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楽園
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【拠点・夕暮れ時】
俺たちが戻ると日が暮れていた。愛丘を呼び出してその話をすると、女子達が同じ反応で大喜びをしていた。俺と愛丘は同時に言う。
「「そろそろ塩が欲しい」」
俺たちはお互い顔を見合わせた。
「気が合うな」
「山塩がもしかしたら……一番は海があればいいんだけどね」
「あればいいな。でも先を考えると色々楽しみだ」
一方で男子も半数が、ハイテンションかつ小声で喜んでいた。
「よっしゃー! 自然の温泉とか最高じゃん!」
「早速調査だぁぁああ!」
「明日からだけどね」
【時は流れ、16日の14時過ぎ】
先日愛丘が太陽の動きから、大雑把にだが方角を勝手に決めた。現在もしっかりと影や太陽、星の位置など記録を取っている。川の方面が西、下流方面が北と言った具合だ。旧拠点はここから大よそ北東になる。
狩猟や採取など生活に影響がない程度に終わった日を狙い、皆が集まる。調査の結果、大丈夫そうだと判断した。この時の為に、密かに服を洗ったりご飯も食べたりして準備万全である。佐久間が話し始めた。
「それじゃあ皆! 温泉に行こうか!」
予め草を切ったり目印を置いたりして、道を作っておいたのでスムーズに目的地へと着いた。温泉を見た瞬間、誰もが感嘆の声を漏らした。
早速準備をしている男子たちに対して後藤が言う。
「ちょっと待って男子!」
「何だよ委員長?」
「私たちが先に入りたいから、見張りお願いしたいんだけど?」
「えー、何でだよ~」
「こういう時くらい譲ってくれてもいいじゃない……」
チラっと佐久間の方を見た。彼が口を開く前に不死原が言う。
「はぁ~、今日はそういうの無しでいいだろ~。取り合えず自由に楽しもうぜ~」
鮫島も絶妙なタイミングで割り込んで来た。
「そうそう、根元の能力があるから見張りとか要らねって!」
「いやいやいや! 普通に無理でしょ! 常識で考えて!」
「いや、でもさー。そっちが先に入っても良い事ないけどな~」
「どういう事よ?」
「だってさ、後から男子が楽しんでる所をじっと待つの? 絶対に体が冷えるぞ? お前等は大事な仲間だし、風邪とか引いて欲しく無いんだよ。なぁ皆?」
数人がまるで訓練されていたかの様に深く頷いた。
俺たちが戻ると日が暮れていた。愛丘を呼び出してその話をすると、女子達が同じ反応で大喜びをしていた。俺と愛丘は同時に言う。
「「そろそろ塩が欲しい」」
俺たちはお互い顔を見合わせた。
「気が合うな」
「山塩がもしかしたら……一番は海があればいいんだけどね」
「あればいいな。でも先を考えると色々楽しみだ」
一方で男子も半数が、ハイテンションかつ小声で喜んでいた。
「よっしゃー! 自然の温泉とか最高じゃん!」
「早速調査だぁぁああ!」
「明日からだけどね」
【時は流れ、16日の14時過ぎ】
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「それじゃあ皆! 温泉に行こうか!」
予め草を切ったり目印を置いたりして、道を作っておいたのでスムーズに目的地へと着いた。温泉を見た瞬間、誰もが感嘆の声を漏らした。
早速準備をしている男子たちに対して後藤が言う。
「ちょっと待って男子!」
「何だよ委員長?」
「私たちが先に入りたいから、見張りお願いしたいんだけど?」
「えー、何でだよ~」
「こういう時くらい譲ってくれてもいいじゃない……」
チラっと佐久間の方を見た。彼が口を開く前に不死原が言う。
「はぁ~、今日はそういうの無しでいいだろ~。取り合えず自由に楽しもうぜ~」
鮫島も絶妙なタイミングで割り込んで来た。
「そうそう、根元の能力があるから見張りとか要らねって!」
「いやいやいや! 普通に無理でしょ! 常識で考えて!」
「いや、でもさー。そっちが先に入っても良い事ないけどな~」
「どういう事よ?」
「だってさ、後から男子が楽しんでる所をじっと待つの? 絶対に体が冷えるぞ? お前等は大事な仲間だし、風邪とか引いて欲しく無いんだよ。なぁ皆?」
数人がまるで訓練されていたかの様に深く頷いた。
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