虹色小判

しまたろす

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第1章 学生編

8 各々の事情

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「ぷはぁ~食った食った~」

10人前は食べたのではないかと思わせる
食いっぷりを見せた男が、
ようやく言い放った言葉だった。

「で、雷牙と澪音はこっからの予定は?」

「んー案内任されてるけど特に決まってないかなー。」

「これから俺は闘技場行くけどどうするよ?」

「まだ見てないし一緒に行こうか。毎回思うけどそんだけ食べた後、よく動こうと思うよね。」

「逆だよ。運動するから食ったんだよ。そうと決まれば早速行くか!」



こうして俺達は闘技場に行くことになった。
もちろん車で。染次郎くんは走っていくと
心の何処かで思っていたけど、3人で乗り込んだ。

「久々に雷牙も楽しんでいくか?」

「君の相手なんて二度とするか。」

「大丈夫だ。相手になってたいからな!」

「煽ってもやんねぇーよ。」

「つれねぇーな。友達だろ?」

染次郎くんがニヤニヤしながら煽ってる。
そりゃ筋肉の鎧をつけた人と闘うなんて、
俺だったら絶対無理だわ。死ぬ。

「澪音からも言ってくれや~」

「その言葉そのまま言ってやって澪音ちゃん。」

「はぁ。でも、闘技場って言うからには闘うんでしょ?体格差があっても大丈夫な競技なの?」

「闘技場にも種類があって、スポーツチックなものや武器えものを使ったものもあるが、俺は基本は殴り合いよ。ただ試合とかになると雷牙も凄いんだぜ?」

「よく言うよ、『No Penalty』の王者だろがお前は。」

「『No Penalty』って?」

「ルールどころか罰則すら無し、降参するか戦う意志がなくなったら終わりの、何でもありの大会だよ。」

染次郎くんやべぇーやつじゃん。

「うわー。でもそれだったら何で学校に?染次郎くんと同じぐらいの人が学校にいるの?」

「俺はスカウトされたんだよ。飯も無料ただ、トレーニング施設も最高、闘いたくなったら何かの大会出ればいいし、その話に乗ったって訳よ。」

「よく言うぜ。武者修行と言うなの道場破り、つまんねぇからとハンデやって、ボッコボコにして相手の身体と心を壊す脳筋だから、これ以上被害を出さないように国が縛り付けたんだよ。超危険人物の1人だよ。」

「闘ってると楽しくなって、楽しくなっちゃうとついね。」

雷牙くんは呆れ、染次郎くんは大声で笑っている。
染次郎くんにそんな理由が!
でもフレンドリーでそんな感じにはみえないけどなー
ゴングがなると人が変わるタイプなのか?
確かに脳筋ぽいとこは否めないが。

「凄い理由がー。住む世界が違うから、いまいちピンとこないかな。友達で良かったってのが正直に感想かな。」

「友達?」

「さっき食堂で言ったじゃん。飯食ったら友達だって。」

「……そういえば言ったな。…友達か。」

「みんな同じ穴の狢だけどね。」

と最後に雷牙くんが茶化した。

「てことは雷牙くんも何かしら?あ、駄目なら大丈夫だよ!」

「別にいいよー。黄瀬っ言ったら思い浮かぶと思うけど、親父が元総理大臣の黄瀬で、そこの三男。1番上の兄貴が次期総理大臣になりそうだから、補佐で色々裏のことしてたら、やり過ぎて叔父さんの学校に預けられちゃった。」

可愛く舌を出す雷牙くんだか、言ってることは
全然可愛くない!
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