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5話 フラグの回避?
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侍女に言われた様に鏡を見ると……目の周りが真っ黒に滲んでいた。メイクが濃くて落ちなくて、顔を何回も丁寧に洗って漸くメイクを落とした。ベタベタになった桜色のドレスを脱ぎ、王妃様かたら下賜されたエリカは着ないような、萌黄色の可憐なドレスに着替えた。大粒なルビーの派手なアクセサリーはドレスに合わなかったので外し、花瓶に生けてあった花を髪に飾った。
残るは契約書にクリフ殿下のサインを貰うだけ。嫌われてるから向こうも願ったり叶ったりだよね、楽勝!私は浮足立って大広間に向かった。
大広間の扉を開けると会場内が私を中心に波紋が広がる様にザワついた。
ん?なんか見られている?周りを見渡すがクリフ殿下はいない。乙女ゲームのイベントを思い出す。もしかしたら………人に酔ったクリフ殿下は2階の暗く人気のないテラスで人目を避けて、休んでるとゲーム言っていた。
先程の件で注目を集めてるのかな、周りの視線に耐えきれずテラスへと急いだ。
明るい室内から急に暗いテラスへ出ると、月以外何も見えない。次第に目が慣れてくるとクリフ殿下がいた。その表情は疲れているようにも見える。またあの冷たい目で見られると思うと、尻込みしてしまう。
「クリフ殿下、只今お時間宜しいでしょうか?」
私が声を掛けると、ビクリと肩を震わすクリフ殿下。
「あぁよく私がここに居るって分かったな」
クリフ殿下はキラキラの王子様スマイルを向けた。私に初めて向けられた笑顔に、心臓のが跳ねる。ずるい……あんなイケメンに笑顔を向けられて平常心を保てる訳がない。加えて前世も今世も彼氏など出来た事がない私に、男性の耐性などある筈もなく、顔が赤くなるのを感じた。
「会場にいらっしゃらなかったので、偶々こちらに来たら見つけられただけです」
私は努めて冷静に事務的に話した。
「で、貴方は私になんの用事ですか?」
「王妃様からの命により参上いたしました。こちらをご覧ください。エリカ・ノヴァとの契約書でございます。サインを頂きたく存じます。どうぞ内容をご確認ください」
契約書の原本と福書とペンを差し出した。
「ふ~ん、これってエリカ嬢も納得済みなのかな」
クリフ殿下は契約書を受け取って、それ見ながら愉快そうに訪ねた。
「もちろんでございます」
暫く待ったが書く様子を見せないクリフ殿下に、堪えられず口を出した。
「サインを頂戴しても宜しいでしょうか?」
「う~ん、どうしよう。後でもいいかな?」
えっ!?なんで??……無理。
私は慌ててクリフ殿下の足元にひれ伏し懇願した。
「どうか……どうか今頂く訳にはいきませんか?差し出がましいようですが、殿下は快く思ってないのではないでしょうか? 」
「私はね、一度決めたことは最後までやり通す質なんだよね」
「これを頂かないと私の命が危ないのです。どうかお願いいたします」
楽勝だと思っていた出来事が遂行できずに困った私は、クリフ殿下の脚に縋りついて涙目で見上げた。
「え!!どうしたの?私で良ければ力になるよ。………もしかして、エリカ嬢に何かされた?」
なんで私が私自身に何かしなくちゃいけないの?あれ?なんか会話が噛み合ってない?
「いえ、エリカからは何もされたことはないです。サインさえ頂ければご心配には及びません」
「いいよ。婚約も向こうから言ってきたのに、やっぱりなしって勝手だなって思ってもったいぶっただけだから」
クリフ殿下はサインをし、契約書を渡してくれた。
「ありがとうございます」
ホッとした。ここ数日の緊張の糸が切れて、目から涙が溢れてくる。死亡フラグが怖かった。婚約しなきゃ破棄イベントなんてないから、これでだいぶマシになったよね、良かった、本当に良かったぁ~。
「おい、大丈夫か?」
覗き込まれて肩を揺さぶるクリフ殿下に頷く私。そのまま泣き止むまで何も言わず居てくれた。
「あの…もう大丈夫です。クリフ殿下は意外と優しいんですね」
やばっ!意外となんて余計な事を言ってしまった。クリフ殿下に優しくされたのなんて初めてだったから。
「意外とって。俺、そんな冷たそうに見える?」
「(今は)見えませんよ。たくさんのご令嬢に囲まれてて大変そうなのに、ダンスとか嫌な顔をせずに付き合っているじゃないですか。優しいと思います」
あんなにたくさん殿下の周りに集まって、正直私なら鬱陶しく思ってしまいそう。エリカは美人でも性悪だったから、ダンスに誘ってくる男性など居なかったけどね。
「君、名前は」
やっぱり私だって気づいてない。どうしよう言えない、エリカなんて。私は口を開きかけて口籠る。
「その綺麗な銀色の髪……ノヴァ家の血筋?」
殿下は髪を一筋掬って口付けた。
私は頷く。
「また逢える?」
「ごめんなさい、契約書ありがとうございました」
頭を下げて逃げるようにして去った。
屋敷に帰るとお父様に頬を手形が付くほど強く張られ、その拍子に床に崩れ落ちた。あまりの出来事に状況が飲み込めず、熱くなった頬に手を当ててお父様を見返した。
「あれは何だ?公爵令嬢ともあろうものが衆前であんな無様な姿をさらすとは、恥知らずが!貴族たるものが罪を認めてどうする?しかも問われてすらいない罪を。謝罪には弁済しなければならない義務が生じるのだ。それすら考えが及ばない愚か者だとは」
「ご、ごめんなさい」
目から涙が溢れた。
「もう顔を見せるな」
そう冷たく言い放ち、コツコツと靴音鳴らして去っていった。私は失望しながら、その音が小さくなっていくのを、双眸から滂沱の如く涙を流しながら見送った。もうお父様の事は諦めたと思っていたが、心の底では父親に振り向いて欲しいただの子供だった。
昨日、色々あったせいか悪夢は見なかったが頭は重い。青空に朝日が眩しい。街路樹に目をやると桜が風に乗ってたゆたっている。私の未来に光明が差してくれる事を願う。しかし私の乙女ゲーム転生はおわってなかったと気がつくのは、もっと先の事である。
この世界はゲームの世界なんだろうか、それともゲームとは似て非なる世界なのだろうか、私には判然としない。もし前者で有れば私の命運を握っているのは、ヒロインであり、どう足掻こうが結果は変わらない。変えられるのは、エンディング後だ。今日から料理や乗馬、外国語や異国文化、剣術など頑張って習得しようと思っている。
どうしても解せない事がある。ヒロインを虐めたエリカが処刑される事だ。やっぱりどう考えてもおかしい。ゲームではヒロインは五体満足なのに、この国の最高刑罰であるギロチン刑に処せられるなんてあり得ないから。父に何かあるのかな。
今日も一日、カロリーナ達の無視されて嫌がらせもなく無事に過ごした。他の生徒は、私に関わり合いたいくないらしく必要事項以外話しかけてこない。ちょっと寂しい。彼女達は公爵家である私に表立って、手が出しづらい様だったが放課後にトイレに行ったとき―――――やられた!
上から大量の水を掛けられたのた。そのすぐ後、女の甲高い愉快そうな笑い声を出して、去っていく足音が聞こえた。
私は呆気に取られ、暫く動く事が出来ずにいた。漸く水に濡れた冷たくて重い体を動かした。1歩進む毎に水の溜まった靴がグチュグチュと音を立てた。うへっ!気持ち悪い。手洗い場の鏡を見るとアイラインやマスカラが滲んで、黒くなった水滴を流す悲惨な顔の自分が写っていた。
何度も水で顔を洗うと、気弱そうな自分の素顔になった。公爵令嬢たる私がこんな姿を晒す訳にはいかない。人気が無くなるのを待ってトイレを後にした。
くしゅんっ‼あ゛あ゛~濡れた服が気持ち悪いし、寒い。私が歩いた跡に水溜まりが出来てホラー映画みたいになってるよ。
「おいっ!どうした!?」
―――男の声だ。誰にもこんな姿見られたく無い私は思わずダッシュして逃げた………が男性の脚力に叶うわけも無く、手首を捕まれあっさり捕獲された。振り向くとクリフ殿下だった。
「あっ!君はこないだの。どうしたんだ!?」
「…………」
見てわかるだろ!濡れてんだよ、早く家に帰りたいんだよ!肩から手を離してよ!とは言えず押し黙り、ぶるりと身を震わした。
「とにかくこっちへ」
「大丈夫です、結構です」
そう言って断った私を強引に王族専用サロンへ連れて行った。大量のタオルを肩やら頭に掛けてくれて、殿下の自ら温かい湯気が立ち昇るお茶とチェリーパイを用意してくれた。
残るは契約書にクリフ殿下のサインを貰うだけ。嫌われてるから向こうも願ったり叶ったりだよね、楽勝!私は浮足立って大広間に向かった。
大広間の扉を開けると会場内が私を中心に波紋が広がる様にザワついた。
ん?なんか見られている?周りを見渡すがクリフ殿下はいない。乙女ゲームのイベントを思い出す。もしかしたら………人に酔ったクリフ殿下は2階の暗く人気のないテラスで人目を避けて、休んでるとゲーム言っていた。
先程の件で注目を集めてるのかな、周りの視線に耐えきれずテラスへと急いだ。
明るい室内から急に暗いテラスへ出ると、月以外何も見えない。次第に目が慣れてくるとクリフ殿下がいた。その表情は疲れているようにも見える。またあの冷たい目で見られると思うと、尻込みしてしまう。
「クリフ殿下、只今お時間宜しいでしょうか?」
私が声を掛けると、ビクリと肩を震わすクリフ殿下。
「あぁよく私がここに居るって分かったな」
クリフ殿下はキラキラの王子様スマイルを向けた。私に初めて向けられた笑顔に、心臓のが跳ねる。ずるい……あんなイケメンに笑顔を向けられて平常心を保てる訳がない。加えて前世も今世も彼氏など出来た事がない私に、男性の耐性などある筈もなく、顔が赤くなるのを感じた。
「会場にいらっしゃらなかったので、偶々こちらに来たら見つけられただけです」
私は努めて冷静に事務的に話した。
「で、貴方は私になんの用事ですか?」
「王妃様からの命により参上いたしました。こちらをご覧ください。エリカ・ノヴァとの契約書でございます。サインを頂きたく存じます。どうぞ内容をご確認ください」
契約書の原本と福書とペンを差し出した。
「ふ~ん、これってエリカ嬢も納得済みなのかな」
クリフ殿下は契約書を受け取って、それ見ながら愉快そうに訪ねた。
「もちろんでございます」
暫く待ったが書く様子を見せないクリフ殿下に、堪えられず口を出した。
「サインを頂戴しても宜しいでしょうか?」
「う~ん、どうしよう。後でもいいかな?」
えっ!?なんで??……無理。
私は慌ててクリフ殿下の足元にひれ伏し懇願した。
「どうか……どうか今頂く訳にはいきませんか?差し出がましいようですが、殿下は快く思ってないのではないでしょうか? 」
「私はね、一度決めたことは最後までやり通す質なんだよね」
「これを頂かないと私の命が危ないのです。どうかお願いいたします」
楽勝だと思っていた出来事が遂行できずに困った私は、クリフ殿下の脚に縋りついて涙目で見上げた。
「え!!どうしたの?私で良ければ力になるよ。………もしかして、エリカ嬢に何かされた?」
なんで私が私自身に何かしなくちゃいけないの?あれ?なんか会話が噛み合ってない?
「いえ、エリカからは何もされたことはないです。サインさえ頂ければご心配には及びません」
「いいよ。婚約も向こうから言ってきたのに、やっぱりなしって勝手だなって思ってもったいぶっただけだから」
クリフ殿下はサインをし、契約書を渡してくれた。
「ありがとうございます」
ホッとした。ここ数日の緊張の糸が切れて、目から涙が溢れてくる。死亡フラグが怖かった。婚約しなきゃ破棄イベントなんてないから、これでだいぶマシになったよね、良かった、本当に良かったぁ~。
「おい、大丈夫か?」
覗き込まれて肩を揺さぶるクリフ殿下に頷く私。そのまま泣き止むまで何も言わず居てくれた。
「あの…もう大丈夫です。クリフ殿下は意外と優しいんですね」
やばっ!意外となんて余計な事を言ってしまった。クリフ殿下に優しくされたのなんて初めてだったから。
「意外とって。俺、そんな冷たそうに見える?」
「(今は)見えませんよ。たくさんのご令嬢に囲まれてて大変そうなのに、ダンスとか嫌な顔をせずに付き合っているじゃないですか。優しいと思います」
あんなにたくさん殿下の周りに集まって、正直私なら鬱陶しく思ってしまいそう。エリカは美人でも性悪だったから、ダンスに誘ってくる男性など居なかったけどね。
「君、名前は」
やっぱり私だって気づいてない。どうしよう言えない、エリカなんて。私は口を開きかけて口籠る。
「その綺麗な銀色の髪……ノヴァ家の血筋?」
殿下は髪を一筋掬って口付けた。
私は頷く。
「また逢える?」
「ごめんなさい、契約書ありがとうございました」
頭を下げて逃げるようにして去った。
屋敷に帰るとお父様に頬を手形が付くほど強く張られ、その拍子に床に崩れ落ちた。あまりの出来事に状況が飲み込めず、熱くなった頬に手を当ててお父様を見返した。
「あれは何だ?公爵令嬢ともあろうものが衆前であんな無様な姿をさらすとは、恥知らずが!貴族たるものが罪を認めてどうする?しかも問われてすらいない罪を。謝罪には弁済しなければならない義務が生じるのだ。それすら考えが及ばない愚か者だとは」
「ご、ごめんなさい」
目から涙が溢れた。
「もう顔を見せるな」
そう冷たく言い放ち、コツコツと靴音鳴らして去っていった。私は失望しながら、その音が小さくなっていくのを、双眸から滂沱の如く涙を流しながら見送った。もうお父様の事は諦めたと思っていたが、心の底では父親に振り向いて欲しいただの子供だった。
昨日、色々あったせいか悪夢は見なかったが頭は重い。青空に朝日が眩しい。街路樹に目をやると桜が風に乗ってたゆたっている。私の未来に光明が差してくれる事を願う。しかし私の乙女ゲーム転生はおわってなかったと気がつくのは、もっと先の事である。
この世界はゲームの世界なんだろうか、それともゲームとは似て非なる世界なのだろうか、私には判然としない。もし前者で有れば私の命運を握っているのは、ヒロインであり、どう足掻こうが結果は変わらない。変えられるのは、エンディング後だ。今日から料理や乗馬、外国語や異国文化、剣術など頑張って習得しようと思っている。
どうしても解せない事がある。ヒロインを虐めたエリカが処刑される事だ。やっぱりどう考えてもおかしい。ゲームではヒロインは五体満足なのに、この国の最高刑罰であるギロチン刑に処せられるなんてあり得ないから。父に何かあるのかな。
今日も一日、カロリーナ達の無視されて嫌がらせもなく無事に過ごした。他の生徒は、私に関わり合いたいくないらしく必要事項以外話しかけてこない。ちょっと寂しい。彼女達は公爵家である私に表立って、手が出しづらい様だったが放課後にトイレに行ったとき―――――やられた!
上から大量の水を掛けられたのた。そのすぐ後、女の甲高い愉快そうな笑い声を出して、去っていく足音が聞こえた。
私は呆気に取られ、暫く動く事が出来ずにいた。漸く水に濡れた冷たくて重い体を動かした。1歩進む毎に水の溜まった靴がグチュグチュと音を立てた。うへっ!気持ち悪い。手洗い場の鏡を見るとアイラインやマスカラが滲んで、黒くなった水滴を流す悲惨な顔の自分が写っていた。
何度も水で顔を洗うと、気弱そうな自分の素顔になった。公爵令嬢たる私がこんな姿を晒す訳にはいかない。人気が無くなるのを待ってトイレを後にした。
くしゅんっ‼あ゛あ゛~濡れた服が気持ち悪いし、寒い。私が歩いた跡に水溜まりが出来てホラー映画みたいになってるよ。
「おいっ!どうした!?」
―――男の声だ。誰にもこんな姿見られたく無い私は思わずダッシュして逃げた………が男性の脚力に叶うわけも無く、手首を捕まれあっさり捕獲された。振り向くとクリフ殿下だった。
「あっ!君はこないだの。どうしたんだ!?」
「…………」
見てわかるだろ!濡れてんだよ、早く家に帰りたいんだよ!肩から手を離してよ!とは言えず押し黙り、ぶるりと身を震わした。
「とにかくこっちへ」
「大丈夫です、結構です」
そう言って断った私を強引に王族専用サロンへ連れて行った。大量のタオルを肩やら頭に掛けてくれて、殿下の自ら温かい湯気が立ち昇るお茶とチェリーパイを用意してくれた。
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