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.第2章 高校2年、夏休み
31 地区大会(2)
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廊下から、また裏へと入っていく。パーカッション系の大きな楽器はそのまま控室へ持って行く。大会が終わったら、トラックに乗せて学校へ持ち帰るのだ。
誰も何も言わなかったけど、だからこそだろう、譜面台を倒した1年生が泣き出した。その肩を、同じパートの2年生が抱く。
「すみません、すみません、すみません……」
「あやまんないで」
「いいよ……演奏、楽しかったし」
「うん、今までで一番よかった」
次々、すすり泣き始める。私も涙が溢れそうになり、唇を噛み締めてうつむいた。
「……ごめんね」
隣を歩いていたナルナルの、震える声がした。
「テンポを……速めようかとも、思ったんだけど」
私はうつむいたまま、首を振る。
「馬鹿言うな」
強がる声は、コアラのものだ。
それでもやっぱり、震えていた。
「やろうって言ってた演奏、できたじゃん。本番にハプニングはつきものだよ。今までで最高の出来じゃね? どうよ、ナーガ先生。目標、達成した?」
「なんだよ……目標って」
ナーガはふて腐れたように目を反らす。泣きそうなのを堪えているのだろう。
「楽しむ、ってやつでしょ。楽しめたら、最強なんでしょ。誰も文句言えないんでしょ。あんたがそう言ったんじゃんよ」
コアラが言いながら、ナーガの首を閉める。「やめろよ」とあばれるナーガに、みんな笑う。コアラがそうやって場を和ませようとしてくれていることを、みんな察しているのだ。
「楽しかったよ、私」
強がっていたけど、コアラの声は震えていた。
「楽しかったから、最強でしょ。誰も文句言わせないよ。うちの演奏、最高だった!」
コアラの目から涙が溢れる。他にも、部員の嗚咽が聞こえた。
「うん……楽しかった」
ぽつりと、はしもっちゃんが言った。ぎゅっと唇を閉ざして、涙を堪えていたけど、その目は晴々としていた。
「やっぱ、合奏っていいわ。最高だった。勝負の結果はどうあれ」
「どうもこうも、タイムオーバーだから失格だってば」
横からコアラが笑う。はしもっちゃんが苦笑を浮かべた。
「うん。失格でも……楽しかった。ありがと、ナルナル」
ナルナルは泣き笑いのような顔をした。その笑顔を見た瞬間、私の目からも涙が溢れそうになり、慌てて逸らす。
さざ波のような嗚咽が聞こえる。歩きながらシャツの袖で溢れる涙を拭う人。両手いっぱいに楽器を抱え、涙を拭うこともできずに頬を濡らす人。唇を噛み締め、涙をこらえて歩く人。
勝ちたかった、というよりも、もう一度、演奏したかった。
もう一度、舞台で演奏できたなら、もっと、いい演奏になっただろう。
涙が次から次に溢れて、楽器を下ろしてみんなで泣いた。
楽しかった。
最高だった。
だからこそ。
ナルナルの指揮を、私たちの音をーーもっとたくさんの人に、見て、感じてもらいたかった。
拍手の音が、耳に残っている。舞台の床から響いてくるパーカッションの音も、閃くヴァイオリンの弦も、ホールにおんおん響く管楽器の音色も、楽器同士の共鳴する音もーー
もう、知らない誰かに聞いてもらえる舞台で、同じメンバーが演奏する機会はない。あとは定期演奏会と卒業式。いずれも学校関係者だけに披露する舞台だ。
それが終われば、2年生の私たちは受験モードに切り換えることになる。
こうして、一つ一つ、終わっていくのだ。高校生、という時間が。そして、社会、へ近づいていく。一歩、また一歩。
平凡な私は、きっと無難な道を選んでいくんだろう。
道はどんどん、狭く窮屈になっていくーー
***
みんなと分かれた後も、私はそのまま家に帰る気にはなれなかった。
かといって、他の部員と寄り道する気力もない。自宅最寄り駅で降りると、ホームのベンチに腰掛けた。
スマホの連絡帳を眺めて、ある人の名前で目を止めた。
少しためらった後で、コールボタンを押して耳に当てる。ワンコール、ツーコール……数回鳴って、左手首の腕時計を確認した。
夜7時。学生にとってはそこそこの時間だけど、社会人にとってどういう時間にあたるのかは分からない。
電話に誰かが出る気配はなかった。私はため息をついて立ち上がる。帰らなければ、と思うけれど、落ち込んだ表情を見た家族がどう言うか考えると気が重い。
演奏で集中したこともあって、気持ちを言葉にする気力もなかった。何か聞かれても、まともに答えられる気がしない。
私はスマホを握りしめたまま、ぼんやりと家へ歩き始めた。普通に歩いて10分くらいの距離を、倍の時間をかけて歩いていく。
途中には昔よく遊んだ公園があった。ゴールもないのに、兄たちとバスケをしたのを覚えている。半円のジャングルジムには、登ったはいいけど降りられなくなって泣いた。私を見て、悠人兄は下ろし方が分からず、泣きながら助けを求めた。健人兄は強がっていたけど不安そうな顔をしていた。
そんな3人を見た彼が、私を抱き上げて笑った。
その声が、耳によみがえる。
ナルナルの笑い声によく似たーーああ、そうだ。あの声は。
スマホが震えた。びくりと肩を震わせて、スマホの画面を見る。そこにはさっき私がコールした名前が表示されている。
受話ボタンを押す私の指は、小刻みに震えていた。
「ーーもしも」
『どうかしたか?』
私の声を最後まで聞かず、優しい声が戸惑ったように問うた。語尾に向けて上がるイントネーションは、関東のものと違う。ずぐりと胸が疼いた。その瞬間、どうにか留めていた涙が、一気に溢れ出す。
「……なんで、電話、すぐ出ないのよぅ」
『んっ、えっ? あ、あぁ……わ、悪かったな』
私の声はみっともなく震えていたけど、嗚咽を飲み込む気もなかった。えぐえぐと泣く私に、電話の向こうの声は思いっきり戸惑っている。
『な、なんや? どないした? 礼奈ーー』
「勝手に、見に、来るから、負けちゃった、じゃん」
ひっく、うっく、と嗚咽の合間に言うと、相手はうろたえて言葉を続ける。
『そ、それ俺のせいやの?』
そんなわけない。冗談だ。責任転嫁だ。
こんなわがまま、他の人には言わない。
彼にしか、言わない。
『えーと、いい演奏やったで。他の学校聞いてへんし、音楽のことよぅ分からへんけど、なんやみんな楽しそうやったし、いい顔してはってーー』
私の涙はますます溢れて止まらない。他の人の前で頑なな鎧が、彼の前ではいつもあっさり取り払われてしまう。
礼奈、と声がした。私はえぐえぐ言う合間に、息を吸う。
「来て、くれて、ありがとうーー栄太兄」
栄太兄の言葉が止まった。私の嗚咽だけが、しばらく二人の間に響く。スピーカー越しにも、自分の泣き声が聞こえた。
『お疲れさん、礼奈』
私の嗚咽が落ち着いてきた頃、栄太兄が言った。
『よう、がんばったな』
うん、と頷く。
がんばったよ。
私なりに、できることはした。
みんなも、がんばったんだよ。
だから後悔はないんだ。
後悔は……しちゃ、いけない。
悲しんでいる姿を見せれば、ミスをした後輩を傷つけるだろう、と思った。だから涙は見せなかった――後輩を責めるわけにはいかなかったし、傷つけたくなかったから。
ーーでも、今は。
私はしばらく泣き続けた。栄太兄は黙ってつき合ってくれた。
誰も何も言わなかったけど、だからこそだろう、譜面台を倒した1年生が泣き出した。その肩を、同じパートの2年生が抱く。
「すみません、すみません、すみません……」
「あやまんないで」
「いいよ……演奏、楽しかったし」
「うん、今までで一番よかった」
次々、すすり泣き始める。私も涙が溢れそうになり、唇を噛み締めてうつむいた。
「……ごめんね」
隣を歩いていたナルナルの、震える声がした。
「テンポを……速めようかとも、思ったんだけど」
私はうつむいたまま、首を振る。
「馬鹿言うな」
強がる声は、コアラのものだ。
それでもやっぱり、震えていた。
「やろうって言ってた演奏、できたじゃん。本番にハプニングはつきものだよ。今までで最高の出来じゃね? どうよ、ナーガ先生。目標、達成した?」
「なんだよ……目標って」
ナーガはふて腐れたように目を反らす。泣きそうなのを堪えているのだろう。
「楽しむ、ってやつでしょ。楽しめたら、最強なんでしょ。誰も文句言えないんでしょ。あんたがそう言ったんじゃんよ」
コアラが言いながら、ナーガの首を閉める。「やめろよ」とあばれるナーガに、みんな笑う。コアラがそうやって場を和ませようとしてくれていることを、みんな察しているのだ。
「楽しかったよ、私」
強がっていたけど、コアラの声は震えていた。
「楽しかったから、最強でしょ。誰も文句言わせないよ。うちの演奏、最高だった!」
コアラの目から涙が溢れる。他にも、部員の嗚咽が聞こえた。
「うん……楽しかった」
ぽつりと、はしもっちゃんが言った。ぎゅっと唇を閉ざして、涙を堪えていたけど、その目は晴々としていた。
「やっぱ、合奏っていいわ。最高だった。勝負の結果はどうあれ」
「どうもこうも、タイムオーバーだから失格だってば」
横からコアラが笑う。はしもっちゃんが苦笑を浮かべた。
「うん。失格でも……楽しかった。ありがと、ナルナル」
ナルナルは泣き笑いのような顔をした。その笑顔を見た瞬間、私の目からも涙が溢れそうになり、慌てて逸らす。
さざ波のような嗚咽が聞こえる。歩きながらシャツの袖で溢れる涙を拭う人。両手いっぱいに楽器を抱え、涙を拭うこともできずに頬を濡らす人。唇を噛み締め、涙をこらえて歩く人。
勝ちたかった、というよりも、もう一度、演奏したかった。
もう一度、舞台で演奏できたなら、もっと、いい演奏になっただろう。
涙が次から次に溢れて、楽器を下ろしてみんなで泣いた。
楽しかった。
最高だった。
だからこそ。
ナルナルの指揮を、私たちの音をーーもっとたくさんの人に、見て、感じてもらいたかった。
拍手の音が、耳に残っている。舞台の床から響いてくるパーカッションの音も、閃くヴァイオリンの弦も、ホールにおんおん響く管楽器の音色も、楽器同士の共鳴する音もーー
もう、知らない誰かに聞いてもらえる舞台で、同じメンバーが演奏する機会はない。あとは定期演奏会と卒業式。いずれも学校関係者だけに披露する舞台だ。
それが終われば、2年生の私たちは受験モードに切り換えることになる。
こうして、一つ一つ、終わっていくのだ。高校生、という時間が。そして、社会、へ近づいていく。一歩、また一歩。
平凡な私は、きっと無難な道を選んでいくんだろう。
道はどんどん、狭く窮屈になっていくーー
***
みんなと分かれた後も、私はそのまま家に帰る気にはなれなかった。
かといって、他の部員と寄り道する気力もない。自宅最寄り駅で降りると、ホームのベンチに腰掛けた。
スマホの連絡帳を眺めて、ある人の名前で目を止めた。
少しためらった後で、コールボタンを押して耳に当てる。ワンコール、ツーコール……数回鳴って、左手首の腕時計を確認した。
夜7時。学生にとってはそこそこの時間だけど、社会人にとってどういう時間にあたるのかは分からない。
電話に誰かが出る気配はなかった。私はため息をついて立ち上がる。帰らなければ、と思うけれど、落ち込んだ表情を見た家族がどう言うか考えると気が重い。
演奏で集中したこともあって、気持ちを言葉にする気力もなかった。何か聞かれても、まともに答えられる気がしない。
私はスマホを握りしめたまま、ぼんやりと家へ歩き始めた。普通に歩いて10分くらいの距離を、倍の時間をかけて歩いていく。
途中には昔よく遊んだ公園があった。ゴールもないのに、兄たちとバスケをしたのを覚えている。半円のジャングルジムには、登ったはいいけど降りられなくなって泣いた。私を見て、悠人兄は下ろし方が分からず、泣きながら助けを求めた。健人兄は強がっていたけど不安そうな顔をしていた。
そんな3人を見た彼が、私を抱き上げて笑った。
その声が、耳によみがえる。
ナルナルの笑い声によく似たーーああ、そうだ。あの声は。
スマホが震えた。びくりと肩を震わせて、スマホの画面を見る。そこにはさっき私がコールした名前が表示されている。
受話ボタンを押す私の指は、小刻みに震えていた。
「ーーもしも」
『どうかしたか?』
私の声を最後まで聞かず、優しい声が戸惑ったように問うた。語尾に向けて上がるイントネーションは、関東のものと違う。ずぐりと胸が疼いた。その瞬間、どうにか留めていた涙が、一気に溢れ出す。
「……なんで、電話、すぐ出ないのよぅ」
『んっ、えっ? あ、あぁ……わ、悪かったな』
私の声はみっともなく震えていたけど、嗚咽を飲み込む気もなかった。えぐえぐと泣く私に、電話の向こうの声は思いっきり戸惑っている。
『な、なんや? どないした? 礼奈ーー』
「勝手に、見に、来るから、負けちゃった、じゃん」
ひっく、うっく、と嗚咽の合間に言うと、相手はうろたえて言葉を続ける。
『そ、それ俺のせいやの?』
そんなわけない。冗談だ。責任転嫁だ。
こんなわがまま、他の人には言わない。
彼にしか、言わない。
『えーと、いい演奏やったで。他の学校聞いてへんし、音楽のことよぅ分からへんけど、なんやみんな楽しそうやったし、いい顔してはってーー』
私の涙はますます溢れて止まらない。他の人の前で頑なな鎧が、彼の前ではいつもあっさり取り払われてしまう。
礼奈、と声がした。私はえぐえぐ言う合間に、息を吸う。
「来て、くれて、ありがとうーー栄太兄」
栄太兄の言葉が止まった。私の嗚咽だけが、しばらく二人の間に響く。スピーカー越しにも、自分の泣き声が聞こえた。
『お疲れさん、礼奈』
私の嗚咽が落ち着いてきた頃、栄太兄が言った。
『よう、がんばったな』
うん、と頷く。
がんばったよ。
私なりに、できることはした。
みんなも、がんばったんだよ。
だから後悔はないんだ。
後悔は……しちゃ、いけない。
悲しんでいる姿を見せれば、ミスをした後輩を傷つけるだろう、と思った。だから涙は見せなかった――後輩を責めるわけにはいかなかったし、傷つけたくなかったから。
ーーでも、今は。
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