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第9話
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暇を持て余した私は屋敷を掃除することに決めた。
他に誰もいない屋敷でただただジッとしているなんて気が変になりそうでーーとにかく何か意味のあることがしたかった。
1階の倉庫からモップを引っ張り出してきて屋敷中の床を隅から隅まで磨きあげる。
不思議なもので没頭していると、憂鬱な気分も消え去り気がつけば鼻歌を口ずさんでいた。
「~♫、~♪」
何かを綺麗にすると気分も良くなる。
家事を仕込んでくれたお母様に今更ながら感謝した。
床の掃除の次はハタキを持って机や階段の手すりなどあらゆる場所のホコリをはたいて回る。
最後は2階の書斎。
あまり手に取られている様子の無い本や本棚には白いホコリが薄く積もっていた。
「あら?これは・・・」
パタパタはたいている途中、ふと本棚の一角に違和感を覚えた。
分厚い専門書の中に、数冊の薄い本が混ざっている。
手にとってみると、どうやら正式に出版された書物ではなく個人が作った冊子のようだった。
紙の黄ばみ具合から見て、書かれたのは10年以上は前だろうと推定する。
題名は・・・
「Flora's Memorandum・・・?」
奇しくもアレン様の商会と同じ名前。
ページをめくってみると、どうやらフローラという女性の個人的な書き物らしい。
内容は料理のレシピやガーデニングの成果、そして日々の出来事の記録だった。
ざっと目を通して見た限り、フローラさんは私と似たような趣味の持ち主らしい。
もっと詳しく読みたい、そう思った掃除を終えると『フローラの備忘録』のうち1冊を持って自分の部屋に戻った。
倉庫の干し肉とパンで簡単な夕食を済ませて部屋に戻った時には、もう日が暮れていた。
倉庫から持ってきたランプの灯りを頼りに私は『フローラの備忘録』のページをめくり続けた。
(フローラさん・・・是非1度お会いしたいわ・・・)
1時間ほど読んだ時点で私はフローラさんに親近感を抱いてしまっていた。
家事と庭いじり。
友人達から年寄りくさいといわれる私の趣味は中々同好の士に出会えない。
孤独だと思っていた屋敷で思いがけず、趣味の同志の存在を文字を介して知ることができて、私は嬉しかった。
フローラさんの備忘録を読みながら、いつの間にか私は寝入ってしまった。
他に誰もいない屋敷でただただジッとしているなんて気が変になりそうでーーとにかく何か意味のあることがしたかった。
1階の倉庫からモップを引っ張り出してきて屋敷中の床を隅から隅まで磨きあげる。
不思議なもので没頭していると、憂鬱な気分も消え去り気がつけば鼻歌を口ずさんでいた。
「~♫、~♪」
何かを綺麗にすると気分も良くなる。
家事を仕込んでくれたお母様に今更ながら感謝した。
床の掃除の次はハタキを持って机や階段の手すりなどあらゆる場所のホコリをはたいて回る。
最後は2階の書斎。
あまり手に取られている様子の無い本や本棚には白いホコリが薄く積もっていた。
「あら?これは・・・」
パタパタはたいている途中、ふと本棚の一角に違和感を覚えた。
分厚い専門書の中に、数冊の薄い本が混ざっている。
手にとってみると、どうやら正式に出版された書物ではなく個人が作った冊子のようだった。
紙の黄ばみ具合から見て、書かれたのは10年以上は前だろうと推定する。
題名は・・・
「Flora's Memorandum・・・?」
奇しくもアレン様の商会と同じ名前。
ページをめくってみると、どうやらフローラという女性の個人的な書き物らしい。
内容は料理のレシピやガーデニングの成果、そして日々の出来事の記録だった。
ざっと目を通して見た限り、フローラさんは私と似たような趣味の持ち主らしい。
もっと詳しく読みたい、そう思った掃除を終えると『フローラの備忘録』のうち1冊を持って自分の部屋に戻った。
倉庫の干し肉とパンで簡単な夕食を済ませて部屋に戻った時には、もう日が暮れていた。
倉庫から持ってきたランプの灯りを頼りに私は『フローラの備忘録』のページをめくり続けた。
(フローラさん・・・是非1度お会いしたいわ・・・)
1時間ほど読んだ時点で私はフローラさんに親近感を抱いてしまっていた。
家事と庭いじり。
友人達から年寄りくさいといわれる私の趣味は中々同好の士に出会えない。
孤独だと思っていた屋敷で思いがけず、趣味の同志の存在を文字を介して知ることができて、私は嬉しかった。
フローラさんの備忘録を読みながら、いつの間にか私は寝入ってしまった。
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