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その後 ー君を思うー
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タイドが王都フンベルを去って数ヶ月。
将軍フォーティスはため息をつく日々が続いていた。
人をこれほど恋しいと思ったのは、いつぶりだろうか。大体、人を本気で好いたのも何年ぶりか。
しかし、タイドはとっくに心に決めた相手が──いたんだな。
何度目かのため息をつく。
フォーティスは、通りかかった外廊下のテラスから、階下の庭先の東屋で、ベルノと二人、歓談するタイドを見下ろす。
久しぶりに遊びに来たのだ。
今日はスウェルを伴っていないらしい。いつもベッタリ張り付いていると言うのに。
珍しいな。
ちらとベルノから耳にしたが、目や耳の代わりにエルフは野生の動物を使役するらしい。
と、言うことは──。
素早く周囲に目を走らせた。野鳥が鳴き、リスが木々の間を走り抜ける。
あいつ、どっかで見てやがんのか…。
あれだけベッタリの奴が、何もせずタイドを自由にするはずがない。
まったく。これじゃ、手も足も出せない。
傍にいないのなら──等と、不埒な事を考えていたのだが、そうも行かないようだ。
と、こちらに気づいたタイドが手を振って来た。
「フォーティス! 時間はある? 下で話さないか?」
さて、どうするか。
どこでスウェルが見ているか分からない。とっくにこちらの思いなど見通しているだろう相手に、わざと挑戦的な振る舞いに出るのもどうかと思ったが。
こちらに笑いかけて来るタイドの眩しさに、迷いは吹き飛んだ。別に話すだけならスウェルに気を使う事もない。
「暇を持て余していた所だ。今行く!」
その返答に、タイドはまた笑った。
「暇って、そんなはず無いだろ? 仮にも一国の防衛を任される将軍なのに…。フォーティスは相変わらずだな?」
階下に下りて東屋に向かうと、タイドが立ち上がって出迎えてくれた。空いた席を勧められる。
「いや、本当に暇なのさ。ベルノ様を前にこんな事は言いたくないが、オークも盗賊も大人しいもんだ。殊にオークはろくに出てこない。暇過ぎて暇を貰いたいくらいだ」
「平和はフォーティス達がしっかり見張ってくれているお陰だ。ありがとう」
ベルノは笑みを浮かべて答える。その間に、タイドが手際よくお茶を淹れてくれた。
品のあるいい香りが漂う。どちらかと言えば──いや、どちらかも無く、アルコールを好むが、今はまだ時間が早い。
まあ、仲間内なら飲む所だが──。
と、既に察していたタイドが笑いながら。
「フォーティスは、アルコールの方がいいだろうけど、今は我慢してくれ」
「なんだ。バレてたのか?」
「前は良く飲んでいただろ? 勤務中でも関係なく」
「おいおい。ベルノ様の前でバラすなよ。大体、勤務中ったって、一応、全部終わらせてからだったろう? タイド、お前だって飲んでたんだ。共犯だな?」
「フォーティスの誘いを断る訳には行かないだろう? 本当は困ってたんだ…」
わざとらしく、弱った表情を見せるタイドに。
「あぁ? それは聞き捨てならんな」
フォーティスはその頭をクシャリと撫でた。タイドは避ける素振りを見せるが、嫌そうではない。
以前と変わらないやり取りだ。けれど、あの頃はタイドに思い人はいなかった。いや。いないことになっていた──の方が、正しいのだろうが。
無理にでも、ものにしておけばな…。
好意の種類は違うにしろ、タイドに好かれているという自負はあった。手を出していれば、今頃、満更でもない関係になれていたかも知れない。
昔の記憶も戻らず、二人きり。今頃、仲良く──。
タイドは養ってくれていた、エルフの王子、スウェルの事を一時忘れたのだと言う。あとから聞けば、自分でそう望んだのだとか。
セルサスの王子として生きるためだったらしいが、他にも理由があったのかも知れない。
しかし、フォーティスは心の内で否定する。
──それはないか。
別れ際、そこまでしたと言うことは、よほど強い思いを持っていたからに違いない。そうしなければ、自分を保てる自信がなかったのだろう。
奴をそれほど好いている。
そんなタイドが、自分を真から好いてくれるはずが無かった。
傍らに座るタイドは、急にだんまりしたフォーティスをキョトンとして見つめている。
「フォーティス?」
「…なんでもない。ほら、せっかく淹れた紅茶が冷めるぞ」
「あ、うん…」
タイドは訝しげな顔を見せつつ、紅茶に口をつけた。
✢✢✢
ひとしきり歓談した後、部下に呼び出されフォーティスは席を立った。
別れ際、ベルノに断りを入れて、後を追って来たタイドはフォーティスを呼び止めると。
「フォーティス。何かあれば、遠慮せず頼って欲しい。出来ることはしたいんだ…」
先ほどの自分の様子を気に掛けているのだろう。フォーティスは笑みを浮かべると。
「これ以上は、タイドに迷惑はかけられんさ。──だが」
遠慮せず、と言うのなら。
「俺が──、いつかこの世を離れる時、傍らにいてくれたら嬉しい」
「フォーティス…?」
タイドの表情が曇る。
いつか来るその時に、もし、タイドが傍にいてくれたなら、どんなに嬉しいか。
しかし、言ってからフォーティスは首を振る。タイドにはスウェルがいる。彼を差し置いて、そんな無理は言えないだろう。
「冗談だ。ほら、ベルノ様を一人にするな?」
「約束する…」
「タイド?」
「きっと、傍にいる。約束だ」
言って真っすぐこちらを見つめて来た。
まったく──。
フォーティスは苦笑すると。
「…ああ。頼んだ」
タイドはきっと約束を守るだろう、そう思った。
この世を離れる最後の瞬間。愛しい人に見守られ、穏やかに旅立つのだ。最後の締めくくりには、上出来だろう。
その時だけは、タイドを自分のものに出来る気がした。
✢✢✢
「…逝ったのか?」
それまで窓際に佇んでいたスウェルは、ベッドの傍らに座るタイドに声をかけた。
必要なもの以外置かれていないシンプルな部屋には、エルフの里から摘んできた花々が咲き乱れる。
ここはフォーティスが将軍職を辞したあと、引き籠もった森の奥の小屋だ。近くには湖もあり、風光明媚な場所。のんびり余生を過ごすのはいい場所だった。
ここでフォーティスは悠々自適に暮らしていた。何より、エルフの森が近いためタイドらも頻繁に訪れやすく。フォーティスはそれを見込んでいたのかもしれない。
タイドはシワの増えた、それでも大きなフォーティスの手をずっと握っていた。
「…うん」
「そうか」
タイドは眠る様なフォーティスの顔を見つめながら。
「約束…だったんだ。傍にいるって」
「そうか…」
スウェルはタイドの傍らに立ち、その頭を自分の方へ引き寄せた。ぽすりと腹辺りに当たる。タイドは目を伏せ、されるままでいた。
「フォーティスのこと、嫌いじゃなかった…。好いてもらえたこと、嬉しかった…」
「ああ…。知ってる。俺以外でタイドを託せるなら、フォーティスだと思っていたよ」
「──っ…」
日に焼けた頬の上を、涙が滑り落ちる。綺麗な涙だと、スウェルは思った。
いつかは終わる命。
それまでどう生きるか、幾つもの選択を迫られる。フォーティスは、その中でタイドだけをただ思い続けた。
勿論、付き合う女性も幾人かいたが、特定の相手を作る事は無く。その女性の中には、フォーティスの子を宿した者もいた。
しかし、婚姻関係を結ぶ事は無く。資金はふんだんなく与え、時には父親らしく世話もしたが、家族は作らなかった。
タイドへの思いを貫き通したのだ。
本人に問えば、そうじゃないさと、否定しただろうが。
面倒なだけだと笑っただろう。
けれど、同じくタイドを思う者として、フォーティスの気持ちは痛いほどわかった。
強く思えば、思うほど。
同じくらい、相手の幸せを願う。
フォーティスはそうして生きて来た。
愛した者に看取られる最後は、幸せ以外の何ものでも無いだろう。
切ないけれど、自分の思いに忠実だった生き方に、後悔は無いはず。
よく、分かる。
「タイド。フォーティスは、十分、幸せだったよ」
「うん…」
タイドはそうして暫く、スウェルと共にそこへ佇んでいた。
フォーティスは、こちらをじっと見つめるタイドの眼差しに満足し目を閉じた。
ああ。今だけは──タイドは俺だけのものだ…。
この時ばかりは、タイドはフォーティスの事のみを思っている。まさに望んだ結果だ。
大きくひとつ、息を吐き出す。
タイド。俺はお前に出会えて、幸せだったよ。これからも、どうか幸せに──。
降り注ぐ日差しの中、屈託なく笑うタイドを、そこに見た気がした。
ー了ー
将軍フォーティスはため息をつく日々が続いていた。
人をこれほど恋しいと思ったのは、いつぶりだろうか。大体、人を本気で好いたのも何年ぶりか。
しかし、タイドはとっくに心に決めた相手が──いたんだな。
何度目かのため息をつく。
フォーティスは、通りかかった外廊下のテラスから、階下の庭先の東屋で、ベルノと二人、歓談するタイドを見下ろす。
久しぶりに遊びに来たのだ。
今日はスウェルを伴っていないらしい。いつもベッタリ張り付いていると言うのに。
珍しいな。
ちらとベルノから耳にしたが、目や耳の代わりにエルフは野生の動物を使役するらしい。
と、言うことは──。
素早く周囲に目を走らせた。野鳥が鳴き、リスが木々の間を走り抜ける。
あいつ、どっかで見てやがんのか…。
あれだけベッタリの奴が、何もせずタイドを自由にするはずがない。
まったく。これじゃ、手も足も出せない。
傍にいないのなら──等と、不埒な事を考えていたのだが、そうも行かないようだ。
と、こちらに気づいたタイドが手を振って来た。
「フォーティス! 時間はある? 下で話さないか?」
さて、どうするか。
どこでスウェルが見ているか分からない。とっくにこちらの思いなど見通しているだろう相手に、わざと挑戦的な振る舞いに出るのもどうかと思ったが。
こちらに笑いかけて来るタイドの眩しさに、迷いは吹き飛んだ。別に話すだけならスウェルに気を使う事もない。
「暇を持て余していた所だ。今行く!」
その返答に、タイドはまた笑った。
「暇って、そんなはず無いだろ? 仮にも一国の防衛を任される将軍なのに…。フォーティスは相変わらずだな?」
階下に下りて東屋に向かうと、タイドが立ち上がって出迎えてくれた。空いた席を勧められる。
「いや、本当に暇なのさ。ベルノ様を前にこんな事は言いたくないが、オークも盗賊も大人しいもんだ。殊にオークはろくに出てこない。暇過ぎて暇を貰いたいくらいだ」
「平和はフォーティス達がしっかり見張ってくれているお陰だ。ありがとう」
ベルノは笑みを浮かべて答える。その間に、タイドが手際よくお茶を淹れてくれた。
品のあるいい香りが漂う。どちらかと言えば──いや、どちらかも無く、アルコールを好むが、今はまだ時間が早い。
まあ、仲間内なら飲む所だが──。
と、既に察していたタイドが笑いながら。
「フォーティスは、アルコールの方がいいだろうけど、今は我慢してくれ」
「なんだ。バレてたのか?」
「前は良く飲んでいただろ? 勤務中でも関係なく」
「おいおい。ベルノ様の前でバラすなよ。大体、勤務中ったって、一応、全部終わらせてからだったろう? タイド、お前だって飲んでたんだ。共犯だな?」
「フォーティスの誘いを断る訳には行かないだろう? 本当は困ってたんだ…」
わざとらしく、弱った表情を見せるタイドに。
「あぁ? それは聞き捨てならんな」
フォーティスはその頭をクシャリと撫でた。タイドは避ける素振りを見せるが、嫌そうではない。
以前と変わらないやり取りだ。けれど、あの頃はタイドに思い人はいなかった。いや。いないことになっていた──の方が、正しいのだろうが。
無理にでも、ものにしておけばな…。
好意の種類は違うにしろ、タイドに好かれているという自負はあった。手を出していれば、今頃、満更でもない関係になれていたかも知れない。
昔の記憶も戻らず、二人きり。今頃、仲良く──。
タイドは養ってくれていた、エルフの王子、スウェルの事を一時忘れたのだと言う。あとから聞けば、自分でそう望んだのだとか。
セルサスの王子として生きるためだったらしいが、他にも理由があったのかも知れない。
しかし、フォーティスは心の内で否定する。
──それはないか。
別れ際、そこまでしたと言うことは、よほど強い思いを持っていたからに違いない。そうしなければ、自分を保てる自信がなかったのだろう。
奴をそれほど好いている。
そんなタイドが、自分を真から好いてくれるはずが無かった。
傍らに座るタイドは、急にだんまりしたフォーティスをキョトンとして見つめている。
「フォーティス?」
「…なんでもない。ほら、せっかく淹れた紅茶が冷めるぞ」
「あ、うん…」
タイドは訝しげな顔を見せつつ、紅茶に口をつけた。
✢✢✢
ひとしきり歓談した後、部下に呼び出されフォーティスは席を立った。
別れ際、ベルノに断りを入れて、後を追って来たタイドはフォーティスを呼び止めると。
「フォーティス。何かあれば、遠慮せず頼って欲しい。出来ることはしたいんだ…」
先ほどの自分の様子を気に掛けているのだろう。フォーティスは笑みを浮かべると。
「これ以上は、タイドに迷惑はかけられんさ。──だが」
遠慮せず、と言うのなら。
「俺が──、いつかこの世を離れる時、傍らにいてくれたら嬉しい」
「フォーティス…?」
タイドの表情が曇る。
いつか来るその時に、もし、タイドが傍にいてくれたなら、どんなに嬉しいか。
しかし、言ってからフォーティスは首を振る。タイドにはスウェルがいる。彼を差し置いて、そんな無理は言えないだろう。
「冗談だ。ほら、ベルノ様を一人にするな?」
「約束する…」
「タイド?」
「きっと、傍にいる。約束だ」
言って真っすぐこちらを見つめて来た。
まったく──。
フォーティスは苦笑すると。
「…ああ。頼んだ」
タイドはきっと約束を守るだろう、そう思った。
この世を離れる最後の瞬間。愛しい人に見守られ、穏やかに旅立つのだ。最後の締めくくりには、上出来だろう。
その時だけは、タイドを自分のものに出来る気がした。
✢✢✢
「…逝ったのか?」
それまで窓際に佇んでいたスウェルは、ベッドの傍らに座るタイドに声をかけた。
必要なもの以外置かれていないシンプルな部屋には、エルフの里から摘んできた花々が咲き乱れる。
ここはフォーティスが将軍職を辞したあと、引き籠もった森の奥の小屋だ。近くには湖もあり、風光明媚な場所。のんびり余生を過ごすのはいい場所だった。
ここでフォーティスは悠々自適に暮らしていた。何より、エルフの森が近いためタイドらも頻繁に訪れやすく。フォーティスはそれを見込んでいたのかもしれない。
タイドはシワの増えた、それでも大きなフォーティスの手をずっと握っていた。
「…うん」
「そうか」
タイドは眠る様なフォーティスの顔を見つめながら。
「約束…だったんだ。傍にいるって」
「そうか…」
スウェルはタイドの傍らに立ち、その頭を自分の方へ引き寄せた。ぽすりと腹辺りに当たる。タイドは目を伏せ、されるままでいた。
「フォーティスのこと、嫌いじゃなかった…。好いてもらえたこと、嬉しかった…」
「ああ…。知ってる。俺以外でタイドを託せるなら、フォーティスだと思っていたよ」
「──っ…」
日に焼けた頬の上を、涙が滑り落ちる。綺麗な涙だと、スウェルは思った。
いつかは終わる命。
それまでどう生きるか、幾つもの選択を迫られる。フォーティスは、その中でタイドだけをただ思い続けた。
勿論、付き合う女性も幾人かいたが、特定の相手を作る事は無く。その女性の中には、フォーティスの子を宿した者もいた。
しかし、婚姻関係を結ぶ事は無く。資金はふんだんなく与え、時には父親らしく世話もしたが、家族は作らなかった。
タイドへの思いを貫き通したのだ。
本人に問えば、そうじゃないさと、否定しただろうが。
面倒なだけだと笑っただろう。
けれど、同じくタイドを思う者として、フォーティスの気持ちは痛いほどわかった。
強く思えば、思うほど。
同じくらい、相手の幸せを願う。
フォーティスはそうして生きて来た。
愛した者に看取られる最後は、幸せ以外の何ものでも無いだろう。
切ないけれど、自分の思いに忠実だった生き方に、後悔は無いはず。
よく、分かる。
「タイド。フォーティスは、十分、幸せだったよ」
「うん…」
タイドはそうして暫く、スウェルと共にそこへ佇んでいた。
フォーティスは、こちらをじっと見つめるタイドの眼差しに満足し目を閉じた。
ああ。今だけは──タイドは俺だけのものだ…。
この時ばかりは、タイドはフォーティスの事のみを思っている。まさに望んだ結果だ。
大きくひとつ、息を吐き出す。
タイド。俺はお前に出会えて、幸せだったよ。これからも、どうか幸せに──。
降り注ぐ日差しの中、屈託なく笑うタイドを、そこに見た気がした。
ー了ー
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