36 / 368
.第2章 高校2年、夏休み
33 従姉・朝子
しおりを挟む
コンクールが終わると、次は体育祭に向けた練習が始まる。多くの文化部にとって直接的には関係ないこのイベントも、吹奏楽部にとっては少し違う。打楽器とトランペットが中心になって、校歌の伴奏や表彰式でのBGMを演奏すると決まっているからだ。
演奏は2年が中心になる。1年生は他学年とは違い、応援合戦があるからだ。
それにコンクールほどの緊張感はないけれど、吹奏楽部が花形になれるイベントの1つだ。
部活がなくても、夏休みには体育祭の準備がある。各チームの看板であるバックボードを描いたり、応援合戦の衣裳、小道具作りの手伝いなど、やるべきことはたくさんある。
そんなわけで、相変わらず連日学校に通っている私あてに、従姉の朝子ちゃんから電話があったのは8月に入った頃だ。
『久しぶり! 元気にしてる?』
「うん、元気元気。朝子ちゃんも?」
『うん、楽しんでるよ。夏休み中に免許取ろうと思ってるから、教習所とバイト行き来してるけど』
時間を無駄にしないのが朝子ちゃんらしい。そのエネルギーには励まされる。
『それでね、今日電話したのは、お盆の予定聞こうと思って』
「お盆?」
戸惑う私に、朝子ちゃんは頷いて続けた。
『大人たちはほら、奈良に行くでしょ。だから私たちは鎌倉に集まるのってどうかなと思って』
「奈良……?」
聞いたこともない話に眉を寄せ、夕飯の食器を片付ける両親を見た。二人がそれに気づいて不思議そうに首を傾げる。
『あれ? 聞いてない? ほら、金田のおじいさまの初盆だから……お通夜はお父さんしか行けなかったから、改めて挨拶に行こうって』
まあ、それを建前に奈良に遊びに行こうってことだと思うけど。と、朝子ちゃんが笑ってつけ足す。
金田のおじいさま、とは栄太兄の祖父にあたる。栄太兄にとっては、高校卒業まで一緒に住んでいた家族だ。
私は呆れた顔で眉を寄せる。
「聞いてない……」
『えっ、ほんと? ごめん!』
いやいや、謝るのは朝子ちゃんじゃないでしょう。
私が恨みがましく見やると、父が「どうした」と聞いてきた。私はマイクを押さえて、「奈良行くの?」と問う。母が「あらっ? 言ってなかったっけ?」と首を傾げた。父もあっという顔をする。
あっ、本気で忘れてたやつだ。ムカつくっ!
『もしもし、礼奈ちゃん?』
「あ、うん。ごめん。そうみたいだね」
私がやや不機嫌なあいづちを打つと、朝子ちゃんが苦笑する気配がした。『やぶ蛇だったかな』と呟くので、先を促そうと「鎌倉に?」と尋ねる。
『うん、そう。鎌倉で……おばあちゃんち、庭も広いし、久々に花火でもどうかなって。……ていうのもね、お兄ちゃんが、大学の合宿で残った花火貰って帰ってきたの。捨てるのももったいないからって。でも、うちの周りはちょっと、できそうなところもないし』
「花火って、手持ち花火? ふふ、いいね。楽しそう」
想像して、ちょっとテンションが上がった。手持ち花火なんていつぶりだっけ。あ、あれだ。栄太兄が就活の気分転換にって買ってきて、うちの庭でやったのが最後。てことは私は10歳かそこらのはず。
「お兄ちゃんたちの予定も聞いてみる?」
『うん。でも、おばあちゃんが女子会したいねって言ってたし、礼奈ちゃんの予定を優先したいなって思ってるんだ。私もしばらく会ってないから、会いたいな』
「わかった、ありがとう」
頷きながら、なんとなくむずがゆい。
いつもの親戚の集まりは、予定が決まってから連絡されるだけだから、私の予定を優先してくれることなんてない。朝子ちゃんと祖母の優しさが嬉しかった。
『それで、大丈夫なら、そのまま一緒に泊まらない? 久々に』
「おばあちゃんちに? いいね!」
ふてくされた気持ちはあっという間に切り替わり、ワクワクしてくる。
「じゃあ、スケジュール確認してまた連絡するね」
『うん、よろしく。楽しみにしてるね!』
電話を切ると、父が近寄ってきた。
「悪かったな。悠人と健人には言ったから、礼奈にも言ったつもりになってたよ」
「許しません」
ぷーっと頬を膨らませて父を見上げると、苦笑が返ってきた。
「生八ッ橋、いろんな味買ってきてね」
「……奈良土産じゃなくて?」
「新幹線なら、京都通るでしょ」
まあそうだけど、と父が苦笑する。
「あと、私も、鎌倉に一泊する。いいよね?」
「ん? 朝子ちゃんと?」
「そう。女子旅」
浮き立つ気持ちを隠しもせずに頷くと、母と父が顔を見合わせて笑った。
「気をつけて行けよ」
私は頷いて、廊下に繋がるドアを開けた。そこでふと思い立って振り向く。
「お兄ちゃんたち、今日は何時に帰ってくるのかな?」
「さあ」
「悠人は今駅に着いたって連絡あったわよ」
「わかった」
私は頷いて一歩踏み出しかけ、また振り向く。
「健人兄は? バイト? ヨーコさんち?」
「ヨーコちゃん?」
母はまばたきした。父が苦笑する。
「今日は違うと思うよ。ジョーから何も聞いてないから」
「何の話?」
「え? 健人兄、ときどきヨーコさんとご飯食べたり買い物行ったりしてるって……」
父は苦笑し、母はぽかんとしている。夫のジョーさんは父と同じ部署の後輩で、父はほぼ毎日顔を合わせているから、様子を聞いているけれど、母はそうではないのだろう。
「ときどき会ってるって話は聞いてたけど……え、デートしてるってこと? それ、ジョーは大丈夫なの?」
「公認の仲だから安心しろ。いきなりぶん投げられることはないよ」
健人兄だけでなく、ヨーコさんの夫、ジョーさんも柔道経験者なのだ。そもそも、ジョーさんに「大切な女を守れる男になれ」と冗談半分けしかけられて、幼い健人兄は真に受けたものらしい。
だから、健人兄が柔道を選んだのは、ジョーさんの影響。
そう考えれば、周りの人に影響を受けているのは私ひとりではない。
悠人兄がT大を選んだのは、たぶん叔父の隼人さんに憧れたから。
栄太兄が父の母校に進学したのも同様だろう。
じゃあ、私は……どうなっていくんだろう。
誰かに憧れるのは簡単だけど、そこに自分の実力が見合うかどうかは別の話だ。追いかけようにも、憧れる人のレベルが高すぎたら、自分の方が潰れてしまう。
そして私が憧れる大人は、みんな手が届くような気がしないのだ。
私は軽く頭を振った。
進路の話はまだ早い。もう少ししてから考えよう。
参考になるかは分からないけど、お盆の「女子会」で朝子ちゃんに志望校選びについて聞いてみようかな。
私は自分のスケジュールを確認しようと、二階の部屋に向かった。
演奏は2年が中心になる。1年生は他学年とは違い、応援合戦があるからだ。
それにコンクールほどの緊張感はないけれど、吹奏楽部が花形になれるイベントの1つだ。
部活がなくても、夏休みには体育祭の準備がある。各チームの看板であるバックボードを描いたり、応援合戦の衣裳、小道具作りの手伝いなど、やるべきことはたくさんある。
そんなわけで、相変わらず連日学校に通っている私あてに、従姉の朝子ちゃんから電話があったのは8月に入った頃だ。
『久しぶり! 元気にしてる?』
「うん、元気元気。朝子ちゃんも?」
『うん、楽しんでるよ。夏休み中に免許取ろうと思ってるから、教習所とバイト行き来してるけど』
時間を無駄にしないのが朝子ちゃんらしい。そのエネルギーには励まされる。
『それでね、今日電話したのは、お盆の予定聞こうと思って』
「お盆?」
戸惑う私に、朝子ちゃんは頷いて続けた。
『大人たちはほら、奈良に行くでしょ。だから私たちは鎌倉に集まるのってどうかなと思って』
「奈良……?」
聞いたこともない話に眉を寄せ、夕飯の食器を片付ける両親を見た。二人がそれに気づいて不思議そうに首を傾げる。
『あれ? 聞いてない? ほら、金田のおじいさまの初盆だから……お通夜はお父さんしか行けなかったから、改めて挨拶に行こうって』
まあ、それを建前に奈良に遊びに行こうってことだと思うけど。と、朝子ちゃんが笑ってつけ足す。
金田のおじいさま、とは栄太兄の祖父にあたる。栄太兄にとっては、高校卒業まで一緒に住んでいた家族だ。
私は呆れた顔で眉を寄せる。
「聞いてない……」
『えっ、ほんと? ごめん!』
いやいや、謝るのは朝子ちゃんじゃないでしょう。
私が恨みがましく見やると、父が「どうした」と聞いてきた。私はマイクを押さえて、「奈良行くの?」と問う。母が「あらっ? 言ってなかったっけ?」と首を傾げた。父もあっという顔をする。
あっ、本気で忘れてたやつだ。ムカつくっ!
『もしもし、礼奈ちゃん?』
「あ、うん。ごめん。そうみたいだね」
私がやや不機嫌なあいづちを打つと、朝子ちゃんが苦笑する気配がした。『やぶ蛇だったかな』と呟くので、先を促そうと「鎌倉に?」と尋ねる。
『うん、そう。鎌倉で……おばあちゃんち、庭も広いし、久々に花火でもどうかなって。……ていうのもね、お兄ちゃんが、大学の合宿で残った花火貰って帰ってきたの。捨てるのももったいないからって。でも、うちの周りはちょっと、できそうなところもないし』
「花火って、手持ち花火? ふふ、いいね。楽しそう」
想像して、ちょっとテンションが上がった。手持ち花火なんていつぶりだっけ。あ、あれだ。栄太兄が就活の気分転換にって買ってきて、うちの庭でやったのが最後。てことは私は10歳かそこらのはず。
「お兄ちゃんたちの予定も聞いてみる?」
『うん。でも、おばあちゃんが女子会したいねって言ってたし、礼奈ちゃんの予定を優先したいなって思ってるんだ。私もしばらく会ってないから、会いたいな』
「わかった、ありがとう」
頷きながら、なんとなくむずがゆい。
いつもの親戚の集まりは、予定が決まってから連絡されるだけだから、私の予定を優先してくれることなんてない。朝子ちゃんと祖母の優しさが嬉しかった。
『それで、大丈夫なら、そのまま一緒に泊まらない? 久々に』
「おばあちゃんちに? いいね!」
ふてくされた気持ちはあっという間に切り替わり、ワクワクしてくる。
「じゃあ、スケジュール確認してまた連絡するね」
『うん、よろしく。楽しみにしてるね!』
電話を切ると、父が近寄ってきた。
「悪かったな。悠人と健人には言ったから、礼奈にも言ったつもりになってたよ」
「許しません」
ぷーっと頬を膨らませて父を見上げると、苦笑が返ってきた。
「生八ッ橋、いろんな味買ってきてね」
「……奈良土産じゃなくて?」
「新幹線なら、京都通るでしょ」
まあそうだけど、と父が苦笑する。
「あと、私も、鎌倉に一泊する。いいよね?」
「ん? 朝子ちゃんと?」
「そう。女子旅」
浮き立つ気持ちを隠しもせずに頷くと、母と父が顔を見合わせて笑った。
「気をつけて行けよ」
私は頷いて、廊下に繋がるドアを開けた。そこでふと思い立って振り向く。
「お兄ちゃんたち、今日は何時に帰ってくるのかな?」
「さあ」
「悠人は今駅に着いたって連絡あったわよ」
「わかった」
私は頷いて一歩踏み出しかけ、また振り向く。
「健人兄は? バイト? ヨーコさんち?」
「ヨーコちゃん?」
母はまばたきした。父が苦笑する。
「今日は違うと思うよ。ジョーから何も聞いてないから」
「何の話?」
「え? 健人兄、ときどきヨーコさんとご飯食べたり買い物行ったりしてるって……」
父は苦笑し、母はぽかんとしている。夫のジョーさんは父と同じ部署の後輩で、父はほぼ毎日顔を合わせているから、様子を聞いているけれど、母はそうではないのだろう。
「ときどき会ってるって話は聞いてたけど……え、デートしてるってこと? それ、ジョーは大丈夫なの?」
「公認の仲だから安心しろ。いきなりぶん投げられることはないよ」
健人兄だけでなく、ヨーコさんの夫、ジョーさんも柔道経験者なのだ。そもそも、ジョーさんに「大切な女を守れる男になれ」と冗談半分けしかけられて、幼い健人兄は真に受けたものらしい。
だから、健人兄が柔道を選んだのは、ジョーさんの影響。
そう考えれば、周りの人に影響を受けているのは私ひとりではない。
悠人兄がT大を選んだのは、たぶん叔父の隼人さんに憧れたから。
栄太兄が父の母校に進学したのも同様だろう。
じゃあ、私は……どうなっていくんだろう。
誰かに憧れるのは簡単だけど、そこに自分の実力が見合うかどうかは別の話だ。追いかけようにも、憧れる人のレベルが高すぎたら、自分の方が潰れてしまう。
そして私が憧れる大人は、みんな手が届くような気がしないのだ。
私は軽く頭を振った。
進路の話はまだ早い。もう少ししてから考えよう。
参考になるかは分からないけど、お盆の「女子会」で朝子ちゃんに志望校選びについて聞いてみようかな。
私は自分のスケジュールを確認しようと、二階の部屋に向かった。
0
お気に入りに追加
127
あなたにおすすめの小説
【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
心の声が聞こえる私は、婚約者から嫌われていることを知っている。
木山楽斗
恋愛
人の心の声が聞こえるカルミアは、婚約者が自分のことを嫌っていることを知っていた。
そんな婚約者といつまでも一緒にいるつもりはない。そう思っていたカルミアは、彼といつか婚約破棄すると決めていた。
ある時、カルミアは婚約者が浮気していることを心の声によって知った。
そこで、カルミアは、友人のロウィードに協力してもらい、浮気の証拠を集めて、婚約者に突きつけたのである。
こうして、カルミアは婚約破棄して、自分を嫌っている婚約者から解放されるのだった。
なりゆきで、君の体を調教中
星野しずく
恋愛
教師を目指す真が、ひょんなことからメイド喫茶で働く現役女子高生の優菜の特異体質を治す羽目に。毎夜行われるマッサージに悶える優菜と、自分の理性と戦う真面目な真の葛藤の日々が続く。やがて二人の心境には、徐々に変化が訪れ…。
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
【完結】烏公爵の後妻〜旦那様は亡き前妻を想い、一生喪に服すらしい〜
七瀬菜々
恋愛
------ウィンターソン公爵の元に嫁ぎなさい。
ある日突然、兄がそう言った。
魔力がなく魔術師にもなれなければ、女というだけで父と同じ医者にもなれないシャロンは『自分にできることは家のためになる結婚をすること』と、日々婚活を頑張っていた。
しかし、表情を作ることが苦手な彼女の婚活はそううまくいくはずも無く…。
そろそろ諦めて修道院にで入ろうかと思っていた矢先、突然にウィンターソン公爵との縁談が持ち上がる。
ウィンターソン公爵といえば、亡き妻エミリアのことが忘れられず、5年間ずっと喪に服したままで有名な男だ。
前妻を今でも愛している公爵は、シャロンに対して予め『自分に愛されないことを受け入れろ』という誓約書を書かせるほどに徹底していた。
これはそんなウィンターソン公爵の後妻シャロンの愛されないはずの結婚の物語である。
※基本的にちょっと残念な夫婦のお話です
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
夫の不貞現場を目撃してしまいました
秋月乃衣
恋愛
伯爵夫人ミレーユは、夫との間に子供が授からないまま、閨を共にしなくなって一年。
何故か夫から閨を拒否されてしまっているが、理由が分からない。
そんな時に夜会中の庭園で、夫と未亡人のマデリーンが、情事に耽っている場面を目撃してしまう。
なろう様でも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる