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.第11章 祖父母と孫
298 奈良帰省(9)
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身支度を終えると、また金田のおじいさまに手を合わせ、4人で食卓を囲んだ。
和歌子さんも孝次郎さんも日本酒が好きらしくて、奈良の地酒をあれこれ用意してくれていた。関東の親戚の話や祖父母の話、私の学校生活や栄太兄の新しい職場の話を肴に、取り留めもなく和やかに会話が進んだ。
「やっぱり、飲めるわね、礼奈ちゃん」
「えっと、たぶん……でも、あんまり飲まないようにしろって言われてます」
「それは、政人に?」
「お父さんもですけど……お兄ちゃんたちにも」
悪い男はいるんだよ、と真剣な目で言った悠人兄のことを思い出して苦笑する。和歌子さんは笑った。
「妹が可愛いのねぇ。ボディーガードがいっぱいいていいことだわ」
「そうやで。悠人なんか、えらいガタイよくなってんで。きっと取り押さえられたら動けへんわ」
「消防士やったら取り押さえるのは本業やないやろ。持ち上げたりはするかも知れへんけど」
取り押さえるのが本業の伯父は、そう言って目を細める。私は肩をすくめた。
「でも、孝次郎さんってそんなに身体大きくないですよね?」
「ああ、俺は剣道がメインやってん。――でも、警察学校で最初に鍛えられるからな。人間の動きを封じるのにどこをどう押さえればええかは知っとるで」
試してみよかと肩をつかまれた栄太兄が、本気で嫌そうにその手を払う。
「素人相手に変なことせんで。俺はもう、母さんの手刀でこりごりやねんて」
「あらぁ。そんなの、ずいぶん昔のことじゃない」
お酒で少し頬を染めた和歌子さんが軽やかに笑う。私もお猪口を手に笑った。
「和歌子さん、ほんとに強いんですね。お父さんもいまだに和歌子さんのこと気にしてるし、栄太兄と話してるといっつも――」
「あ、あかん! 礼奈! それはあかんで!!」
「いつも、何かしら?」
にっこりと、和歌子さんの笑顔。栄太兄がうろたえている。
「礼奈、俺を殺すつもりか!」
「そんな大げさな」
「そうよ、大げさよ」
和歌子さんはにこにこしながら私に同意する。
「殺したら礼奈ちゃんが泣いちゃうから、半殺しくらいにしとくわよ」
「家庭内暴力も立派な犯罪やで!」
「せやなぁ。躾けの一環やて言われたらなかなか手ぇ出せへんけどなぁ」
警察官の孝次郎さんがやんわり言って、栄太兄が表情をこわばらせる。私はそれ以上その話を差し控えることにして、話題を変えた。
「えっと、あの、そういえば、おじいちゃんたちも、だいぶ歳取って来てて……耳、遠くなってるのもあるのかもですけど、こないだも、ふらっと外出て行こうとしてて、慌てておばあちゃんがついて行ってたんですけど」
「そう……」
ため息をついたのは和歌子さんだ。何か思わし気な様子に、栄太兄がちらりと目を上げる。
「何や、母さん何か聞いてはるんか?」
「うーん。まあ、そうね。……たぶん、政人たちも知ってるとは思うんだけど」
和歌子さんは孝次郎さんと顔を見合わせて、話しにくそうに言った。
「あなたたちは鎌倉にちょこちょこ行ってるらしいし、話しておいた方がいいかもしれないわね。――父さん、ときどき徘徊するらしいのよ」
「え?」
私は思わずまばたきした。穏やかで笑顔の絶えなかった祖父が、最近、表情に乏しいのは察しているつもりだ。けど――
「徘徊って、家の周りを?」
「そう。――今のところ、母さんがすぐ見つけて連れ帰ってるらしいんだけど、電車にでも乗って行ったらと思うと気が気じゃないみたい。ご近所には、それとなく、ひとりで出かけてたら教えてくれって言ってるらしいんだけど」
栄太兄は私と顔を見合わせ、「そうなんか」と相槌を打つ。和歌子さんはため息混じりに息子を見つめた。
「あんたが行ってるときには、まだないのね?」
「ないな……行ったら必ず一緒に散歩するからやろか」
「ああ、それなら、そうかもね」
「でも、朝は早いな。五時とかにはもう起きてはるし」
「そ、そうなの?」
私もクリスマスには泊まってたけど、すっかり寝入ってたからそんなの知らなかった。
孝次郎さんが苦笑する。
「まあ、鎌倉の両親も歳やからなぁ。いつどうなってもおかしくはないで」
「金田のおじいちゃんも突然だったものねぇ。あれはあれで、介護も必要なかったから、楽と言えば楽だったけど」
和歌子さんは遠い目をしてそう言って、ため息をついた。
「でも……それはそれで、辛かったなぁ。最後に少しくらい、お世話させて欲しかった。前日の夜まで、ちゃーんと自分でお風呂に入って、お布団も敷いて、おやすみ和歌子、って言って……朝、もう冷たくなってるんだもの」
細めた和歌子さんの目が潤んでいるのを見て、私も思わず胸を押さえる。
いつ、どうなるとも知れない祖父母が、そうなる瞬間をまざまざと想像してしまったのだ。
隣に座っている孝次郎さんが、和歌子さんの背中を叩いた。
「和歌子、そんな話やめとこ。――せっかく礼奈ちゃんが来てくれたんやから、楽しい話題がええわ」
そう言うと、くいっとお猪口の中のお酒を飲み干してにっこりする。孝次郎さんはどれだけ飲んでも顔に出ないらしい、と思っていたら、穏やかな笑みを象っていた口が開いた。
「それで、2人はどこまで行ったんや?」
「またそういうっ――そんな話やめや!!」
机の上でぶんぶん手を振る栄太兄の隣で、私は小さくなってうつむいた。
まったく、もう。みんな、栄太兄の反応を面白がってるんだから。
和歌子さんも孝次郎さんも日本酒が好きらしくて、奈良の地酒をあれこれ用意してくれていた。関東の親戚の話や祖父母の話、私の学校生活や栄太兄の新しい職場の話を肴に、取り留めもなく和やかに会話が進んだ。
「やっぱり、飲めるわね、礼奈ちゃん」
「えっと、たぶん……でも、あんまり飲まないようにしろって言われてます」
「それは、政人に?」
「お父さんもですけど……お兄ちゃんたちにも」
悪い男はいるんだよ、と真剣な目で言った悠人兄のことを思い出して苦笑する。和歌子さんは笑った。
「妹が可愛いのねぇ。ボディーガードがいっぱいいていいことだわ」
「そうやで。悠人なんか、えらいガタイよくなってんで。きっと取り押さえられたら動けへんわ」
「消防士やったら取り押さえるのは本業やないやろ。持ち上げたりはするかも知れへんけど」
取り押さえるのが本業の伯父は、そう言って目を細める。私は肩をすくめた。
「でも、孝次郎さんってそんなに身体大きくないですよね?」
「ああ、俺は剣道がメインやってん。――でも、警察学校で最初に鍛えられるからな。人間の動きを封じるのにどこをどう押さえればええかは知っとるで」
試してみよかと肩をつかまれた栄太兄が、本気で嫌そうにその手を払う。
「素人相手に変なことせんで。俺はもう、母さんの手刀でこりごりやねんて」
「あらぁ。そんなの、ずいぶん昔のことじゃない」
お酒で少し頬を染めた和歌子さんが軽やかに笑う。私もお猪口を手に笑った。
「和歌子さん、ほんとに強いんですね。お父さんもいまだに和歌子さんのこと気にしてるし、栄太兄と話してるといっつも――」
「あ、あかん! 礼奈! それはあかんで!!」
「いつも、何かしら?」
にっこりと、和歌子さんの笑顔。栄太兄がうろたえている。
「礼奈、俺を殺すつもりか!」
「そんな大げさな」
「そうよ、大げさよ」
和歌子さんはにこにこしながら私に同意する。
「殺したら礼奈ちゃんが泣いちゃうから、半殺しくらいにしとくわよ」
「家庭内暴力も立派な犯罪やで!」
「せやなぁ。躾けの一環やて言われたらなかなか手ぇ出せへんけどなぁ」
警察官の孝次郎さんがやんわり言って、栄太兄が表情をこわばらせる。私はそれ以上その話を差し控えることにして、話題を変えた。
「えっと、あの、そういえば、おじいちゃんたちも、だいぶ歳取って来てて……耳、遠くなってるのもあるのかもですけど、こないだも、ふらっと外出て行こうとしてて、慌てておばあちゃんがついて行ってたんですけど」
「そう……」
ため息をついたのは和歌子さんだ。何か思わし気な様子に、栄太兄がちらりと目を上げる。
「何や、母さん何か聞いてはるんか?」
「うーん。まあ、そうね。……たぶん、政人たちも知ってるとは思うんだけど」
和歌子さんは孝次郎さんと顔を見合わせて、話しにくそうに言った。
「あなたたちは鎌倉にちょこちょこ行ってるらしいし、話しておいた方がいいかもしれないわね。――父さん、ときどき徘徊するらしいのよ」
「え?」
私は思わずまばたきした。穏やかで笑顔の絶えなかった祖父が、最近、表情に乏しいのは察しているつもりだ。けど――
「徘徊って、家の周りを?」
「そう。――今のところ、母さんがすぐ見つけて連れ帰ってるらしいんだけど、電車にでも乗って行ったらと思うと気が気じゃないみたい。ご近所には、それとなく、ひとりで出かけてたら教えてくれって言ってるらしいんだけど」
栄太兄は私と顔を見合わせ、「そうなんか」と相槌を打つ。和歌子さんはため息混じりに息子を見つめた。
「あんたが行ってるときには、まだないのね?」
「ないな……行ったら必ず一緒に散歩するからやろか」
「ああ、それなら、そうかもね」
「でも、朝は早いな。五時とかにはもう起きてはるし」
「そ、そうなの?」
私もクリスマスには泊まってたけど、すっかり寝入ってたからそんなの知らなかった。
孝次郎さんが苦笑する。
「まあ、鎌倉の両親も歳やからなぁ。いつどうなってもおかしくはないで」
「金田のおじいちゃんも突然だったものねぇ。あれはあれで、介護も必要なかったから、楽と言えば楽だったけど」
和歌子さんは遠い目をしてそう言って、ため息をついた。
「でも……それはそれで、辛かったなぁ。最後に少しくらい、お世話させて欲しかった。前日の夜まで、ちゃーんと自分でお風呂に入って、お布団も敷いて、おやすみ和歌子、って言って……朝、もう冷たくなってるんだもの」
細めた和歌子さんの目が潤んでいるのを見て、私も思わず胸を押さえる。
いつ、どうなるとも知れない祖父母が、そうなる瞬間をまざまざと想像してしまったのだ。
隣に座っている孝次郎さんが、和歌子さんの背中を叩いた。
「和歌子、そんな話やめとこ。――せっかく礼奈ちゃんが来てくれたんやから、楽しい話題がええわ」
そう言うと、くいっとお猪口の中のお酒を飲み干してにっこりする。孝次郎さんはどれだけ飲んでも顔に出ないらしい、と思っていたら、穏やかな笑みを象っていた口が開いた。
「それで、2人はどこまで行ったんや?」
「またそういうっ――そんな話やめや!!」
机の上でぶんぶん手を振る栄太兄の隣で、私は小さくなってうつむいた。
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