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第一夜 課長とAV談義で盛り上がった結果。
05
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ということで、月曜日。
午前中の出張を済ませ、気合いを入れて午後出勤した私を迎えた同僚はどこかよそよそしかった。
「あ、作田さん……おつかれさまです」
なんとなく元気のない金田くんが私に曖昧に微笑んで来るので、首を傾げる。
「あの……金田くん、みんなどうかしたの?」
そして気づく。そういえば、暑気払いの後、私と課長は二人で夜の町に消えたのだ。部下をお持ち帰りした男とか、そんなよろしくない噂がたってもおかしくない。課長の評価にマイナスになるような噂が立つのはマズイと、私は慌てた。
「あっ、あの、金曜の夜、すっかり課長と話が盛り上がっちゃってさー。終電間に合わなくてタクシー帰りだよ、あははははっ」
「おはよ、作田さん」
席を離れていた課長の声が後ろからして、びくりと身体をすくませる。
振り返ると、いつも通り爽やかな笑顔の課長がーー見たこともない甘い目をして私を見ていた。
いや、厳密に言えばそれは嘘。見たことがなくはない。でもそれはベッドの上だけだ。
私を想ってくれているのではと、勘違いしたあのときーー
「おおおおおはようございます」
午前中の出張で仕事モードに切り替えたはずの頭は、その視線を受けてすっかり戻ってしまった。
私はわたわたしながら、
「あ、あの。お茶入れてきます。課長もいりますか?」
「うん。お願いしようかな。……作田さんにいれてもらうと美味しいから」
にこりと微笑まれ、私の顔が赤くなる。
な、何ですかその台詞。初めて聞きますけどっ。
「と、とりあえず行ってきます」
私と課長のカップを持って、私は給湯室へと向かった。
こぽこぽとお茶をいれながら、私は深く息を吐き出した。
ビジネスモードに切り替えた努力も虚しく、すっかり向きだしになってしまった心がしくりと痛む。
課長はあの夜をどう思っているんだろう。どうしてあんな甘い目をするんだろう。期待してはいけないと思っているのに、あんな目をされたらーー勘違いしてしまう。
またため息をついた私は、人の気配を感じて振り向いた。そこにはすらりとした体躯の男性ーー課長が立っている。
課長は私の隣に立つと、柔らかく微笑んだ。
まるで愛しい人との再会を喜ぶように綻ぶその表情が、胸に刺さる。
「ーー美奈子」
小さく呼ばれて、息が詰まった。
「……あの」
お茶をいれたコップに手を添え、私はうつむく。
「どうかした?」
課長が首を傾げる。
その顔を見ることができないまま、私は明るい声で言った。
「あ、あの。私、馬鹿なんで、そういうのやめてもらえますか」
課長が黙る。その場の空気が凍りついたように感じて、私はますます顔が上げられなくなった。
「……そういうのって?」
私に問う課長の声は、感情を失ったように静かだ。
怒られた訳でもないのに、その声音にどこか苛立ちを感じて、私は泣きそうになる。
「……勘違い、しちゃいますから」
「勘違い?」
課長が、私のこと、好きなんじゃないかって。
そんな都合のいい勘違い、笑われるのが怖くて口にすらできない。無理に顔を上げて笑う。
「そうですよ。私、そんなに経験ないし。課長にそんな顔で微笑まれたら、勘違いしちゃいます。……はい、お茶どうぞ」
課長は私が差し出したお茶を受け取り、またシンクの上に置いた。私のカップも私の手から取り、同じように置く。
「……俺だって、勘違いしちゃうよ」
課長は目を反らしながら、呟くように言った。
「いつもにこにこして、いい子だなと思ってた女性が、俺が呼びかけると何となくワントーン高い声で答えてくれて、尊敬してますとか言ってくれて……でもそれは上司に対する好意だろうと思って、自分を抑えてたのに……家に来るとか言うし」
少しだけ唇を尖らせて言う言葉に、どきりとする。
え? それって……。
「……名前呼んでもらっただけでテンション上がっちゃうし。自制効かないし。……で、あの夜はなかったことに、ってこと?」
課長が私を見た。その視線に切なさを見て、私は言葉に困った。
「……課長」
「もう名前も呼んでくれないのか?」
課長は私の頬に手を伸ばし、一歩近づいた。私は慌てる。
「だって、ここ、会社……だ、誰か見たら……」
「見せればいい。そしたら君は俺のものだって、みんな思ってくれるだろ」
耳で囁く声に戸惑う。
「かちょ……」
私の言葉は課長の唇で塞がれた。その唇が少し震えているのに気づく。
離れると、課長の顔が至近距離にある。私を見つめる、少し目尻の上がった目。
「あの……」
私は困って、目をさ迷わせた。
「なんか……変です」
「何が?」
射程距離から抜けだそうとする努力も虚しく、やんわりと手首をつかまれる。
「まるで……課長が、私のこと好きみたいな」
言いながら、笑い飛ばされてもいいように身構える。けど、課長からは深いため息が返ってきた。
「なんだよ……まだ分からないの?」
私の頬に手を伸ばし、苦笑に近い微笑みを浮かべる。
「そうだよ。俺は作田さんが……美奈子が好きだ」
自分の顔が赤くなるのが分かった。
「う……嘘」
「嘘ついてどうするの」
「だ、だって……信じられなくて」
「ああ、そう?」
課長は少しいたずらっぽい目で笑った。彼の目はそういう表情でひときわ輝くのだと、その笑顔に見惚れながら気づく。
「じゃあ、もう充分って言うまで信じさせてあげる。今夜の予定は?」
私は金曜の夜のことを思い出してぎくりとした。
「か、課長……今日月曜……」
「うん。大丈夫、二人とも明日午前休取るってみんなに伝えといたから」
「へっ?」
金田くん始め同僚の微妙な表情を思い出した。
「課長……もしかして何かみんなに……」
「別に何も。ようやく振り向いてもらえそうだから応援してねって言っただけ」
課長は笑って首を傾げた。
「俺の気持ち知らなかったの、君くらいなもんだよ。だから問題ないでしょう」
いやいや。大アリでしょう。
「か、勝手に休暇……」
「それとも、俺と過ごすのは嫌?」
少し寂しそうな顔で言われて、ぐっと言葉につまる。
これをはねのけられる女性がいたら、ほんと弟子入りしたい……!
私はせめてもの抵抗に、黙って顔を背けた。
課長は笑って、私の頭をぽんと撫でる。
「俺のコレクション見せてあげるから。機嫌直して」
「って、りのちゃんの……?」
思わず目が輝く私に、課長は笑った。
「それは来てからのお楽しみ。次は一緒に見ようね」
私はまんまと罠にはめられたような気分で目を泳がせた。
「……こ、今度こそ、最後まで見ますからね」
「うん、見ればいいよ。……我慢できるならね」
言いながら流し目を送られ、私はまたぷいっと顔を背けた。
「俺の気持ちが信じられたら、聞かせてね」
二つのコップを持ち上げて、課長が言う。私が首を傾げると、
「君の気持ち。まだ聞いてない」
言われて、真っ赤になる。
「ど、どうせ……分かってるでしょう?」
「分からないよ」
課長はにこりと笑い、デスクに向かって歩き出す。
「楽しみだなぁ。いくらでも粘ってくれていいからね」
少し後ろを歩く私は、顔を強張らせた。課長の意図が何となく分かったからだ。
「あの……お手柔らかに……」
「遠慮してたら伝わらないって分かったからね。反省してるんだよ」
課長は私をちらりと見下ろし、にっこりした。
「たっぷり、伝えてあげるから。言葉でも、身体でも」
私は引き攣った笑顔を浮かべながら、ふと思う。
(明日、半休で足りるのかな……)
そんな疑問は怖くて到底口にできず、黙って課長の後ろに従った。
その翌日がどうなったかは、みなさまのご想像にお任せしたいーー
[第一夜 完]
午前中の出張を済ませ、気合いを入れて午後出勤した私を迎えた同僚はどこかよそよそしかった。
「あ、作田さん……おつかれさまです」
なんとなく元気のない金田くんが私に曖昧に微笑んで来るので、首を傾げる。
「あの……金田くん、みんなどうかしたの?」
そして気づく。そういえば、暑気払いの後、私と課長は二人で夜の町に消えたのだ。部下をお持ち帰りした男とか、そんなよろしくない噂がたってもおかしくない。課長の評価にマイナスになるような噂が立つのはマズイと、私は慌てた。
「あっ、あの、金曜の夜、すっかり課長と話が盛り上がっちゃってさー。終電間に合わなくてタクシー帰りだよ、あははははっ」
「おはよ、作田さん」
席を離れていた課長の声が後ろからして、びくりと身体をすくませる。
振り返ると、いつも通り爽やかな笑顔の課長がーー見たこともない甘い目をして私を見ていた。
いや、厳密に言えばそれは嘘。見たことがなくはない。でもそれはベッドの上だけだ。
私を想ってくれているのではと、勘違いしたあのときーー
「おおおおおはようございます」
午前中の出張で仕事モードに切り替えたはずの頭は、その視線を受けてすっかり戻ってしまった。
私はわたわたしながら、
「あ、あの。お茶入れてきます。課長もいりますか?」
「うん。お願いしようかな。……作田さんにいれてもらうと美味しいから」
にこりと微笑まれ、私の顔が赤くなる。
な、何ですかその台詞。初めて聞きますけどっ。
「と、とりあえず行ってきます」
私と課長のカップを持って、私は給湯室へと向かった。
こぽこぽとお茶をいれながら、私は深く息を吐き出した。
ビジネスモードに切り替えた努力も虚しく、すっかり向きだしになってしまった心がしくりと痛む。
課長はあの夜をどう思っているんだろう。どうしてあんな甘い目をするんだろう。期待してはいけないと思っているのに、あんな目をされたらーー勘違いしてしまう。
またため息をついた私は、人の気配を感じて振り向いた。そこにはすらりとした体躯の男性ーー課長が立っている。
課長は私の隣に立つと、柔らかく微笑んだ。
まるで愛しい人との再会を喜ぶように綻ぶその表情が、胸に刺さる。
「ーー美奈子」
小さく呼ばれて、息が詰まった。
「……あの」
お茶をいれたコップに手を添え、私はうつむく。
「どうかした?」
課長が首を傾げる。
その顔を見ることができないまま、私は明るい声で言った。
「あ、あの。私、馬鹿なんで、そういうのやめてもらえますか」
課長が黙る。その場の空気が凍りついたように感じて、私はますます顔が上げられなくなった。
「……そういうのって?」
私に問う課長の声は、感情を失ったように静かだ。
怒られた訳でもないのに、その声音にどこか苛立ちを感じて、私は泣きそうになる。
「……勘違い、しちゃいますから」
「勘違い?」
課長が、私のこと、好きなんじゃないかって。
そんな都合のいい勘違い、笑われるのが怖くて口にすらできない。無理に顔を上げて笑う。
「そうですよ。私、そんなに経験ないし。課長にそんな顔で微笑まれたら、勘違いしちゃいます。……はい、お茶どうぞ」
課長は私が差し出したお茶を受け取り、またシンクの上に置いた。私のカップも私の手から取り、同じように置く。
「……俺だって、勘違いしちゃうよ」
課長は目を反らしながら、呟くように言った。
「いつもにこにこして、いい子だなと思ってた女性が、俺が呼びかけると何となくワントーン高い声で答えてくれて、尊敬してますとか言ってくれて……でもそれは上司に対する好意だろうと思って、自分を抑えてたのに……家に来るとか言うし」
少しだけ唇を尖らせて言う言葉に、どきりとする。
え? それって……。
「……名前呼んでもらっただけでテンション上がっちゃうし。自制効かないし。……で、あの夜はなかったことに、ってこと?」
課長が私を見た。その視線に切なさを見て、私は言葉に困った。
「……課長」
「もう名前も呼んでくれないのか?」
課長は私の頬に手を伸ばし、一歩近づいた。私は慌てる。
「だって、ここ、会社……だ、誰か見たら……」
「見せればいい。そしたら君は俺のものだって、みんな思ってくれるだろ」
耳で囁く声に戸惑う。
「かちょ……」
私の言葉は課長の唇で塞がれた。その唇が少し震えているのに気づく。
離れると、課長の顔が至近距離にある。私を見つめる、少し目尻の上がった目。
「あの……」
私は困って、目をさ迷わせた。
「なんか……変です」
「何が?」
射程距離から抜けだそうとする努力も虚しく、やんわりと手首をつかまれる。
「まるで……課長が、私のこと好きみたいな」
言いながら、笑い飛ばされてもいいように身構える。けど、課長からは深いため息が返ってきた。
「なんだよ……まだ分からないの?」
私の頬に手を伸ばし、苦笑に近い微笑みを浮かべる。
「そうだよ。俺は作田さんが……美奈子が好きだ」
自分の顔が赤くなるのが分かった。
「う……嘘」
「嘘ついてどうするの」
「だ、だって……信じられなくて」
「ああ、そう?」
課長は少しいたずらっぽい目で笑った。彼の目はそういう表情でひときわ輝くのだと、その笑顔に見惚れながら気づく。
「じゃあ、もう充分って言うまで信じさせてあげる。今夜の予定は?」
私は金曜の夜のことを思い出してぎくりとした。
「か、課長……今日月曜……」
「うん。大丈夫、二人とも明日午前休取るってみんなに伝えといたから」
「へっ?」
金田くん始め同僚の微妙な表情を思い出した。
「課長……もしかして何かみんなに……」
「別に何も。ようやく振り向いてもらえそうだから応援してねって言っただけ」
課長は笑って首を傾げた。
「俺の気持ち知らなかったの、君くらいなもんだよ。だから問題ないでしょう」
いやいや。大アリでしょう。
「か、勝手に休暇……」
「それとも、俺と過ごすのは嫌?」
少し寂しそうな顔で言われて、ぐっと言葉につまる。
これをはねのけられる女性がいたら、ほんと弟子入りしたい……!
私はせめてもの抵抗に、黙って顔を背けた。
課長は笑って、私の頭をぽんと撫でる。
「俺のコレクション見せてあげるから。機嫌直して」
「って、りのちゃんの……?」
思わず目が輝く私に、課長は笑った。
「それは来てからのお楽しみ。次は一緒に見ようね」
私はまんまと罠にはめられたような気分で目を泳がせた。
「……こ、今度こそ、最後まで見ますからね」
「うん、見ればいいよ。……我慢できるならね」
言いながら流し目を送られ、私はまたぷいっと顔を背けた。
「俺の気持ちが信じられたら、聞かせてね」
二つのコップを持ち上げて、課長が言う。私が首を傾げると、
「君の気持ち。まだ聞いてない」
言われて、真っ赤になる。
「ど、どうせ……分かってるでしょう?」
「分からないよ」
課長はにこりと笑い、デスクに向かって歩き出す。
「楽しみだなぁ。いくらでも粘ってくれていいからね」
少し後ろを歩く私は、顔を強張らせた。課長の意図が何となく分かったからだ。
「あの……お手柔らかに……」
「遠慮してたら伝わらないって分かったからね。反省してるんだよ」
課長は私をちらりと見下ろし、にっこりした。
「たっぷり、伝えてあげるから。言葉でも、身体でも」
私は引き攣った笑顔を浮かべながら、ふと思う。
(明日、半休で足りるのかな……)
そんな疑問は怖くて到底口にできず、黙って課長の後ろに従った。
その翌日がどうなったかは、みなさまのご想像にお任せしたいーー
[第一夜 完]
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