が我々に管理されているのだ!』
アラヤが必死に落ち着いてと訴えるも、エアリエルの怒りは沸点を越えてしまった。
彼女の差し出された手が、光眷属竜の辺りの空間から空気を無くしていく。
『待て、待ってくれ‼︎エアリエル、それ以上は待ってくれ‼︎私が、私が言ってきかせるから!ここは私に免じて、場を収めてくれ』
『……。いいわ。貸し1つよ?』
必死に訴えるミフルに、エアリエルは向けていた力を解いた。
真空空間になりかけて、皇帝達だけでなく眷属竜までもが死を垣間見た。
この星の生物で、大気に関わらず生きていける者などいない。気絶している皇帝にも、それが少しくらいは理解できたのではないだろうか。
精霊同士で考えればミフルの力は確かに強大だが、生物として考えれば、敵に回してはいけないのは断然エアリエルだとアラヤは分かった。
『ナーサキのシルウェストレに会いに行くわよ。これ以上の除染は止める。自らの手で浄化することね!』
エアリエルはナーサキに向けてエンリルと共に飛び去っていった。
『全く…その馬鹿をしっかりと教育し直なければ、帝国は内部崩壊するよ?』
「ああ、私も共倒れする気は無い。問題は山積みだけどね」
未だ気絶している皇帝を見下ろすミフルと教皇は、先を思い長い溜め息を吐くのだった。
グルケニア帝国領域の上空。
カハピウラの街を出発してから、半日も掛からずに帝都まで来ていた。
風の大精霊エアリエルの胸元に挟まるアラヤは、目の前に広がる光景に驚いていた。
『うむ。壮観ではあるな』
眼下には、帝国軍の飛行戦艦が並んでいる。ざっと見ただけでも50隻はある。
1隻の大きさは貨物船並で、甲板にはどの船にも大砲が並んでいて、半数以上が出航準備が完了しているようだ。
「エンリルに落とされたのはごく一部で、帝都にこれだけの数がまだあったんですね。良かったね、エンリル。これだけあればミフル様も大してお怒りじゃないかもよ?」
『な、な⁉︎わ、我はその後にエアリエル様にお叱り頂いて、もうその話は終わっておるわ!』
エンリルは、エアリエルの機嫌をチラチラと確認しながら言い返してくる。
『まぁ、あれはあれで落とされても文句を言える立場ではないがな』
ラエテマ王国に落とされた石油爆弾による大気汚染を根に持つエアリエルからすれば、本音を言えばまだ落としても大丈夫だと思っているようだ。
『それは少し酷いと思うよ?』
声が聞こえたと思うと、光の球体が近付いてきて、エアリエルの前で光の大精霊ミフルの姿になる。
『エアリエル、あの船には多くの人の子が乗っていたんだ。なす術なく落とされた子達を思うと、少なくとも私は心が痛むな』
『それは私には関係無い話だ。そもそも、人の子同士が起こした争いだろう?ならば、死ぬ覚悟もあった筈だ』
再会して早々、大精霊達は険悪な状況だ。エンリルに至っては存在を消すように静かにしている。
「ち、ちょっと、エアリエル様?今回は別の用事で来たんでしょう?」
『ああ、やはりその話は…』
言いかけたエアリエルの口を押さえて、ミフルは彼女の胸元にいたアラヤを見つけた。
『おっ⁉︎小さ過ぎて気付かなかったが、暴食魔王君、居たのかい!目覚めて何よりだ』
「ありがとうございます、ミフル様。その節はお世話になりました」
『いや何、私は大した事はしていないよ。決着はついていたからね』
『ええぃ、離れろ!レディの胸元を凝視しながら話をするんじゃない!』
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『悪気は無いさ。だって、彼があまりにも小さ過ぎるのだから仕方ないだろう?どうしてそんな姿なのか気になるなぁ?』
「ざっくり言うと技能です」
いきなり説明を省いたが、1センチと極端に小さい理由は、単に身長がコンプレックスのアラヤが、分身に分ける身長をケチっただけだ。
『アラヤ、わざわざ此奴に教える必要はないぞ?直ぐに契約者にバラすに決まっている』
胸元に差し出されたエアリエルの手に乗り、アラヤは彼女の肩に移動する。
「ミフル様は、契約者に頼まれて帝国の戦争に加担しているのですか?」
『それは違うぞ?私は契約者にのみ協力しているにすぎない。契約者が願う全てを叶えている訳でもない。私自身も、エアリエルのように、我が儘を眷属達に強要する真似はしないさ。私達は平等な関係なんだ。信じてもらえないかもしれないが、私はそこの眷属竜に、むやみに命を奪ったことを咎めただけで、戦争に協力したつもりは無いよ』
本心で言っている感じはあるが、価値観が契約者に似ている時には注意が必要な気がする。
『ところでエアリエル、浮遊邸で待たずに会いに来たのは、何か用事があったからじゃないのかい?』
『ああ、アラヤと話をしたがっておった御主の願いは叶えた。これで貸し借りは無しだ。それだけの用事だ。うつけ、さぁもう行くぞ』
『待て待て、私は彼とゆっくりと会話がしたいのだ。それと、目的は私の加護だろう?』
ピクッと眉を動かすエアリエルを見て、ミフルはニヤリと笑う。
『それならそうと、素直に頼めば良いではないか?契約者にはもうなれないが、眷属化することに私は抵抗は無いぞ?』
『気が変わったんだ。アラヤには光以外の加護を集める』
『本心は全属性の加護が狙いか。それは随分と過保護だね。目的は敢えて聞かないけど、それなら尚更私の加護が必要じゃないか』
全大精霊の加護を⁉︎
確かに現時点で風と土の2人の大精霊から加護を得ているけど、水の大精霊アーパスに加護を求めに分身体を向かわせたのも、その為なんだろうか?
『ま、まぁ、くれるって言うなら、有り難く貰っときなさい』
何故か視線を外すエアリエル。
ミフルは過保護だと言ったけれど、いったい、全大精霊からの加護を得るとどうなるんだ?
『おっと、契約者に見つかったようだ。口出しされる前に、先に加護を与えておこう』
ミフルがアラヤに手をかざすと、僅かに体が熱くなった気がした。
『この加護は、君という存在に与えた加護だ。だから、君以外の他の分身体にも効果あるはずだよ』
「あ、ありがとうございます!」
分身してるって見抜かれているみたいだ。この見た目では仕方ないかな?
『うん、素直で宜しい』
誰かさんと違ってね?と、ミフルはチラッとエアリエルを見る。だが彼女は、知らんぷりを通していた。
『エアリエル様!来ます!』
今まで大人しく黙っていたエンリルが、エアリエルを警護するように前に移動する。
「ミフル、何をしている?何故、帝国に暴風竜を侵入させているのだ?」
ミフルの前に、金色の竜鱗の飛竜が現れた。この竜は光の眷属竜ベレヌス。エンリルよりは小振りだが、尾は長くツノが多い。
そしてその背に乗っているのは、ミフルの契約者たるフレイ美德教教皇と現皇帝のパオロ2世だった。
アラヤは慌ててエアリエルのうなじに隠れた。
『今回の彼は、エアリエルの護衛で来ただけだ。帝国に危害を加えないことは約束している』
「エアリエル?」
ふと、エンリルの後方にいる姿を見るが、何も言わずに再びミフルに詰め寄る。
「だとしてもだ。用が済んだのなら、早急に帝国から出てもらってくれ。国民達がその竜の姿を見て不安になっているんだ」
『ああ、もう彼女達は帰るところさ』
ミフルが、エアリエルに行くように合図を送る。だが、それを見た皇帝はエアリエルを睨む。
「帝国領地であるナーサキで、極めて高位だと思われる風の精霊が、土地を浄化して回っているらしいのだが、何を企んでいる?」
離れようとしていたエアリエルの動きが止まる。
「企んでいるですって?」
大気が少し重く感じる。アラヤはエアリエルが苛立ってきていると分かった。
「お前達の所為であの土地や大気は穢れている。それを、我が眷属に浄化させている。お前達は本来なら我に感謝するべきところ、それを企むとは随分と身の程を知らぬと見える」
語尾を低く強めたエアリエルの態度に、全く気付く気配が無い皇帝は、不満そうに溜め息を吐く。
「殿下、それ以上はおやめください」
「教皇よ、何を臆する?あの領土は帝国の植民地だ。例え穢れていようと、豊穣神でもあるフレイ様の加護で後に復元は成される筈だ。他国に住む精霊が関与するべきではない」
『あの土地が、貴様達の領土だと?貴様達の持ち物だと吐くか?とんだ思い上がり、とんだ愚か者だな!ミフルよ、我々大精霊を何処ぞに住む小さき者達と同様に見ているらしいぞ?』
皇帝の言葉に、ミフルも流石に頭を抱える。契約者の友とはいえ、これは流石に擁護できない状況だ。
「ミフル様は我が帝国の力。ミフル様に比べて、其方は我が敷地に…(勝手に這い回る醜女と変わらぬ)」
後半を、教皇は無理矢理に皇帝の口を押さえて黙らせた。
教皇は青ざめていた。怖い者知らずというよりも、皇帝はあまりにも無知過ぎる。
『我々大精霊が国に管理されているとでも?笑わせるな!土の大精霊ゲーブは大地を!水の大精霊アーパスは海を!火の大精霊ムルキベルは星の源たる噴炎を!風の大精霊たる我は大気を!勘違いするな!貴様達が我々に管理されているのだ!』
アラヤが必死に落ち着いてと訴えるも、エアリエルの怒りは沸点を越えてしまった。
彼女の差し出された手が、光眷属竜の辺りの空間から空気を無くしていく。
『待て、待ってくれ‼︎エアリエル、それ以上は待ってくれ‼︎私が、私が言ってきかせるから!ここは私に免じて、場を収めてくれ』
『……。いいわ。貸し1つよ?』
必死に訴えるミフルに、エアリエルは向けていた力を解いた。
真空空間になりかけて、皇帝達だけでなく眷属竜までもが死を垣間見た。
この星の生物で、大気に関わらず生きていける者などいない。気絶している皇帝にも、それが少しくらいは理解できたのではないだろうか。
精霊同士で考えればミフルの力は確かに強大だが、生物として考えれば、敵に回してはいけないのは断然エアリエルだとアラヤは分かった。
『ナーサキのシルウェストレに会いに行くわよ。これ以上の除染は止める。自らの手で浄化することね!』
エアリエルはナーサキに向けてエンリルと共に飛び去っていった。
『全く…その馬鹿をしっかりと教育し直なければ、帝国は内部崩壊するよ?』
「ああ、私も共倒れする気は無い。問題は山積みだけどね」
未だ気絶している皇帝を見下ろすミフルと教皇は、先を思い長い溜め息を吐くのだった。
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