104 / 263
喧嘩でもした?
しおりを挟む「喧嘩でもした?」
ユウリに突然言われた異世界生活39日目です。
首をかしげるあたしになにか言いづらそうにしています。
おやつでもねだりに来たのかと思ったのですが、違ったようです。
もうちょっとでお昼ですし、つまみ食いの線も有りだとは思いますけど。今日はユウリの全力のアピールによる唐揚げです。塩からあげは、自信がありませんね。やはり醤油の開発が先決でしょうか。
何の気なしに昨日聞いたらゲイルさんも知ってましたよ。醤油。幻の調味料として。
なんか、幾度となく失敗して別な調味料が発生してきた歴史があるらしいです。こうなってくると酵母とかの問題な気がしますね。
ユウリは何か困ったように下味をつけている鶏肉を見ています。生姜っぽいものがあったので入れてみましたが、良い仕事をしてくれるでしょうか。
「早く揚げないの?」
「下味はきちんとつけます。時間が必要です」
ユウリはえーとか何とか言いながら立ち去る気配はありません。未だにいると言うことはなにか言うことがあるんでしょうか?
それとも揚げるまで、熱々を食べるまでいるんでしょうか?
「まだ出来ませんよ? それから喧嘩なんてしてませんって」
「うーん。そっちの様子が気になるとか言い訳してきたけど。
なんとなく、よそよそしいっての? 少し距離感があるってのかな。気になる」
「そりゃあ、ありますよ。寂しいとかツライとか言い出して、引き留めないような距離感」
「……そ、そー」
引きつったような顔をされたのは納得がいきません。
安全な距離ってのはありませんけどね。どこかこう、このまま引きこもりしようぜっ! と軽いノリで実行しそうになります。
まあ、要するに正気じゃないってところです。
「ユウリが困るでしょう?」
「困ると言うか、悪い方に全力で転がっていく気がする」
「でしょう?」
うっかり誤解されて、悪い魔法使いと言われ、なぜかあたしを救出するとかいうねじ曲がった事が発生しそうな気がします。それもなぜか、ユウリと恋仲にされてるんですよ。見ようによってはユウリだけが追い出されたように見えますからね。
ここフェザーの町ではそんなねじ曲がり方しないでしょうけど、それはこの一帯が魔導師に対して友好的だから、ということで。他は違うということなので。王都ならさらに歪みそうなことらしいですね。
これから行く王都は排斥主義者が多いということで魔導師は住みにくいそうですよ。それでも住んでる猛者しかいないので魔窟になっているとか……。
それも隠して住んでいるんじゃなくて、堂々と住んでいるのが大多数と言われればその猛者振りがわかる気がします。
王都の魔導協会支部には行かないようにと言われる理由はそれなりにあったようです。
「それなら、仕方ないのかな。
地味に機嫌が悪いから少しばかり機嫌をとって欲しいのと、明日か明後日には迎えが来そうだって」
「通信機でもあるんですか?」
「領主が持っているみたいだよ。さっき使いがやってきた。それで、明日の昼くらいには出て町に一泊してからご帰還だそうだ。ああ、俺の休暇が一週間で終わっていく……。半月はいけると思った」
「なぜ、あの状況でいけると思ったのかわかりません。そもそもどうやって王都を抜けてきたんです?」
「ん? そりゃどこかの駄神のお力で。完全なる消失事件」
警備責任者の皆様が無事かどうかちょっと心配です。いきなり痕跡なく英雄がいなくなるって恐怖以外のなにものではないわけで。
ユウリはそんなこと考えてなさそうなんですよね。その件に関してはローゼに叱っていただきましょう。
ここでものすごく落ち込まれても面倒ですし。そういうのは恋人が慰める仕事。
「そうですか。それにしても明日って思ったより早かったと言うべきか、遅かったと言うべきか……」
「ま、色々もらったしなんか考えておくよ。ちなみに銀髪と金髪、どっちが好き?」
「え。どちらかと言えば、銀髪」
「おーけー」
何でしょう。この言いようのない不安。ユウリが思いついたなんかが問題を発生させそうな予感がします。
本人に言っても無駄なので、誰に言っておけばいいんでしょう。
それともあとでこれかと項垂れればいいんでしょうか。
「あっちでの俺って外面と猫を全力で被っているから笑わないように。ローゼとかひどくて、神妙な顔しているかと思ったらあとで笑ってるんだもの」
それは、わかるような……。素がこれで、何を格好つけているのかとギャップに爆笑しそうです。気をつけましょう。
「善処します」
「あと、俺個人ではなく、英雄としては中立ってことでよろしく。一方に肩を入れるとめんどくさい。
それから魔導協会も教会も俺のこと良く思ってないから、少々敵対的発言をするかもしれないけど、気にしないでいい。それは、俺の責任でアーテルちゃんは関係ない」
「そうですか」
色々微妙なところあるんですね。
そういえば、戦後処理が終わらないとか言ってましたっけ? それで遊び歩いていいんでしょうか。
それとも逃亡するほどしんどかったんでしょうか。
逃げたんじゃないかなぁと思いますけどね。全部放り投げる前に一時撤退はありといえば有りです。ただし、根回しくらいしなさいと思いますね。
周りが大変です。
「まあ、それでも、全て引き上げないくらいには、信用が残っているのがましなんだよな」
「なにしたんです?」
「俺個人というより、目隠しされて情報取捨選択をしないことを叱られた感じ。
魔導師の待遇とか神官の扱いとかそういうの。見える範囲がまともでもその外は問題があった。気がつくのが遅かったから、被害がね」
「全てを知れというのは無理なんじゃないでしょうか」
「そーだね。でも、伝えようとしたのを遮断されていたのは、俺の失態。良いことしか伝えようとしないってのを見抜くのは、若造に無理ゲーすぎるとか言いたいけど」
ユウリはそう言って肩をすくめます。
なんというか主人公、重いもの背負わされてます。
「というわけで王都の空気は最悪だから。その上で来訪者を嫁にするゲームとか始めないで欲しい」
「それは知りませんよ。それより早く、ローゼとなにか決着つけてください」
「ん。そりゃあもう、即やるよ。大丈夫、教会に金積んでごり押しするから」
……。
ああ、教会がお金に弱いことばれてますよ。まあ、悪用しているわけではないので、いいのでしょうけど。
いや、悪用、ですかね。
「アーテルちゃんは、不安にならない?」
「なにを?」
「んー、あいつ、わりと好感度が高い。ただし、無自覚。俺が片付くとふと気がつく優良物件って感じ」
「は? ふざけてますね。悪いですが、あたしのなので渡しませんよ。喧嘩売ってきますよ」
「……うん、想定を越えて好戦的だった。いつもどこか線引きしてたようだったから」
「でも、まあ、それでディレイが幸せになれるんだったら、手は引きますよ。裏技を駆使しても」
したくないですけど。
口にしただけで胸が痛いです。うん、でも、まあ、目標は推しの幸せですので。そんな時は、いらんとか邪魔とか思われたくないところもありますし、見苦しくなく去りたいところです。
必要なら深層にでも潜って、説得くらいしてきます。許可を無効にだってさせますよ。
お望みならば。
「え、な、なんでそんな極端なの」
「そうですねぇ、あたしは推しの幸せを願っていますので、あたし自身のは二の次と申しますか」
ユウリの何とも言えない表情にすこしばかりめげます。ええ、少々気持ち悪い気もしますよね。わかってる。
だからなにも言わないでっ!
心底へこみそうですよ。
「あいつは、アーテルちゃんが楽しい方が嬉しいと思うから、そこは積極的に追及したら?」
「そうだと良いんですけどね」
軽く聞こえたと思いたいですけど。
「さて、唐揚げを揚げていきますので、離れてください。痛いですよ?」
油が飛んでいかない鍋の上に置くあの網、誰か作ってくれないでしょうかね?
ユウリがつまみ食いを越えたつまみ食いをするという事件はありましたが、なんとなく、昼食は過ぎていきました。
なんでしょうね。この日常感。馴染み過ぎじゃありませんか?
ちょっと前までは二人だったはずなんですが。
と思ったのに後片付けのあとにダイニングを覗けば、エリックだけが残っていました。手元に数冊本が積んであります。
……確か、ゲイルさんにお茶とか言われた気がするんですけど?
「魔動具(おもちゃ)につられてユウリはどこか連れ出された」
「じゃあ、どこに持っていけばいいんでしょうね? もったいないので」
「置いておけばあとで飲むだろ」
かわいそうなお茶はキッチンにもどしておきましょう。なんとなく向かい側に座ったのはちょっと警戒したからです。
自分の理性ってヤツを信用出来ません。思惑を越えて大逃亡をされては、大惨事です。
「それ、なんですか?」
「約束の本。残りは部屋に置いてあるから、読むなら持っていっていい」
執事探偵セバスですか。一巻と最新刊が置いてありまして。
「……似てる」
最新刊はきらっきらしている中性的美執事がムチなんぞ持っております。一巻はシルエットで、古典的気むずかしい探偵を思わせます。
最近、こういう感じの絵を見たような気がしますけど。
挿絵などをぱらぱらと見ていれば、視線を感じました。まあ、これはあとで楽しみましょう。一旦、本を横に置きました。
「ユウリから聞いた?」
「ええ。その」
「なんだ?」
「あたしがいないからって、目移りしちゃ駄目ですよ」
ユウリが余計な事を言うから気になってきたじゃないですか。なんですか、そのヤキモチ焼きます、よみたいなのは。
重たくないんですっ! ちょっとした軽口なんです。
ものすごく、凝視されたのがいたたまれません。あ、調子に乗りました? そ、そうですか。謝罪でもしたほうがいいいやつ?
え、な、なにかいってくださいっ!!
「ない」
かなり待ってから大変簡潔に返答をいただきました。ええ、なんでしょうね。圧を感じると言いますか、失言だったのでしょうか。
沈黙が重たいです。
……わ、話題っ!
ものすごく焦っていきますね。
なお、焦っているのはあたしだけのようです……。
エリックは少しばかり考えこまれているようでした。それは頬杖をついて、目を伏せるような仕草で。
そうでなければあごに手を当てたりしてます。
見られることに敏感ではないのか観賞しても気がつかれないような気がしています。知ってて知らんぷりしている可能性も捨てがたいですが。
目があって、少し驚いたようで、でも、すぐに目元が緩んで小さく笑まれるのが、とても好きです。特別感があると言いますか。嬉しそうに、見えるから。
「なに?」
「好きだなぁって」
……漏れてはいけないところが漏れました。
ぱちぱちと瞬かれるのが、なにか心をえぐられる気がします。突然すぎましたね。数秒前の言葉を取り戻したいっ!
「ありがとう?」
少し困惑されたようです。
それが少しばかり切ない気がします。まあ、突然でしたからね。いいんですけど。でもいっそスルーしてほしかったですね……。
別の言葉が欲しかったと少しばかり思っていることに自分でも動揺しています。
それを怪訝そうな顔で見られるのもちょっといたたまれません。そんな変な顔してましたかね?
「新しいの煎れてきますね」
そんなことを言ってその場を離れましょう。飲み物が半分以上残っているのに怪しいですけど、何か言い出してしまう前に距離はとりたいです。
キッチンでもう一度、お湯を温めます。一度に全部は使わなかったので、すぐに沸きます。
沸騰直後とかのお湯が必要な飲み物でもないので、再び沸かして使っても問題はありません。
「ひゃっ」
問題があったのは、別のことで。
「な、なんですかっ!」
「傷ついた顔だった。なにが、嫌だったんだ?」
見えないところに行けばいいと思って油断していました。あたしの背後をとられました。ぎゅっと抱きしめてくるのが、かなり落ち着きませんっ!
「そんなことないですよ。普通ですって」
嘘ですけどね。
ふぅん? と小さく言われて、でも、離してはくれません。
「どこまでしたら、教えてくれるかな?」
は?
と思っているうちに、はもってっ! はもって!
耳食べないでくださいっ!
「やぁだ」
甘えきった声に絶望します。なんです、これ。自分でも聞いた事ないような声じゃないですかっ!
やけに甘ったるい声でかわいいとか言わないでくださいっ! ものすっごい危険な感じじゃないですか。その中にひっそり怒りにも似たものを感じます。
ど、どこを囓ろうとしてますかっ! ぎゃーっ! か。かわいくない悲鳴は口からでなかったのが幸いです。
なんかあれな声はもう、死にたい。
羞恥心で死ねます。
言っても言わなくてもっ!
「い、いいますっ!」
こんなの即落ちですよっ!
死ぬ、本気で殺しにかかってる……。
あ、まって、理性も意識も自制心も帰ってきてっ! ああ、むりって良い笑顔で去ってかないでっ!
俺の出番とか、欲望がいらんこと言い始めますっ! おまえは帰れ。
「好きって返ってこないのが、すこぉし、嫌だったんです。すこしですっ! 気にしないでください」
欲張りでわがままなやつなのでっ!
色々はぴたりと止まったのですが、気持ち強めになった抱擁に困ります。
「悪かった」
ものすごく気にしますよね。だから、言いたくなかったんですよ。
後悔の滲んだ声に痛みすら覚えますね。
もっときちんと隠せたら良かったんです。精進します。
「力の及ぶ限り、守りたいと思う。今は、それでもいいか?」
「それで駄目って贅沢ですよ。今までのままでもあたしには十分です」
ここで安易に好きだとか言い出されなくてほっとした気もします。それはそれでちょっとがっかりしそうな気がしたんですよ。
わがままですけどね。
「反論はいりませんよ?」
今は余計な事を言い出しそうな口は、塞いでおくことにしました。
6
お気に入りに追加
981
あなたにおすすめの小説
豊穣の女神は長生きしたい
碓井桂
恋愛
暴走車に煽られて崖から滑落→異世界転移した紗理奈は、女しか転移してこないが結構な頻度で転移者のいる異世界に出現した。転移してきた女の持つチートは皆同じで、生命力を活性させる力。ただし豊穣の女神と呼ばれる転移者の女は、その力で男を暴走させてしまうため、この世界では長生きできないという。紗理奈を拾った美しい魔法使いの男ヒースには力は効かないと言うけれど……ヒースには隠し事があるらしい。
こちらの小説はムーンライトノベルズに以前公開していたものを改稿したもので、小説家になろうにも載せています。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
【完結済】(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
完結済。騎士エリオット視点を含め全10話(エリオット視点2話と主人公視点8話構成)
エロなし。騎士×妖精
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
いいねありがとうございます!励みになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる