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そんな事もある
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「鳳? そういえば見て無いな」
普段は皆の前で騒ぐタイプでは無いので気が付かなかった。しかし、昨日あれほど騒いでいた男がやけに静かだなっとは皆も朧げに思っていたようだ。
「誰か知ってるか?」
皆は首を横に振った。野球部の清時が茶化しながら言う。
「トイレでも行ってるんじゃないか?」
サッカー部の田村もそれに笑いながら同意する。
「きっと大だぜ! それも特大だっ」
「ちょっとー。止めなさいよ~」
嫌がりながらも皆がその発言にホッとする。お手洗いで良かったと笑っていた。しかし、先生は顔を曇らせていた。
「……心配ですね。拠点に残った人で周辺を探しましょうか」
「はーい」
女子たちがそれに返事をした。愛丘が少し考えて言う。
「昨日は無理をしていたのかもしれないな。探索組の皆も、もし見つけたら戻って来るように声をかけてくれ」
こうして探索組はそれぞれ別れた。俺のチームはみーちゃんと円城寺だ。
「頑張ろうね」
「おう」
「うん、頑張ろう」
早速探索する。手ごろな木を両手に持ち、それを杖の代わりにして進む。円城寺が後ろにいた。軽く振り向いて話しかける。
「円城寺さん、MPはどう?」
「96になってたよ」
「良しっ、回復してる! 安心した」
「ふふ、城詰君がいるから心強いね」
「でしょ……ってあれ? 円城寺さん、彰人と仲良かったっけ?」
「あ、えっと」
「昨日、ちょっと話したんだ。その時にな」
「へ~。口説いたの?」
みーちゃんが何時も通り、冗談交じりの表情を向けて来た。その時、円城寺が下を向く。
「何でそうなるんだよ……こんな状況なんだぞ。余裕があるやつが体調に気を使わないと不味いだろ……というか変なこと言うなよ。円城寺が困ってるだろ」
(あ、さんつけ忘れた……)
「おや、それはしつれ~い」
「それよりもっ、獣にあったら後づさり、背中を見せずにゆっくり逃げろよ」
「城詰君の能力じゃ倒せないの?」
「無理だ。多分、俺の能力は獣には効果が無い。その代わり、俺が囮になって、最後に離脱する」
「まあ、そう言うと思った。だから私が来たんだけどね……本当は要と一緒の方が良かったと思うけど」
「わ、私の炎じゃ駄目かな?」
「それは最終手段。倒せるか分からないし、下手に攻撃すると反撃される。出来るなら獣に逃げてもらう方が良いな。最悪、戦う事になったら目や体の柔らかい部分を狙っていこう」
「うん、分かった」
俺は熊やライオンなどを思い浮かべる。怖い。目は的が小さくて当てるのが難しい。だけど大きな獣の体にダメージを与えられるか分からない。なら賭けに出た方が良い。視界を奪えば勝てるだろ。か、勝てるよね? 獣が驚いて逃げてくれることを願おう……。
そこで俺はある物を見つけた。
「お、ベリーっぽいけど、これ食えるか?」
「食べてみる?」
「ん~。まだ食べない。取り合えず袋に入れて持って帰ろう」
普段は皆の前で騒ぐタイプでは無いので気が付かなかった。しかし、昨日あれほど騒いでいた男がやけに静かだなっとは皆も朧げに思っていたようだ。
「誰か知ってるか?」
皆は首を横に振った。野球部の清時が茶化しながら言う。
「トイレでも行ってるんじゃないか?」
サッカー部の田村もそれに笑いながら同意する。
「きっと大だぜ! それも特大だっ」
「ちょっとー。止めなさいよ~」
嫌がりながらも皆がその発言にホッとする。お手洗いで良かったと笑っていた。しかし、先生は顔を曇らせていた。
「……心配ですね。拠点に残った人で周辺を探しましょうか」
「はーい」
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「昨日は無理をしていたのかもしれないな。探索組の皆も、もし見つけたら戻って来るように声をかけてくれ」
こうして探索組はそれぞれ別れた。俺のチームはみーちゃんと円城寺だ。
「頑張ろうね」
「おう」
「うん、頑張ろう」
早速探索する。手ごろな木を両手に持ち、それを杖の代わりにして進む。円城寺が後ろにいた。軽く振り向いて話しかける。
「円城寺さん、MPはどう?」
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「良しっ、回復してる! 安心した」
「ふふ、城詰君がいるから心強いね」
「でしょ……ってあれ? 円城寺さん、彰人と仲良かったっけ?」
「あ、えっと」
「昨日、ちょっと話したんだ。その時にな」
「へ~。口説いたの?」
みーちゃんが何時も通り、冗談交じりの表情を向けて来た。その時、円城寺が下を向く。
「何でそうなるんだよ……こんな状況なんだぞ。余裕があるやつが体調に気を使わないと不味いだろ……というか変なこと言うなよ。円城寺が困ってるだろ」
(あ、さんつけ忘れた……)
「おや、それはしつれ~い」
「それよりもっ、獣にあったら後づさり、背中を見せずにゆっくり逃げろよ」
「城詰君の能力じゃ倒せないの?」
「無理だ。多分、俺の能力は獣には効果が無い。その代わり、俺が囮になって、最後に離脱する」
「まあ、そう言うと思った。だから私が来たんだけどね……本当は要と一緒の方が良かったと思うけど」
「わ、私の炎じゃ駄目かな?」
「それは最終手段。倒せるか分からないし、下手に攻撃すると反撃される。出来るなら獣に逃げてもらう方が良いな。最悪、戦う事になったら目や体の柔らかい部分を狙っていこう」
「うん、分かった」
俺は熊やライオンなどを思い浮かべる。怖い。目は的が小さくて当てるのが難しい。だけど大きな獣の体にダメージを与えられるか分からない。なら賭けに出た方が良い。視界を奪えば勝てるだろ。か、勝てるよね? 獣が驚いて逃げてくれることを願おう……。
そこで俺はある物を見つけた。
「お、ベリーっぽいけど、これ食えるか?」
「食べてみる?」
「ん~。まだ食べない。取り合えず袋に入れて持って帰ろう」
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