27 / 100
.5 マシな生き方
27 過ぎた二年
しおりを挟む
娘さんが言うてたとおり、営業やったっちゅうオジサンとは、会うたその日に意気投合した。がははと豪快に笑うその人は、聞けば兵庫の出身やという。初っぱなから「金田くん、下の名前なんやの。栄太郎? かっこいいな。じゃ、栄ちゃんて呼ぼ」と肩を組まれた。
その日はただの様子見だけのつもりやったのに、ひょっこり社長が現れて、「いつから働く? 正直なとこ、来年度からだと嬉しいんだよね。今年度はまだ、みんないるからさ。来年度入っても、半年は引き継ぎできるし。君なら大丈夫でしょ」と平気で言うてくるんで驚いた。履歴書とか持ってきてないんですけど、言うたら、「後からでいいよ、そんなの」と笑われて、「栄ちゃん真面目やな」とオジサン社員から頭をわしわしやられた。
三十にもなってそんな、子どもみたいな扱いどうなん、と思うたけど、自然と受け入れられるような雰囲気がその人にあって、たぶんそれが相性てもんなんやろう。
とはいえ、確かに社員の平均年齢はそこそこ高そうや。結婚で辞めるちゅう人を除けば、娘さんたちが一番下にあたるらしい。三十の子ども扱いも分かるで、なんや気恥ずかしくも思えた。
社長も社員もないくらいのほんま小さな会社やし、給料は元の半分くらいになる。それでも、雰囲気の良さと働く人の顔艶を見れば、ここなら大丈夫、と自然と思えた。
金なんて――そりゃ、あればあるだけええやろうけど、自分ひとり、生きて行ければそれで充分やしな。
そんなわけで、トントン拍子に話は進み、難航してたはずの転職先探しはあっという間に終わった。
社長の希望である来年度からの勤務っちゅうのは、俺にとってもありがたい話やった。転職する、いうても、今の会社の同僚かて、長らく一緒に働いてきた仲間なわけや。何もかもほっぽって出るような不義理はしたくはないのが人情てもんで、去る準備はきちんとしておきたい――去る鳥跡を濁さず、ってやつや。
俺にも少しは運気が向いてきたかもしれへん。
――すぐそうやって調子に乗る辺り、母さんに知れたら呆れられそうやけど。
内定をもらった後、俺は改めて、お礼を言いに老婦人の元へと足を運んだ。
***
老婦人は自宅で俺を出迎えてくれた。家まで入るつもりはなかったんやけど、「お茶の一杯くらいしていって」と言われれば断れず、お言葉に甘えて上がらせてもらう。
家はさして広くない2LDKのようやった。リビングの片隅には小さな仏壇があって、線香の煙が漂ってくる。老婦人が俺を見上げた。
「煙いの、嫌かしら」
「いえ、大丈夫です」
微笑み返して、「むしろ、なんや、落ち着きます」と仏壇を見やった。
実家にある仏壇を思い出す。俺が小さい頃は祖母の遺影だけだったその仏壇に、今は祖父も隣り合っている。線香特有の香りに、遠く奈良に想いを馳せる。自然と一歩、そちらへ足が進んだ。
「……手を、合わせても?」
「もちろん」
婦人は嬉しそうに笑って、ろうそくに火をともした。
中には小さな写真が飾ってある。老婦人と並んだらよう似合いやったろう、優しそうな笑顔のおじちゃんや。
「夫なの。三年前、急に逝っちゃってね……それから、娘が気にして、ちょこちょこ来るようになって」
手を合わせている俺の横で、婦人が静かに話している。
「一人で生きていくのは寂しいから、はやくお迎えに来てって、毎日言ってたんだけど……金田さんに救ってもらった日からは、そうお願いするのはやめたわ。またあのイケメンに会えますようにって、それまでまだお迎えに来ちゃだめよって、毎日言うようにしたの」
合掌を下ろすと、思わず苦笑した。
「別に、イケメンやないですよ。甲斐性無しって、母にもよく呆れられます」
「またまた、そんな」
手を振って笑うと、婦人は俺に椅子をすすめた。会釈して腰掛ける。
「もう少し、うちの娘が若ければ、押し売りするところなんですけどね。あの子はもう、一人で生きてくつもりみたいだから。――でも、楽しそうにしてるからそれでいいわ」
そういえば、娘さんが結婚してる、ちゅう話は聞かんかった。
「娘が言ってたわ。金田さんみたいな人がいたら、職場も明るくなるって。会社に来たとき、みんなからモテモテだったんですって?」
「いや、みなさんいい人やから構ってくれただけです」
確かに、お茶を淹れてくれたりお菓子をくれたり、事務所にいる人は入れ替わり立ち替わり声をかけてくれたのやった。オジサンと社長に連行される姿にも、「もっとお話したかったのに」「ずるい」なんて笑いながらの批判が飛んだりなんかして。
思い出して笑いが浮かびそうになり、本来の目的を思い出した。「あの」と声をかけ、頭を下げる。
「この度はほんまに……ありがとうございます」
「私はなにも。話を繋いだだけだわ」
どうぞ、とお茶を勧められる。白い陶磁器から、ふわりと湯気が漂った。茶葉の甘苦いにおいがして、すすめられるままに手を伸ばす。
それぞれが茶を啜る、一瞬の沈黙の後。
「……少しだけ、興味があるのだけど。聞いてもよろしい?」
「……はい」
老婦人の声に目を上げた。
「金田さんが、お仕事を変えてまで大切にしたい人って、どんな方かしら?」
まっすぐに問われて、一瞬息が止まった。
――もっと、祖父母との時間を作りたい。
そう思って始めた転職活動やったのに、最初に浮かんだのは、なぜか礼奈の顔で。
――大切にしたい人。幸せになって欲しい人。
礼奈も、その中に含まれる。それは確かに、間違いないねんけど、ここでそう思うにはあまりに――自意識過剰過ぎやろ。
心に浮かんだ礼奈の姿をかき消そうと、祖父母のことを思い浮かべた。
鎌倉で過ごす祖父母。
二人は一年一年――いや、一ヶ月一ヶ月、着実に衰えてきていた。
特に祖父は耳が遠くなってきて、俺の低い声は届きにくいみたいやし、ぼんやりしとることも多い。
「鎌倉に……祖父母がおって。いつまで元気でいてくれはるか分からへんし、もっと一緒にいたいなと思うたんです」
婦人は意外そうに目を丸くした。
「それはそれは……孝行な孫だこと」
俺はあいまいに微笑み返した。
一杯のお茶を飲み終えると、できるだけ丁寧にお礼を言って、家を後にする。
通りに出ると、街には夏の名残どころか、冬の乾いた空気が漂い始めていた。
カレンダーを思い浮かべ、もう今年も終わるんやな、と気づく。
年が明け、春が来る。
三月になれば――礼奈は二十歳になる。
不意に胸が締め付けられた。
二年――俺の二年は、あっという間やったな。
歩き出すと、コツコツと革靴の音が、骨を伝って頭に響いてきた。
礼奈にとっては、どんな二年になったんやろ。
大事にしたい人――
そう言われたとき、直感的に浮かんだ礼奈の笑顔を、遠く、雲の合間に思い浮かべる。
礼奈が俺の大事な人なのは、間違いない。
けど、その気持ちが何なのか――ちゃんと考えることは、あえて先延ばしにしてきた。
けど……そうか。礼奈はもう、二十歳になるのか。
そろそろちゃんと答えを出さへんとあかんな……。
いや、でも――
そんなん、必要やろうか。
礼奈には、付き合うとる彼氏がおる。
俺のことなんて、もう、どうでもええかもしれん。
駅の雑踏が近づくと同時に、胸もざわつきはじめ――苦笑が浮かんだ。
ほんま、健人の定期便がないと、確かに何も礼奈のことが分からへんな。
そういやあいつ、九月には帰ってきたはずやのに、何も連絡せんままやな。こっちから連絡したろか――
電車を待つ間にスマホを取り出し、メッセージを打つ。
「久しぶりやな」から始まって、「帰国したんやろ、どうやった?」とか適当に書いて。
「礼奈は元気か」と打っては消し、打っては消して。
結局、礼奈については何も書けへんまま、送信ボタンを押した。
健人からはすぐ返事があった。
【新年会は参加するよ】
それだけ。
あんだけ察しのいい奴のくせに、礼奈のことは一言も触れてへん。
それが逆におちょくられているようにも思えて、内心歯がみした。
その日はただの様子見だけのつもりやったのに、ひょっこり社長が現れて、「いつから働く? 正直なとこ、来年度からだと嬉しいんだよね。今年度はまだ、みんないるからさ。来年度入っても、半年は引き継ぎできるし。君なら大丈夫でしょ」と平気で言うてくるんで驚いた。履歴書とか持ってきてないんですけど、言うたら、「後からでいいよ、そんなの」と笑われて、「栄ちゃん真面目やな」とオジサン社員から頭をわしわしやられた。
三十にもなってそんな、子どもみたいな扱いどうなん、と思うたけど、自然と受け入れられるような雰囲気がその人にあって、たぶんそれが相性てもんなんやろう。
とはいえ、確かに社員の平均年齢はそこそこ高そうや。結婚で辞めるちゅう人を除けば、娘さんたちが一番下にあたるらしい。三十の子ども扱いも分かるで、なんや気恥ずかしくも思えた。
社長も社員もないくらいのほんま小さな会社やし、給料は元の半分くらいになる。それでも、雰囲気の良さと働く人の顔艶を見れば、ここなら大丈夫、と自然と思えた。
金なんて――そりゃ、あればあるだけええやろうけど、自分ひとり、生きて行ければそれで充分やしな。
そんなわけで、トントン拍子に話は進み、難航してたはずの転職先探しはあっという間に終わった。
社長の希望である来年度からの勤務っちゅうのは、俺にとってもありがたい話やった。転職する、いうても、今の会社の同僚かて、長らく一緒に働いてきた仲間なわけや。何もかもほっぽって出るような不義理はしたくはないのが人情てもんで、去る準備はきちんとしておきたい――去る鳥跡を濁さず、ってやつや。
俺にも少しは運気が向いてきたかもしれへん。
――すぐそうやって調子に乗る辺り、母さんに知れたら呆れられそうやけど。
内定をもらった後、俺は改めて、お礼を言いに老婦人の元へと足を運んだ。
***
老婦人は自宅で俺を出迎えてくれた。家まで入るつもりはなかったんやけど、「お茶の一杯くらいしていって」と言われれば断れず、お言葉に甘えて上がらせてもらう。
家はさして広くない2LDKのようやった。リビングの片隅には小さな仏壇があって、線香の煙が漂ってくる。老婦人が俺を見上げた。
「煙いの、嫌かしら」
「いえ、大丈夫です」
微笑み返して、「むしろ、なんや、落ち着きます」と仏壇を見やった。
実家にある仏壇を思い出す。俺が小さい頃は祖母の遺影だけだったその仏壇に、今は祖父も隣り合っている。線香特有の香りに、遠く奈良に想いを馳せる。自然と一歩、そちらへ足が進んだ。
「……手を、合わせても?」
「もちろん」
婦人は嬉しそうに笑って、ろうそくに火をともした。
中には小さな写真が飾ってある。老婦人と並んだらよう似合いやったろう、優しそうな笑顔のおじちゃんや。
「夫なの。三年前、急に逝っちゃってね……それから、娘が気にして、ちょこちょこ来るようになって」
手を合わせている俺の横で、婦人が静かに話している。
「一人で生きていくのは寂しいから、はやくお迎えに来てって、毎日言ってたんだけど……金田さんに救ってもらった日からは、そうお願いするのはやめたわ。またあのイケメンに会えますようにって、それまでまだお迎えに来ちゃだめよって、毎日言うようにしたの」
合掌を下ろすと、思わず苦笑した。
「別に、イケメンやないですよ。甲斐性無しって、母にもよく呆れられます」
「またまた、そんな」
手を振って笑うと、婦人は俺に椅子をすすめた。会釈して腰掛ける。
「もう少し、うちの娘が若ければ、押し売りするところなんですけどね。あの子はもう、一人で生きてくつもりみたいだから。――でも、楽しそうにしてるからそれでいいわ」
そういえば、娘さんが結婚してる、ちゅう話は聞かんかった。
「娘が言ってたわ。金田さんみたいな人がいたら、職場も明るくなるって。会社に来たとき、みんなからモテモテだったんですって?」
「いや、みなさんいい人やから構ってくれただけです」
確かに、お茶を淹れてくれたりお菓子をくれたり、事務所にいる人は入れ替わり立ち替わり声をかけてくれたのやった。オジサンと社長に連行される姿にも、「もっとお話したかったのに」「ずるい」なんて笑いながらの批判が飛んだりなんかして。
思い出して笑いが浮かびそうになり、本来の目的を思い出した。「あの」と声をかけ、頭を下げる。
「この度はほんまに……ありがとうございます」
「私はなにも。話を繋いだだけだわ」
どうぞ、とお茶を勧められる。白い陶磁器から、ふわりと湯気が漂った。茶葉の甘苦いにおいがして、すすめられるままに手を伸ばす。
それぞれが茶を啜る、一瞬の沈黙の後。
「……少しだけ、興味があるのだけど。聞いてもよろしい?」
「……はい」
老婦人の声に目を上げた。
「金田さんが、お仕事を変えてまで大切にしたい人って、どんな方かしら?」
まっすぐに問われて、一瞬息が止まった。
――もっと、祖父母との時間を作りたい。
そう思って始めた転職活動やったのに、最初に浮かんだのは、なぜか礼奈の顔で。
――大切にしたい人。幸せになって欲しい人。
礼奈も、その中に含まれる。それは確かに、間違いないねんけど、ここでそう思うにはあまりに――自意識過剰過ぎやろ。
心に浮かんだ礼奈の姿をかき消そうと、祖父母のことを思い浮かべた。
鎌倉で過ごす祖父母。
二人は一年一年――いや、一ヶ月一ヶ月、着実に衰えてきていた。
特に祖父は耳が遠くなってきて、俺の低い声は届きにくいみたいやし、ぼんやりしとることも多い。
「鎌倉に……祖父母がおって。いつまで元気でいてくれはるか分からへんし、もっと一緒にいたいなと思うたんです」
婦人は意外そうに目を丸くした。
「それはそれは……孝行な孫だこと」
俺はあいまいに微笑み返した。
一杯のお茶を飲み終えると、できるだけ丁寧にお礼を言って、家を後にする。
通りに出ると、街には夏の名残どころか、冬の乾いた空気が漂い始めていた。
カレンダーを思い浮かべ、もう今年も終わるんやな、と気づく。
年が明け、春が来る。
三月になれば――礼奈は二十歳になる。
不意に胸が締め付けられた。
二年――俺の二年は、あっという間やったな。
歩き出すと、コツコツと革靴の音が、骨を伝って頭に響いてきた。
礼奈にとっては、どんな二年になったんやろ。
大事にしたい人――
そう言われたとき、直感的に浮かんだ礼奈の笑顔を、遠く、雲の合間に思い浮かべる。
礼奈が俺の大事な人なのは、間違いない。
けど、その気持ちが何なのか――ちゃんと考えることは、あえて先延ばしにしてきた。
けど……そうか。礼奈はもう、二十歳になるのか。
そろそろちゃんと答えを出さへんとあかんな……。
いや、でも――
そんなん、必要やろうか。
礼奈には、付き合うとる彼氏がおる。
俺のことなんて、もう、どうでもええかもしれん。
駅の雑踏が近づくと同時に、胸もざわつきはじめ――苦笑が浮かんだ。
ほんま、健人の定期便がないと、確かに何も礼奈のことが分からへんな。
そういやあいつ、九月には帰ってきたはずやのに、何も連絡せんままやな。こっちから連絡したろか――
電車を待つ間にスマホを取り出し、メッセージを打つ。
「久しぶりやな」から始まって、「帰国したんやろ、どうやった?」とか適当に書いて。
「礼奈は元気か」と打っては消し、打っては消して。
結局、礼奈については何も書けへんまま、送信ボタンを押した。
健人からはすぐ返事があった。
【新年会は参加するよ】
それだけ。
あんだけ察しのいい奴のくせに、礼奈のことは一言も触れてへん。
それが逆におちょくられているようにも思えて、内心歯がみした。
0
お気に入りに追加
60
あなたにおすすめの小説
初恋の人への想いが断ち切れず、溺愛していた妹に無邪気な殺意を向けられ、ようやく夢見た幸せに気づきましたが、手遅れだったのでしょうか?
珠宮さくら
恋愛
侯爵家の長女として生まれたウィスタリア・レルヒェンフェルトは、ウェールズという国で、王太子の婚約者となるのにもっとも相応しいと国中のほとんどの人たちに思われていた。
そんな彼女が必死になって王太子の婚約者になろうとしていたのは、想い人のため。それだけだった。
それが、蓋を開ければ、王太子が選んだのは別の令嬢だった。選ぶことも王太子が、好きにしていいと言われていたが、ほとんどの者がなぜ、そちらを選んだのかと不思議に思うが、その理由は本人しか知らないままとなる。
王太子が選んだ婚約者の暴走に巻き込まれ続けるウィスタリアだが、そんな彼女が婚約したのは、誰もが婚約したがらない子息だった。
彼女は妹のことを溺愛していたが、王太子と婚約できなかったことで、色々とありすぎて数年ほど会えずにいただけで、すっかり様変わりしてしまうとは思いもしなかった。
更には、運命の人とすれ違い続けていることにウィスタリアは中々気づくことができなかった。
婚約者が隣国の王子殿下に夢中なので潔く身を引いたら病弱王女の婚約者に選ばれました。
ユウ
ファンタジー
辺境伯爵家の次男シオンは八歳の頃から伯爵令嬢のサンドラと婚約していた。
我儘で少し夢見がちのサンドラは隣国の皇太子殿下に憧れていた。
その為事あるごとに…
「ライルハルト様だったらもっと美しいのに」
「どうして貴方はライルハルト様じゃないの」
隣国の皇太子殿下と比べて罵倒した。
そんな中隣国からライルハルトが留学に来たことで関係は悪化した。
そして社交界では二人が恋仲で悲恋だと噂をされ爪はじきに合うシオンは二人を思って身を引き、騎士団を辞めて国を出ようとするが王命により病弱な第二王女殿下の婚約を望まれる。
生まれつき体が弱く他国に嫁ぐこともできないハズレ姫と呼ばれるリディア王女を献身的に支え続ける中王はシオンを婿養子に望む。
一方サンドラは皇太子殿下に近づくも既に婚約者がいる事に気づき、シオンと復縁を望むのだが…
HOT一位となりました!
皆様ありがとうございます!
【完結】地味令嬢の願いが叶う刻
白雨 音
恋愛
男爵令嬢クラリスは、地味で平凡な娘だ。
幼い頃より、両親から溺愛される、美しい姉ディオールと後継ぎである弟フィリップを羨ましく思っていた。
家族から愛されたい、認められたいと努めるも、都合良く使われるだけで、
いつしか、「家を出て愛する人と家庭を持ちたい」と願うようになっていた。
ある夜、伯爵家のパーティに出席する事が認められたが、意地悪な姉に笑い者にされてしまう。
庭でパーティが終わるのを待つクラリスに、思い掛けず、素敵な出会いがあった。
レオナール=ヴェルレーヌ伯爵子息___一目で恋に落ちるも、分不相応と諦めるしか無かった。
だが、一月後、驚く事に彼の方からクラリスに縁談の打診が来た。
喜ぶクラリスだったが、姉は「自分の方が相応しい」と言い出して…
異世界恋愛:短編(全16話) ※魔法要素無し。
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆
【完結】聖女が世界を呪う時
リオール
恋愛
【聖女が世界を呪う時】
国にいいように使われている聖女が、突如いわれなき罪で処刑を言い渡される
その時聖女は終わりを与える神に感謝し、自分に冷たい世界を呪う
※約一万文字のショートショートです
※他サイトでも掲載中
優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~
日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。
もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。
そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。
誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか?
そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。
【完結】2愛されない伯爵令嬢が、愛される公爵令嬢へ
華蓮
恋愛
ルーセント伯爵家のシャーロットは、幼い頃に母に先立たれ、すぐに再婚した義母に嫌われ、父にも冷たくされ、義妹に全てのものを奪われていく、、、
R18は、後半になります!!
☆私が初めて書いた作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる