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1 マルヤマ百貨店の王子
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エンドゥーとはその3日後の夜に会うことになった。
指定された店は勤務先から駅を挟んで向こうにある。
「予約したから先入ってて」と連絡があった。
なんかまどろっこしいなぁ。
フロアは違うとはいえ、同じ建物に勤務しているのだ。
外商担当は外回りが多いけど、基本的には一度オフィスに戻って来る。品物を置くためだったり、報告するためだったり。
だから、定時になったら待ち合わせて出るもんだと思ってたのに。
待ち合わせは19時半だったけど、早めに着いた私は店に入ってビールを頼んだ。
そろそろ梅雨が近づいている。梅雨になればまた気温が下がるので、今のうちにビールを楽しんでおかないと、夏まで楽しめなくなるだろう。
店は落ち着いた雰囲気のレストランバーだった。半個室になった席は、仕切りを挟んで通路の方につくられている。
カップルシートってやつ? 固めのソファみたいな長椅子が、窓に面して置かれている。
こういう店知ってんだなー。やっぱり遊んでるなー。
エンドゥーとこんなこじゃれたお店で隣合って飲むなんて、今まで考えたこともなかった。
ってか、ほんとにエンドゥー来んの?
思って時計を見たら、ぼちぼち19時半になる。
窓外の雑踏を眺めながら傾けていたら、頼んだビールはもうほとんど底をついている。
不意に、視界の外れに人影が見えた。
「遅いよ、エンドゥー」
バーカ。まだ19時半になってねぇっつーの。
そういうツッコミを期待して振り返ると、そこには成海が立っていた。
***
「……え、どういうこと?」
私がきょとんとしながら首を傾げると、成海は困惑した表情で目を泳がせた。
店員がおしぼりを手に近寄って来る。「まあ座れば」というと、成海は私の隣に腰掛けた。
店員からおしぼりを受け取った成海が、グラスワインを頼む。私も一つと手を挙げた。
「なに、エンドゥーに騙された? 替え玉的な?」
「……」
成海は眉を寄せて私を見て、おしぼりを握った自分の手を見下ろす。
しばらく言葉を探しているようだったが、あきらめたようにひとこと言った。
「……騙された、わけじゃない」
私はふぅん、と頷きながら、「それならいいけど」と窓の外を見る。
駅へ急ぐ人影。これから夜の街へ繰り出す人。客引き。寄附を求めて声をあげる人。
新宿、という土地柄か、そこにはいろんな人がいて、いろんな人間模様がある。
「エンドゥーどうすんだろ。来んのかな」
言いながらも、だいたい答えは察している。あきらかに2人掛けと分かる席に通されているのだから、当然予約は2人。そして、私が声をかけた覚えのない成海が来ている。
「来ないよ」
成海が静かに答えたとき、
「お待たせしました」
店員さんがワイングラスを二つ運んできた。成海が黙って私に一つを寄せ、代わりに空いたビールグラスを店員に渡す。「ありがと」と言うと目で頷き返してきた。
「じゃあまあ、せっかくだから飲みますか。お疲れー」
「お疲れ」
チン、とグラスが合わさる音がする。
グラスに口をつけると、思いのほか軽い香りがした。
「んー、フルーティ」
成海はなにも言わない。なにも言わないまま、ふと思いついたようにグラスの傾きを大きくした。
ぐび、ぐび、ぐび
ごくん、と一際大きな音をたてて、最後の一口を飲み干す。
「……どうした、成海」
君それ、ワインの飲み方じゃないよ。
私、コールした気ないけど。
私が思わず引きながら言うと、成海は店員にワイングラスを掲げて見せ、「もう1杯」と声に出さず頼んだ。
1、を示す指先の長さに、ふと目がいく。
あの手が、私の身体を這っていたのか。
そう思うと、途端に身体中が熱くなった。
あー、やだやだ。
枯れた女に水をやると、ここまで過剰に反応するようになるのか。
あのウェブマガジン、そういうことも書いておいて欲しいよな。「セックスは大事だけれど、久々の人はのめり込みに注意!」とか……
思いながら成海を見ていると、店員から2杯目のワインを受け取り、またグラスに口をつけた。
今度はいつも通りのペースで、軽く口をつけて机に置く。
「なに食べる? なにも頼んでないよ」
「……要らない」
「えー。お腹空いてるでしょ」
若者よ、食いねぇ食いねぇ、とメニューを広げた私の耳に、「優麻が好きなもの頼んでいいよ」と柔らかい声が届く。
ついで、小さな声がこう言った気がした。
俺も、好きなものをもらうから。
どこか含みのある言い方に、なんのことか確認しようとメニュー表から顔をあげた私だったけど、成海はいつも通り淡々とした表情でワインを舐めているだけだ。
よくわからないままに、私は食べ物を注文することにした。
***
「……優麻……頼みすぎ……」
1時間後、成海がうんざりした顔で根を上げた。
「だって、好きなもの頼んでいいって言ったから」
私は当然の顔で答える。
初めて来る店だから、最初は様子見で注文したけど、和洋折衷の創作料理がむちゃくちゃ美味しい。こんな店知ってたんなら教えろや! と場にいないエンドゥーを心中どやしつつ、ついつい調子にのって注文をした自覚はあった。
「え、なに、成海もうお腹無理?」
「……無理……休む」
「よし、休んだらもうちょっとがんばってね。私こっち食べちゃうから」
3分の1残ったピザを引き寄せながら言うと、成海が半眼になって私を見てくる。
確かに成海にそんなに食べる印象はないけど、でも男の人だし、食べるとなれば食べるかなーなんて思ったのは確かだ。しかしそのアテの外れた今、私ががんばるしかない。
はむはむと一心に食事を続ける私を、成海がぼんやり眺めている。
「……よく食べるね……」
「うん、だって残したらもったいないし」
頬を膨らませて咀嚼する私に、成海は憂鬱そうな視線を向け、ため息をついた。
なんか元気ないなー。食べすぎ?
いや、もともと胃もたれしてたとか?
あっ、すきっ腹のワインが効いてるとか。
成海が酔ったところ見たことないから、強いんだと思ってたけど。
いろいろ考えてみるけど、当然私の中に答えがあるわけもなく。
早々にあきらめて、直球の問いを投げることにした。
「成海、どしたの。なんか元気ないよ」
成海は私の言葉を聞いて、ちらっと私の横顔を見て、つくづくため息をついた。
「……優麻って、無神経だよね……」
「え、う、ごめん」
よくわからないけどとりあえず謝る。ときどき他人の地雷を踏んでしまうことがあるのは知っている。気のおけないエンドゥーや成海にはついつい、遠慮なくいろいろ言ってしまうから、知らず知らずに傷つけているのかもしれない。
そう気づくと、怖くて次の言葉が出せなくなる。しゅんとうなだれてみたけど、机に広がる残飯に気づいて引き寄せる。
「……責任持って、全部食べるね」
「いや、そういう意味じゃなくて」
「え、違うの?」
困惑して顔を上げると、成海が苦笑を浮かべていた。
こういう顔、珍しい。彼はあんまり複雑な表情を浮かべることがないから。
「……俺も手伝う」
「……ありがとう」
成海が牛肉のソテーを引き寄せたので、お願いすることにした。
その横顔はさっきの憂鬱そうなものより少しだけ、穏やかに見える。
……よく、わからない。
私はまた考えるのを諦めた。
指定された店は勤務先から駅を挟んで向こうにある。
「予約したから先入ってて」と連絡があった。
なんかまどろっこしいなぁ。
フロアは違うとはいえ、同じ建物に勤務しているのだ。
外商担当は外回りが多いけど、基本的には一度オフィスに戻って来る。品物を置くためだったり、報告するためだったり。
だから、定時になったら待ち合わせて出るもんだと思ってたのに。
待ち合わせは19時半だったけど、早めに着いた私は店に入ってビールを頼んだ。
そろそろ梅雨が近づいている。梅雨になればまた気温が下がるので、今のうちにビールを楽しんでおかないと、夏まで楽しめなくなるだろう。
店は落ち着いた雰囲気のレストランバーだった。半個室になった席は、仕切りを挟んで通路の方につくられている。
カップルシートってやつ? 固めのソファみたいな長椅子が、窓に面して置かれている。
こういう店知ってんだなー。やっぱり遊んでるなー。
エンドゥーとこんなこじゃれたお店で隣合って飲むなんて、今まで考えたこともなかった。
ってか、ほんとにエンドゥー来んの?
思って時計を見たら、ぼちぼち19時半になる。
窓外の雑踏を眺めながら傾けていたら、頼んだビールはもうほとんど底をついている。
不意に、視界の外れに人影が見えた。
「遅いよ、エンドゥー」
バーカ。まだ19時半になってねぇっつーの。
そういうツッコミを期待して振り返ると、そこには成海が立っていた。
***
「……え、どういうこと?」
私がきょとんとしながら首を傾げると、成海は困惑した表情で目を泳がせた。
店員がおしぼりを手に近寄って来る。「まあ座れば」というと、成海は私の隣に腰掛けた。
店員からおしぼりを受け取った成海が、グラスワインを頼む。私も一つと手を挙げた。
「なに、エンドゥーに騙された? 替え玉的な?」
「……」
成海は眉を寄せて私を見て、おしぼりを握った自分の手を見下ろす。
しばらく言葉を探しているようだったが、あきらめたようにひとこと言った。
「……騙された、わけじゃない」
私はふぅん、と頷きながら、「それならいいけど」と窓の外を見る。
駅へ急ぐ人影。これから夜の街へ繰り出す人。客引き。寄附を求めて声をあげる人。
新宿、という土地柄か、そこにはいろんな人がいて、いろんな人間模様がある。
「エンドゥーどうすんだろ。来んのかな」
言いながらも、だいたい答えは察している。あきらかに2人掛けと分かる席に通されているのだから、当然予約は2人。そして、私が声をかけた覚えのない成海が来ている。
「来ないよ」
成海が静かに答えたとき、
「お待たせしました」
店員さんがワイングラスを二つ運んできた。成海が黙って私に一つを寄せ、代わりに空いたビールグラスを店員に渡す。「ありがと」と言うと目で頷き返してきた。
「じゃあまあ、せっかくだから飲みますか。お疲れー」
「お疲れ」
チン、とグラスが合わさる音がする。
グラスに口をつけると、思いのほか軽い香りがした。
「んー、フルーティ」
成海はなにも言わない。なにも言わないまま、ふと思いついたようにグラスの傾きを大きくした。
ぐび、ぐび、ぐび
ごくん、と一際大きな音をたてて、最後の一口を飲み干す。
「……どうした、成海」
君それ、ワインの飲み方じゃないよ。
私、コールした気ないけど。
私が思わず引きながら言うと、成海は店員にワイングラスを掲げて見せ、「もう1杯」と声に出さず頼んだ。
1、を示す指先の長さに、ふと目がいく。
あの手が、私の身体を這っていたのか。
そう思うと、途端に身体中が熱くなった。
あー、やだやだ。
枯れた女に水をやると、ここまで過剰に反応するようになるのか。
あのウェブマガジン、そういうことも書いておいて欲しいよな。「セックスは大事だけれど、久々の人はのめり込みに注意!」とか……
思いながら成海を見ていると、店員から2杯目のワインを受け取り、またグラスに口をつけた。
今度はいつも通りのペースで、軽く口をつけて机に置く。
「なに食べる? なにも頼んでないよ」
「……要らない」
「えー。お腹空いてるでしょ」
若者よ、食いねぇ食いねぇ、とメニューを広げた私の耳に、「優麻が好きなもの頼んでいいよ」と柔らかい声が届く。
ついで、小さな声がこう言った気がした。
俺も、好きなものをもらうから。
どこか含みのある言い方に、なんのことか確認しようとメニュー表から顔をあげた私だったけど、成海はいつも通り淡々とした表情でワインを舐めているだけだ。
よくわからないままに、私は食べ物を注文することにした。
***
「……優麻……頼みすぎ……」
1時間後、成海がうんざりした顔で根を上げた。
「だって、好きなもの頼んでいいって言ったから」
私は当然の顔で答える。
初めて来る店だから、最初は様子見で注文したけど、和洋折衷の創作料理がむちゃくちゃ美味しい。こんな店知ってたんなら教えろや! と場にいないエンドゥーを心中どやしつつ、ついつい調子にのって注文をした自覚はあった。
「え、なに、成海もうお腹無理?」
「……無理……休む」
「よし、休んだらもうちょっとがんばってね。私こっち食べちゃうから」
3分の1残ったピザを引き寄せながら言うと、成海が半眼になって私を見てくる。
確かに成海にそんなに食べる印象はないけど、でも男の人だし、食べるとなれば食べるかなーなんて思ったのは確かだ。しかしそのアテの外れた今、私ががんばるしかない。
はむはむと一心に食事を続ける私を、成海がぼんやり眺めている。
「……よく食べるね……」
「うん、だって残したらもったいないし」
頬を膨らませて咀嚼する私に、成海は憂鬱そうな視線を向け、ため息をついた。
なんか元気ないなー。食べすぎ?
いや、もともと胃もたれしてたとか?
あっ、すきっ腹のワインが効いてるとか。
成海が酔ったところ見たことないから、強いんだと思ってたけど。
いろいろ考えてみるけど、当然私の中に答えがあるわけもなく。
早々にあきらめて、直球の問いを投げることにした。
「成海、どしたの。なんか元気ないよ」
成海は私の言葉を聞いて、ちらっと私の横顔を見て、つくづくため息をついた。
「……優麻って、無神経だよね……」
「え、う、ごめん」
よくわからないけどとりあえず謝る。ときどき他人の地雷を踏んでしまうことがあるのは知っている。気のおけないエンドゥーや成海にはついつい、遠慮なくいろいろ言ってしまうから、知らず知らずに傷つけているのかもしれない。
そう気づくと、怖くて次の言葉が出せなくなる。しゅんとうなだれてみたけど、机に広がる残飯に気づいて引き寄せる。
「……責任持って、全部食べるね」
「いや、そういう意味じゃなくて」
「え、違うの?」
困惑して顔を上げると、成海が苦笑を浮かべていた。
こういう顔、珍しい。彼はあんまり複雑な表情を浮かべることがないから。
「……俺も手伝う」
「……ありがとう」
成海が牛肉のソテーを引き寄せたので、お願いすることにした。
その横顔はさっきの憂鬱そうなものより少しだけ、穏やかに見える。
……よく、わからない。
私はまた考えるのを諦めた。
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