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.第3章 高校2年、後期
61 修学旅行(6)
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2日目は例の班行動の日だ。慶次郎たち男子と一緒にホテルを出て、博多駅で一度別れることになっている。
……もちろん、先生たちには内緒。
「じゃあ、12時にまたここでいいな?」
「うん。じゃあ後で」
「バレないようになー」
「そっちこそ」
言い合って別れると、私は小夏と二人で特急電車に乗り込んだ。
車窓から外を眺めていると、赤や青などなかなかカラフルな電車が目につく。
「こっちの電車って色とりどりだね」
「以前関東を走ってた形とか、詳しい人に言わせると色々らしいよ」
「それは弟くん情報?」
「ご名答」
小夏はスマホを構えて「送ってやろ」と電車の写真を撮っている。私は微笑ましく思いながら、これから会う「ヒカルさん」に思いを馳せていた。
***
父が紹介してくれた「ヒカルさん」と合流するのは、博多駅から特急で三十分ほどの駅だ。
ヒカルさんの家までは、その駅から車で10分ほど。
そこはヒカルさんの自宅でもあるけれど、博多織の工場も併設されているという。工場はヒカルさんのご家族が経営していて、父の会社の連携先の1つらしい。
一度も会ったことがない人と待ち合わせるのは不安だと言うと、父は1枚の年賀状を見せてくれた。
年賀状には、三十代半ばの男女と、2、3歳くらいの男の子が写っている。
父は母親らしいその女性を示して、「こいつがヒカルだよ」と目を細めた。
その横顔と声音に、正直、私はちょっとびっくりした。
だって、まるで娘を見るような顔だったから。
だからその後、私はドキドキしながら母に訊ねた。
父には聞こえないよう、結構気を使ったりなんかして。
父の表情に、ちょっと、いや、かなりドキッとしたのだ。もちろんそんな話は聞いたこともないし、まずあり得ないだろうと思うけどーー一瞬、父の隠し子なのでは、なんて。
母はそれを耳にしたとたん、お腹を抱えて笑い出した。その瞬間、違うということがすぐわかって私もほっとした。
「血の繋がりはないけど、お父さんにとっては、特別な子みたいなの」
ひとしきり笑った母はそう説明した。
「私もよく知らないんだけど、あの人が九州にいるとき何かあったみたいね。……2人だけが知っている何かが」
そう微笑む母の表情はちょっと珍しくて、意外だった。
「なんか、ヨユーありげなお母さん、珍しい。そういうときって、いっつもヤキモチ妬いたりするんだと思ってた」
実際、父が無自覚に女性の目を引く言動をするたび、母はよく唇を尖らせている。
私の言葉に母は苦笑気味の笑顔を返した。
「余裕があるっていうか、ヒカルちゃんは別格なのよ。特別というかーーだから、怒っても仕方ないかなって」
「諦めてるってこと?」
「まあ、そうかも」
私にはよく分からなかったけど、とりあえず相づちを打って会話を終えた。
お父さんにとって、特別な人。
いったい、どんな人なんだろう。
その人とお父さんに、一体何があってーー今、お互いをどういうふうに思っているんだろう。
そんなことをぼんやり考えていたら、小夏に肩をつつかれた。
「礼奈。ここで降りるんじゃなかった?」
「えっ? あっ、そうだ、降りる降りる!」
駅名を確認して慌てて立ち上がる。ホームに降り立つと、小夏が笑った。
「大きい荷物がなくてよかったね」
「そ、そうだね……ごめん、ぼーっとして」
大きい荷物は先生たちがバスで次の宿泊先まで運んでくれている。身軽に観光できるようにという配慮だ。
小夏は笑って首を振った。
「降りられたから大丈夫。行こ」
ぽんと肩を叩かれて頷くと、階段を登って改札へ向かう。駅の改札は一つだけ。そして、その先に、1人の女性が立っている。
写真で見た姿を目の前にして、どきんと心臓が高鳴った。
「あっ、あのっ、初めまして。橘礼奈ですっ」
「礼奈の友達の高木です」
勢いよく頭を下げた私の横から、小夏が如才なく便乗する。
頭上からはくすくすと優しい笑い声が降ってきた。
「こんにちは、初めまして。山口ヒカルです」
私はそろりと顔を上げる。
ヒカルさんはさらさらのボブショートを揺らして微笑んだ。穏やかな笑みには、大人の余裕が感じられる。
年齢は母より若そうだけど、振る舞いはよほど落ち着いているようだ。
思わず表情に見とれていると、ヒカルさんは優しく微笑んだ。どこか懐かしそうな微笑み。初対面のばずなのに、親しみを感じて戸惑う。
「礼奈ちゃんはお母さん似だね。神崎さん……お父さん、かわいくて仕方ないだろうな」
「えっ、や、あ、あの……」
戸惑いと緊張でぎこちない動きになる私を見て、小夏が「大丈夫?」と苦笑した。
ヒカルさんはまたくすりと笑うと、「行こうか」ときびすを返す。
「あんまり時間ないんだったよね。わざわざこんなとこ来てくれたんだもの、少しは楽しんでもらわなくちゃ」
「あ、ありがとうございます」
お礼を言うと、またにこりと笑顔が返ってきた。
さばさばしていて、素敵な人みたいだ。
私はほっとしながら、小夏と顔を見合わせた。
***
「じゃあ、出発するね。最初は礼奈ちゃんのお父さんの会社から」
車はシルバーのミニバンだ。後部座席にはチャイルドシートがついていた。きっと、年賀状に写っていたあの男の子が乗るのだろう。
チャイルドシートをつけてあると、後部座席は一つ使えない。狭ければひとり助手席にどうぞ、と言われたけれど、小夏と二人ならそんなに窮屈ではないからと、二人で並んで腰かけた。
「あの、ヒカルさんも、父と一緒に仕事してたんですか……?」
「あはは、やだな、そんな年齢に見える?」
父が九州にいたのは結婚する前。かれこれ二十年以上は前になる。となれば、ヒカルさんは十代か。
頭の中で目算する間に、ヒカルさんが口を開いた。
「神崎さん……じゃない、礼奈ちゃんのお父さんが……」
「あ、あの、無理に言い直さなくていいです。会社の仲間も神崎って呼んでるので」
実は「橘」は母方の姓で、父の旧姓は「神崎」だ。婿入りだ何だと言われると面倒なので、父は今でも仕事上は「神崎」を名乗っている。
「ほんと? じゃあ、悪いけど呼び慣れてるように呼ばせてもらうね」
ヒカルさんはバックミラー越しに微笑んで続けた。
「神崎さんがこっちにいたとき、私は今の礼奈ちゃんよりも幼かったのよ。中学一年だったから」
「それじゃあ、当然仕事はしてないですね」
私の緊張をほぐそうとしてくれているのだろう、横から小夏が軽口をきく。
ヒカルさんは「そうね」と笑って、「さて、出発するよ」と車のギアを入れ換えた。
中学1年生のヒカルさんと、30歳を過ぎた頃の父。
それがどうして、互いにとって「特別な存在」になるのかーー
考えてみても、ちょっと想像がつかなくて、運転するヒカルさんの横顔を見つめていた。
……もちろん、先生たちには内緒。
「じゃあ、12時にまたここでいいな?」
「うん。じゃあ後で」
「バレないようになー」
「そっちこそ」
言い合って別れると、私は小夏と二人で特急電車に乗り込んだ。
車窓から外を眺めていると、赤や青などなかなかカラフルな電車が目につく。
「こっちの電車って色とりどりだね」
「以前関東を走ってた形とか、詳しい人に言わせると色々らしいよ」
「それは弟くん情報?」
「ご名答」
小夏はスマホを構えて「送ってやろ」と電車の写真を撮っている。私は微笑ましく思いながら、これから会う「ヒカルさん」に思いを馳せていた。
***
父が紹介してくれた「ヒカルさん」と合流するのは、博多駅から特急で三十分ほどの駅だ。
ヒカルさんの家までは、その駅から車で10分ほど。
そこはヒカルさんの自宅でもあるけれど、博多織の工場も併設されているという。工場はヒカルさんのご家族が経営していて、父の会社の連携先の1つらしい。
一度も会ったことがない人と待ち合わせるのは不安だと言うと、父は1枚の年賀状を見せてくれた。
年賀状には、三十代半ばの男女と、2、3歳くらいの男の子が写っている。
父は母親らしいその女性を示して、「こいつがヒカルだよ」と目を細めた。
その横顔と声音に、正直、私はちょっとびっくりした。
だって、まるで娘を見るような顔だったから。
だからその後、私はドキドキしながら母に訊ねた。
父には聞こえないよう、結構気を使ったりなんかして。
父の表情に、ちょっと、いや、かなりドキッとしたのだ。もちろんそんな話は聞いたこともないし、まずあり得ないだろうと思うけどーー一瞬、父の隠し子なのでは、なんて。
母はそれを耳にしたとたん、お腹を抱えて笑い出した。その瞬間、違うということがすぐわかって私もほっとした。
「血の繋がりはないけど、お父さんにとっては、特別な子みたいなの」
ひとしきり笑った母はそう説明した。
「私もよく知らないんだけど、あの人が九州にいるとき何かあったみたいね。……2人だけが知っている何かが」
そう微笑む母の表情はちょっと珍しくて、意外だった。
「なんか、ヨユーありげなお母さん、珍しい。そういうときって、いっつもヤキモチ妬いたりするんだと思ってた」
実際、父が無自覚に女性の目を引く言動をするたび、母はよく唇を尖らせている。
私の言葉に母は苦笑気味の笑顔を返した。
「余裕があるっていうか、ヒカルちゃんは別格なのよ。特別というかーーだから、怒っても仕方ないかなって」
「諦めてるってこと?」
「まあ、そうかも」
私にはよく分からなかったけど、とりあえず相づちを打って会話を終えた。
お父さんにとって、特別な人。
いったい、どんな人なんだろう。
その人とお父さんに、一体何があってーー今、お互いをどういうふうに思っているんだろう。
そんなことをぼんやり考えていたら、小夏に肩をつつかれた。
「礼奈。ここで降りるんじゃなかった?」
「えっ? あっ、そうだ、降りる降りる!」
駅名を確認して慌てて立ち上がる。ホームに降り立つと、小夏が笑った。
「大きい荷物がなくてよかったね」
「そ、そうだね……ごめん、ぼーっとして」
大きい荷物は先生たちがバスで次の宿泊先まで運んでくれている。身軽に観光できるようにという配慮だ。
小夏は笑って首を振った。
「降りられたから大丈夫。行こ」
ぽんと肩を叩かれて頷くと、階段を登って改札へ向かう。駅の改札は一つだけ。そして、その先に、1人の女性が立っている。
写真で見た姿を目の前にして、どきんと心臓が高鳴った。
「あっ、あのっ、初めまして。橘礼奈ですっ」
「礼奈の友達の高木です」
勢いよく頭を下げた私の横から、小夏が如才なく便乗する。
頭上からはくすくすと優しい笑い声が降ってきた。
「こんにちは、初めまして。山口ヒカルです」
私はそろりと顔を上げる。
ヒカルさんはさらさらのボブショートを揺らして微笑んだ。穏やかな笑みには、大人の余裕が感じられる。
年齢は母より若そうだけど、振る舞いはよほど落ち着いているようだ。
思わず表情に見とれていると、ヒカルさんは優しく微笑んだ。どこか懐かしそうな微笑み。初対面のばずなのに、親しみを感じて戸惑う。
「礼奈ちゃんはお母さん似だね。神崎さん……お父さん、かわいくて仕方ないだろうな」
「えっ、や、あ、あの……」
戸惑いと緊張でぎこちない動きになる私を見て、小夏が「大丈夫?」と苦笑した。
ヒカルさんはまたくすりと笑うと、「行こうか」ときびすを返す。
「あんまり時間ないんだったよね。わざわざこんなとこ来てくれたんだもの、少しは楽しんでもらわなくちゃ」
「あ、ありがとうございます」
お礼を言うと、またにこりと笑顔が返ってきた。
さばさばしていて、素敵な人みたいだ。
私はほっとしながら、小夏と顔を見合わせた。
***
「じゃあ、出発するね。最初は礼奈ちゃんのお父さんの会社から」
車はシルバーのミニバンだ。後部座席にはチャイルドシートがついていた。きっと、年賀状に写っていたあの男の子が乗るのだろう。
チャイルドシートをつけてあると、後部座席は一つ使えない。狭ければひとり助手席にどうぞ、と言われたけれど、小夏と二人ならそんなに窮屈ではないからと、二人で並んで腰かけた。
「あの、ヒカルさんも、父と一緒に仕事してたんですか……?」
「あはは、やだな、そんな年齢に見える?」
父が九州にいたのは結婚する前。かれこれ二十年以上は前になる。となれば、ヒカルさんは十代か。
頭の中で目算する間に、ヒカルさんが口を開いた。
「神崎さん……じゃない、礼奈ちゃんのお父さんが……」
「あ、あの、無理に言い直さなくていいです。会社の仲間も神崎って呼んでるので」
実は「橘」は母方の姓で、父の旧姓は「神崎」だ。婿入りだ何だと言われると面倒なので、父は今でも仕事上は「神崎」を名乗っている。
「ほんと? じゃあ、悪いけど呼び慣れてるように呼ばせてもらうね」
ヒカルさんはバックミラー越しに微笑んで続けた。
「神崎さんがこっちにいたとき、私は今の礼奈ちゃんよりも幼かったのよ。中学一年だったから」
「それじゃあ、当然仕事はしてないですね」
私の緊張をほぐそうとしてくれているのだろう、横から小夏が軽口をきく。
ヒカルさんは「そうね」と笑って、「さて、出発するよ」と車のギアを入れ換えた。
中学1年生のヒカルさんと、30歳を過ぎた頃の父。
それがどうして、互いにとって「特別な存在」になるのかーー
考えてみても、ちょっと想像がつかなくて、運転するヒカルさんの横顔を見つめていた。
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