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第四部
04 親
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関東の人には「九州なら、暖かいんでしょう」と言われるけど、実際のところ、冬は都内よりも福岡の方が雪が降る日は多い気がする。
朝。目を覚ますと、隣に眠っていた母の布団はもう畳まれていた。冷えきった空気に布団を出る勇気がわかず、しばらくごろごろしていると、ドアをノックする音がした。
「ヒカル。起きなさい」
「ええ、まだ早いよぅ」
お母さんが顔をのぞかせ、私は布団に身を縮めた。
ちらりと見やった時計はまだ7時前を示している。
「寒いぃ」
「下、あったまってるわよ」
母は笑いながら私の頭を撫でた。思春期のときに離れていたからか、母はついつい私を子ども扱いしてしまうらしい。私はときどきそれを茶化すけど、大概は甘んじて受け止めることにしている。それにいちいち反発するほど子どもではない。
「太宰府でお守り買ったのね」
お母さんは私の頭から手を離すと、枕元の私の鞄に揺れている二つのお守りを見た。それを手にしてにやりと笑う。
そういう顔は、私とよく似ている。お父さんもおじいちゃんもおばあちゃんもそう言うし、私も確かにそう思う。
私は気恥ずかしさに目を反らした。
「北野天満宮のまで。優しいわねぇ、山ちゃん」
1年の夏、山ちゃんが東京に来たときに挨拶したので、私に彼氏らしい気配を嗅ぎ付けたお母さんはすぐに「あの子でしょ」と言った。
あえて隠すことでもないと私が頷くと、「誠実そうないい子ね。さすが私の娘だわ」とお母さんは私の頭を撫でた。
私はそれを聞きながら複雑な気持ちになったものだった。何故かって、九州にいるお父さんを思い出したのだ。
お父さんのことは好きだけれど……それは娘としてであって、男性として魅力的かと言われれば、正直疑問なところだ。
お母さんはくすりと笑ってお守りから目を離すと、私が包まっている布団に手をかけた。
「ほらっ、起きなさい! 明日は帰るんだから、今日一日しっかり働くわよ」
「えーっ。明日帰るんだから、ゆっくりさせてよー」
「なーに言ってんの。昨日も一昨日も、友達と楽しく過ごしたんでしょ。おじいちゃんおばあちゃんとも過ごしなさい」
言われて、私はちょっとあごを引く。そう言われれば確かに、今回の帰省ではおじいちゃんおばあちゃんにあんまりつき合っていない。私はのろのろと起き出した。
「二人とも、これから朝の散歩に行くんだって。あんたも運動不足だって言ってたでしょ、一緒に行って来なさいよ」
年寄りの朝は早いのだ。おじいちゃんもおばあちゃんも、6時前には起き出して、7時頃から三十分くらい散歩する。
私はため息混じりに、はーい、と答えた。
「……お母さんは一緒に来ないの?」
「私はお父さんと一緒に待ってます」
「ずるいー」
私が唇を尖らせると、お母さんは笑った。
「少しくらい、ゆっくり話させてよ。私も久しぶりなんだから」
私はその表情に、母というより女を見て、ちょっとだけドキッとした。
あ、そうか。お母さんは、元々はお父さんの恋人で、結婚して妻になって、私を産んで母になったんだ。
そんな当たり前のことに改めて気づき、山ちゃんと過ごしているときの気分を思い出した。
「……お母さんはさ」
私はのろのろと着替えながら、私の布団を畳むお母さんに声をかける。
「お父さんと一緒にいて、楽しいなって思うの?」
言ってから、後悔した。これ、否定されたら結構なダメージじゃない。他の誰でもない、私にとって。
戸籍上どうなっているかは分からない。でも、お母さんとお父さんが別居を選んだのは事実で、一時期とはいえ、私のことだけを連絡しあっていたことも、間違いないのだ。
ドキドキしながら何気ない風を装ってお母さんの様子を見ていると、お母さんは私の方をちらりと見て、少し遠い目をした。
「そうねぇ。楽しくないと思った時期はあったわ」
お母さんが畳んだ布団は、どことなく不格好だ。きっちりしているようで比較的細かいことは気にしない、とお父さんがときどき文句を言っていたけど、そういうお父さんだって、押さえるべきポイントがズレていたりするからお互い様だと思う。
「楽しいかって言われると、ちょっと違うかもね。お父さんは……仲間っていうか……戦友っていうか……」
お母さんは首を傾げ傾げ、言葉を探した。
「なんて言ったらいいのか、わかんないわ。私理系人間だから。そういうの、ヒカルの方が得意でしょ」
言って笑い、布団を寄せる。
ほっとすると同時に、私は畳まれた布団の歪みに、不思議な温もりを覚えた。
「私だって、わかんないよ。お母さんじゃないもん」
お母さんが言葉にしようとしているその感情が何なのかわからないけど、その表情は穏やかだった。今に至るまでに感じたいろんな想いはあるだろう。でも、少なくとも今は、お父さんのことを大切に思っているのだろう。
「ヒカルは、山ちゃんのこと、好きなんでしょう?」
私は動きを止めた。お母さんの意図を探ろうとその顔を見たけど、別に茶化すつもりではないらしい。
「お母さんも、お父さんのことを、そういう風に好きだったときがあった。お父さんもそうよね」
懐かしそうな笑顔は、私に向けられているようで、実際には過去の自分に向けられていると分かる。
まだ、妻でも母でもなかった頃のお母さん。
そのときのお母さんは、私とあまり変わらなかったんだろう。
そう思うと、なんだか不思議だった。
「でも、私はお父さんと一度離れてよかったと思ってる。互いが大切にしたいものが、少しずれ始めていたから」
お母さんは私の顔から目を反らした。
「私は私が大切にしたいものを諦めたくなかった。でも、おじいちゃんたちにしたら、当然女が諦めるものと思ってたのよね。まあ、おじいちゃんだけじゃないけれど。会社の人たちもそう言ってたし、ママ友だってそう言ってた。『気持ちは分かるけど、仕方ないよね。家族のためだし』って。みんな、ちょっとだけ困った顔でそう言うの。悩んでいるうちに、だんだん笑うことができなくなって、勝手に仕事を辞めて福岡に帰ると決めたお父さんに腹が立った。お父さんは、ああいう人でしょう。別に悪気があったわけじゃなくて、私がそんなに仕事を続けたがっているなんて思わなかったみたい。そんな鈍感な人を選んだのも私なのに、あのときは許せなかった。ヒカルにも心配をかけて、そんな自分がますます嫌になって……」
お母さんは私の肩にそっと手を添えた。
「でも、お父さんは私を解放してくれた。自分の生き方を私に押し付ける気はないから、って。おじいちゃんたちは怒ったし、ヒカルをどうするんだ、かわいそうだ、母親の自覚はあるのか、って言われたけど……お父さんも、妻を説得できないような甲斐性なしって怒鳴られたけど……それでも黙って、堪えてくれた。あの弱っちいお父さんが、よく頑張ってくれたと思うわ」
言うと、私の顔をうかがうように覗き見た。
「嫌かしら、こんな話。でもね、いい機会だと思って」
私によく似た切れ長の目が、私を覗き込んでくる。私はその目を見返して、私もお母さんくらいの歳になると、こんな表情をするんだろうかと思った。
「山ちゃんとあなたがどういうつき合い方をしてるか、お母さんに報告する必要はないと思ってる。あなたはちゃんと自分で考えて行動できるし、山ちゃんはきっと、それを肯定してくれる子なんだと思う。……でも、一年間離れても、それがそのまま続くかどうかは分からない。互いにとって、いい面もあるし、悪い面もあるかもしれない」
お母さんはあくまで穏やかに続ける。
「あなたが望む経験は、すべきだと思う。でも、リスクだってある。それでもーー行くのね?」
私は視線を鞄についた二つのお守りに移し、再びお母さんを見た。
「行く」
言った後、頭を下げた。
「ーー行かせてください」
学費は基本的にお父さんが出しているから、留学代はお母さんの稼ぎから出す。そんな話を電話でしていたのを聞いたことを思い出す。
お母さんは笑って、私の肩を叩いた。
「私が稼いだお金、あなたのために使えるなら、本望だわ」
私は頭を下げたまま、ちょっとだけ泣きそうになった。
朝。目を覚ますと、隣に眠っていた母の布団はもう畳まれていた。冷えきった空気に布団を出る勇気がわかず、しばらくごろごろしていると、ドアをノックする音がした。
「ヒカル。起きなさい」
「ええ、まだ早いよぅ」
お母さんが顔をのぞかせ、私は布団に身を縮めた。
ちらりと見やった時計はまだ7時前を示している。
「寒いぃ」
「下、あったまってるわよ」
母は笑いながら私の頭を撫でた。思春期のときに離れていたからか、母はついつい私を子ども扱いしてしまうらしい。私はときどきそれを茶化すけど、大概は甘んじて受け止めることにしている。それにいちいち反発するほど子どもではない。
「太宰府でお守り買ったのね」
お母さんは私の頭から手を離すと、枕元の私の鞄に揺れている二つのお守りを見た。それを手にしてにやりと笑う。
そういう顔は、私とよく似ている。お父さんもおじいちゃんもおばあちゃんもそう言うし、私も確かにそう思う。
私は気恥ずかしさに目を反らした。
「北野天満宮のまで。優しいわねぇ、山ちゃん」
1年の夏、山ちゃんが東京に来たときに挨拶したので、私に彼氏らしい気配を嗅ぎ付けたお母さんはすぐに「あの子でしょ」と言った。
あえて隠すことでもないと私が頷くと、「誠実そうないい子ね。さすが私の娘だわ」とお母さんは私の頭を撫でた。
私はそれを聞きながら複雑な気持ちになったものだった。何故かって、九州にいるお父さんを思い出したのだ。
お父さんのことは好きだけれど……それは娘としてであって、男性として魅力的かと言われれば、正直疑問なところだ。
お母さんはくすりと笑ってお守りから目を離すと、私が包まっている布団に手をかけた。
「ほらっ、起きなさい! 明日は帰るんだから、今日一日しっかり働くわよ」
「えーっ。明日帰るんだから、ゆっくりさせてよー」
「なーに言ってんの。昨日も一昨日も、友達と楽しく過ごしたんでしょ。おじいちゃんおばあちゃんとも過ごしなさい」
言われて、私はちょっとあごを引く。そう言われれば確かに、今回の帰省ではおじいちゃんおばあちゃんにあんまりつき合っていない。私はのろのろと起き出した。
「二人とも、これから朝の散歩に行くんだって。あんたも運動不足だって言ってたでしょ、一緒に行って来なさいよ」
年寄りの朝は早いのだ。おじいちゃんもおばあちゃんも、6時前には起き出して、7時頃から三十分くらい散歩する。
私はため息混じりに、はーい、と答えた。
「……お母さんは一緒に来ないの?」
「私はお父さんと一緒に待ってます」
「ずるいー」
私が唇を尖らせると、お母さんは笑った。
「少しくらい、ゆっくり話させてよ。私も久しぶりなんだから」
私はその表情に、母というより女を見て、ちょっとだけドキッとした。
あ、そうか。お母さんは、元々はお父さんの恋人で、結婚して妻になって、私を産んで母になったんだ。
そんな当たり前のことに改めて気づき、山ちゃんと過ごしているときの気分を思い出した。
「……お母さんはさ」
私はのろのろと着替えながら、私の布団を畳むお母さんに声をかける。
「お父さんと一緒にいて、楽しいなって思うの?」
言ってから、後悔した。これ、否定されたら結構なダメージじゃない。他の誰でもない、私にとって。
戸籍上どうなっているかは分からない。でも、お母さんとお父さんが別居を選んだのは事実で、一時期とはいえ、私のことだけを連絡しあっていたことも、間違いないのだ。
ドキドキしながら何気ない風を装ってお母さんの様子を見ていると、お母さんは私の方をちらりと見て、少し遠い目をした。
「そうねぇ。楽しくないと思った時期はあったわ」
お母さんが畳んだ布団は、どことなく不格好だ。きっちりしているようで比較的細かいことは気にしない、とお父さんがときどき文句を言っていたけど、そういうお父さんだって、押さえるべきポイントがズレていたりするからお互い様だと思う。
「楽しいかって言われると、ちょっと違うかもね。お父さんは……仲間っていうか……戦友っていうか……」
お母さんは首を傾げ傾げ、言葉を探した。
「なんて言ったらいいのか、わかんないわ。私理系人間だから。そういうの、ヒカルの方が得意でしょ」
言って笑い、布団を寄せる。
ほっとすると同時に、私は畳まれた布団の歪みに、不思議な温もりを覚えた。
「私だって、わかんないよ。お母さんじゃないもん」
お母さんが言葉にしようとしているその感情が何なのかわからないけど、その表情は穏やかだった。今に至るまでに感じたいろんな想いはあるだろう。でも、少なくとも今は、お父さんのことを大切に思っているのだろう。
「ヒカルは、山ちゃんのこと、好きなんでしょう?」
私は動きを止めた。お母さんの意図を探ろうとその顔を見たけど、別に茶化すつもりではないらしい。
「お母さんも、お父さんのことを、そういう風に好きだったときがあった。お父さんもそうよね」
懐かしそうな笑顔は、私に向けられているようで、実際には過去の自分に向けられていると分かる。
まだ、妻でも母でもなかった頃のお母さん。
そのときのお母さんは、私とあまり変わらなかったんだろう。
そう思うと、なんだか不思議だった。
「でも、私はお父さんと一度離れてよかったと思ってる。互いが大切にしたいものが、少しずれ始めていたから」
お母さんは私の顔から目を反らした。
「私は私が大切にしたいものを諦めたくなかった。でも、おじいちゃんたちにしたら、当然女が諦めるものと思ってたのよね。まあ、おじいちゃんだけじゃないけれど。会社の人たちもそう言ってたし、ママ友だってそう言ってた。『気持ちは分かるけど、仕方ないよね。家族のためだし』って。みんな、ちょっとだけ困った顔でそう言うの。悩んでいるうちに、だんだん笑うことができなくなって、勝手に仕事を辞めて福岡に帰ると決めたお父さんに腹が立った。お父さんは、ああいう人でしょう。別に悪気があったわけじゃなくて、私がそんなに仕事を続けたがっているなんて思わなかったみたい。そんな鈍感な人を選んだのも私なのに、あのときは許せなかった。ヒカルにも心配をかけて、そんな自分がますます嫌になって……」
お母さんは私の肩にそっと手を添えた。
「でも、お父さんは私を解放してくれた。自分の生き方を私に押し付ける気はないから、って。おじいちゃんたちは怒ったし、ヒカルをどうするんだ、かわいそうだ、母親の自覚はあるのか、って言われたけど……お父さんも、妻を説得できないような甲斐性なしって怒鳴られたけど……それでも黙って、堪えてくれた。あの弱っちいお父さんが、よく頑張ってくれたと思うわ」
言うと、私の顔をうかがうように覗き見た。
「嫌かしら、こんな話。でもね、いい機会だと思って」
私によく似た切れ長の目が、私を覗き込んでくる。私はその目を見返して、私もお母さんくらいの歳になると、こんな表情をするんだろうかと思った。
「山ちゃんとあなたがどういうつき合い方をしてるか、お母さんに報告する必要はないと思ってる。あなたはちゃんと自分で考えて行動できるし、山ちゃんはきっと、それを肯定してくれる子なんだと思う。……でも、一年間離れても、それがそのまま続くかどうかは分からない。互いにとって、いい面もあるし、悪い面もあるかもしれない」
お母さんはあくまで穏やかに続ける。
「あなたが望む経験は、すべきだと思う。でも、リスクだってある。それでもーー行くのね?」
私は視線を鞄についた二つのお守りに移し、再びお母さんを見た。
「行く」
言った後、頭を下げた。
「ーー行かせてください」
学費は基本的にお父さんが出しているから、留学代はお母さんの稼ぎから出す。そんな話を電話でしていたのを聞いたことを思い出す。
お母さんは笑って、私の肩を叩いた。
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