虹色小判

しまたろす

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第1章 学生編

9 闘技場

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どっちも危険人物だとわかったところで、
闘技場のある施設の前についた。

「まあ今は危ないことはあんまりしていないから、人が抱えてるありきたりの過去の1つくらいで、受け取ってくれたら嬉しいかな。」

「会ったばかりだし、やっぱりピンとこないからなんとも言えないかなー。でも話してくれたということは、少し親密になれたんじゃない?」

「そう言ってくれると、ありがたいや。」

そんな話をしたながら進み、扉を開けると
一気に熱気が襲ってくる。

「どうだ!ここが闘技場だ!それぞれタイプの違うリングが計12箇所ある!」

と染次郎くんが喋った瞬間、素人でも分かるような
寒気と静寂が包んだ。

「みんな殺気立っちゃって~今日は遊びに来ただけだよ。」

流石は危険人物。みんなこっちを見て警戒している。。。
これ、俺も目をつけられるやつでは!

「あら、藍川さんご機嫌よう。ここでお会いするのも珍しいですわね。」

「お、橙じゃん。お前こそ珍しいな。」

ザ・お嬢様みたいな格好の女性が、
優雅にこちらに歩いてきた。

「たまには遊びを愉しむのも汝の嗜みの1つですわよ。」

「俺も似たようなもんだ。てか殺し合いも嗜みかよ。」

「して、そちらの殿方は?お会いしたことがありませんことよ。」

「あぁ、こいつは澪音。噂の『幸運の持ち主』だとよ。」

「まあ!じゃあこれからお世話になるかもしれませんわね。私し名前を橙 琥珀(だいだい こはく)と申します。以後お見知りおきを。」

軽くスカートを持ち綺麗に一礼された。
取り敢えずめちゃくちゃ美人。
モデルみたいな小顔で、身長も高く
スタイルが抜群だ。
少し見惚れてしまったが、すぐ挨拶を返した。

「初めまして。この度転校してきた黒蜂 澪音です。よろしくお願いします。」

「琥珀ちゃんもこっち側の人間だか、本人の言うとおり付き合いが増えると思うよ。てか、僕らに寄ってくるのは同じ穴の狢か、打算がある人間だけだからね。」

大袈裟にリアクションを取りながら、『やだ、やだ』と、
首を振る雷牙くん。
闘技場に遊びに来ている時点で察してはいたが、
やっぱりなんだ。

「私はあなた達と違って、学生生活を愉しむ為に通ってますの。同じだなんて言わないでくださいます。」

『オーホッホー』っと高笑いしながら僕達の元を離れていく橙さん。
何しに来たんだ!?

「ま、突き詰めれば結局ムジナさ。琥珀ちゃんも色々あるんだよ。友達にカマッて欲しいのと、僕らが・・・連れてきた人物が気になったんじゃない?」

丸で心を読んだかの様に俺に話しかけてくる。

「そっかー。あんな綺麗な人がね~」

「で、いつの間にか染次郎いねぇし。どうする?見に行ってもいいが、たぶんつまんないよ?このまま寮に帰ろっか!僕もここにいると絡まれそうで面倒くさいし。」

「俺も殴り合いみるのはな~。わかった。帰ろう!」

こうして二人は、しれっと闘技場を後にした。
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