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そんな事もある
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しかし、獣はまだ力が余っており、まだまだ暴れる。腕に力を込めて何とか立ち上がり、逃げようとする。間に合うか? そこで幸いにも、再び時間が止まった。
(みーちゃん助かる!)
俺は脚に力を込めてダッシュする。宝剣の腕を掴み急いで離れる。獣はまだ暴れているので危険。そこで俺は驚いた。突然獣が不自然に地に伏した。獣はしばらくすると勢いが次第に衰え、終に倒れた。
「やっ」
「おい、それ以上は何も言うな宝剣……」
そう声をかけたのは白竜。肩を上下させ、激しく呼吸を繰り返していた。恐らく二度、不可思議な現象を起こした張本人だ。
しばらく様子を見ていたが、獣が起き上がる事は無かった。念のため数回杖で指してみたが反応は無い。
「ふぅ……何とかなったな」
ホッと胸をなでおろすが、彼等はまだ深刻な表情をしていた。誰かが動かねばと思い、鳳の体を強めに揺すっていた。起きろと強めに言い続ける。
(ははは、確かに心配したけど、そんなに怒らなくても良いのにな。今は一緒に勝利を喜ぼう)
「取りあえず、鳳を急いで拠点に運んで、それから起こそう。ここは危険だ。それですぐに体を温めてあげよう。少し肌寒いからな」
「待て!」
宝剣が急に大声を出して制止してくる。
「ん?」
「間違えであって欲しかった……だが」
「どうした?」
「城詰……落ち着いて……聞いてくれ……」
「な、何だよ? 怖い顔して……」
彼が地面を指差す。そこには血だらけの兎の様な獣が倒れていた。猪が暴れていたので気が付かなかった。
(お、兎の獣もか。これは幸運か? でもちょっと臭うし、止めとくか? 取り合えず猪の方は血抜きっぽい状態になったし、後は内臓を取り除いて……)
そこで俺は気が付いた。兎をよく見ると、かまいたちに触れたかの様な切り傷が無数にあった。ふと周りの木々を見ると、そこにも鋭い何かで抉った痕跡があった。
(……かまいたち? 鳳が戦った跡、か……?)
「あのな……俺たちがここに来た時には既に……」
「おいおい、宝剣……さっきから一体何を……」
「鳳の脈が無い……」
場の空気が凍り付いたのを感じた。
「……は、はぁ? じょ……」
先に見つけた三人は誰一人笑って無かった。目を伏せ、今にも泣きそうな表情にも見えた。
(冗談だろ……そ、それってまさか……)
「鳳は……死んでる……」
「ッ……」
本当は、もしかしたらと。俺はそれを考えない様にしていた。だがそれは聞き間違えでは無い。そして、もう逃避は許されない。宝剣はもっとも残酷な言葉を真っすぐ突き付けて来た。
宝剣たちの陰になって見えなかった。鳳の腹部と胸付近が血で汚れている事に気が付いた。今まで気が付かなかったのが不思議なくらい、大量に出血していた。
(ああ……)
俺は無意識に目を見開いていた。円城寺もみーちゃんも同じくらい。いや、それ以上に驚いていた。彼女等は震えていた。手を口に当てて後退る。
「そ、そんな……嘘、よ……」
その言葉を肯定する者は誰も居なかった。どのくらい時が経っただろうか。俺たちその場に佇む事しか出来なかった。
☆☆☆☆☆
・登場人物(会話)
鉄 豪危 鳳に絡んだ人
天羽 凪 鳳を褒めた人
----------
水源探索組 十八名
初参加:城詰 男性。能力:無力
初参加:円城寺 女性。能力:炎術士
二回目:五鬼継 女性。能力:時間停止
初参加:佐久間 男性。能力:ミニマム
初参加:水谷 玲奈 女性。
二回目:鮫島 男性。
二回目:萩原 男性。
二回目:松本 女性。
二回目:田村 男性。
初参加:宝剣 正宗 男性。
初参加:白竜 龍人 男性。
初参加:田中 日菜乃 女性。
二回目:宮本 男性。能力:身体強化
二回目:清時 男性。
初参加:後藤 彩夏 女性。
二回目:武田 男性。
初参加:秋元 狂 男性。
二回目:不死原 男性。
-----
死亡
鳳 将史 職:オラクル。能力:かまいたち
☆☆☆☆☆
(みーちゃん助かる!)
俺は脚に力を込めてダッシュする。宝剣の腕を掴み急いで離れる。獣はまだ暴れているので危険。そこで俺は驚いた。突然獣が不自然に地に伏した。獣はしばらくすると勢いが次第に衰え、終に倒れた。
「やっ」
「おい、それ以上は何も言うな宝剣……」
そう声をかけたのは白竜。肩を上下させ、激しく呼吸を繰り返していた。恐らく二度、不可思議な現象を起こした張本人だ。
しばらく様子を見ていたが、獣が起き上がる事は無かった。念のため数回杖で指してみたが反応は無い。
「ふぅ……何とかなったな」
ホッと胸をなでおろすが、彼等はまだ深刻な表情をしていた。誰かが動かねばと思い、鳳の体を強めに揺すっていた。起きろと強めに言い続ける。
(ははは、確かに心配したけど、そんなに怒らなくても良いのにな。今は一緒に勝利を喜ぼう)
「取りあえず、鳳を急いで拠点に運んで、それから起こそう。ここは危険だ。それですぐに体を温めてあげよう。少し肌寒いからな」
「待て!」
宝剣が急に大声を出して制止してくる。
「ん?」
「間違えであって欲しかった……だが」
「どうした?」
「城詰……落ち着いて……聞いてくれ……」
「な、何だよ? 怖い顔して……」
彼が地面を指差す。そこには血だらけの兎の様な獣が倒れていた。猪が暴れていたので気が付かなかった。
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そこで俺は気が付いた。兎をよく見ると、かまいたちに触れたかの様な切り傷が無数にあった。ふと周りの木々を見ると、そこにも鋭い何かで抉った痕跡があった。
(……かまいたち? 鳳が戦った跡、か……?)
「あのな……俺たちがここに来た時には既に……」
「おいおい、宝剣……さっきから一体何を……」
「鳳の脈が無い……」
場の空気が凍り付いたのを感じた。
「……は、はぁ? じょ……」
先に見つけた三人は誰一人笑って無かった。目を伏せ、今にも泣きそうな表情にも見えた。
(冗談だろ……そ、それってまさか……)
「鳳は……死んでる……」
「ッ……」
本当は、もしかしたらと。俺はそれを考えない様にしていた。だがそれは聞き間違えでは無い。そして、もう逃避は許されない。宝剣はもっとも残酷な言葉を真っすぐ突き付けて来た。
宝剣たちの陰になって見えなかった。鳳の腹部と胸付近が血で汚れている事に気が付いた。今まで気が付かなかったのが不思議なくらい、大量に出血していた。
(ああ……)
俺は無意識に目を見開いていた。円城寺もみーちゃんも同じくらい。いや、それ以上に驚いていた。彼女等は震えていた。手を口に当てて後退る。
「そ、そんな……嘘、よ……」
その言葉を肯定する者は誰も居なかった。どのくらい時が経っただろうか。俺たちその場に佇む事しか出来なかった。
☆☆☆☆☆
・登場人物(会話)
鉄 豪危 鳳に絡んだ人
天羽 凪 鳳を褒めた人
----------
水源探索組 十八名
初参加:城詰 男性。能力:無力
初参加:円城寺 女性。能力:炎術士
二回目:五鬼継 女性。能力:時間停止
初参加:佐久間 男性。能力:ミニマム
初参加:水谷 玲奈 女性。
二回目:鮫島 男性。
二回目:萩原 男性。
二回目:松本 女性。
二回目:田村 男性。
初参加:宝剣 正宗 男性。
初参加:白竜 龍人 男性。
初参加:田中 日菜乃 女性。
二回目:宮本 男性。能力:身体強化
二回目:清時 男性。
初参加:後藤 彩夏 女性。
二回目:武田 男性。
初参加:秋元 狂 男性。
二回目:不死原 男性。
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死亡
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