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89.キスの練習
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週末の晩はこうしてソファーに座って映画を観る事が多い。今晩はSF超大作で序盤からシリアスなアクションシーンが続いて目が離せない。
貴子は胸にポテトチップスの袋を抱えてテレビ画面に夢中だ。さっきから手を袋に突っ込んだまま止まっている。
「ほおぉ……そう来たか」
貴子はすっかりストーリーに入り込んでいる。隣の哲太はそんな貴子をジトッとした目で見つめていた。
「なぁ……」
「…………」
「貴子……」
「何よ……」
「この映画観るの三回目じゃない?」
「違うわよ、四回目」
哲太は溜息をつく。
貴子はガサツな性格のくせになぜか何度同じ映画を観ても最初見たときのような新鮮な気持ちで観られるらしい。俺は一度見たらストーリー展開も覚えているのでどうも楽しめない。正直さっきから眠気も出てきた。
「なぁ、貴子──練習しない?」
哲太の声に貴子が突然リモコンを握り電源ボタンを押した。
妖艶な表情でこちらを見るとそのままソファーに押し倒す。さっきまでのマヌケ面はどこへやら、一気に女王様が降臨した。
早い、早すぎるさっきまで脳内は映画の事しかなかったのに!
「ま、待て……いや、映画を見るのをやめて欲しくて、その──」
「哲太、何でもそうだけど反復練習って大事よ?」
「さっきの映画も反復して見てたけど良かったの!?」
変なやる気スイッチを押してしまったようだ。仰向けの俺を押さえつけるように貴子は窮屈そうに跨る。
「で? 哲太からやる?」
「……おう」
哲太はそのまま貴子の頭を引き寄せると唇にキスをした。下からなのでやりにくい。深く口付けようとしても貴子の顔が離れる。
絶対に、わざとだな……。
そのまま貴子が体を起こすと首をぐるりと回した。
「んー、首が痛いんだよね──不合格」
「お前がわざと……! いや、すみませんでした」
言い返そうとしたが、上から見下ろす貴子の嬉しそうな顔を見てそのまま黙り込む。
ここで反論すると後が怖い。
「名誉教授に任せなさいな」
「いつからそんな功績残したの?」
貴子は俺の胸板に両手を添えると筋肉の感触を確かめるように臍へと指を滑らせる。
「──っ、おい……」
貴子は俺の両手を拘束するように指と指を絡ませてソファーへと押し付けた。そのまま貴子が一気に唇を重ねてくる。
貴子の香りが鼻から脳に上ってくるとじんと下半身が痺れた。貴子の肉厚な太ももの感触と、全てを飲み込むような貴子のキスに背筋が反り、鳥肌が立つ。拘束された手がもどかしい……。
いつもそうだ、貴子は俺を捕食しようとする。
貴子の舌は執拗に俺の口腔内を這いずり回り舌を出せと催促する。舌を絡め取るとより一層繋がっていくのがわかる。口の粘膜が麻痺し始めた頃、貴子は離れていく。
唇を真っ赤な舌で舐めとると満足そうに俺の顔を見る。
「どう? 哲太……」
「……俺のターンだな。貴子、後悔させてやる……」
哲太は下から貴子の胸を掴み上げると体を起こす。首筋にキスを落とすと貴子の体が震えた。
哲太は耳元で囁く。
「俺のマグナム──よろしく」
「──このエロゴリラ……」
二人は抱き合い再びキスをした。
貴子は胸にポテトチップスの袋を抱えてテレビ画面に夢中だ。さっきから手を袋に突っ込んだまま止まっている。
「ほおぉ……そう来たか」
貴子はすっかりストーリーに入り込んでいる。隣の哲太はそんな貴子をジトッとした目で見つめていた。
「なぁ……」
「…………」
「貴子……」
「何よ……」
「この映画観るの三回目じゃない?」
「違うわよ、四回目」
哲太は溜息をつく。
貴子はガサツな性格のくせになぜか何度同じ映画を観ても最初見たときのような新鮮な気持ちで観られるらしい。俺は一度見たらストーリー展開も覚えているのでどうも楽しめない。正直さっきから眠気も出てきた。
「なぁ、貴子──練習しない?」
哲太の声に貴子が突然リモコンを握り電源ボタンを押した。
妖艶な表情でこちらを見るとそのままソファーに押し倒す。さっきまでのマヌケ面はどこへやら、一気に女王様が降臨した。
早い、早すぎるさっきまで脳内は映画の事しかなかったのに!
「ま、待て……いや、映画を見るのをやめて欲しくて、その──」
「哲太、何でもそうだけど反復練習って大事よ?」
「さっきの映画も反復して見てたけど良かったの!?」
変なやる気スイッチを押してしまったようだ。仰向けの俺を押さえつけるように貴子は窮屈そうに跨る。
「で? 哲太からやる?」
「……おう」
哲太はそのまま貴子の頭を引き寄せると唇にキスをした。下からなのでやりにくい。深く口付けようとしても貴子の顔が離れる。
絶対に、わざとだな……。
そのまま貴子が体を起こすと首をぐるりと回した。
「んー、首が痛いんだよね──不合格」
「お前がわざと……! いや、すみませんでした」
言い返そうとしたが、上から見下ろす貴子の嬉しそうな顔を見てそのまま黙り込む。
ここで反論すると後が怖い。
「名誉教授に任せなさいな」
「いつからそんな功績残したの?」
貴子は俺の胸板に両手を添えると筋肉の感触を確かめるように臍へと指を滑らせる。
「──っ、おい……」
貴子は俺の両手を拘束するように指と指を絡ませてソファーへと押し付けた。そのまま貴子が一気に唇を重ねてくる。
貴子の香りが鼻から脳に上ってくるとじんと下半身が痺れた。貴子の肉厚な太ももの感触と、全てを飲み込むような貴子のキスに背筋が反り、鳥肌が立つ。拘束された手がもどかしい……。
いつもそうだ、貴子は俺を捕食しようとする。
貴子の舌は執拗に俺の口腔内を這いずり回り舌を出せと催促する。舌を絡め取るとより一層繋がっていくのがわかる。口の粘膜が麻痺し始めた頃、貴子は離れていく。
唇を真っ赤な舌で舐めとると満足そうに俺の顔を見る。
「どう? 哲太……」
「……俺のターンだな。貴子、後悔させてやる……」
哲太は下から貴子の胸を掴み上げると体を起こす。首筋にキスを落とすと貴子の体が震えた。
哲太は耳元で囁く。
「俺のマグナム──よろしく」
「──このエロゴリラ……」
二人は抱き合い再びキスをした。
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