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第五話 契約婚の申し出
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頭部と同じく漆黒の毛に覆われた手が、額の傷にガーゼを当てる。
鋭い爪の生えた手でありながら、白い肌を傷つけることなく器用に包帯を巻いていく。
黒い毛に覆われてはいるが、五本の細長い指と、肉球のない手の平を見れば、彼が人間と同じ構造の肉体を持っていることがよくわかる。
アンリは長椅子に座った状態で、黒狼に怪我の手当を受けていた。
黒狼はアンリを伴侶にして、テオフィルを養子にすると驚きの宣言をしたあと、「フィアンセの手当をしたいから二人きりにしてくれ」と頼んだのだ。
フィアンセ。フィアンセだって。
頭の中で反芻する度、驚きで胃が躍り出しそうだった。
「これで手当完了だ」
黒い手が、最後にきゅっと包帯を結んだ。
包帯はきつく感じられないのに、緩みそうな気配もない。こなれた手当だ。
体格が大きく、にこりとも微笑まない彼が、こんなにも細やかな手当をしてくれるとは意外だった。
――夜闇を照らす優しい満月。
先ほど感じた第一印象が、再来する。
少しも朗らかでない、表情も読めない男になぜこんな印象を受けるのだろう。
「戦場では、自ら包帯を巻かなければならないこともあるのでな」
アンリの視線を問いかけに感じたのか、黒狼は答えた。
戦場ではさぞ有能な指揮官だったのだろう、と切れ長の怜悧な金の瞳から連想した。
「それよりも、もっと聞きたいことがあるのだが……」
フィアンセやら伴侶やら養子やらの話、どういったつもりであんな嘘を口にしたのか教えてもらわなければならない。
テオフィルを苦境から救うつもりだとしても、この先どうするつもりなのか。
よもや後からなかったことにするつもりではないだろうなと、アンリはキトンブルーの瞳で黒狼を鋭く睨みつけた。
「ああ……」
黒狼は、アンリの向かいの長椅子に腰かけた。
金の双眼が、アンリの視線をしっかりと受け止める。
「実を言うと、あの子を養子に取りたいと思ったのだが、適当な口実が思いつかず……やむを得ず、貴殿を婚約者だと偽ってしまった。申し訳ない」
予想通りの答えが返ってきた。
申し訳なさそうな顔色をしているのかどうか、獣人の表情はアンリには判別がつかなかった。
「その上で、さらに申し訳ない提案があるのだが」
提案とはなんだろう。
アンリはわずかに片眉を上げることで、先を促した。
「本当に、オレと結婚してもらえないだろうか」
ぱちくち、キトンブルーの瞳を瞬かせる。
彼の言っていることが、理解できなかったからだ。
「ほんの数年間だけでいい。あの子がオレの後継者だと、名実ともに認められるまで。そうすれば、あの子がこの家に連れ戻されることもないだろう。貴殿の時間を浪費するような提案だとは理解している。結婚したあとで離婚すれば、貴殿の名誉が傷つくことも。だが、オレにはあの子を引き取る手段がそれしかない。金ならば積む。だから、どうかオレと結婚してくれないか」
黒狼は腰を折って、深々と頭を下げた。
アンリは、黒狼の姿をしばし見つめる。王族相手とは言え、辺境伯ともあろう立場の人間が頭を下げるとは。
「……金と引き換えの契約婚ということか」
黒狼の提案を、アンリは一言にまとめた。
政略結婚とは別に、金品などと引き換えに婚姻を結ぶ契約婚という概念は、しばしば耳にする。明確な目的があって、結婚の期限が定められていることが多い。
黒狼の提案は、いわゆる契約婚に該当すると判断した。
それにしても代価として金しか提示できないなんて、あまりにも実直すぎる人間のようだ。辺境伯ならば、いろいろとやりようはあるだろうに。生き馬の目を抜く社交界では、さぞ苦労してきたことだろう。
あくどいやり方はいろいろあるのだと、兄であるコンスタンを見ていればわかる。
「そういうことになる」
「そこまでして、どうしてテオフィルを引き取りたいんだ?」
彼の口ぶりを聞いていれば、動機は察せられる。それでも、見極めるために真っ直ぐに彼を凝視した。それこそ、毛皮の下の顔色まで見抜いてやろうと。
「……それは、あの子をこのままこの家に置いておいたら、どうなってしまうかわからないだろう」
まともな、そしてアンリが感じたことと同じ返答に、アンリは思った。この男にならば、テオフィルを預けてもいいと。
ほんの少し会話を交わしただけの、銀色のふわふわな子。自分と同じくあの柔らかな光が目に見えるのだとわかっただけで、アンリはもうあの子のために全てをなげうってもいいとまで思っていた。
それこそ、この黒狼と契約婚してもいいくらいに。
「わかった、貴方と契約を交わそう」
鋭い視線のまま返答すると、黒狼の肩からすっと力が抜けるのが見て取れた。
「ただし、契約に際して一つ条件がある」
「なんなりと聞こう」
「貴方がテオフィルの親に相応しくないと判断した場合には、彼を連れて家を出て行かせてもらう」
アンリは厳しく言い放った。
辺境伯の家を出たところで、王城に戻っても居場所はない。だが、精霊の助けを借りれば、たとえ森の中でも生きていけるだろうと確信している。
この男のところよりも野山で暮らす方がマシだと判断したならば、テオフィルを連れて逐電するつもりだ。
「当然の条件だ。心しておく」
黒狼は重々しく頷いた。
こうして、二人の契約は成立した。
一人の子を救うための、共犯関係だ。
「ところで、曲がりなりにも伴侶となる御身の名を聞きたいのだが」
アンリは尋ねた。
「む、まだ名乗っていなかったか。これは大変な失礼をした。オレはグウェナエル・ドゥ・デルヴァンクール。デルヴァンクール辺境伯領を治めている」
やはり辺境伯だったか。
予想が裏切られなかったことに、内心でそっと安堵する。
「よろしければ、貴殿の名も聞かせていただけないだろうか」
グウェナエルに名を請われ、アンリは口を開いた。
「この身は現国王が第二子、アンリ・ドゥ・シャノワーヌという名を持つ者だ」
「アンリ……ドゥ、シャノワーヌ……殿下……」
アンリが名乗っても、グウェナエルの表情は変わらなかった。
正確には、表情だけは変わらなかったというべきか。
彼の黒く毛並みのいい尾は、名前を聞くなり爆発したかのように膨らみ、毛の一本一本を逆立たせていた。よくよく見れば、三角形の耳もピンと立っている。
獣人に詳しくないアンリにだって、これが「驚愕」という感情を表していることはよくわかった。
――この男、相手が誰かもわかっていないで、契約婚の提案を持ち掛けたのか。
その事実は、テオフィルをなんとしても保護したいという彼の思いの必死さを伝えてきた。
だが、それ以上に。
なんというか……この男、思っていたよりもずっと、天然なのでは?
鋭い爪の生えた手でありながら、白い肌を傷つけることなく器用に包帯を巻いていく。
黒い毛に覆われてはいるが、五本の細長い指と、肉球のない手の平を見れば、彼が人間と同じ構造の肉体を持っていることがよくわかる。
アンリは長椅子に座った状態で、黒狼に怪我の手当を受けていた。
黒狼はアンリを伴侶にして、テオフィルを養子にすると驚きの宣言をしたあと、「フィアンセの手当をしたいから二人きりにしてくれ」と頼んだのだ。
フィアンセ。フィアンセだって。
頭の中で反芻する度、驚きで胃が躍り出しそうだった。
「これで手当完了だ」
黒い手が、最後にきゅっと包帯を結んだ。
包帯はきつく感じられないのに、緩みそうな気配もない。こなれた手当だ。
体格が大きく、にこりとも微笑まない彼が、こんなにも細やかな手当をしてくれるとは意外だった。
――夜闇を照らす優しい満月。
先ほど感じた第一印象が、再来する。
少しも朗らかでない、表情も読めない男になぜこんな印象を受けるのだろう。
「戦場では、自ら包帯を巻かなければならないこともあるのでな」
アンリの視線を問いかけに感じたのか、黒狼は答えた。
戦場ではさぞ有能な指揮官だったのだろう、と切れ長の怜悧な金の瞳から連想した。
「それよりも、もっと聞きたいことがあるのだが……」
フィアンセやら伴侶やら養子やらの話、どういったつもりであんな嘘を口にしたのか教えてもらわなければならない。
テオフィルを苦境から救うつもりだとしても、この先どうするつもりなのか。
よもや後からなかったことにするつもりではないだろうなと、アンリはキトンブルーの瞳で黒狼を鋭く睨みつけた。
「ああ……」
黒狼は、アンリの向かいの長椅子に腰かけた。
金の双眼が、アンリの視線をしっかりと受け止める。
「実を言うと、あの子を養子に取りたいと思ったのだが、適当な口実が思いつかず……やむを得ず、貴殿を婚約者だと偽ってしまった。申し訳ない」
予想通りの答えが返ってきた。
申し訳なさそうな顔色をしているのかどうか、獣人の表情はアンリには判別がつかなかった。
「その上で、さらに申し訳ない提案があるのだが」
提案とはなんだろう。
アンリはわずかに片眉を上げることで、先を促した。
「本当に、オレと結婚してもらえないだろうか」
ぱちくち、キトンブルーの瞳を瞬かせる。
彼の言っていることが、理解できなかったからだ。
「ほんの数年間だけでいい。あの子がオレの後継者だと、名実ともに認められるまで。そうすれば、あの子がこの家に連れ戻されることもないだろう。貴殿の時間を浪費するような提案だとは理解している。結婚したあとで離婚すれば、貴殿の名誉が傷つくことも。だが、オレにはあの子を引き取る手段がそれしかない。金ならば積む。だから、どうかオレと結婚してくれないか」
黒狼は腰を折って、深々と頭を下げた。
アンリは、黒狼の姿をしばし見つめる。王族相手とは言え、辺境伯ともあろう立場の人間が頭を下げるとは。
「……金と引き換えの契約婚ということか」
黒狼の提案を、アンリは一言にまとめた。
政略結婚とは別に、金品などと引き換えに婚姻を結ぶ契約婚という概念は、しばしば耳にする。明確な目的があって、結婚の期限が定められていることが多い。
黒狼の提案は、いわゆる契約婚に該当すると判断した。
それにしても代価として金しか提示できないなんて、あまりにも実直すぎる人間のようだ。辺境伯ならば、いろいろとやりようはあるだろうに。生き馬の目を抜く社交界では、さぞ苦労してきたことだろう。
あくどいやり方はいろいろあるのだと、兄であるコンスタンを見ていればわかる。
「そういうことになる」
「そこまでして、どうしてテオフィルを引き取りたいんだ?」
彼の口ぶりを聞いていれば、動機は察せられる。それでも、見極めるために真っ直ぐに彼を凝視した。それこそ、毛皮の下の顔色まで見抜いてやろうと。
「……それは、あの子をこのままこの家に置いておいたら、どうなってしまうかわからないだろう」
まともな、そしてアンリが感じたことと同じ返答に、アンリは思った。この男にならば、テオフィルを預けてもいいと。
ほんの少し会話を交わしただけの、銀色のふわふわな子。自分と同じくあの柔らかな光が目に見えるのだとわかっただけで、アンリはもうあの子のために全てをなげうってもいいとまで思っていた。
それこそ、この黒狼と契約婚してもいいくらいに。
「わかった、貴方と契約を交わそう」
鋭い視線のまま返答すると、黒狼の肩からすっと力が抜けるのが見て取れた。
「ただし、契約に際して一つ条件がある」
「なんなりと聞こう」
「貴方がテオフィルの親に相応しくないと判断した場合には、彼を連れて家を出て行かせてもらう」
アンリは厳しく言い放った。
辺境伯の家を出たところで、王城に戻っても居場所はない。だが、精霊の助けを借りれば、たとえ森の中でも生きていけるだろうと確信している。
この男のところよりも野山で暮らす方がマシだと判断したならば、テオフィルを連れて逐電するつもりだ。
「当然の条件だ。心しておく」
黒狼は重々しく頷いた。
こうして、二人の契約は成立した。
一人の子を救うための、共犯関係だ。
「ところで、曲がりなりにも伴侶となる御身の名を聞きたいのだが」
アンリは尋ねた。
「む、まだ名乗っていなかったか。これは大変な失礼をした。オレはグウェナエル・ドゥ・デルヴァンクール。デルヴァンクール辺境伯領を治めている」
やはり辺境伯だったか。
予想が裏切られなかったことに、内心でそっと安堵する。
「よろしければ、貴殿の名も聞かせていただけないだろうか」
グウェナエルに名を請われ、アンリは口を開いた。
「この身は現国王が第二子、アンリ・ドゥ・シャノワーヌという名を持つ者だ」
「アンリ……ドゥ、シャノワーヌ……殿下……」
アンリが名乗っても、グウェナエルの表情は変わらなかった。
正確には、表情だけは変わらなかったというべきか。
彼の黒く毛並みのいい尾は、名前を聞くなり爆発したかのように膨らみ、毛の一本一本を逆立たせていた。よくよく見れば、三角形の耳もピンと立っている。
獣人に詳しくないアンリにだって、これが「驚愕」という感情を表していることはよくわかった。
――この男、相手が誰かもわかっていないで、契約婚の提案を持ち掛けたのか。
その事実は、テオフィルをなんとしても保護したいという彼の思いの必死さを伝えてきた。
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