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.第1章 高校2年、前期
14 合宿(3)
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訳もなく泣き出した私を、みんなは優しく慰めてくれた。ナーガの言葉に傷ついたのだと思った子もいたけど、そうじゃない、ということだけはちゃんと伝えた。
私はただ、ナーガに共感したのだ。
キラキラしているみんなの中で、ひとりだけみじめな自分。
どれだけ努力しても、みんなみたいになれない。
持って生まれた能力。才能。魅力。
誰にも負けない、その人だけが持つ宝石。
羨ましくて仕方がない。何もない私みたいな人間にとっては。
だから、私たちはひがむ。羨む。
そして自分を蔑む。
でもその度に、そんな自分が嫌になるのだ。
キラキラ輝くものを持った人も、それに甘えている訳でないことを知っているから。
「ありがとう、でも」
私は気遣かってくれるみんなに微笑みを向けて、立ち上がった。
「……ナーガのこと、探してくる」
無意識に、ナルナルの方を見ていた。
「……吹奏楽が嫌になった訳じゃないと思うんだ。きっと、いろいろあって……混乱したんだと思うから」
行ってくるね。と微笑むと、ナルナルはふわりと笑顔を返してきた。
「……ありがとう、礼ちゃん」
私は首を振る。コアラが横から私をつついた。
「多分、あそこ。部室棟と校舎の間の、自販機の辺り」
「え?」
コアラがにやりとする。
「ランニング、ナーガとサボるときはいっつもあそこ」
「あんたたちー」
はしもっちゃんが呆れた顔で腕組みをした。私は笑う。
「了解、ありがと。行ってみる」
「楽器、持って行っとくね」
「うん」
「パーリーが行くべきじゃないの」「他の人は行かなくてもいいの?」「今は礼ちゃんに任せようよ」と他のメンバーがやりとりする声が聞こえる。
音楽室の防音ドアは、開けるときに腕に重い。体重をかけて押し開けると、廊下から風が吹き込んできた。
私一人分の隙間から滑り出て、扉が閉まる。楽器をしまう音やみんなの会話は、一気に聞こえなくなった。
私は薄ぐらい廊下を歩き出す。
話そうよ、ナーガ。
大丈夫、みんな聞いてくれるから。
唇を引き結んで、私は階段を降りはじめた。
***
コアラに教えられた通り、校舎と部室棟の間まで来てみた。
空は少し赤みがかり、夕日に近くなっている。上空は風が強いのか、2層になった雲のうち、上の雲だけがスライドしていくのが見えた。
ぐんぐん進む雲と、ゆっくり進む雲。
まるで雲にも個性があるかのようだ。
「ナーガ、どこにいるの?」
きょろきょろしながら探してみる。植樹の影、自販機の影……
「ナーガ?」
「……ここ」
思わぬところから聞こえて、私はびくりと身をすくめた。
仰ぎ見ると、校舎と部室棟をつなぐ渡り廊下のひさしの上、繋ぎ目手前のコンクリートの部分にナーガがふて腐れた表情で座っている。
「……なんでここだって思ったの」
「えーと」
「コアラだろ」
「……うん、まあ」
ナーガが深々とため息をついて、頭をガシガシ掻く。
「……そんで、礼ちゃんだけ来るわけ?」
「みんなでわらわら来て欲しかった?」
「別にそういう訳じゃないけど」
私はナーガの座る近くまで寄って、ナーガを見上げた。
「そんなとこいたら、危ないよ」
「知ってるよ」
「人が乗ることは想定されてないと思う」
「だろうね」
「降りておいでよ」
「じゃあそこ、どいて」
言われて肩をすくめた。確かに飛び降りるにも、私がここにいたら邪魔なのだろう。
私が数歩、後ろに下がると、ナーガは足を伸ばしてから、ストンと降りてきた。
そして、花壇のレンガ囲いの上に浅く腰掛ける。
私は沈黙に戸惑って、とりあえず自販機の前に立った。
ガコン、ガコン、と音が響く。転がり出た飲み物を手に、ナーガに差し出す。
「どっちがいい?」
「ブラックコーヒーか緑茶……?」
「どっちでも自分が飲みたいものなら損しないでしょ」
ナーガは私と2本の飲み物を見比べ、笑いながら手を伸ばした。
「意外と渋いよね、礼ちゃん」
「褒め言葉として受け取っておきます」
ナーガが手にしたのは緑茶だった。私は缶コーヒーのプルタブを開け、一口飲む。
家で飲むコーヒーに比べれば、香りも味も残念だけれど、こればっかりは仕方ない。
ナーガが私の横で、ペットボトルをひねるのに悪戦苦闘している。
「……開けてあげようか?」
「いや、大丈夫っ……」
キャップが開く音がした。キャップを外して安堵の表情を浮かべたナーガが、気まずげに私を見やった。
「上、登ろうとして、握力使っただけだから。いつもこうじゃないから」
「うん、まあ……いいんじゃない、いつもそうでも……」
「ペットボトルの蓋開けられないから開けてー」て台詞、女子だけの特権でもないだろう。男子が言ってもいいんじゃなかろうか。少なくとも、私なら気にせず開けてあげるけれど。
ナーガはお茶を数口飲んで、ほっと息を吐き出した。
その横顔に微笑み、問いかける。
「落ち着いた?」
「……まあ、少しは」
私とナーガの間を、風が吹いていく。
春の風は柔らかくて埃っぽい。指先で頬を撫でると、砂でざらついているような気がした。
「……ナーガはさ、どうして、譜面通りの演奏が嫌なの?」
ぽつりと聞くと、ナーガは一瞬、言葉を止めた。
「……勝てる演奏、っていうのも、気持ちは……分かるよ」
考えながら、ぽつりぽつりと、返ってくる。
「でも……勝つのが目的ならさ、勝たなかったら、それで終わりだろ。負けたら、はい終わりねって、そうなるじゃん」
「……うん」
不必要な言葉を挟まずに頷く。
親御さんに、そう言われたんだろうか。
「俺だって俺なりに、楽しくやろうと思ってたよ。思ってるよ。だけど、少し音がかすれたり切れたり、うまく演奏できなかったりすると……どんどん自分が嫌になる」
ナーガは膝の上に肘をつき、うつむいた。
私はただ、ナーガに共感したのだ。
キラキラしているみんなの中で、ひとりだけみじめな自分。
どれだけ努力しても、みんなみたいになれない。
持って生まれた能力。才能。魅力。
誰にも負けない、その人だけが持つ宝石。
羨ましくて仕方がない。何もない私みたいな人間にとっては。
だから、私たちはひがむ。羨む。
そして自分を蔑む。
でもその度に、そんな自分が嫌になるのだ。
キラキラ輝くものを持った人も、それに甘えている訳でないことを知っているから。
「ありがとう、でも」
私は気遣かってくれるみんなに微笑みを向けて、立ち上がった。
「……ナーガのこと、探してくる」
無意識に、ナルナルの方を見ていた。
「……吹奏楽が嫌になった訳じゃないと思うんだ。きっと、いろいろあって……混乱したんだと思うから」
行ってくるね。と微笑むと、ナルナルはふわりと笑顔を返してきた。
「……ありがとう、礼ちゃん」
私は首を振る。コアラが横から私をつついた。
「多分、あそこ。部室棟と校舎の間の、自販機の辺り」
「え?」
コアラがにやりとする。
「ランニング、ナーガとサボるときはいっつもあそこ」
「あんたたちー」
はしもっちゃんが呆れた顔で腕組みをした。私は笑う。
「了解、ありがと。行ってみる」
「楽器、持って行っとくね」
「うん」
「パーリーが行くべきじゃないの」「他の人は行かなくてもいいの?」「今は礼ちゃんに任せようよ」と他のメンバーがやりとりする声が聞こえる。
音楽室の防音ドアは、開けるときに腕に重い。体重をかけて押し開けると、廊下から風が吹き込んできた。
私一人分の隙間から滑り出て、扉が閉まる。楽器をしまう音やみんなの会話は、一気に聞こえなくなった。
私は薄ぐらい廊下を歩き出す。
話そうよ、ナーガ。
大丈夫、みんな聞いてくれるから。
唇を引き結んで、私は階段を降りはじめた。
***
コアラに教えられた通り、校舎と部室棟の間まで来てみた。
空は少し赤みがかり、夕日に近くなっている。上空は風が強いのか、2層になった雲のうち、上の雲だけがスライドしていくのが見えた。
ぐんぐん進む雲と、ゆっくり進む雲。
まるで雲にも個性があるかのようだ。
「ナーガ、どこにいるの?」
きょろきょろしながら探してみる。植樹の影、自販機の影……
「ナーガ?」
「……ここ」
思わぬところから聞こえて、私はびくりと身をすくめた。
仰ぎ見ると、校舎と部室棟をつなぐ渡り廊下のひさしの上、繋ぎ目手前のコンクリートの部分にナーガがふて腐れた表情で座っている。
「……なんでここだって思ったの」
「えーと」
「コアラだろ」
「……うん、まあ」
ナーガが深々とため息をついて、頭をガシガシ掻く。
「……そんで、礼ちゃんだけ来るわけ?」
「みんなでわらわら来て欲しかった?」
「別にそういう訳じゃないけど」
私はナーガの座る近くまで寄って、ナーガを見上げた。
「そんなとこいたら、危ないよ」
「知ってるよ」
「人が乗ることは想定されてないと思う」
「だろうね」
「降りておいでよ」
「じゃあそこ、どいて」
言われて肩をすくめた。確かに飛び降りるにも、私がここにいたら邪魔なのだろう。
私が数歩、後ろに下がると、ナーガは足を伸ばしてから、ストンと降りてきた。
そして、花壇のレンガ囲いの上に浅く腰掛ける。
私は沈黙に戸惑って、とりあえず自販機の前に立った。
ガコン、ガコン、と音が響く。転がり出た飲み物を手に、ナーガに差し出す。
「どっちがいい?」
「ブラックコーヒーか緑茶……?」
「どっちでも自分が飲みたいものなら損しないでしょ」
ナーガは私と2本の飲み物を見比べ、笑いながら手を伸ばした。
「意外と渋いよね、礼ちゃん」
「褒め言葉として受け取っておきます」
ナーガが手にしたのは緑茶だった。私は缶コーヒーのプルタブを開け、一口飲む。
家で飲むコーヒーに比べれば、香りも味も残念だけれど、こればっかりは仕方ない。
ナーガが私の横で、ペットボトルをひねるのに悪戦苦闘している。
「……開けてあげようか?」
「いや、大丈夫っ……」
キャップが開く音がした。キャップを外して安堵の表情を浮かべたナーガが、気まずげに私を見やった。
「上、登ろうとして、握力使っただけだから。いつもこうじゃないから」
「うん、まあ……いいんじゃない、いつもそうでも……」
「ペットボトルの蓋開けられないから開けてー」て台詞、女子だけの特権でもないだろう。男子が言ってもいいんじゃなかろうか。少なくとも、私なら気にせず開けてあげるけれど。
ナーガはお茶を数口飲んで、ほっと息を吐き出した。
その横顔に微笑み、問いかける。
「落ち着いた?」
「……まあ、少しは」
私とナーガの間を、風が吹いていく。
春の風は柔らかくて埃っぽい。指先で頬を撫でると、砂でざらついているような気がした。
「……ナーガはさ、どうして、譜面通りの演奏が嫌なの?」
ぽつりと聞くと、ナーガは一瞬、言葉を止めた。
「……勝てる演奏、っていうのも、気持ちは……分かるよ」
考えながら、ぽつりぽつりと、返ってくる。
「でも……勝つのが目的ならさ、勝たなかったら、それで終わりだろ。負けたら、はい終わりねって、そうなるじゃん」
「……うん」
不必要な言葉を挟まずに頷く。
親御さんに、そう言われたんだろうか。
「俺だって俺なりに、楽しくやろうと思ってたよ。思ってるよ。だけど、少し音がかすれたり切れたり、うまく演奏できなかったりすると……どんどん自分が嫌になる」
ナーガは膝の上に肘をつき、うつむいた。
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