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第六章 邪神の欠片を旬滅せよ

第37話 人狼の正体①

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人狼は付近の洞窟に住むと言う。

民を不安に陥れる魔性め。
このハサンが退治してくれる。

人狼とは獣人のことで、
半身半獣の存在、

セシアそうだよね?

ハサンは一応セシアに尋ねる。

獣人と人狼は違うの?
と質問するとセシアも
「アタイよく分かんない」だって。

なんで人狼は、人を襲うのか?

そもそもこの国は亜人の国でしょ。
少し聞き込みからしていくか。

風の噂では、シマジと言う
10代の男の狼族の獣人が
聖騎士の弟子になりたいと里を出た
と言う情報を幾人からか聞いた。

しかし、消息はそこから途絶えているという。

情報を頼りに、シマジの動向を探っていると
彼は『ポックントン拳』の
プロットと言う拳士の弟子になったという。

しかしプロット老は既に亡くなっており、
そこからシマジの行方は
知られてないようである。

宿を借りた里長や里の人々に礼を述べ、
里を後にする。

里長は「ニヤリ」と不敵な笑みを浮かべる。
ハサンが里から見えなくなると里は
霧のように消えるのであった。

一度ハナカサの村と言う村に着く。
村では村長を始め聖騎士一行の到着を
歓迎してくれる。

「さあ、今日は聖騎士様に宴を用意しました。
ゆっくりとお寛ぎ下さいませ」

人狼はシマジと言う獣人族の少年なのか?

疑問がよぎる。
ま、いいか。
そんなこと。

ヤマゲータ地方は温泉地である。
例に漏れず、ハナカサ村も温泉で有名だ。

ヒノキの風呂に竹筒に酒をついで
『はぁ~』と一息。

今宵は満月。冬の月はなんて美しいのか。
マーラの月は人の世界と比べて
白光して斑である。

しかし、それが何ともまた『をかし』
なのである。

料理も旨かった。
ヤマゲータ地方で取れた牛
モゲミ牛と言うらしいが、
これが脂が乗っていて旨かった。

村一番の調理人が、
ステーキにして出してくれたのだ。

後はジビエ料理と言うのか、普段食べているマシカの肉、ドテチンとキノコ、山菜をふんだんに入れて、昨日取れたばかりの鳥型のアヤカシ=マキジ(キジみたいな鶏)を鍋にしてくれた。

『マキジは貴重でなかなか取れないんですよ』
と村人は言う。

ほろろと肉は柔らかく、
出汁もしっかり出て味噌がまた旨い。

お酒進んじゃうよね。
俺弱いのよ。

そう云えば、自衛官の頃初めての演習で、
防護マスクに寝ゲロしたのを思い出した。

班長から殴られて、
『マーライオン!』と言われたな。
そんな事思い出しながら
お酒をチビチビたしなむ。

ここのお酒は『どぶろく』に近い。
コクがあり深くて甘口なんだ。
グイグイいっちゃう。 
 
ノボセちゃうな。

あいつらは何してんだ? 

ふと垣根の外を見ると、
セシアとメイとジンタンは
宿屋の裏手で雪合戦してる。

若いっていいよね。
もう、この年だと交じろう
なんて思わないけどね。

さあ、明日出来ることは明日考えよう。

見も心も暖かくなりながら、
人狼対策を考えるのであった。

次回へ続く
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