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第七章 邪神の秘密を追え
第50話 ウルフィー③
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不動明王に化身したハサンと
ウルフィーの闘いは熾烈を極める。
ソウルパワーを宿した三鈷剣を投げ捨て、
その剣は空を舞い、地面に刺さる。
『ステゴロだ!恨むなよ』
剣に宿したソウルパワーを拳に宿し返し、
ハサンはウルフィーを思いっきり殴り抜く。
ドガシッ!!!!
物凄い音がしてウルフィーの顔が歪む。
ウルフィーは、多少怯んだものの、
その牙で俄然向かってくる。
その牙と体当たりを優雅に交わしていくハサン。
聖騎士はマーラの世界では3倍の力を発揮するが
化身状態になると更に3倍、
つまり6倍の力を発揮するのだ。
遅い!遅いぞ!
軽やかに乱舞し、ウルフィーを翻弄する
ハサンである不動明王。
その力は圧倒的だった。
交わしざまに、足首にソウルパワーを宿す。
「不動明王キーーック!!」
あの獅子座出身のヒーローのように、
天高く舞い上がり不動明王の足が赤く発火していく。
そして強烈なその発火した高速の蹴りを
ウルフィーに叩き込む。
『ワ、ワォォーーン』
ちょっと情けなく
嘶きながら、ウルフィーは
派手にぶっ飛ばされ
血を吐き出しながら、空中を舞う。
こいよ!まだお前の力はそんなもんじゃないだろう。
ハサンは、某カンフー映画や、某仮想空間映画の主人公のように、手をクイックイッと返し、
「来いよ」と合図する。
ウルフィーは、ぶっ飛ばされた衝撃を空中で返しながら、地面に着地した瞬間に猛ダッシュしてきた……。
……と思いきや!
ハサンの視界から唐突に消えた。
ど、どこだ!!
周囲を見渡すが、ウルフィーの姿は無い。
突然大きな影が、上から現れる。
避けようしたが右腕に激痛が走る。
ウルフィーが右腕に噛みつき、
その牙は紅蓮の炎を宿し、腕を焼き焦がしていく。
う、うぁぁぁーーーー!!!
あ、熱い!熱い!
くそ、離れろ、離れろ!
ハサンはウルフィーな顔面を殴りまくるも
一向にウルフィーは離れない。
ブチッブチッブチブチッ!
肉の焼ける異臭と筋肉と腱の切れる音が無情に響く。
ギャーーーー!!!!
右腕をウルフィーは噛みちぎった。
血が大量に滴る。
ハ、ハァァ。クソ。やるじゃねーか。
残る左手に最大の力を込める。
『ノウマクサーマンダー、バーサラダーセンダー、マーカロシャーナー、ソワタヤ、ウンタラターカンマン!
不動の力よ、左手に大いなる力を与えよ。』
ソウルパワーが一際左腕に宿る。
白光に輝くハサンの左腕。
いくぞ!ウルフィー。
右腕の感覚が無い。
そりゃそうだ。右腕はアイツに食い千切られた。
血が大量に出ている。
鬼のような形相で最後の一撃を見舞うために立ちはだかるハサン。
ウルフィーは思う。
こいつは好敵手だ。
戦意喪失して逃げると思いきや、
立ち上がってきた。
ならば、我も最大の奥義で奴に勝つ。
ウルフィーの身体は瘴気のオーラを大きく纏い全身から黒炎が吹き出ている。
ウルフィーは大きく上空に飛ぶと空中で回転を行う。
黒い影が黒炎を纏いながら回転しながら高速でハサンに襲いかかる。
『天狼罰当牙牙!
グォォォッ!!』
物凄い高速な黒炎球!
不動明王の神眼が光る!
「ここ!」
黒炎球の高速な動きを見切り、
渾身の力を込めた左拳を
ウルフィーの心臓目掛け殴りつける。
「不動明王奥義!愛拳眼出流!!!!」
ドゴッドゴワシッッ!!!!
物凄い音と爆煙。もうもうと立ち込める煙に
巻かれて二人の姿が見えなくなる。
「どっちが勝ったの?」
セシア達は心配そうに見つめる。
煙が晴れて立っていたのは
不動明王の化身が解けたハサンであった。
「ウルフィーの手当と、
俺に『トホカミエミタメ』を頼……む」
ハサンは意識を失い倒れたのであった。
次回へ続く
ウルフィーの闘いは熾烈を極める。
ソウルパワーを宿した三鈷剣を投げ捨て、
その剣は空を舞い、地面に刺さる。
『ステゴロだ!恨むなよ』
剣に宿したソウルパワーを拳に宿し返し、
ハサンはウルフィーを思いっきり殴り抜く。
ドガシッ!!!!
物凄い音がしてウルフィーの顔が歪む。
ウルフィーは、多少怯んだものの、
その牙で俄然向かってくる。
その牙と体当たりを優雅に交わしていくハサン。
聖騎士はマーラの世界では3倍の力を発揮するが
化身状態になると更に3倍、
つまり6倍の力を発揮するのだ。
遅い!遅いぞ!
軽やかに乱舞し、ウルフィーを翻弄する
ハサンである不動明王。
その力は圧倒的だった。
交わしざまに、足首にソウルパワーを宿す。
「不動明王キーーック!!」
あの獅子座出身のヒーローのように、
天高く舞い上がり不動明王の足が赤く発火していく。
そして強烈なその発火した高速の蹴りを
ウルフィーに叩き込む。
『ワ、ワォォーーン』
ちょっと情けなく
嘶きながら、ウルフィーは
派手にぶっ飛ばされ
血を吐き出しながら、空中を舞う。
こいよ!まだお前の力はそんなもんじゃないだろう。
ハサンは、某カンフー映画や、某仮想空間映画の主人公のように、手をクイックイッと返し、
「来いよ」と合図する。
ウルフィーは、ぶっ飛ばされた衝撃を空中で返しながら、地面に着地した瞬間に猛ダッシュしてきた……。
……と思いきや!
ハサンの視界から唐突に消えた。
ど、どこだ!!
周囲を見渡すが、ウルフィーの姿は無い。
突然大きな影が、上から現れる。
避けようしたが右腕に激痛が走る。
ウルフィーが右腕に噛みつき、
その牙は紅蓮の炎を宿し、腕を焼き焦がしていく。
う、うぁぁぁーーーー!!!
あ、熱い!熱い!
くそ、離れろ、離れろ!
ハサンはウルフィーな顔面を殴りまくるも
一向にウルフィーは離れない。
ブチッブチッブチブチッ!
肉の焼ける異臭と筋肉と腱の切れる音が無情に響く。
ギャーーーー!!!!
右腕をウルフィーは噛みちぎった。
血が大量に滴る。
ハ、ハァァ。クソ。やるじゃねーか。
残る左手に最大の力を込める。
『ノウマクサーマンダー、バーサラダーセンダー、マーカロシャーナー、ソワタヤ、ウンタラターカンマン!
不動の力よ、左手に大いなる力を与えよ。』
ソウルパワーが一際左腕に宿る。
白光に輝くハサンの左腕。
いくぞ!ウルフィー。
右腕の感覚が無い。
そりゃそうだ。右腕はアイツに食い千切られた。
血が大量に出ている。
鬼のような形相で最後の一撃を見舞うために立ちはだかるハサン。
ウルフィーは思う。
こいつは好敵手だ。
戦意喪失して逃げると思いきや、
立ち上がってきた。
ならば、我も最大の奥義で奴に勝つ。
ウルフィーの身体は瘴気のオーラを大きく纏い全身から黒炎が吹き出ている。
ウルフィーは大きく上空に飛ぶと空中で回転を行う。
黒い影が黒炎を纏いながら回転しながら高速でハサンに襲いかかる。
『天狼罰当牙牙!
グォォォッ!!』
物凄い高速な黒炎球!
不動明王の神眼が光る!
「ここ!」
黒炎球の高速な動きを見切り、
渾身の力を込めた左拳を
ウルフィーの心臓目掛け殴りつける。
「不動明王奥義!愛拳眼出流!!!!」
ドゴッドゴワシッッ!!!!
物凄い音と爆煙。もうもうと立ち込める煙に
巻かれて二人の姿が見えなくなる。
「どっちが勝ったの?」
セシア達は心配そうに見つめる。
煙が晴れて立っていたのは
不動明王の化身が解けたハサンであった。
「ウルフィーの手当と、
俺に『トホカミエミタメ』を頼……む」
ハサンは意識を失い倒れたのであった。
次回へ続く
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