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眠り姫
幽霊になりました3
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大変雑な計画が思わぬ結果を招くときもありますよね。
あのあと華麗なる(え?)入れ替え作戦となりました。絵描きさんの特技は人真似だそうですよ。化粧がお上手というより特殊メイクの域に達している気がしました。よく知っていれば違うところも見つけられるでしょうけど、パッと見は違いが判りません。リリーさんがうわーみたいな顔してましたのでやはり特殊技能でしょう。
そして、あたしはすっぴんからの印象を変える化粧を施されたのです。リリーさんは絵描きさんが女性としか思ってないようなんですよ。
いやぁ、その人、男の人でしてね? と言い出すとややこしいことになりそうなので黙っておきました。化粧されるくらいの距離感は少々緊張しましたね。
そのあと服も交換してあっさりと入れ替わりが成立しました。
そもそも絵描きさんがなぜ、こんなことになっているのかといえば。
「いやー、ばれちゃって」
などと原因について述べておりました。なんでも執事探偵の挿絵を書いていたのはこの方らしく、ギュンター氏をモデルにセバスを描いていたのがばれたそうです。
絶賛お仕置き中なのだそうですよ。
そっかー、本人かと次あったら思いそうです。
さて、リリーさんが薄気味悪そうに我々を見比べているくらいの完成度です。それをティルスが見破るわけもなくあっさりと屋敷の外へ送り出されました。
外に迎えがきていると言われましたが、いったいどういう……!?
「……心の準備なしにこれはひどくないでしょうか」
きょろきょろと見回してから発見したものに思わずこう口からこぼれました。屋敷の外、厳密にいえば屋敷を囲っている塀の向こう側ですね。通常の護衛が待機しているあたりという認識でしたので、誰かいるとしても護衛の人かと思って油断していました。
「何も聞いてなかったのか」
苦笑を含む声には聞き覚えがあります。というよりも、聞きたかった声なのですがっ!
エリックは現在は銀髪で偽装中です。以前のような近衛の制服なので、仕事中に呼び出されたのかもしれません。
これはこれで良いのですが、なにかこう理性が逃亡しそうでだめですよ。自制心が辛うじてお仕事してくれたのでこの程度で済んでいます。
「きいてません」
とか何とか言いながら、距離をがっつり詰めます。抱きつくのは辛うじてこらえますけどね。うん、手くらい握っても。いや、腕を組むとかよくないですか!?
あたしのそんな犯行は予想外だったようで、なんだか微妙な顔で手をつなぎなおされましたよっ!
「ダメですか?」
「落ち着かない」
そういうエリックの顔が少々赤いような気がするのですけど、なんでしょう?
視線があえばぷいっと顔を背けられてしまったのです。なにかやらかしたのは確かなんでしょうけど、説明はしたくないと。
先ほどは腕にぎゅーっと……。
おおっ! 押し付けてますねっ!
……無自覚でした。気が付くと相当恥ずかしいですよ。これ。
「ごめんなさい」
「不快なわけじゃないんだが」
なにかこう、意識しちゃうってことですね……。無意味に握った手をにぎにぎとかしちゃいますね。顔が赤い自覚はありますので、顔は伏せておきますけど。
そんなことをやってたら咳払いが聞こえてきたので慌ててその場を離れました。そうです。ちゃんとお仕事として入口守ってる方が別にいました。なにしてんのという視線がとても痛かったっ!
と、とりあえず、デートですよ。
前は迷子防止とか言われて握られた手の意味はもうちょっと変わっている、はず。たぶん、きっと、そうだといいなぁ……。
以前よりゆっくりになった歩調のエリックを見上げます。機嫌は良さそうです。
「どこに行くんですか?」
いろんな説明を端折って外に送り出されたので、エリックに確認するほかありません。
「あちこち見て回ってもいいそうだ。最終的には領主の滞在先に夕方までにはたどり着いていればいい。まあ、本人は頑なに会わないと言っているから会わないだろうが」
「ギュンターさんはいるんですか?」
「いる。なんだか機嫌が悪かった」
……おそらくそれは絵描きさんのせいだと思いますよ。広めるとあたしも制裁されそうなので黙っておくことにしますけど。
「そうですか。気を付けます。
ところで、我々の関係性は今はどうなってるのでしょうか。メイドと一緒に出掛けるのおかしくないですか?」
「幼馴染が王都にやってきたので、仕事終わりに顔を見に来た」
「わりと普通な理由ですね……」
ただ、近衛にも入るような生まれの人とメイドさんがどうやって幼馴染になるかは謎ですが。親が勤めていたお屋敷の坊ちゃんとかでしょうかね。そういう詳細は詰めてなさそうですので臨機応変といったところでしょうか。
細かいところはさておいて、今はデートに集中しましょう。
王都、というだけあって大都市です。大通りは広いですし、馬車や魔導車専用の道があったりします。歩行者とは完全に分けているようです。横断歩道や信号のようなものがあります。
建物は三階以上が普通のようで、少々圧迫感はありますが美しい街並みです。街路樹はあまりなく、代わりに街灯が多く立ってます。
建物の一階部分にはお店が入っていて、その種類も多様です。
オープンカフェみたいなところからビストロ風なお店まで飲食店も幅広いようです。ただ、大通りには露店はないようですね。広場のようなところにも出ましたがこちらにもないようです。
きれいで明るい街並みに歩く人々の表情は明るく一年前まで戦争していたとは思えません。
……王都まで敵がやってくるような大惨事になっていないので戦時中もこんな感じだったかもしれませんけど。
「気になる店でもあった?」
ふと思い出したように尋ねられました。結構、歩いた気がするのですが、どこも見てません。どこか見たいとも言ってないあたしも悪いのですが、我々はお外デートには向いてないのではないでしょうか。
おもむろに空腹を訴えているおなかの主張に従い食事のご提案をしましたけどね。
個室があるところがいいですね、とは言えませんでした。理性がそれヤバいと言ってましたので控えました。なんとなく不審そうに見られたのはきっと気のせいですっ! それとも何か漏れてました!?
エリックもこのあたりは詳しくないらしく店の見た目で選ぶことにしました。落ち着いた外装のお店はガレット専門店のようでした。地元の料理店ですね。
そこで半個室のような場所に案内されたのはなぜでしょうか。入口に衝立を置くとほぼ人目は避けられます。なにか訳ありそうにみえたのでしょうか。
「ごゆっくりって……」
注文しただけで意味ありげに店員さんに微笑まれました。客観的に言えば、身分違いの恋とかそんな感じですか。
エリックはそのあたりピンと来てないようです。身分、なにそれおいしいの? という魔導師には感覚的に理解しがたいのかもしれませんね。
この半個室、壁、ソファー、テーブル、ソファー、衝立、という感じでして。入口の反対は壁で窓はありますがカーテンを閉めてしまえばなかなか暗くなりそうです。すでに入ってきたところに衝立がありまして……。完全な密室とは言えませんがのぞき込まないと見えないでしょうね。
なお、このソファーというのは二人掛けなんですよ。
当たり前のように隣に座られて挙動不審になりました。な、え、普通正面でしょう!? という意見は口にする間もなく腰に手を回されてまして。
「ど、どうしたんですかっ!」
動揺を隠せません。エリックはなにか問題でもと言いたげな顔なんですけど。なんならもっと自分のほうに寄せてきましたね。
「これでも我慢している」
……。
少々復帰には時間がかかりました。真っ白ですよ。色気が溢れてます。なんですか、耳元で何言ってるんですか。
間の悪いことに飲み物を持ってきた店員さんと目があいましたよっ!
生ぬるい視線が痛い。あたしはとても恥ずかしい。耳まで真っ赤なのわかりますよ。
しれっとしているエリックがおかしいんですっ!
店員さんが去ったら普通に耳をはむってっ!
「や、やめてくださいっ!」
舌打ちされましたよっ! 一応、やめてくれましたけどね。欲求不満なんですか。……まあ、だいぶお預け感ありますし、漏れ出るなにかがあるかもしれませんけど。そしてこのまま最悪一冬越すわけですか。
無理ですね!
どうにかしてあと一週間くらいで済ませましょう。済まないなら少しばかり無茶してでも、ですよ。あたしにも忍耐の限界というものがあります。
今、限界値超えそうななにかがありますけど。うむ。抱きつくくらいは許される。きっとそう。自制心さん? 惜しい人をなくしましたね!
そんな葛藤をしているうちにエリックに頭撫でられたんですけど。宥められたんでしょうか。
「連れ帰りたい」
違いました。
さらっと物騒なことを言い出しますね。言ってるうちは実行しないと思いたいのですけど。本気でやるなら、あたしの了承は取りません。だって反対しますから。
その選択は、あたし以外をいらないと捨てるに等しいんです。
それを選ぶのは本当にとる手段がなくなってからにしていただきたいものです。
「あたしもすぐに戻りますから。あまり空けていると家が魔改造されちゃいますよ?」
それはそれで楽しみなんですけどね。
エリックはイヤそうな顔ですが、ゲイルさんがやる気出したら止められないと思います。なにせスポンサーがリリーさんです。
ぜひとも全自動のお風呂を設置しておいてもらいたいものです。
料理はほどなくして席に運ばれてきました。今度は衝立を軽く叩いてお知らせしてくれたので大変気まずかったですよ……。そんなにいちゃついてません。見られて困るようなことお店ではしません。
たぶん。
あたしからは話ができることはなく、エリックに先日会った魔導師たちのお話を聞きながら穏やかに食事は済んだと思います。
ちょっと拗ねられちゃいましたけどね。
女装、見てみたかったなんて失言したのがいけなかったのです。
夕刻までなんでもないように遊んで。
あっさりと別れることにしました。理性が大逃亡してお泊りとかありじゃないのかと言い出したりですね、大変です。ずるずる行くのはいけないのです。どうせ、何時間たとうが結論は一緒ですよ。
ここにいてと言い出す前に、笑ってまたねと言えるうちに別れるべきです。
まあ、そんな強がり見透かされてる気もするんですけどね。それでも溜息をついて尊重してくれるあたりエリックはあたしに甘いといいますか。
本気でまずいときは一切話は聞かないと物騒な宣告はされましたけど。
あのあと華麗なる(え?)入れ替え作戦となりました。絵描きさんの特技は人真似だそうですよ。化粧がお上手というより特殊メイクの域に達している気がしました。よく知っていれば違うところも見つけられるでしょうけど、パッと見は違いが判りません。リリーさんがうわーみたいな顔してましたのでやはり特殊技能でしょう。
そして、あたしはすっぴんからの印象を変える化粧を施されたのです。リリーさんは絵描きさんが女性としか思ってないようなんですよ。
いやぁ、その人、男の人でしてね? と言い出すとややこしいことになりそうなので黙っておきました。化粧されるくらいの距離感は少々緊張しましたね。
そのあと服も交換してあっさりと入れ替わりが成立しました。
そもそも絵描きさんがなぜ、こんなことになっているのかといえば。
「いやー、ばれちゃって」
などと原因について述べておりました。なんでも執事探偵の挿絵を書いていたのはこの方らしく、ギュンター氏をモデルにセバスを描いていたのがばれたそうです。
絶賛お仕置き中なのだそうですよ。
そっかー、本人かと次あったら思いそうです。
さて、リリーさんが薄気味悪そうに我々を見比べているくらいの完成度です。それをティルスが見破るわけもなくあっさりと屋敷の外へ送り出されました。
外に迎えがきていると言われましたが、いったいどういう……!?
「……心の準備なしにこれはひどくないでしょうか」
きょろきょろと見回してから発見したものに思わずこう口からこぼれました。屋敷の外、厳密にいえば屋敷を囲っている塀の向こう側ですね。通常の護衛が待機しているあたりという認識でしたので、誰かいるとしても護衛の人かと思って油断していました。
「何も聞いてなかったのか」
苦笑を含む声には聞き覚えがあります。というよりも、聞きたかった声なのですがっ!
エリックは現在は銀髪で偽装中です。以前のような近衛の制服なので、仕事中に呼び出されたのかもしれません。
これはこれで良いのですが、なにかこう理性が逃亡しそうでだめですよ。自制心が辛うじてお仕事してくれたのでこの程度で済んでいます。
「きいてません」
とか何とか言いながら、距離をがっつり詰めます。抱きつくのは辛うじてこらえますけどね。うん、手くらい握っても。いや、腕を組むとかよくないですか!?
あたしのそんな犯行は予想外だったようで、なんだか微妙な顔で手をつなぎなおされましたよっ!
「ダメですか?」
「落ち着かない」
そういうエリックの顔が少々赤いような気がするのですけど、なんでしょう?
視線があえばぷいっと顔を背けられてしまったのです。なにかやらかしたのは確かなんでしょうけど、説明はしたくないと。
先ほどは腕にぎゅーっと……。
おおっ! 押し付けてますねっ!
……無自覚でした。気が付くと相当恥ずかしいですよ。これ。
「ごめんなさい」
「不快なわけじゃないんだが」
なにかこう、意識しちゃうってことですね……。無意味に握った手をにぎにぎとかしちゃいますね。顔が赤い自覚はありますので、顔は伏せておきますけど。
そんなことをやってたら咳払いが聞こえてきたので慌ててその場を離れました。そうです。ちゃんとお仕事として入口守ってる方が別にいました。なにしてんのという視線がとても痛かったっ!
と、とりあえず、デートですよ。
前は迷子防止とか言われて握られた手の意味はもうちょっと変わっている、はず。たぶん、きっと、そうだといいなぁ……。
以前よりゆっくりになった歩調のエリックを見上げます。機嫌は良さそうです。
「どこに行くんですか?」
いろんな説明を端折って外に送り出されたので、エリックに確認するほかありません。
「あちこち見て回ってもいいそうだ。最終的には領主の滞在先に夕方までにはたどり着いていればいい。まあ、本人は頑なに会わないと言っているから会わないだろうが」
「ギュンターさんはいるんですか?」
「いる。なんだか機嫌が悪かった」
……おそらくそれは絵描きさんのせいだと思いますよ。広めるとあたしも制裁されそうなので黙っておくことにしますけど。
「そうですか。気を付けます。
ところで、我々の関係性は今はどうなってるのでしょうか。メイドと一緒に出掛けるのおかしくないですか?」
「幼馴染が王都にやってきたので、仕事終わりに顔を見に来た」
「わりと普通な理由ですね……」
ただ、近衛にも入るような生まれの人とメイドさんがどうやって幼馴染になるかは謎ですが。親が勤めていたお屋敷の坊ちゃんとかでしょうかね。そういう詳細は詰めてなさそうですので臨機応変といったところでしょうか。
細かいところはさておいて、今はデートに集中しましょう。
王都、というだけあって大都市です。大通りは広いですし、馬車や魔導車専用の道があったりします。歩行者とは完全に分けているようです。横断歩道や信号のようなものがあります。
建物は三階以上が普通のようで、少々圧迫感はありますが美しい街並みです。街路樹はあまりなく、代わりに街灯が多く立ってます。
建物の一階部分にはお店が入っていて、その種類も多様です。
オープンカフェみたいなところからビストロ風なお店まで飲食店も幅広いようです。ただ、大通りには露店はないようですね。広場のようなところにも出ましたがこちらにもないようです。
きれいで明るい街並みに歩く人々の表情は明るく一年前まで戦争していたとは思えません。
……王都まで敵がやってくるような大惨事になっていないので戦時中もこんな感じだったかもしれませんけど。
「気になる店でもあった?」
ふと思い出したように尋ねられました。結構、歩いた気がするのですが、どこも見てません。どこか見たいとも言ってないあたしも悪いのですが、我々はお外デートには向いてないのではないでしょうか。
おもむろに空腹を訴えているおなかの主張に従い食事のご提案をしましたけどね。
個室があるところがいいですね、とは言えませんでした。理性がそれヤバいと言ってましたので控えました。なんとなく不審そうに見られたのはきっと気のせいですっ! それとも何か漏れてました!?
エリックもこのあたりは詳しくないらしく店の見た目で選ぶことにしました。落ち着いた外装のお店はガレット専門店のようでした。地元の料理店ですね。
そこで半個室のような場所に案内されたのはなぜでしょうか。入口に衝立を置くとほぼ人目は避けられます。なにか訳ありそうにみえたのでしょうか。
「ごゆっくりって……」
注文しただけで意味ありげに店員さんに微笑まれました。客観的に言えば、身分違いの恋とかそんな感じですか。
エリックはそのあたりピンと来てないようです。身分、なにそれおいしいの? という魔導師には感覚的に理解しがたいのかもしれませんね。
この半個室、壁、ソファー、テーブル、ソファー、衝立、という感じでして。入口の反対は壁で窓はありますがカーテンを閉めてしまえばなかなか暗くなりそうです。すでに入ってきたところに衝立がありまして……。完全な密室とは言えませんがのぞき込まないと見えないでしょうね。
なお、このソファーというのは二人掛けなんですよ。
当たり前のように隣に座られて挙動不審になりました。な、え、普通正面でしょう!? という意見は口にする間もなく腰に手を回されてまして。
「ど、どうしたんですかっ!」
動揺を隠せません。エリックはなにか問題でもと言いたげな顔なんですけど。なんならもっと自分のほうに寄せてきましたね。
「これでも我慢している」
……。
少々復帰には時間がかかりました。真っ白ですよ。色気が溢れてます。なんですか、耳元で何言ってるんですか。
間の悪いことに飲み物を持ってきた店員さんと目があいましたよっ!
生ぬるい視線が痛い。あたしはとても恥ずかしい。耳まで真っ赤なのわかりますよ。
しれっとしているエリックがおかしいんですっ!
店員さんが去ったら普通に耳をはむってっ!
「や、やめてくださいっ!」
舌打ちされましたよっ! 一応、やめてくれましたけどね。欲求不満なんですか。……まあ、だいぶお預け感ありますし、漏れ出るなにかがあるかもしれませんけど。そしてこのまま最悪一冬越すわけですか。
無理ですね!
どうにかしてあと一週間くらいで済ませましょう。済まないなら少しばかり無茶してでも、ですよ。あたしにも忍耐の限界というものがあります。
今、限界値超えそうななにかがありますけど。うむ。抱きつくくらいは許される。きっとそう。自制心さん? 惜しい人をなくしましたね!
そんな葛藤をしているうちにエリックに頭撫でられたんですけど。宥められたんでしょうか。
「連れ帰りたい」
違いました。
さらっと物騒なことを言い出しますね。言ってるうちは実行しないと思いたいのですけど。本気でやるなら、あたしの了承は取りません。だって反対しますから。
その選択は、あたし以外をいらないと捨てるに等しいんです。
それを選ぶのは本当にとる手段がなくなってからにしていただきたいものです。
「あたしもすぐに戻りますから。あまり空けていると家が魔改造されちゃいますよ?」
それはそれで楽しみなんですけどね。
エリックはイヤそうな顔ですが、ゲイルさんがやる気出したら止められないと思います。なにせスポンサーがリリーさんです。
ぜひとも全自動のお風呂を設置しておいてもらいたいものです。
料理はほどなくして席に運ばれてきました。今度は衝立を軽く叩いてお知らせしてくれたので大変気まずかったですよ……。そんなにいちゃついてません。見られて困るようなことお店ではしません。
たぶん。
あたしからは話ができることはなく、エリックに先日会った魔導師たちのお話を聞きながら穏やかに食事は済んだと思います。
ちょっと拗ねられちゃいましたけどね。
女装、見てみたかったなんて失言したのがいけなかったのです。
夕刻までなんでもないように遊んで。
あっさりと別れることにしました。理性が大逃亡してお泊りとかありじゃないのかと言い出したりですね、大変です。ずるずる行くのはいけないのです。どうせ、何時間たとうが結論は一緒ですよ。
ここにいてと言い出す前に、笑ってまたねと言えるうちに別れるべきです。
まあ、そんな強がり見透かされてる気もするんですけどね。それでも溜息をついて尊重してくれるあたりエリックはあたしに甘いといいますか。
本気でまずいときは一切話は聞かないと物騒な宣告はされましたけど。
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