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.第11章 祖父母と孫
282 独占欲
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帰りは、栄太兄と一緒に家を出た。
もう冬に近い空は、5時頃でも赤く染まり始めている。
どこかで鳴いている虫の声を聴きながら歩いた私たちは、祖父母の家が見えなくなった頃、どちらからともなく手を繋いだ。
「次は、クリスマスイブ?」
「そうやなぁ」
こうして、月に1度の約束を取り付ける日々に、私もだいぶ慣れてきた。
その頻度は、一般的な恋人と比べたら少ないと思われるんだろう。確かに、もう少し調整すれば、会う頻度を増やせるような気はする。けど、互いの負担にはなりたくない。だから電話で我慢する。
一瞬、沈黙が降りた。栄太兄との沈黙は気づまりでもなんでもなくて、ただ、空気みたいにそこにある。話したいことがあれば話せばいいし、そうじゃなければ無理に口を開く必要もない――互いにそう思っていると分かるから。
私はゆっくり、口を開く。
「今日、ごめんね」
「うん? 何や?」
栄太兄が不思議そうに私を見下ろす。その頬を、空が赤く染めている。
つい、その顔に見とれてしまって、はっと我に返った。軽く頭を振って、「昼、泣いちゃって」と続ける。栄太兄は「ああ」と笑った。
「よう泣くな、礼奈は」
「え?」
私は思わずまばたきした。そんなこと、今まで友達にも家族にも言われたことがなかったから。
でも、そういえば、そうだった。私が泣くときには、大概栄太兄の前だった。栄太兄の前でだけ、私はすぐ、感情が振り切れてしまうんだ。
「いまだに、ときどき、分からへんな。今日もよく分からへんかったけど――何で泣いてたんや? あれは」
訊かれて、私は思わずうつむいた。そんなの、だって……本人を前にして、言えるわけがない。
――栄太兄が好きすぎて、涙が出てきたんだ、なんて。
「……ちょっと、なんか、混乱しちゃっただけ」
「混乱? なにが?」
栄太兄は眉を寄せて首を傾げる。私は「いいから」と一歩大きく踏み出す。栄太兄は首を傾げ傾げ、「ええならええけど……」と困惑した様子で言う。
「でも、俺、言ってくれんと分からへんよ。何か思ってることあったら、言うてな」
「……うん」
私は頷いて、顔を上げる。栄太兄がまっすぐに、私を見下ろしている。それを見ると、ほっとすると同時に笑顔が浮かんだ。
「分かってる。――栄太兄、鈍感だもんね」
「わ、悪かったな」
栄太兄は唇を尖らせたけど、それ以上文句を言わなかった。多分、私が告白するまで、まったく気持ちに気づいていなかったから、何も言い返せないんだろう。そう分かってまた笑う。私の方がよほど、栄太兄のことを分かってる。
なんだか、また胸がふわふわしてくる。くすぐったい気分で、繋いだ手を引き寄せて腕に抱き着いた。それでいい。私は栄太兄のことを知ってる。私以上に栄太兄のことを知っている人はいなくていい。そんな独占欲がむくむくと沸き上がって、満足感を抱く。
「何でご機嫌やねん。ほんま分からんわ」
「ふふふふふ。いいよ、分からなくて」
笑うと、栄太兄は不服気に「何でやねん」と返してくる。
「普通、もっと理解しろ、言うもんやないのか」
「だって、分かったって思ったら、私のこと考えなくなるでしょう」
ずばっと言うと、栄太兄は言葉を失った。やっぱりね、と私はまた笑う。
「いいの、栄太兄はずっと私のこと、分からないなーって思ってればいい」
「……お前、意外とサド気質やな?」
「栄太兄限定でね。嬉しい?」
「嬉しいわけあるか」
栄太兄は鼻の上にしわを寄せて見せる。私はそれを指でつついて笑う。
「……栄太兄」
「何や?」
「奈良、さ」
駅までもうすぐだ。私は腕を解いて、また手を繋ぐだけにする。
人前で甘えるのは、癖になったらよくないだろうから。
「その……服とか、新調していった方がいいのかな?」
彼ママに会う、とか何とか、ファッション誌でもよくコーディネートが載ってるテーマだった気がする。そんなことを思いながら言うと、栄太兄は首を傾げた。
「別に、気にせんでええんちゃう? 礼奈は礼奈やし……」
私は思わず立ち止まった。
栄太兄が一歩前へ足を出して、驚いたように立ち止まる。
「……今度は何や?」
「……栄太兄」
思わず神妙な顔になった。これは確認しとかないといけない。もしかして、私が思ったことと栄太兄が思っていること、違ったりしない?
私は一度深呼吸をしてから、一言一言、噛み含めるように問うた。
「奈良に行くのは、イトコとして、じゃないってことで、いいんだよね?」
栄太兄の顔が、赤く染まる。それは夕陽のせいじゃない。私がじっと見つめていると、栄太兄は顔を逸らして、若干どもりながら答えた。
「あ――当たり前やろ。そんなん、今さら確認せんと――」
「だったら」
ぐい、と手を引っ張った。栄太兄が戸惑いながらも私の方を向く。私は睨みつけるように見上げながら、はっきり口を動かした。
「ちゃんと、挨拶しなくっちゃ。私が奈良に行くのは――これから、私が栄太兄の家族になる準備だよね?」
栄太兄はまたしても、気恥ずかしそうに目を逸らした。
もう! そういうとこ、ちゃんとしてよね!
私は逃すまいと顔を寄せて目を見上げる。
「そうだよね!?」
「そ――そうやって、言うてるやんか!」
栄太兄は泳がせた目を、諦めたように私に向ける。
なんで若干、潤んでるのよ!
「だって、私の勘違いかもって思って。栄太兄、びっくりするようなときに天然炸裂するから」
「て、天然て……お前かて、そうやんか」
「そんなことない!」
ぶんぶん首を横に振ってから、いろいろ、過去のことを思い出した。
そういえば、友達には散々、天然だとか、ときどきズレてるとか、言われてた気がするけど。
「……そんなことない!」
もう一度確認のように言うと、「それ、自分に言い聞かせてへんか?」と栄太兄が半眼を向けた。私はぶんぶん首を振って、びしっ、と宣言した。
「とにかく、奈良には彼ママ対策していくんだからね! 栄太兄も、ちゃんと彼女扱いしてね!!」
「か、カレマ……? わ、分かったて。――分かった」
おろおろしている栄太兄がちょっとだけかわいそうになったから、それ以上言うのはやめた。
だって、栄太兄ってば、土壇場になってまた「可愛い妹分」扱いしそうなんだもん。
油断は禁物だよね。
もう冬に近い空は、5時頃でも赤く染まり始めている。
どこかで鳴いている虫の声を聴きながら歩いた私たちは、祖父母の家が見えなくなった頃、どちらからともなく手を繋いだ。
「次は、クリスマスイブ?」
「そうやなぁ」
こうして、月に1度の約束を取り付ける日々に、私もだいぶ慣れてきた。
その頻度は、一般的な恋人と比べたら少ないと思われるんだろう。確かに、もう少し調整すれば、会う頻度を増やせるような気はする。けど、互いの負担にはなりたくない。だから電話で我慢する。
一瞬、沈黙が降りた。栄太兄との沈黙は気づまりでもなんでもなくて、ただ、空気みたいにそこにある。話したいことがあれば話せばいいし、そうじゃなければ無理に口を開く必要もない――互いにそう思っていると分かるから。
私はゆっくり、口を開く。
「今日、ごめんね」
「うん? 何や?」
栄太兄が不思議そうに私を見下ろす。その頬を、空が赤く染めている。
つい、その顔に見とれてしまって、はっと我に返った。軽く頭を振って、「昼、泣いちゃって」と続ける。栄太兄は「ああ」と笑った。
「よう泣くな、礼奈は」
「え?」
私は思わずまばたきした。そんなこと、今まで友達にも家族にも言われたことがなかったから。
でも、そういえば、そうだった。私が泣くときには、大概栄太兄の前だった。栄太兄の前でだけ、私はすぐ、感情が振り切れてしまうんだ。
「いまだに、ときどき、分からへんな。今日もよく分からへんかったけど――何で泣いてたんや? あれは」
訊かれて、私は思わずうつむいた。そんなの、だって……本人を前にして、言えるわけがない。
――栄太兄が好きすぎて、涙が出てきたんだ、なんて。
「……ちょっと、なんか、混乱しちゃっただけ」
「混乱? なにが?」
栄太兄は眉を寄せて首を傾げる。私は「いいから」と一歩大きく踏み出す。栄太兄は首を傾げ傾げ、「ええならええけど……」と困惑した様子で言う。
「でも、俺、言ってくれんと分からへんよ。何か思ってることあったら、言うてな」
「……うん」
私は頷いて、顔を上げる。栄太兄がまっすぐに、私を見下ろしている。それを見ると、ほっとすると同時に笑顔が浮かんだ。
「分かってる。――栄太兄、鈍感だもんね」
「わ、悪かったな」
栄太兄は唇を尖らせたけど、それ以上文句を言わなかった。多分、私が告白するまで、まったく気持ちに気づいていなかったから、何も言い返せないんだろう。そう分かってまた笑う。私の方がよほど、栄太兄のことを分かってる。
なんだか、また胸がふわふわしてくる。くすぐったい気分で、繋いだ手を引き寄せて腕に抱き着いた。それでいい。私は栄太兄のことを知ってる。私以上に栄太兄のことを知っている人はいなくていい。そんな独占欲がむくむくと沸き上がって、満足感を抱く。
「何でご機嫌やねん。ほんま分からんわ」
「ふふふふふ。いいよ、分からなくて」
笑うと、栄太兄は不服気に「何でやねん」と返してくる。
「普通、もっと理解しろ、言うもんやないのか」
「だって、分かったって思ったら、私のこと考えなくなるでしょう」
ずばっと言うと、栄太兄は言葉を失った。やっぱりね、と私はまた笑う。
「いいの、栄太兄はずっと私のこと、分からないなーって思ってればいい」
「……お前、意外とサド気質やな?」
「栄太兄限定でね。嬉しい?」
「嬉しいわけあるか」
栄太兄は鼻の上にしわを寄せて見せる。私はそれを指でつついて笑う。
「……栄太兄」
「何や?」
「奈良、さ」
駅までもうすぐだ。私は腕を解いて、また手を繋ぐだけにする。
人前で甘えるのは、癖になったらよくないだろうから。
「その……服とか、新調していった方がいいのかな?」
彼ママに会う、とか何とか、ファッション誌でもよくコーディネートが載ってるテーマだった気がする。そんなことを思いながら言うと、栄太兄は首を傾げた。
「別に、気にせんでええんちゃう? 礼奈は礼奈やし……」
私は思わず立ち止まった。
栄太兄が一歩前へ足を出して、驚いたように立ち止まる。
「……今度は何や?」
「……栄太兄」
思わず神妙な顔になった。これは確認しとかないといけない。もしかして、私が思ったことと栄太兄が思っていること、違ったりしない?
私は一度深呼吸をしてから、一言一言、噛み含めるように問うた。
「奈良に行くのは、イトコとして、じゃないってことで、いいんだよね?」
栄太兄の顔が、赤く染まる。それは夕陽のせいじゃない。私がじっと見つめていると、栄太兄は顔を逸らして、若干どもりながら答えた。
「あ――当たり前やろ。そんなん、今さら確認せんと――」
「だったら」
ぐい、と手を引っ張った。栄太兄が戸惑いながらも私の方を向く。私は睨みつけるように見上げながら、はっきり口を動かした。
「ちゃんと、挨拶しなくっちゃ。私が奈良に行くのは――これから、私が栄太兄の家族になる準備だよね?」
栄太兄はまたしても、気恥ずかしそうに目を逸らした。
もう! そういうとこ、ちゃんとしてよね!
私は逃すまいと顔を寄せて目を見上げる。
「そうだよね!?」
「そ――そうやって、言うてるやんか!」
栄太兄は泳がせた目を、諦めたように私に向ける。
なんで若干、潤んでるのよ!
「だって、私の勘違いかもって思って。栄太兄、びっくりするようなときに天然炸裂するから」
「て、天然て……お前かて、そうやんか」
「そんなことない!」
ぶんぶん首を横に振ってから、いろいろ、過去のことを思い出した。
そういえば、友達には散々、天然だとか、ときどきズレてるとか、言われてた気がするけど。
「……そんなことない!」
もう一度確認のように言うと、「それ、自分に言い聞かせてへんか?」と栄太兄が半眼を向けた。私はぶんぶん首を振って、びしっ、と宣言した。
「とにかく、奈良には彼ママ対策していくんだからね! 栄太兄も、ちゃんと彼女扱いしてね!!」
「か、カレマ……? わ、分かったて。――分かった」
おろおろしている栄太兄がちょっとだけかわいそうになったから、それ以上言うのはやめた。
だって、栄太兄ってば、土壇場になってまた「可愛い妹分」扱いしそうなんだもん。
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