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第三章 凶悪な正義
05 満たされた心
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「ん……ふ……ぅ」
深く舌を絡ませる度、ヨーコさんの鼻孔から抜ける声と息遣いがセクシーだ。
その優しく甘い吐息が聞きたくて、俺は夢中になってキスをする。
「んん……ん、ジョー……」
「はぁ……ぅん、なんですか……?」
呼ばれて少し隙間を開けると、ヨーコさんの目が俺の目を覗き込んできた。
至近距離で俺を見つめてくる潤んだ瞳に、俺自身がぴょこんと跳ねる。
それがヨーコさんの身体をかすって、ヨーコさんはふっと笑った。
「……ほんと、うさぎみたいやなぁ」
弓なりに目を細め、ヨーコさんは指先で俺を撫でる。
「あぁ……」
俺の口から漏れた吐息を聞くや、ヨーコさんはくすくす笑った。
「いいのん? こうしてさわるのが」
「は、ぅ……ヨーコさんなら、何でも……気持ちい、です」
ヨーコさんの華奢な指が、俺の屹立を上から下へ、下から上へと伝う。俺は荒くなる呼吸を自覚しながら、その快感に身体を任せた。
「素直やなぁ」
くすくす笑うヨーコさんは、俺の唇に唇を重ねる。
俺の口から、はぅ、と吐息が漏れた。
華奢な指からは想像できない肉厚な唇と舌が、柔らかく温かく俺の口を愛撫する。
ゆっくり、ねっとりしたその動きに、俺の意識はぼやけていった。
「ぁあ……ヨーコ、さん……」
「ん……」
ヨーコさんは俺の手を取り、自分の胸元へ引き寄せる。
うっすらと目を開くと、ヨーコさんは俺と唇を重ねたまま、静かに俺を見ていた。
そのまま俺の手を胸に押し当てる。
柔らかい膨らみを、俺の手が包み込み、押し潰した。
「あ……」
声を出したのは俺の方だ。ヨーコさんは笑う。
「い、いいんですか? ……触って」
「いちいち確認せんの」
くすくす笑いながら、ヨーコさんは自分の背中に手を回す。
ぷつ、と音がして、ヨーコさんの胸元が緩んだ。
ふるん、と揺れた胸の見た目の柔らかさだけで、俺は興奮に息を荒げる。
「……さ、さわります」
「どうぞ」
ヨーコさんはくつくつ笑いながら、インナーを身につけたまま器用にブラジャーを腕から抜いた。
そのインナーの下でくっきりと存在を表した二つの頂きに欲情する。
俺はヨーコさんの腰を引き寄せ、布の上から頂きをくわえた。
「はぁ」
ヨーコさんは腰を反らし、頭上から吐息が漏れる。
綺麗すぎて、色気がありすぎて、俺はもうどうしたらいいか分からない。
無茶苦茶にしたい欲求と、大切に抱きたい想いと、乱れ狂うヨーコさんを見たいという願望が折り混ざり、くるりと上下を入れ代わった。
組み敷いたヨーコさんの目が、笑いを含んで俺を見返してくる。
「……なんでそんな、余裕なんすか」
「あんたに余裕がないからやろな」
言われて俺は眉を寄せる。
「……なんで俺、こんなに余裕ないんでしょう」
「しらんわ、そんなん。あんたのことやろ」
ヨーコさんはおかしそうに笑った。俺も困り顔のまま笑う。
腕を伸ばしてきたヨーコさんに首を預けると、抱き寄せられた。
ああ、なんか。
「……ヨーコさん」
「なんや?」
「俺のこと、好き?」
冗談だ。
ただの冗談。
でも、ちょっとだけ、感じたんだ。
首を引き寄せたその動作に。微笑みに。
わずかながらの、好意を。
それに、ときめいた、んだ。
だからつい、聞いてみただけで。
期待した訳じゃなくて。
「ーーまあ、嫌いやないな」
俺は思わず、震えた。
その答えだけでも、今はまだ、充分過ぎるほど充分だ。
「どしたん?」
小さく震えた俺を気遣い、ヨーコさんが首を傾げる。
「何でもないです。……何でも」
俺は取り繕って笑うと、その頬に頬を寄せた。
つるりとした白い肌。首筋には彼女のいい匂い。
大好きな匂いだ。いつまでも嗅いでいたいほどに。
「大好きです。ーーヨーコさん、大好き」
「な、なんやの。何のスイッチが入ったん?」
「スイッチなんてないです。あるならずっとオンのままです。ヨーコさん、好き。愛してる。大好き。可愛いし綺麗だし、俺の天使」
「ジョー、とうとう気ィ狂ったんか?」
ちゅ、ちゅ、と顔中にキスを降らせながら言う俺の顔を、ヨーコさんがうっとうしそうに除けようとする。
俺は笑った。
「……やっぱり今日はやめときます」
「何を?」
「セックス」
俺は言って、ヨーコさんをぎゅっと抱きしめた。
ヨーコさんの太ももに当たった俺が、ぴょこんと揺れる。
「……でも、この子は準備万端やで」
「そうですけど。でもいいんです。さっき一度出したし」
満たされていた。ヨーコさんの無邪気な振る舞い、優しい微笑、濃厚なキス、そして俺の首に伸ばした腕に、心が驚くほど満たされた。
そうなると、一度達したこともあって、なんだかゆっくりしたくなる。
「好き……好き。このまま眠っていい?」
「うち帰れへんやん」
「明日、仕事休みですよ。……何か用でもあるんですか?」
「あらへんけど……」
困惑したヨーコさんが、俺の顔を見てくる。
そんな顔も可愛い。好き。
思ってまた頬にキスを落とす。ヨーコさんはあきれたように俺の顔を手で引きはがした。
「ちょ、ちょっと。ジョー?」
「なんですか」
「今日、変やで」
「変じゃないです。どこが変だと思うんですか?」
「だ、だって。うち、抱こうとせぇへんし」
「俺、うさぎじゃないですもん。たまにはこういうこともあります」
「さっきと言うてることが違うやないか」
言い合いながら、俺はヨーコさんをぎゅっと腕の中に閉じ込める。このまま俺の中に溶けてしまえばいいのに。そしたら、他の男に見られずに済む。
でもそれはそれでもったいない気もするな。ヨーコさんはこんなに綺麗なのに、見られなくなるのは寂しい。
「……好きです、ヨーコさん……」
抱きしめたまま想いを囁いていると、知らないうちに眠りについていた。
深く舌を絡ませる度、ヨーコさんの鼻孔から抜ける声と息遣いがセクシーだ。
その優しく甘い吐息が聞きたくて、俺は夢中になってキスをする。
「んん……ん、ジョー……」
「はぁ……ぅん、なんですか……?」
呼ばれて少し隙間を開けると、ヨーコさんの目が俺の目を覗き込んできた。
至近距離で俺を見つめてくる潤んだ瞳に、俺自身がぴょこんと跳ねる。
それがヨーコさんの身体をかすって、ヨーコさんはふっと笑った。
「……ほんと、うさぎみたいやなぁ」
弓なりに目を細め、ヨーコさんは指先で俺を撫でる。
「あぁ……」
俺の口から漏れた吐息を聞くや、ヨーコさんはくすくす笑った。
「いいのん? こうしてさわるのが」
「は、ぅ……ヨーコさんなら、何でも……気持ちい、です」
ヨーコさんの華奢な指が、俺の屹立を上から下へ、下から上へと伝う。俺は荒くなる呼吸を自覚しながら、その快感に身体を任せた。
「素直やなぁ」
くすくす笑うヨーコさんは、俺の唇に唇を重ねる。
俺の口から、はぅ、と吐息が漏れた。
華奢な指からは想像できない肉厚な唇と舌が、柔らかく温かく俺の口を愛撫する。
ゆっくり、ねっとりしたその動きに、俺の意識はぼやけていった。
「ぁあ……ヨーコ、さん……」
「ん……」
ヨーコさんは俺の手を取り、自分の胸元へ引き寄せる。
うっすらと目を開くと、ヨーコさんは俺と唇を重ねたまま、静かに俺を見ていた。
そのまま俺の手を胸に押し当てる。
柔らかい膨らみを、俺の手が包み込み、押し潰した。
「あ……」
声を出したのは俺の方だ。ヨーコさんは笑う。
「い、いいんですか? ……触って」
「いちいち確認せんの」
くすくす笑いながら、ヨーコさんは自分の背中に手を回す。
ぷつ、と音がして、ヨーコさんの胸元が緩んだ。
ふるん、と揺れた胸の見た目の柔らかさだけで、俺は興奮に息を荒げる。
「……さ、さわります」
「どうぞ」
ヨーコさんはくつくつ笑いながら、インナーを身につけたまま器用にブラジャーを腕から抜いた。
そのインナーの下でくっきりと存在を表した二つの頂きに欲情する。
俺はヨーコさんの腰を引き寄せ、布の上から頂きをくわえた。
「はぁ」
ヨーコさんは腰を反らし、頭上から吐息が漏れる。
綺麗すぎて、色気がありすぎて、俺はもうどうしたらいいか分からない。
無茶苦茶にしたい欲求と、大切に抱きたい想いと、乱れ狂うヨーコさんを見たいという願望が折り混ざり、くるりと上下を入れ代わった。
組み敷いたヨーコさんの目が、笑いを含んで俺を見返してくる。
「……なんでそんな、余裕なんすか」
「あんたに余裕がないからやろな」
言われて俺は眉を寄せる。
「……なんで俺、こんなに余裕ないんでしょう」
「しらんわ、そんなん。あんたのことやろ」
ヨーコさんはおかしそうに笑った。俺も困り顔のまま笑う。
腕を伸ばしてきたヨーコさんに首を預けると、抱き寄せられた。
ああ、なんか。
「……ヨーコさん」
「なんや?」
「俺のこと、好き?」
冗談だ。
ただの冗談。
でも、ちょっとだけ、感じたんだ。
首を引き寄せたその動作に。微笑みに。
わずかながらの、好意を。
それに、ときめいた、んだ。
だからつい、聞いてみただけで。
期待した訳じゃなくて。
「ーーまあ、嫌いやないな」
俺は思わず、震えた。
その答えだけでも、今はまだ、充分過ぎるほど充分だ。
「どしたん?」
小さく震えた俺を気遣い、ヨーコさんが首を傾げる。
「何でもないです。……何でも」
俺は取り繕って笑うと、その頬に頬を寄せた。
つるりとした白い肌。首筋には彼女のいい匂い。
大好きな匂いだ。いつまでも嗅いでいたいほどに。
「大好きです。ーーヨーコさん、大好き」
「な、なんやの。何のスイッチが入ったん?」
「スイッチなんてないです。あるならずっとオンのままです。ヨーコさん、好き。愛してる。大好き。可愛いし綺麗だし、俺の天使」
「ジョー、とうとう気ィ狂ったんか?」
ちゅ、ちゅ、と顔中にキスを降らせながら言う俺の顔を、ヨーコさんがうっとうしそうに除けようとする。
俺は笑った。
「……やっぱり今日はやめときます」
「何を?」
「セックス」
俺は言って、ヨーコさんをぎゅっと抱きしめた。
ヨーコさんの太ももに当たった俺が、ぴょこんと揺れる。
「……でも、この子は準備万端やで」
「そうですけど。でもいいんです。さっき一度出したし」
満たされていた。ヨーコさんの無邪気な振る舞い、優しい微笑、濃厚なキス、そして俺の首に伸ばした腕に、心が驚くほど満たされた。
そうなると、一度達したこともあって、なんだかゆっくりしたくなる。
「好き……好き。このまま眠っていい?」
「うち帰れへんやん」
「明日、仕事休みですよ。……何か用でもあるんですか?」
「あらへんけど……」
困惑したヨーコさんが、俺の顔を見てくる。
そんな顔も可愛い。好き。
思ってまた頬にキスを落とす。ヨーコさんはあきれたように俺の顔を手で引きはがした。
「ちょ、ちょっと。ジョー?」
「なんですか」
「今日、変やで」
「変じゃないです。どこが変だと思うんですか?」
「だ、だって。うち、抱こうとせぇへんし」
「俺、うさぎじゃないですもん。たまにはこういうこともあります」
「さっきと言うてることが違うやないか」
言い合いながら、俺はヨーコさんをぎゅっと腕の中に閉じ込める。このまま俺の中に溶けてしまえばいいのに。そしたら、他の男に見られずに済む。
でもそれはそれでもったいない気もするな。ヨーコさんはこんなに綺麗なのに、見られなくなるのは寂しい。
「……好きです、ヨーコさん……」
抱きしめたまま想いを囁いていると、知らないうちに眠りについていた。
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