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第十九話 二人きりのお茶会
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翌日。
アンリは新しい家庭教師からの挨拶を受け、テオフィルと笑顔で別れた。
テオフィルの部屋の扉が閉まると、一抹の寂寥感を覚えた。
このあとグウェナエルとのお茶会の予定がなければ、気鬱な一日を過ごすことになっていたかもしれない。
もしかして、それを見越してお茶会を提案してくれたのだろうか。
――なんて、考えすぎかな。
「アンリ、どうした?」
自分がくすりと笑ったのを見て、隣で一緒に家庭教師の挨拶を受けていたグウェナエルは首を傾げていた。
「いいや、なんでもない。部屋に連れて行ってくれ。エスコートしてくれるのだろう?」
「もちろんだとも」
アンリが促すなりきょとんとしていた間抜け顔はどこへやら、きりっとした顔つきでさっと腕を差し出してくれた。
彼にエスコートされて、お茶会場へと向かった。
お茶会のための専用の部屋には、既にお茶会の準備がされていた。種々の焼き菓子が美しく盛られ、すぐにでもカップにお茶を注げるよう、侍女が控えていた。
二人が席につきお茶が淹れられると、グウェナエルは「二人きりになりたいから」と侍女たちを下がらせた。
「うちの侍女が淹れる茶は絶品でな。遠慮なく飲んでくれ」
グウェナエルは誇らしげに勧めてきた。
「ああ」
アンリはカップを傾け、紅茶を口に含んだ。
すっと芳香が鼻腔に広がり、飲み下すと清涼とした味が喉を通った。なるほど、自慢するだけのことはある。
前々から感じていたが、グウェナエルは使用人を身内のように扱う。早くに父を亡くした彼にとっては、使用人が家族なのかもしれない。
不意に、アンリは酷く羨ましさを覚えた。
父がいるのに孤独な人生を過ごしてきた自分と、大きく違うこと。自分にも家族のような距離感で接してくれる使用人がいれば、どれほどよかったことだろう。
「……美味だな」
身の内に生じた羨望を押し隠し、笑顔で感想を口にした。
「気に入ってもらえてよかった」
アンリの感想を聞いて、彼の尻尾がふぁさふぁさと無邪気に揺れている。
「一度、君とゆっくり話をしたかったのだ」
グウェナエルもまた、ゆっくりと紅茶を飲んだ。
「昨日も言っていたな。どんな話を?」
「例えば……あの日、君は国王陛下に『もう二度と会うことはない』と言っていたな。あれは本気なのか?」
「もちろんだ、もう王城に戻ることはない」
アンリはこくりと頷いた。
王城に戻るくらいならば、野山で生きる方がマシだ。
「では、契約が終わったあとは、君はどうするつもりなのだ?」
「契約が、終わったあと……」
答えようとして、何も答えられないことに気がついた。
契約婚を申し込まれてから今の今まで、ひたすらにテオフィルのことだけを考えてきた。テオフィルから離れてしたいことなど、何もなかった。
「特に何も考えていなかった」
アンリは正直に吐露した。
「そうか」
アンリの返事に、グウェナエルは紅茶を飲んで黙っている。左右の耳があちこちの方向に動いているので、なにやら思案を巡らせているらしいことはわかった。
しばらく待った末に、両耳がピンと前を向いたので、話し出すつもりなのだと予感できた。
「それなら、君がよければなのだが」
こくりと頷き、続きを促す。
「ずっとここにいてくれないだろうか」
申し出に、時が止まったように感じた。
「テオフィルは随分と君に懐いている。それに君も、テオフィルのことをよく見てくれている。もうすっかり本当の親子のようだ。特に行くあてがないのであれば、ずっとここにいてくれた方が、テオフィルも喜ぶ」
「それは……」
「いや、テオフィルを盾にするような言い方は卑怯だったな。オレ自身も、君にずっとここにいてほしいと思っている」
「グウェナエルも……? しかし、私がここに留まっていれば、その……対外的には私がグウェナエルの生涯の伴侶ということになってしまうだろう」
「それで構わない」
「構わない、のか……?」
アンリの声はわずかに震えていた。
急にグウェナエルが、理解不能な人物になってしまったように感じられたからだ。
グウェナエルは亡くなったフィアンセを裏切らないために、契約婚という形を選んだのではないのか。
肉体関係さえなければ、フィアンセが収まるはずだった場所に、自分が収まっても構わないというのか。それは裏切りのうちには入らないのか。
続いて怒りが湧いた。
使用人に家族のように親しみを持って囲まれてきて、亡きフィアンセとの絆もあって、継子のテオフィルにはさっそく懐かれている。
充分恵まれた人生を送っているではないか。この上、対外的な伴侶までほしいというのか。
「……そうか、私が第二王子だから手放すのが惜しくなったのか」
「え?」
「それとも、精霊の呼び手だとわかったからか?」
キトンブルーの瞳で冷たく睨みつけた。
「王族で精霊の呼び手である私が伴侶ならば、他領との力関係で優位に立つことができるのだろうな」
「いや、違う! アンリ、オレはそんなことを念頭に置いて提案したわけでは……!」
「では、どういうつもりだと?」
「それは……」
グウェナエルが口籠ったのを見て、アンリは席を立った。
「申し訳ないが、満腹でな。もう紅茶も菓子もいらない」
もちろん、満腹だというのは嘘だ。
アンリは精いっぱい冷静な振りをして、部屋をあとにしたのだった。
グウェナエルと共通の寝室に戻る気もなく、アンリは中庭に出た。
芝生の上の長椅子に、力なく腰かけた。
それから、後悔した。
なにも怒る必要はなかったかもしれない。まるで自分自身が裏切りを受けた亡きフィアンセであるかのように、怒りを感じてしまった。グウェナエルにとっては、意味不明だっただろう。
彼の提案が多少不誠実な面を含んでいるからといって、なんなのだ。そんなことは自分には関係ないではないか。
自分に行くあてがないのも、できればずっとテオフィルの傍にいたいのも本当だ。彼の提案はむしろ、ありがたいくらいではないか。
テオフィルはあっという間にここに馴染んだのに引き換え、自分の体たらくときたら。楽しみにしていたお茶会を台無しにしてしまった。
テオフィルと比べれば、自分は随分と性格の悪い人間なのかもしれない。
もしかすれば、王城で疎まれていたのは何も精霊が見えるからというだけではないのかもしれない。この性根の悪さとでもいうべきものが滲み出て、嫌われていたのではないだろうか。
キトンブルーの瞳から、一筋の涙が零れ落ちた。
思い悩んだせいだろうか、こめかみが締めつけられるように痛い。なんだか顔が全体的に熱いような気もする。
「あれ、どうしたんだ……?」
気がつけば何人かの精霊が集まってきて、ふよふよとアンリの周囲を漂っていた。またイバラに引っかかってしまった精霊がいるのだろうか。
力なく長椅子の背もたれに身体を預けながら、そうではないと気がついた。
精霊たちは、自分を心配しているのだ。熱が出るときは、こうして決まって精霊たちが心配してくれた。
悩んだせいではなく、実際に体調が悪いのだ。
「まあアンリ様、お庭でお昼寝をなさっていたのですか?」
しばらくして、アンリは侍女頭のエマに発見された。
「このようなところでは身体が冷えてしまい……まあ、大変! 誰か!」
すっかり身体が冷えて高熱を出したアンリは、使用人たちの手によって寝台まで運ばれたのだった。
アンリは新しい家庭教師からの挨拶を受け、テオフィルと笑顔で別れた。
テオフィルの部屋の扉が閉まると、一抹の寂寥感を覚えた。
このあとグウェナエルとのお茶会の予定がなければ、気鬱な一日を過ごすことになっていたかもしれない。
もしかして、それを見越してお茶会を提案してくれたのだろうか。
――なんて、考えすぎかな。
「アンリ、どうした?」
自分がくすりと笑ったのを見て、隣で一緒に家庭教師の挨拶を受けていたグウェナエルは首を傾げていた。
「いいや、なんでもない。部屋に連れて行ってくれ。エスコートしてくれるのだろう?」
「もちろんだとも」
アンリが促すなりきょとんとしていた間抜け顔はどこへやら、きりっとした顔つきでさっと腕を差し出してくれた。
彼にエスコートされて、お茶会場へと向かった。
お茶会のための専用の部屋には、既にお茶会の準備がされていた。種々の焼き菓子が美しく盛られ、すぐにでもカップにお茶を注げるよう、侍女が控えていた。
二人が席につきお茶が淹れられると、グウェナエルは「二人きりになりたいから」と侍女たちを下がらせた。
「うちの侍女が淹れる茶は絶品でな。遠慮なく飲んでくれ」
グウェナエルは誇らしげに勧めてきた。
「ああ」
アンリはカップを傾け、紅茶を口に含んだ。
すっと芳香が鼻腔に広がり、飲み下すと清涼とした味が喉を通った。なるほど、自慢するだけのことはある。
前々から感じていたが、グウェナエルは使用人を身内のように扱う。早くに父を亡くした彼にとっては、使用人が家族なのかもしれない。
不意に、アンリは酷く羨ましさを覚えた。
父がいるのに孤独な人生を過ごしてきた自分と、大きく違うこと。自分にも家族のような距離感で接してくれる使用人がいれば、どれほどよかったことだろう。
「……美味だな」
身の内に生じた羨望を押し隠し、笑顔で感想を口にした。
「気に入ってもらえてよかった」
アンリの感想を聞いて、彼の尻尾がふぁさふぁさと無邪気に揺れている。
「一度、君とゆっくり話をしたかったのだ」
グウェナエルもまた、ゆっくりと紅茶を飲んだ。
「昨日も言っていたな。どんな話を?」
「例えば……あの日、君は国王陛下に『もう二度と会うことはない』と言っていたな。あれは本気なのか?」
「もちろんだ、もう王城に戻ることはない」
アンリはこくりと頷いた。
王城に戻るくらいならば、野山で生きる方がマシだ。
「では、契約が終わったあとは、君はどうするつもりなのだ?」
「契約が、終わったあと……」
答えようとして、何も答えられないことに気がついた。
契約婚を申し込まれてから今の今まで、ひたすらにテオフィルのことだけを考えてきた。テオフィルから離れてしたいことなど、何もなかった。
「特に何も考えていなかった」
アンリは正直に吐露した。
「そうか」
アンリの返事に、グウェナエルは紅茶を飲んで黙っている。左右の耳があちこちの方向に動いているので、なにやら思案を巡らせているらしいことはわかった。
しばらく待った末に、両耳がピンと前を向いたので、話し出すつもりなのだと予感できた。
「それなら、君がよければなのだが」
こくりと頷き、続きを促す。
「ずっとここにいてくれないだろうか」
申し出に、時が止まったように感じた。
「テオフィルは随分と君に懐いている。それに君も、テオフィルのことをよく見てくれている。もうすっかり本当の親子のようだ。特に行くあてがないのであれば、ずっとここにいてくれた方が、テオフィルも喜ぶ」
「それは……」
「いや、テオフィルを盾にするような言い方は卑怯だったな。オレ自身も、君にずっとここにいてほしいと思っている」
「グウェナエルも……? しかし、私がここに留まっていれば、その……対外的には私がグウェナエルの生涯の伴侶ということになってしまうだろう」
「それで構わない」
「構わない、のか……?」
アンリの声はわずかに震えていた。
急にグウェナエルが、理解不能な人物になってしまったように感じられたからだ。
グウェナエルは亡くなったフィアンセを裏切らないために、契約婚という形を選んだのではないのか。
肉体関係さえなければ、フィアンセが収まるはずだった場所に、自分が収まっても構わないというのか。それは裏切りのうちには入らないのか。
続いて怒りが湧いた。
使用人に家族のように親しみを持って囲まれてきて、亡きフィアンセとの絆もあって、継子のテオフィルにはさっそく懐かれている。
充分恵まれた人生を送っているではないか。この上、対外的な伴侶までほしいというのか。
「……そうか、私が第二王子だから手放すのが惜しくなったのか」
「え?」
「それとも、精霊の呼び手だとわかったからか?」
キトンブルーの瞳で冷たく睨みつけた。
「王族で精霊の呼び手である私が伴侶ならば、他領との力関係で優位に立つことができるのだろうな」
「いや、違う! アンリ、オレはそんなことを念頭に置いて提案したわけでは……!」
「では、どういうつもりだと?」
「それは……」
グウェナエルが口籠ったのを見て、アンリは席を立った。
「申し訳ないが、満腹でな。もう紅茶も菓子もいらない」
もちろん、満腹だというのは嘘だ。
アンリは精いっぱい冷静な振りをして、部屋をあとにしたのだった。
グウェナエルと共通の寝室に戻る気もなく、アンリは中庭に出た。
芝生の上の長椅子に、力なく腰かけた。
それから、後悔した。
なにも怒る必要はなかったかもしれない。まるで自分自身が裏切りを受けた亡きフィアンセであるかのように、怒りを感じてしまった。グウェナエルにとっては、意味不明だっただろう。
彼の提案が多少不誠実な面を含んでいるからといって、なんなのだ。そんなことは自分には関係ないではないか。
自分に行くあてがないのも、できればずっとテオフィルの傍にいたいのも本当だ。彼の提案はむしろ、ありがたいくらいではないか。
テオフィルはあっという間にここに馴染んだのに引き換え、自分の体たらくときたら。楽しみにしていたお茶会を台無しにしてしまった。
テオフィルと比べれば、自分は随分と性格の悪い人間なのかもしれない。
もしかすれば、王城で疎まれていたのは何も精霊が見えるからというだけではないのかもしれない。この性根の悪さとでもいうべきものが滲み出て、嫌われていたのではないだろうか。
キトンブルーの瞳から、一筋の涙が零れ落ちた。
思い悩んだせいだろうか、こめかみが締めつけられるように痛い。なんだか顔が全体的に熱いような気もする。
「あれ、どうしたんだ……?」
気がつけば何人かの精霊が集まってきて、ふよふよとアンリの周囲を漂っていた。またイバラに引っかかってしまった精霊がいるのだろうか。
力なく長椅子の背もたれに身体を預けながら、そうではないと気がついた。
精霊たちは、自分を心配しているのだ。熱が出るときは、こうして決まって精霊たちが心配してくれた。
悩んだせいではなく、実際に体調が悪いのだ。
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