Take On Me 4

マン太

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26.遠方より

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「撮影中、確保はいらないな。ここならあちこち歩き回らなければ大丈夫だ。雪庇を踏み抜くなよ?」

 頂上からはやや下方、二畳あるかないかのスペースに張ったテントの中にまとめたザイルを放り込むと円堂はそう口にした。

「分かりました」

 岳は頷く。一度、下見した際、峰の頂きの平坦な場所は畳六畳ほどはあった。確かに中央付近にいれば問題はなさそうだ。風も収まり絶好の撮影機会。

「さて。始めようか」

 円堂がにこりと人懐こい笑みを浮かべ、楽しげにザックから撮影機材を取り出した。分厚い赤いジャケットを着ていても、動きは軽快だ。
 対して岳はブルーのジャケットを身に着けている。こちらも分厚いがこれくらいなければ、寒さから身を守れない。
 そうして、撮影を始めて数時間。ほぼ未踏と思われる峰に登っての撮影は無事終了した。
 向かいに広がる山容は、言葉では形容し難く。その荘厳な様は、まるでクラシック音楽が流れているような、宗教音楽が流れているような。ただそこに存在する巨大な岩や地層の塊であるのに圧倒された。
 機材を元通りザックへしまい、後は下山するのみ。標高は六千メートル行くか行かないか。そうは言っても空気は薄く、一足進めるのもやっとになる。
 撮影は円堂と岳の二人だけだった。高所のため、出来るだけ人数は制限したかったのもある。
 それに、やはり危険を伴う場所は、十分気心の知れた信頼出来る相手と組みたいとは円堂の談だった。
 それは岳も同じで。学生時代から頼れる先輩として先を歩く円堂を信頼しない筈がない。

「さて、これで終了だな。急いで下山しないと夕飯に間に合わない」

 円堂はそう言って笑う。その胸もとのポケットには、残してきた子供二人の写真が入っていた。ここへ登る前、見せてくれたのだ。
 幾分、幼い頃のものなのは、成長した息子が写真を撮られるのを嫌がった為らしい。

「あいつらには内緒だけどな」

 そう言っておどけた風に口をへの字に曲げて見せたのは昨晩のこと。
 彼なりに子供を愛しているのだ。ただ、自分の夢への思いが強く、どうしてもそちらに力が入ってしまう。熱中すると他へと力が向かなくなるのだろう。
 子供たちによく思われていないことは分かっていても、やめられないのだ。この性分は一生治らないと、笑っていた。
 子供にすれば、ずっと自分たちの傍にいてくれる親の方がいいに決まっている。何かあればすぐに手を伸ばし守ってくれる、それが親に求めているものだ。
 しかし、親も一人の人間。個人としての生き方がある。全て子の思う様にはいかないのだ。
 円堂の様に、夢に生きる親の元に生まれれば、それを受け入れるしかない。逆にその寂しさ辛さを知って、自身の今後に生かしていくしかないのだ。
 幸せのなかでそれを知る者もいれば、悲しさの中で知る者もいる。どちらも得るものは一緒だ。
 当然、前者の方がいいだろうが、後者の方がより心に刻まれる。強くなれると思えた。

 大和がそうだな。

 大和の環境は、はたから見ればひどいものだった。岳は片親だったが、成人まで母親がいた。亜貴にも父がいた。
 けれど、大和は中学一年で母を亡くし、それからは父と二人となった。
 父は酒とギャンブルに明け暮れ家には不在に近かく。ろくに生活費も入らず、生活は貧困を極めていただろうことは予想がつく。
 だが、大和はそれを淡々と受け入れ、ごく当たり前のものとして生活してきた。周囲の支えもあった。辛い中で、よりそれを感じ取ることができただろう。

 だから、大和は強い。

 耐えるというより、ただ受け入れ、周囲の優しさに気づき感謝しながら、必死に生きた。
 どうしてこんな環境にと壁を前に嘆くより、前にある壁を必死に越える術を考え、乗り越えてきたのだ。そして、周囲にある優しさにも気づく。
 その大和を得ることができた自分は、幸せ者だと思う。大和はどんな鉱石より輝いて見えた。

 早く会いたい。

 それが今の岳の思いだった。
 どんな時も大和の傍にいたかった。いるだけで、癒され心が穏やかになる。楽しいのだ。
 どんなに辛いことも、悲しいことも。大和がいれば乗り越えられる。そう思えた。

+++

「岳、降りるぞ」

「はい」

 先にテントの場所まで降りた円堂が、撮影場所からやや下方、離れた場所に張ったテントを撤収しようと、片付けを開始したときそれは起きた。

「ラクだ!」

 異変に先に気づいた円堂が叫ぶ。山頂から下山仕掛けた岳は、雷の様な轟音を耳にする。目の先をキラリと何かが掠めたと思った瞬間、それは襲って来た。
 削り取られた岩の大きな欠片が、雪とともに岳と円堂の間にあった雪面を転がり落ちて来たのだ。

「っ!」

 咄嗟に山側に身体を伏せピッケルを雪面に叩きつける様に差し込み体勢を確保する。岳の上に岩が張り出していたお陰で、直撃は免れた。
 ゴゴッと地響きと共に岩や雪の塊が滝のように流れ落ちて行く。
 雪や岩の欠片が背中だけではなく身体中、雨の様に叩きつけてくるのを耐え、ようやくそれが終わりを見せた頃、顔を上げて見た景色は、一変していた。
 辿ってきた道は雪にかき消され一面の雪と岩の欠片が覆っている。テントは埋もれたのか飛ばされたのか、あったはずの場所には雪面が広がるばかり。
 雪崩が起きたのは、丁度、山頂側にいた岳とテントの間。どうやら上部で落盤が起きたらしい。
 岳自身に怪我はなかった。

「先輩…!」

 呼ぶ声が僅かに震えた。こういう時こそ冷静にならなければならない。呼吸を整えもう一度呼ぶ。

「円堂先輩! どこにいますか!」

 暫くして、何もないと思えた雪面の一か所が盛り上がり、見覚えのある赤いジャケットが見えた。

「大丈夫だ! ここにいる!」

 どうやら円堂も運よく岩陰に身をひそめることができたらしい。そこを避けるように雪や岩が滑り落ちていったようだった。雪を被った程度で済んでいる。
 良く見れば、テントも半分程は無事な様だった。後は吹き飛ばされている。
 テントを張る場所は悪くはなかったが、雪崩の道は予測できても、突然の落盤までは不可能だった。
 起こったのはそれほど大きな落盤ではなく、僅かな岩が崩れたらしい。上部に崩れる前にはあったはずの岩が雪とともに消えていて、生々しい岩肌をそこに見せていた。
 岳は置かれた状況を確認する。
 自分とテントのあった場所、円堂のいる場所とは五、六メートルほど。下山するにはその先円堂側に行かねばならないが、今、落石と雪崩が起きたばかりの箇所を渡るのはかなり危険だった。
 今も僅かに小石や雪崩の名残りが落ちて行く。また触れれば落盤を誘発させるかもしれない。
 なにより、岳の手にあるのはピッケルのみ。滑落防止の為に行う自身の安全確保セルフビレイはできない。だいたい、そのためのザイルも支点を作るためのスノーバーもテントの中。円堂の側だ。
 幸い撮影機材は、そのほとんどを円堂が先に背負っていたため被害はないが、通信機器は先ほどの雪崩で残りのテントとともに吹き飛ばされたようだった。
 これでは下にあるベースキャンプと交信が取れない。今頃、上部で起きた落盤と雪崩に気づき大騒ぎだろう。
 ただテントより下は、フィックスロープによってルートの確保はできている。
 何度か通過する場所のため、そうしてあったのだ。それを辿れば円堂のみなら下山は可能だった。
 今は日中に差し掛かるころだが、下山はより慎重に行わねばならない。時間がかかるのだ。今からベースキャンプまで下山しなければどこか途中で一晩、ビバークしなければならない。
 高所でろくな装備もなくそれをするのは危険だった。天候も今は晴れているがそのうち崩れるとの予報を得ている。

 生き延びるため、安全に下山するための最善の策は──。

 一瞬、大和の顔が脳裏を横切ったが、岳は心を決める。

「先輩。俺に構わず下山してください。テントの中にあった通信手段は絶たれています。ベースキャンプまで降りて救助要請をお願いします。俺はここでビバークして明日まで待ちます」

 もう少し氷と雪をピッケルで掘れば何とか人ひとり座る程度の居場所は確保できそうだった。
 幸い、大きな岩が岳の上部にあり、向かい風でない限り雪や風の直撃は免れる。飲み物や簡単な携帯食、一人用のツェルトはリュックの中にあった。一晩なら越せるはず。
 ただ、襲ってくる寒さについては考えないようにした。手や足の指を凍傷で持っていかれる可能性はある。
 それを聞いて、サングラスをかけて見えないはずなのに、円堂の顔色が変わったのを岳は見た気がした。
 お互いに生き延びるにはそれしかない。
 ここで更に危険を犯して岳を救助した後、下山するより、円堂が先に下山して救助を頼んだ方が危険が少ないし、生存の確立も上がる。二人ともに遭難する目には合わなくて済むのだ。
 もし、ここで岳を救助するなら、さらなる危険を回避するため円堂が一度、こちらにロープを雪面に固定しながらわたってこなければならない。
 ほんの数メートルとは言え、落盤と雪崩が起こった後の急斜面だ。危険なことこの上ない。支点を取ることさえ危険だ。
 一晩、待って明日、早朝から行動を起こせば、雪も固まる。落石も落ち着き、危険度は幾分下がるだろう。

 それに。

 岳は円堂の胸元にそっと目を向けた。
 円堂には、まだ未成年の子どもがいる。彼らから唯一の家族を奪う訳には行かないのだ。親である円堂を彼らの元に帰さなければならない。

 自分が残る。

 それが最善の策だった。

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