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第7章 家族は大事と思い知ったよ⁉︎
099話 家族の絆
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「皆んなごめん!」
夕飯時に、DL(ダイニングリビング)に集まった皆んなに対して、アラヤは頭を下げた。
「アラヤ君、それは何に対しての謝罪ですか?」
「俺、1人で考えてばっかで、皆んなの事ないがしろにしてたかもしれない」
「分かっていただけたのなら、私達は全然許せますよ。ね、皆んな?」
「「「もちろん」」」
「カオリさん、今回は貴女のおかげですね。ありがとうございます」
「別にいいよ~。にいや、また行こうね~?」
「うん、そうだね」
アラヤとカオリの距離感が縮まっている事に、クララが堪らず前に出る。
「つ、次は私と、デ、デートをお願いします、です!」
「うん、行ける日を考えとくよ」
途端に満面の笑みを浮かべて、クララは厨房へと走って行った。何か久しぶりに笑顔を見た気がする。
「迷惑かけて悪いけど、皆んな、俺の相談に乗ってくれるかな?」
「「「はい、もちろんですよ」」」
皆んなの笑顔を見ると、もっと早く気付けば良かったのにと思う。
「サナエさん、今、魔力粘糸で沢山の糸を色違いで生産してるんだけど、それで皆んなの服を作ろうと考えてるんだ。そのデザインを作ってくれないかな?」
「オッケ~、任しといて!飛び切りのヒーロースーツをデザインするわ」
「いや、普通の服だからね⁈」
分かってるわよと、グッと親指を立てる。大丈夫だろうか…?
「そういえば、試作品の冷蔵庫はどうだった?」
「えっ?あれは冷凍庫じゃないの?全部凍って冷蔵庫の要素無いんだけど」
あちゃー。構造ミスがあったようだ。元々専門じゃないわけだし、ただ凍らせたりするだけではダメみたいだね。
「冷蔵庫の仕組みや設計図は、私が覚えてるよ。後で書いてあげるよ。ついでに他の電化製品もね」
「うん、助かる!」
カオリさんのカメラアイの記憶、素晴らしいね。まさか、電化製品の構造が載った本まで覚えていたとは。
「アヤコさん、今の魔力電池の持続時間ってどれくらいかな?」
アラヤは、魔力だけが出るカセットテープ大の四角の魔鉱石を作り、スイッチでオンオフ切り替えできるようにしたのだ。
この魔力電池により、ライトの魔鉱石入りのランタンや、先程の冷蔵庫などの電化製品を使えるようにしたのだ。
「1つだと、2日ですね。もう少し、出力を抑えて出した方が良いと思います。電気で言うところの、電圧が高過ぎる気がしました」
「分かった。もう少し抵抗を上げるよ。あ、カオリさんも、起きている間で良いから魔力電池作りを手伝ってね?」
「ええ~、しょうがないわね~」
カオリは満更でもない笑顔を見せる。頼られる事は、やはり嬉しいものなのだ。
「ご主人様、私にも何か無いですか?」
いつのまにか戻って来ていたクララが、自分にも相談事がないかと期待している。
「ん~と、クララは俺と、庭に開発研究室の建築の手伝いをしてくれないか?力仕事になるけど…」
「任せてください!狼人なら、力仕事に向いています!」
どうやらクララはその時の姿でステータスが変わるらしい。銀狼と狼人は共通して俊敏が高いのだが、少し違いがあるとの事。俊敏重視の銀狼に対し、狼人は腕力重視らしい。
人狼は俊敏と腕力が他とは劣る代わりに、精神力と魔力が高くなるらしい。
「うん、相談して良かった!明日から、早速頼むよ」
「「「はい」」」
皆んなは笑顔で頷いた。自分1人でなんとかしようと考えていた事が、本当に馬鹿な独りよがりだったと、よく分かったよ。
相談できる家族や仲間がいるってことは、とても幸せな事だと思い知ったよ。
翌朝、早速皆んな動いてくれた。
魔力電池の調整をしているカオリさんから、家電製品の構造の写しを受け取ったアヤコさんが、試作冷蔵庫の欠陥部分を改善する。
サナエさんは、超耐魔戦闘服を1人に3着程のデザインで考えるらしい。
俺とクララは、マイホームの庭の隅に、開発研究室を建設中である。
始めに、アースクラウドで基礎を築いて鉱石化する。魔力の消費は大きいけど、住宅基礎があっという間に完成した。
「クララは、番号通りに柱を立てていこうか」
「分かりました」
狼人のクララは、重い柱も軽々と持ち上げて運んでいる。この分だとグラビティは必要無いみたいだね。
この開発研究室の製図も、カオリさんの記憶にあった本の建築資料図の1つを元にしたものだ。
アラヤが、ヤブネカ村の棟梁ゲーンから学んだ技術を使って、木材加工と耐震補強を施していく。
なんと、今日一日で瓦と外壁が無い状態まで建て上げる事が出来た。このペースなら明日には完成するだろう。
「クララ、お疲れ様」
「はい、ご主人様」
クララはパタパタと尻尾を振り、笑顔で後片付けをしている。頑張ったねと頭を撫でてあげたいけど、立った状態だと身長差があって撫でられないからね。だってクララが立つと180cmはあるんだもの。
「クララ、お座り」
「はい!」
つい、口に出ただけなのに、彼女は直ぐに飛んで来て目の前に正座する。まるで待ってましたと言わんばかりの素早さだ。
「ありがとうね」
頭を優しく撫でてあげると、クゥ~ンと気持ち良さそうに身を委ねてくる。
こうして見ると、狼人のクララも犬顔とはいえ美人さんだよなぁ。ちょっとだけ、亜人族の雄雌の顔の違いが分かるようになった気がする。
『亜人族クララが調教されました。これにより、クララは自身の従獣として契約されました』
「あっ⁈」
クララにジャミングで貼り付けた奴隷紋が剥がれ、本物の奴隷紋が刻まれた。
「これは、ご主人様との確かな繋がり⁉︎私、番いとして認められたという事ですね?」
「いや、番いではないよ⁉︎うわっ?」
アラヤは押し倒されて、顔をペロペロと舐めまわされる。
「ちょ、ま、うわっ、バカ、止めろ!」
顔だけじゃなくて体まで舐め始めた為に、アラヤがクララの肩を押してマウントを剥がす。すると、ビシッといきなり正座をするクララ。何故だか体が動かないようだ。
「これは、俺がクララと主従関係になったからか。俺の命令は絶対みたいだね?」
「ご主人様ぁ…」
「うん、これなら急に襲われる心配は無いね。もう動いて良いよ?」
体の自由が戻りはしたが、クララは落ち込んでいる。過度のスキンシップは止められてしまう事実に、落ち込んでいるのだ。
「さ、今日はもう中に入ろう」
彼女の頭を軽く撫でて、アラヤは先にマイホームに入って行った。残されたクララは奴隷紋を軽く撫でる。チリチリと痛痒い感覚が指に伝わる。
「ご主人様との絆…」
クララは立ち上がって、彼の後を追った。今はまだ小さな絆だが、いつかはかけがえのない絆に変えると強く心に誓った。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
4日程過ぎた頃、マイホームに来客が訪れた。玄関の呼び鈴が鳴り、アラヤが玄関の扉を開ける。
「アラヤさん!ただ今帰りました!」
そこに居たのは、かなり前にヤブネカ村へとガルムさんと旅立ったソーリンだった。
「ソーリン!帰ってきたんだね!立ち話もなんだから、中に入りなよ」
「あ、実は今日は私以外の人も連れて来てるんです」
すると、ソーリンの背後からひょっこりと顔が現れた。しかも3人居て、アラヤは面食らう。
「ナーシャさん、それにタオとハル!3人共どうして⁉︎」
「ウフフ、お久しぶり~!」
「師匠!やっと会えました!」
「ししょ~!会いたかったよ~!」
「俺も会いたかったよ~!」
ヤブネカ村の織物屋の娘ナーシャと、フユラ村の子供達、タオとハルの突然の来訪に、アラヤは喜びの声を上げるのだった。
夕飯時に、DL(ダイニングリビング)に集まった皆んなに対して、アラヤは頭を下げた。
「アラヤ君、それは何に対しての謝罪ですか?」
「俺、1人で考えてばっかで、皆んなの事ないがしろにしてたかもしれない」
「分かっていただけたのなら、私達は全然許せますよ。ね、皆んな?」
「「「もちろん」」」
「カオリさん、今回は貴女のおかげですね。ありがとうございます」
「別にいいよ~。にいや、また行こうね~?」
「うん、そうだね」
アラヤとカオリの距離感が縮まっている事に、クララが堪らず前に出る。
「つ、次は私と、デ、デートをお願いします、です!」
「うん、行ける日を考えとくよ」
途端に満面の笑みを浮かべて、クララは厨房へと走って行った。何か久しぶりに笑顔を見た気がする。
「迷惑かけて悪いけど、皆んな、俺の相談に乗ってくれるかな?」
「「「はい、もちろんですよ」」」
皆んなの笑顔を見ると、もっと早く気付けば良かったのにと思う。
「サナエさん、今、魔力粘糸で沢山の糸を色違いで生産してるんだけど、それで皆んなの服を作ろうと考えてるんだ。そのデザインを作ってくれないかな?」
「オッケ~、任しといて!飛び切りのヒーロースーツをデザインするわ」
「いや、普通の服だからね⁈」
分かってるわよと、グッと親指を立てる。大丈夫だろうか…?
「そういえば、試作品の冷蔵庫はどうだった?」
「えっ?あれは冷凍庫じゃないの?全部凍って冷蔵庫の要素無いんだけど」
あちゃー。構造ミスがあったようだ。元々専門じゃないわけだし、ただ凍らせたりするだけではダメみたいだね。
「冷蔵庫の仕組みや設計図は、私が覚えてるよ。後で書いてあげるよ。ついでに他の電化製品もね」
「うん、助かる!」
カオリさんのカメラアイの記憶、素晴らしいね。まさか、電化製品の構造が載った本まで覚えていたとは。
「アヤコさん、今の魔力電池の持続時間ってどれくらいかな?」
アラヤは、魔力だけが出るカセットテープ大の四角の魔鉱石を作り、スイッチでオンオフ切り替えできるようにしたのだ。
この魔力電池により、ライトの魔鉱石入りのランタンや、先程の冷蔵庫などの電化製品を使えるようにしたのだ。
「1つだと、2日ですね。もう少し、出力を抑えて出した方が良いと思います。電気で言うところの、電圧が高過ぎる気がしました」
「分かった。もう少し抵抗を上げるよ。あ、カオリさんも、起きている間で良いから魔力電池作りを手伝ってね?」
「ええ~、しょうがないわね~」
カオリは満更でもない笑顔を見せる。頼られる事は、やはり嬉しいものなのだ。
「ご主人様、私にも何か無いですか?」
いつのまにか戻って来ていたクララが、自分にも相談事がないかと期待している。
「ん~と、クララは俺と、庭に開発研究室の建築の手伝いをしてくれないか?力仕事になるけど…」
「任せてください!狼人なら、力仕事に向いています!」
どうやらクララはその時の姿でステータスが変わるらしい。銀狼と狼人は共通して俊敏が高いのだが、少し違いがあるとの事。俊敏重視の銀狼に対し、狼人は腕力重視らしい。
人狼は俊敏と腕力が他とは劣る代わりに、精神力と魔力が高くなるらしい。
「うん、相談して良かった!明日から、早速頼むよ」
「「「はい」」」
皆んなは笑顔で頷いた。自分1人でなんとかしようと考えていた事が、本当に馬鹿な独りよがりだったと、よく分かったよ。
相談できる家族や仲間がいるってことは、とても幸せな事だと思い知ったよ。
翌朝、早速皆んな動いてくれた。
魔力電池の調整をしているカオリさんから、家電製品の構造の写しを受け取ったアヤコさんが、試作冷蔵庫の欠陥部分を改善する。
サナエさんは、超耐魔戦闘服を1人に3着程のデザインで考えるらしい。
俺とクララは、マイホームの庭の隅に、開発研究室を建設中である。
始めに、アースクラウドで基礎を築いて鉱石化する。魔力の消費は大きいけど、住宅基礎があっという間に完成した。
「クララは、番号通りに柱を立てていこうか」
「分かりました」
狼人のクララは、重い柱も軽々と持ち上げて運んでいる。この分だとグラビティは必要無いみたいだね。
この開発研究室の製図も、カオリさんの記憶にあった本の建築資料図の1つを元にしたものだ。
アラヤが、ヤブネカ村の棟梁ゲーンから学んだ技術を使って、木材加工と耐震補強を施していく。
なんと、今日一日で瓦と外壁が無い状態まで建て上げる事が出来た。このペースなら明日には完成するだろう。
「クララ、お疲れ様」
「はい、ご主人様」
クララはパタパタと尻尾を振り、笑顔で後片付けをしている。頑張ったねと頭を撫でてあげたいけど、立った状態だと身長差があって撫でられないからね。だってクララが立つと180cmはあるんだもの。
「クララ、お座り」
「はい!」
つい、口に出ただけなのに、彼女は直ぐに飛んで来て目の前に正座する。まるで待ってましたと言わんばかりの素早さだ。
「ありがとうね」
頭を優しく撫でてあげると、クゥ~ンと気持ち良さそうに身を委ねてくる。
こうして見ると、狼人のクララも犬顔とはいえ美人さんだよなぁ。ちょっとだけ、亜人族の雄雌の顔の違いが分かるようになった気がする。
『亜人族クララが調教されました。これにより、クララは自身の従獣として契約されました』
「あっ⁈」
クララにジャミングで貼り付けた奴隷紋が剥がれ、本物の奴隷紋が刻まれた。
「これは、ご主人様との確かな繋がり⁉︎私、番いとして認められたという事ですね?」
「いや、番いではないよ⁉︎うわっ?」
アラヤは押し倒されて、顔をペロペロと舐めまわされる。
「ちょ、ま、うわっ、バカ、止めろ!」
顔だけじゃなくて体まで舐め始めた為に、アラヤがクララの肩を押してマウントを剥がす。すると、ビシッといきなり正座をするクララ。何故だか体が動かないようだ。
「これは、俺がクララと主従関係になったからか。俺の命令は絶対みたいだね?」
「ご主人様ぁ…」
「うん、これなら急に襲われる心配は無いね。もう動いて良いよ?」
体の自由が戻りはしたが、クララは落ち込んでいる。過度のスキンシップは止められてしまう事実に、落ち込んでいるのだ。
「さ、今日はもう中に入ろう」
彼女の頭を軽く撫でて、アラヤは先にマイホームに入って行った。残されたクララは奴隷紋を軽く撫でる。チリチリと痛痒い感覚が指に伝わる。
「ご主人様との絆…」
クララは立ち上がって、彼の後を追った。今はまだ小さな絆だが、いつかはかけがえのない絆に変えると強く心に誓った。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
4日程過ぎた頃、マイホームに来客が訪れた。玄関の呼び鈴が鳴り、アラヤが玄関の扉を開ける。
「アラヤさん!ただ今帰りました!」
そこに居たのは、かなり前にヤブネカ村へとガルムさんと旅立ったソーリンだった。
「ソーリン!帰ってきたんだね!立ち話もなんだから、中に入りなよ」
「あ、実は今日は私以外の人も連れて来てるんです」
すると、ソーリンの背後からひょっこりと顔が現れた。しかも3人居て、アラヤは面食らう。
「ナーシャさん、それにタオとハル!3人共どうして⁉︎」
「ウフフ、お久しぶり~!」
「師匠!やっと会えました!」
「ししょ~!会いたかったよ~!」
「俺も会いたかったよ~!」
ヤブネカ村の織物屋の娘ナーシャと、フユラ村の子供達、タオとハルの突然の来訪に、アラヤは喜びの声を上げるのだった。
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