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泣く背中
俺の、私の愛の伝え方
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「小林──じゃない、すまん菊田、この書類なんだが誤りがないかチェックしてくれないか?」
「あ、はい」
職場での呼び名も変わった。菊田紗英──むず痒い気がする。
免許書も銀行の通帳も、ポイントカードも携帯電話も何もかも菊田になっているのにまだこの苗字に慣れない……。意外にも小林の名に愛着を持っていたことに気がつく。
結婚して紗英は新たな生活を始めていた。
以前のアパートよりも一部屋分多い部屋へと引っ越した。もちろん冷蔵庫は大きいものにして週末に二人で大家族のように生鮮食品を購入している。遼との生活は楽しかった。朝は遼も早いので晩に二人で色んな話をした。
今日一日の出来事を報告したり、遼の筋トレに付き合ってみたり、料理番組を見てみたり、抱き合ってイチャイチャしてみたり、新婚生活を満喫していた。
「あー、あぁ……」
「どうした?」
晩御飯を食べながら紗英が肩を押さえてぐるぐると腕を回す。遼が紗英の様子に箸が止まる。肩に置いた手を箸へと戻すと紗英は恥ずかしそうに笑った。
「あ、ごめんね。ちょっと肩が凝って頭が痛くて──」
「え? 紗英って肩こり持ちなのか?」
長年付き合っていて知らなかった。こうして一緒にいてもそんな素振り見せたこともなかった。紗英は俺の頭の考えていることが分かったらしい。首を横に振ると優しく微笑んだ。
「違うわよ、隠してたんじゃなくて……いつも疲れ切っていても遼に会えば肩こりが治ってたの、本当よ」
紗英は拳を作ってドンドンと肩を叩く。怠くて堪らないらしい……思いの外鈍い音が響く。酷い肩こりだとハンマーで殴りたくなると聞いた事がある。紗英もきっとそれぐらい凝っているのだろう。
「顧客先で前傾姿勢のまま長時間パソコン操作したからかもね……やってる最中首痛かったもの」
「……揉む、俺がする」
遼は笑顔でそう言った。紗英は遼の肉厚な手の甲へ目をやる──確かにあの手でマッサージされると気持ちがいいだろう。遼の手は大きくて肉厚だ。もちろん握力だって申し分ないだろう。
「いいの? ありがとう」
遼は風呂場へと向かい何やらごそごそと物音がする。風呂の湯でも張っているのだろう……シャワー生活が長いので有難い。紗英は食べ終えた皿を流し台に持って行くと皿を洗い始めた。片付けが終わると紗英はソファーに腰掛けようと歩き出した。遼はその腕を取るとそのまま風呂場へと連れて行く。
「さ、入ろう」
「え? 風呂──え? 一緒に?」
今まで風呂に一緒に入ったことは無い。紗英は突然の提案に赤面する。幾度も体を重ねてはいるが、裸を見慣れているわけではない。
「先に紗英が入って体を洗えばいい」
「いや、え……」
渋る紗英の服を遼が脱がし始める。大きな手のくせにボタンを外すのが上手い。大工の器用さがここで本領発揮される……。紗英は慌ててその手を押さえて自分で脱ぎだした。遼は露骨に残念そうな顔をした。紗英が睨むと遼は笑って脱衣所を出て行った。
「少ししたら行くよ」
紗英は体を洗い終わると湯船に浸かる。シャワーばかりの生活だったので湯船に浸かると鳥肌が立つほど気持ちがいい。じんわりと体が温もっていくのが分かる。日本人の心だ──温泉文化の国に生まれてよかったと紗英は本気で思った。
「ふぅ……」
「紗英、入るよ」
「あ、はい、どうぞ」
遼の体は見慣れているはずなのに緊張する。ドアを開けて入ってきた遼の姿に紗英は赤面する。引き締まった体を思わず凝視してしまう──。遼は湯船に浸かる紗英のお団子頭を見て微笑む。頬を赤くして見上げる顔はいつもよりだいぶ幼く見える。顔が赤いのは湯船に浸かったからだけじゃないだろう。
「……見るなよ、エッチ」
「み、み、見てないわよ!」
紗英は壁の方に視線を移して遼に背を向ける。その背中を見て遼はクスッと笑う。遼は髪を洗った後スポンジを泡立てて体を洗い始めた。紗英は遼の背中を盗み見て口を尖らす。
いい背中してるわね、まったく……。
洗い終わるタイミングを見て紗英は湯船から上がろうとする。次は遼が湯船に浸かる番だ。
「じゃあ、お先に」
「あ、ちょっと待って。一緒に入ろう、湯船」
「ここに? 二人で?」
明らかに狭いが、遼は嬉しそうに紗英の背後に回り体を押し込む。湯船のお湯がざぁっと流れ出る。経験した事ないほどお湯が浴槽から流れ出た。海外の有名な滝のようだ。
「あぁ! お湯が!」
「いいのいいの、紗英の体を温めてお役御免だよ」
遼は楽しそうだ。遼は股を広げると胸板に私の体をもたれさせる……。視界に入る遼の角張った膝小僧が水面から島のように出ている。遼の胸板と私の背中が触れ合う。浮力で少し体が浮くのを感じて気持ちがいい。
「よし……」
遼は首や肩を揉み始めた。咄嗟に体を前に倒そうとしたが遼に肩を掴まれて胸板のベッドへと戻される。てっきり風呂上がりに肩を揉んでくれるのかと思い込んでいたがこれが目的だったらしい。
「紗英、力抜けって」
遼の声が耳元で聞こえて紗英は胸が高鳴る。かなり恥ずかしい──遼には私の姿が全て見えているのだろう。想像するだけで前を隠したくなる。遼の視線がどこを向いているか分からないのが堪らなく緊張した。
それでも暫くマッサージをしてもらうと体の力が抜けていく……ポカポカして首や肩の血流が改善されていくのが分かる。至極だ──。
「気持ちいいね……」
「だろ? これからたまにやってやるから」
「紗英……」
「……ん?」
「──いい眺めだな」
遼の言葉の意味を理解して紗英は慌てて体を起こす。後ろにいる遼の顔に湯船の湯をかける。
「あんたの方がエッチじゃん!」
「うっ……ぷ──ははは、ごめんごめん」
遼は湯をかけられて苦しそうだが満面の笑みだった。紗英が慌てて湯船から上がると遼も後に続いた。
二人はいつもように狭いベットで眠った。紗英が遼に抱きつき、安心しきった寝顔だった。肩こりは朝起きると良くなっていた。
◇
日曜日の朝──紗英が目覚めるともう既に遼は起きていた。遼は大工なので休みの日でも同じ時間に起きてしまうようだ。こう見えても高校時代は遅刻が多かったらしいが、社会人としての意識とやらが遼を変えた。
「おはよ、紗英」
「ん、早いね……おはよ」
紗英は歯磨きをするとそのまま洗濯物のスイッチを押す。騒がしい音が木霊する頃、紗英は朝の準備を整え洗面台の前から離れる。
「遼、サンドイッチでいい?」
「あ、俺ツナがいい」
日曜の朝ご飯は紗英が作る。紗英は晩帰るのが遅くてどうしても晩御飯作りをお願いする事が多い。日曜日ぐらいは食事は任せて欲しいと遼に申し出た。
遼は嬉しそうにダイニングチェアーに陣取り、ツナサンドを今か今かと待ちわびている。紗英は苦笑いを浮かべながら準備に取り掛かる。遼は紗英のエプロン姿を見て頬杖をつく。紗英の後ろ姿を見て休日の朝を噛み締めていた。
幸せって、こういうことか? 紗英も同じ気持ちだといいな。
テーブルにトーストされたツナサンドが置かれると遼は嬉しそうにそれを見つめる。待てをしている大型犬のような遼の姿に紗英は微笑んだ。
「召し上がれ」
「はい、いただきます」
大きな口で頬張ると遼は何かを話し出すが、口の中がいっぱいでモゴモゴして何を言っているか分からない。ただ、親指を立てて時折手を叩いているので絶賛しているのだろう。
「はいはい、いいから食べなさいな」
紗英は遼の笑顔を見て安堵する。爆発の記憶は思いのほか紗英の心に刻まれた。忘れられない、忘れないようにしたい十字架だ。
もう少しで遼を失いかけた……こんなにも愛おしい存在を苦しめた昔の私はバカだ。一体何の確信を持って遼は大丈夫と思っていたのか……。
遼を幸せにしたい……笑顔にしたい。それが私の幸せだから。
食べ終えた遼は満足そうにコーヒーを飲む。紗英は立ち上がると遼を背後から抱きしめる。
「遼……いつもありがとう。その、あの……愛してる」
「……紗英……ありがとう」
遼は紗英を抱きしめてその唇にキスをする。キスはコーヒーのいい香りがした。
「紗英……あぁ俺幸せだー愛してるー」
「バカね……」
日曜日は日々の感謝を表す日、そして、愛を伝える日だ。
「あ、はい」
職場での呼び名も変わった。菊田紗英──むず痒い気がする。
免許書も銀行の通帳も、ポイントカードも携帯電話も何もかも菊田になっているのにまだこの苗字に慣れない……。意外にも小林の名に愛着を持っていたことに気がつく。
結婚して紗英は新たな生活を始めていた。
以前のアパートよりも一部屋分多い部屋へと引っ越した。もちろん冷蔵庫は大きいものにして週末に二人で大家族のように生鮮食品を購入している。遼との生活は楽しかった。朝は遼も早いので晩に二人で色んな話をした。
今日一日の出来事を報告したり、遼の筋トレに付き合ってみたり、料理番組を見てみたり、抱き合ってイチャイチャしてみたり、新婚生活を満喫していた。
「あー、あぁ……」
「どうした?」
晩御飯を食べながら紗英が肩を押さえてぐるぐると腕を回す。遼が紗英の様子に箸が止まる。肩に置いた手を箸へと戻すと紗英は恥ずかしそうに笑った。
「あ、ごめんね。ちょっと肩が凝って頭が痛くて──」
「え? 紗英って肩こり持ちなのか?」
長年付き合っていて知らなかった。こうして一緒にいてもそんな素振り見せたこともなかった。紗英は俺の頭の考えていることが分かったらしい。首を横に振ると優しく微笑んだ。
「違うわよ、隠してたんじゃなくて……いつも疲れ切っていても遼に会えば肩こりが治ってたの、本当よ」
紗英は拳を作ってドンドンと肩を叩く。怠くて堪らないらしい……思いの外鈍い音が響く。酷い肩こりだとハンマーで殴りたくなると聞いた事がある。紗英もきっとそれぐらい凝っているのだろう。
「顧客先で前傾姿勢のまま長時間パソコン操作したからかもね……やってる最中首痛かったもの」
「……揉む、俺がする」
遼は笑顔でそう言った。紗英は遼の肉厚な手の甲へ目をやる──確かにあの手でマッサージされると気持ちがいいだろう。遼の手は大きくて肉厚だ。もちろん握力だって申し分ないだろう。
「いいの? ありがとう」
遼は風呂場へと向かい何やらごそごそと物音がする。風呂の湯でも張っているのだろう……シャワー生活が長いので有難い。紗英は食べ終えた皿を流し台に持って行くと皿を洗い始めた。片付けが終わると紗英はソファーに腰掛けようと歩き出した。遼はその腕を取るとそのまま風呂場へと連れて行く。
「さ、入ろう」
「え? 風呂──え? 一緒に?」
今まで風呂に一緒に入ったことは無い。紗英は突然の提案に赤面する。幾度も体を重ねてはいるが、裸を見慣れているわけではない。
「先に紗英が入って体を洗えばいい」
「いや、え……」
渋る紗英の服を遼が脱がし始める。大きな手のくせにボタンを外すのが上手い。大工の器用さがここで本領発揮される……。紗英は慌ててその手を押さえて自分で脱ぎだした。遼は露骨に残念そうな顔をした。紗英が睨むと遼は笑って脱衣所を出て行った。
「少ししたら行くよ」
紗英は体を洗い終わると湯船に浸かる。シャワーばかりの生活だったので湯船に浸かると鳥肌が立つほど気持ちがいい。じんわりと体が温もっていくのが分かる。日本人の心だ──温泉文化の国に生まれてよかったと紗英は本気で思った。
「ふぅ……」
「紗英、入るよ」
「あ、はい、どうぞ」
遼の体は見慣れているはずなのに緊張する。ドアを開けて入ってきた遼の姿に紗英は赤面する。引き締まった体を思わず凝視してしまう──。遼は湯船に浸かる紗英のお団子頭を見て微笑む。頬を赤くして見上げる顔はいつもよりだいぶ幼く見える。顔が赤いのは湯船に浸かったからだけじゃないだろう。
「……見るなよ、エッチ」
「み、み、見てないわよ!」
紗英は壁の方に視線を移して遼に背を向ける。その背中を見て遼はクスッと笑う。遼は髪を洗った後スポンジを泡立てて体を洗い始めた。紗英は遼の背中を盗み見て口を尖らす。
いい背中してるわね、まったく……。
洗い終わるタイミングを見て紗英は湯船から上がろうとする。次は遼が湯船に浸かる番だ。
「じゃあ、お先に」
「あ、ちょっと待って。一緒に入ろう、湯船」
「ここに? 二人で?」
明らかに狭いが、遼は嬉しそうに紗英の背後に回り体を押し込む。湯船のお湯がざぁっと流れ出る。経験した事ないほどお湯が浴槽から流れ出た。海外の有名な滝のようだ。
「あぁ! お湯が!」
「いいのいいの、紗英の体を温めてお役御免だよ」
遼は楽しそうだ。遼は股を広げると胸板に私の体をもたれさせる……。視界に入る遼の角張った膝小僧が水面から島のように出ている。遼の胸板と私の背中が触れ合う。浮力で少し体が浮くのを感じて気持ちがいい。
「よし……」
遼は首や肩を揉み始めた。咄嗟に体を前に倒そうとしたが遼に肩を掴まれて胸板のベッドへと戻される。てっきり風呂上がりに肩を揉んでくれるのかと思い込んでいたがこれが目的だったらしい。
「紗英、力抜けって」
遼の声が耳元で聞こえて紗英は胸が高鳴る。かなり恥ずかしい──遼には私の姿が全て見えているのだろう。想像するだけで前を隠したくなる。遼の視線がどこを向いているか分からないのが堪らなく緊張した。
それでも暫くマッサージをしてもらうと体の力が抜けていく……ポカポカして首や肩の血流が改善されていくのが分かる。至極だ──。
「気持ちいいね……」
「だろ? これからたまにやってやるから」
「紗英……」
「……ん?」
「──いい眺めだな」
遼の言葉の意味を理解して紗英は慌てて体を起こす。後ろにいる遼の顔に湯船の湯をかける。
「あんたの方がエッチじゃん!」
「うっ……ぷ──ははは、ごめんごめん」
遼は湯をかけられて苦しそうだが満面の笑みだった。紗英が慌てて湯船から上がると遼も後に続いた。
二人はいつもように狭いベットで眠った。紗英が遼に抱きつき、安心しきった寝顔だった。肩こりは朝起きると良くなっていた。
◇
日曜日の朝──紗英が目覚めるともう既に遼は起きていた。遼は大工なので休みの日でも同じ時間に起きてしまうようだ。こう見えても高校時代は遅刻が多かったらしいが、社会人としての意識とやらが遼を変えた。
「おはよ、紗英」
「ん、早いね……おはよ」
紗英は歯磨きをするとそのまま洗濯物のスイッチを押す。騒がしい音が木霊する頃、紗英は朝の準備を整え洗面台の前から離れる。
「遼、サンドイッチでいい?」
「あ、俺ツナがいい」
日曜の朝ご飯は紗英が作る。紗英は晩帰るのが遅くてどうしても晩御飯作りをお願いする事が多い。日曜日ぐらいは食事は任せて欲しいと遼に申し出た。
遼は嬉しそうにダイニングチェアーに陣取り、ツナサンドを今か今かと待ちわびている。紗英は苦笑いを浮かべながら準備に取り掛かる。遼は紗英のエプロン姿を見て頬杖をつく。紗英の後ろ姿を見て休日の朝を噛み締めていた。
幸せって、こういうことか? 紗英も同じ気持ちだといいな。
テーブルにトーストされたツナサンドが置かれると遼は嬉しそうにそれを見つめる。待てをしている大型犬のような遼の姿に紗英は微笑んだ。
「召し上がれ」
「はい、いただきます」
大きな口で頬張ると遼は何かを話し出すが、口の中がいっぱいでモゴモゴして何を言っているか分からない。ただ、親指を立てて時折手を叩いているので絶賛しているのだろう。
「はいはい、いいから食べなさいな」
紗英は遼の笑顔を見て安堵する。爆発の記憶は思いのほか紗英の心に刻まれた。忘れられない、忘れないようにしたい十字架だ。
もう少しで遼を失いかけた……こんなにも愛おしい存在を苦しめた昔の私はバカだ。一体何の確信を持って遼は大丈夫と思っていたのか……。
遼を幸せにしたい……笑顔にしたい。それが私の幸せだから。
食べ終えた遼は満足そうにコーヒーを飲む。紗英は立ち上がると遼を背後から抱きしめる。
「遼……いつもありがとう。その、あの……愛してる」
「……紗英……ありがとう」
遼は紗英を抱きしめてその唇にキスをする。キスはコーヒーのいい香りがした。
「紗英……あぁ俺幸せだー愛してるー」
「バカね……」
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