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本編
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梨華とは翌日曜日の日中に会うことにした。
夜に会う義理もないと真昼を指定したのは冬彦で、梨華は何も言わずに了解してきた。
以前も数度会った駅で落ち合った梨華は、少し落ち着いた表情をしていた。
合流するや、冬彦を大きな目で見上げ、どうします、と問うて来る。
冬彦は黙って歩きはじめた。
昼にしては遅くお茶にしては早い午後2時という選択をしたのは、店が空きすぎても混みすぎてもいないだろうと踏んだからだ。駅の周辺はそれでもさすがに人が多かったが、少し街中に出れば比較的空いていた。
ゆっくり話をできそうな喫茶店を選び、入っていく。梨華は異見することもなく冬彦の背中についてきた。
店は比較的新しいようだった。最も端の席が空いていたのでそこを選び、梨華と向き合って座る。
店員がおしぼりを手にやってきて、コーヒーを二つ頼む。黙って梨華の表情を観察する冬彦を、梨華も不思議と余裕のある表情で見つめ返して来る。
店員がコーヒーを持ってきて、二人の前に置いた。
湯気と共に上り立つ香りを嗅ぎ取りながら、冬彦は口を開く。
「おじさんに、叱られでもしたか?」
「ふふ、ご名答」
梨華は笑って、いたずらっぽい目のまま肩をすくめた。心底反省している風には見えず、冬彦の心中を苛立ちが撫でる。
が、怒りにのまれるとペースも崩れる。そこは腐っても弁護士、一呼吸置いてわずかに顔を反らしつつ、コーヒーを口に運んだ。
「それで?」
下手に自分から話すより、相手に話させた方が有利だ。
梨華の目をちらりと見ると、梨華も手元のコーヒーに視線を落としている。
その口元は小さな微笑みを浮かべていたが、それは彼女の口に張り付いた習慣のように見えた。
「……欲しいからっていう理由だけで、何でも手に入るわけじゃないんだぞって」
梨華はくすくすと笑った。笑いながら、コップのふちを指先で撫でる。
その指先は綺麗にマニキュアが塗ってあった。ピンク地に白いラインが描かれたそれは、秘書という仕事をしている中で許容されるギリギリの華やかさというところだろう。
「そんなの、分かってるのに」
言いながら、梨華はくつくつ笑った。喉奥で立てる笑い声はどこか陰欝で、彼女らしい華やかさを曇らせる。
しかしこれが彼女の素なのだろうとも見えて、冬彦は黙ってカップの持ち手に指を差し入れる。
「一番欲しいものが手に入らないから、一所懸命代わりになりそうなものを探しているのに。代わりだと思っていても、いずれそれが一番になるかもしれないでしょう?」
梨華は言って、コーヒーを一口飲んだ。カップを下ろすと、ふっと笑う。
「んー、苦い。オトナの味」
「ミルク、入れれば」
「いらなーい」
ミルクの入った小さな陶磁器をそっと梨華に寄せてやるが、梨華は一瞥もくれずに首を横に振った。冬彦は何も言わずにコーヒーを口に運ぶ。
「お兄ちゃんの話、してもいい?」
梨華が感情をそぎ落としたような声で尋ねた。その静かな声音に、冬彦は黙って頷く。
「お兄ちゃんは、五歳年上でね。何でもできる人なの。男の子も女の子も、お兄ちゃんに憧れて、いつも人に囲まれてた」
梨華の声は懐かしさと切なさを帯びていた。手元のカップを見ている目は、どこかぼんやり過去を追っている。
冬彦が梨華の視線を追うと、コーヒーの表面に写っている梨華が見えた。
口元に張り付いた笑みと、半ば伏せられた目。
「私、見た目はまあまあだけど、勉強が苦手だったから、お兄ちゃんによく教えてもらってた。お兄ちゃん、頭いいのに教えるのも上手で……何でだろうね。優しくて、強くて、ほんと、かっこいいの。自分がいろいろ、できちゃうもんだから、彼女ができると彼女を馬鹿にしたりもしてたけど、私にはそういうことも言わなくてーー仕方ないなぁ、って。梨華だから、仕方ないなって。言われる度に照れ臭くて、なんだか嬉しかった」
冬彦はあいまいにあいづちを打った。梨華はそれを聞いているのかどうか、静かに話を続ける。
それはまるで自分の感情を整理しているように、冬彦には見えた。
「私だって男の子ともつき合った。梨華ちゃん可愛いねって告白されて、つき合って、キスもセックスもして、しばらくしたら飽きて捨てられた。梨華は可愛いけど、意外と可愛くないって。甘えても、甘えてないよねって。わけわかんない、笑っちゃう。だから、男より先に私が別れを告げるようになった」
梨華はコーヒーカップを持ち上げた。もうあまり熱くないはずのそれに、ふぅ、と息をはきかけてから口をつける。
「自分の気持ちに気づいたのは、高校生の頃だった。お父さんが交通事故で死んで、お母さんが社長になって、大学生のお兄ちゃんがそれを支えてた。お兄ちゃんは、大学を卒業したら会社を手伝うんだって言ってた。すぐに戦力になれるように、一緒に経営を勉強したいって。何でもできちゃうから、何にも本気にならないお兄ちゃんが、初めて真剣に話してるのを見て、なんだか置いてけぼりになった気分だった。お兄ちゃんは……五歳年上で、いつも、私の前を歩いてた。先にオトナになって、先に仕事についてーーいずれ、結婚して、違う家族になっていくんだって、そのとき急に、リアルに感じた」
梨華はちらりと、冬彦を見上げて、綺麗な笑顔を浮かべた。
「同時に、今まで男の子に本気になれなかったのは、どこかでお兄ちゃんと比べていたからだって気づいた。お兄ちゃんだったらどうするかなとかーーキスもセックスも、お兄ちゃんならどうやって、女の子に触れるのかなってーーつき合う男の子たちは、お兄ちゃんの代わりになんてならなかった。お兄ちゃんは完璧すぎて、顔が似てるとか振る舞いが似てるとか、頭がいいとか、一部分だけが似てる男の人しか見当たらなかったから」
くすくすと笑って、梨華はまたコーヒーに口をつける。そのまま、上目遣いで冬彦を見た。
「それでも、お兄ちゃんを好きでい続けるわけにはいかないでしょ。どうにかしなきゃと思ってた。そんなとき、小野田さんに会ったの。今までで一番、お兄ちゃんに似てる人だなって思ったんだ。弁護士さんで、何でもそつなくこなして、誰にでも好かれて、にこにこしてるのにーー不思議と、陰が見える」
冬彦は目を伏せた。手に包んだコーヒーカップの中には、黒い背景に自分が浮かんでいる。
「小野田さんも同類なのかなって思った。欲しい何かを諦めた人なのかなって。この人なら、お兄ちゃんの代わりじゃなくて、私の唯一になれるんじゃないかって」
梨華はため息をついた。
「……でも、もうゲームオーバーね」
ひょいと肩をすくめた梨華は、ボイスレコーダーを冬彦に差し出した。ちらりと視線をそれに向け、また梨華の目を見た冬彦に、梨華は笑う。
「安心して。家のデータは消したから。いちゃいちゃ仲良くしちゃってさぁ。まったく聞いてるこっちが恥ずかしいったら」
冬彦は渋面になり、レコーダーへ手を伸ばした。レコーダーを覆った手を、梨華が掴む。とたんに空気が緊張を孕んだ。
冬彦は梨華を睨むように見やる。梨華は微笑んだ。
「キス、してくれない? ほんとに触れるだけのやつ。小野田さんみたいな人に愛されるのってどんな感じなのか、少しだけでも感じてみたいの」
冬彦はため息をついて、もう一方の手を梨華の手に重ねた。
梨華がすがるような目をして冬彦を見てくる。
冬彦は苦笑した。
「代わりになんてならないのは、もう分かってるんだろ」
梨華はじっと冬彦を見つめて、肩で息を吐き出した。
「……私にはもう、夢を見る権利もないのね」
冬彦は梨華の手の下からレコーダーを取り出し、ジャケットの懐におさめると、伝票を手にした。
梨華を置いて会計に向かいかけた冬彦の背中に、梨華の笑う声がする。
「それでも、黙って払ってくれるんだ。変な人」
冬彦は立ち止まりかけたが、聞かなかったことにしてレジへと向かう。
「馬鹿みたい。男なんて……」
梨華の呟きが聞こえた気がした。
夜に会う義理もないと真昼を指定したのは冬彦で、梨華は何も言わずに了解してきた。
以前も数度会った駅で落ち合った梨華は、少し落ち着いた表情をしていた。
合流するや、冬彦を大きな目で見上げ、どうします、と問うて来る。
冬彦は黙って歩きはじめた。
昼にしては遅くお茶にしては早い午後2時という選択をしたのは、店が空きすぎても混みすぎてもいないだろうと踏んだからだ。駅の周辺はそれでもさすがに人が多かったが、少し街中に出れば比較的空いていた。
ゆっくり話をできそうな喫茶店を選び、入っていく。梨華は異見することもなく冬彦の背中についてきた。
店は比較的新しいようだった。最も端の席が空いていたのでそこを選び、梨華と向き合って座る。
店員がおしぼりを手にやってきて、コーヒーを二つ頼む。黙って梨華の表情を観察する冬彦を、梨華も不思議と余裕のある表情で見つめ返して来る。
店員がコーヒーを持ってきて、二人の前に置いた。
湯気と共に上り立つ香りを嗅ぎ取りながら、冬彦は口を開く。
「おじさんに、叱られでもしたか?」
「ふふ、ご名答」
梨華は笑って、いたずらっぽい目のまま肩をすくめた。心底反省している風には見えず、冬彦の心中を苛立ちが撫でる。
が、怒りにのまれるとペースも崩れる。そこは腐っても弁護士、一呼吸置いてわずかに顔を反らしつつ、コーヒーを口に運んだ。
「それで?」
下手に自分から話すより、相手に話させた方が有利だ。
梨華の目をちらりと見ると、梨華も手元のコーヒーに視線を落としている。
その口元は小さな微笑みを浮かべていたが、それは彼女の口に張り付いた習慣のように見えた。
「……欲しいからっていう理由だけで、何でも手に入るわけじゃないんだぞって」
梨華はくすくすと笑った。笑いながら、コップのふちを指先で撫でる。
その指先は綺麗にマニキュアが塗ってあった。ピンク地に白いラインが描かれたそれは、秘書という仕事をしている中で許容されるギリギリの華やかさというところだろう。
「そんなの、分かってるのに」
言いながら、梨華はくつくつ笑った。喉奥で立てる笑い声はどこか陰欝で、彼女らしい華やかさを曇らせる。
しかしこれが彼女の素なのだろうとも見えて、冬彦は黙ってカップの持ち手に指を差し入れる。
「一番欲しいものが手に入らないから、一所懸命代わりになりそうなものを探しているのに。代わりだと思っていても、いずれそれが一番になるかもしれないでしょう?」
梨華は言って、コーヒーを一口飲んだ。カップを下ろすと、ふっと笑う。
「んー、苦い。オトナの味」
「ミルク、入れれば」
「いらなーい」
ミルクの入った小さな陶磁器をそっと梨華に寄せてやるが、梨華は一瞥もくれずに首を横に振った。冬彦は何も言わずにコーヒーを口に運ぶ。
「お兄ちゃんの話、してもいい?」
梨華が感情をそぎ落としたような声で尋ねた。その静かな声音に、冬彦は黙って頷く。
「お兄ちゃんは、五歳年上でね。何でもできる人なの。男の子も女の子も、お兄ちゃんに憧れて、いつも人に囲まれてた」
梨華の声は懐かしさと切なさを帯びていた。手元のカップを見ている目は、どこかぼんやり過去を追っている。
冬彦が梨華の視線を追うと、コーヒーの表面に写っている梨華が見えた。
口元に張り付いた笑みと、半ば伏せられた目。
「私、見た目はまあまあだけど、勉強が苦手だったから、お兄ちゃんによく教えてもらってた。お兄ちゃん、頭いいのに教えるのも上手で……何でだろうね。優しくて、強くて、ほんと、かっこいいの。自分がいろいろ、できちゃうもんだから、彼女ができると彼女を馬鹿にしたりもしてたけど、私にはそういうことも言わなくてーー仕方ないなぁ、って。梨華だから、仕方ないなって。言われる度に照れ臭くて、なんだか嬉しかった」
冬彦はあいまいにあいづちを打った。梨華はそれを聞いているのかどうか、静かに話を続ける。
それはまるで自分の感情を整理しているように、冬彦には見えた。
「私だって男の子ともつき合った。梨華ちゃん可愛いねって告白されて、つき合って、キスもセックスもして、しばらくしたら飽きて捨てられた。梨華は可愛いけど、意外と可愛くないって。甘えても、甘えてないよねって。わけわかんない、笑っちゃう。だから、男より先に私が別れを告げるようになった」
梨華はコーヒーカップを持ち上げた。もうあまり熱くないはずのそれに、ふぅ、と息をはきかけてから口をつける。
「自分の気持ちに気づいたのは、高校生の頃だった。お父さんが交通事故で死んで、お母さんが社長になって、大学生のお兄ちゃんがそれを支えてた。お兄ちゃんは、大学を卒業したら会社を手伝うんだって言ってた。すぐに戦力になれるように、一緒に経営を勉強したいって。何でもできちゃうから、何にも本気にならないお兄ちゃんが、初めて真剣に話してるのを見て、なんだか置いてけぼりになった気分だった。お兄ちゃんは……五歳年上で、いつも、私の前を歩いてた。先にオトナになって、先に仕事についてーーいずれ、結婚して、違う家族になっていくんだって、そのとき急に、リアルに感じた」
梨華はちらりと、冬彦を見上げて、綺麗な笑顔を浮かべた。
「同時に、今まで男の子に本気になれなかったのは、どこかでお兄ちゃんと比べていたからだって気づいた。お兄ちゃんだったらどうするかなとかーーキスもセックスも、お兄ちゃんならどうやって、女の子に触れるのかなってーーつき合う男の子たちは、お兄ちゃんの代わりになんてならなかった。お兄ちゃんは完璧すぎて、顔が似てるとか振る舞いが似てるとか、頭がいいとか、一部分だけが似てる男の人しか見当たらなかったから」
くすくすと笑って、梨華はまたコーヒーに口をつける。そのまま、上目遣いで冬彦を見た。
「それでも、お兄ちゃんを好きでい続けるわけにはいかないでしょ。どうにかしなきゃと思ってた。そんなとき、小野田さんに会ったの。今までで一番、お兄ちゃんに似てる人だなって思ったんだ。弁護士さんで、何でもそつなくこなして、誰にでも好かれて、にこにこしてるのにーー不思議と、陰が見える」
冬彦は目を伏せた。手に包んだコーヒーカップの中には、黒い背景に自分が浮かんでいる。
「小野田さんも同類なのかなって思った。欲しい何かを諦めた人なのかなって。この人なら、お兄ちゃんの代わりじゃなくて、私の唯一になれるんじゃないかって」
梨華はため息をついた。
「……でも、もうゲームオーバーね」
ひょいと肩をすくめた梨華は、ボイスレコーダーを冬彦に差し出した。ちらりと視線をそれに向け、また梨華の目を見た冬彦に、梨華は笑う。
「安心して。家のデータは消したから。いちゃいちゃ仲良くしちゃってさぁ。まったく聞いてるこっちが恥ずかしいったら」
冬彦は渋面になり、レコーダーへ手を伸ばした。レコーダーを覆った手を、梨華が掴む。とたんに空気が緊張を孕んだ。
冬彦は梨華を睨むように見やる。梨華は微笑んだ。
「キス、してくれない? ほんとに触れるだけのやつ。小野田さんみたいな人に愛されるのってどんな感じなのか、少しだけでも感じてみたいの」
冬彦はため息をついて、もう一方の手を梨華の手に重ねた。
梨華がすがるような目をして冬彦を見てくる。
冬彦は苦笑した。
「代わりになんてならないのは、もう分かってるんだろ」
梨華はじっと冬彦を見つめて、肩で息を吐き出した。
「……私にはもう、夢を見る権利もないのね」
冬彦は梨華の手の下からレコーダーを取り出し、ジャケットの懐におさめると、伝票を手にした。
梨華を置いて会計に向かいかけた冬彦の背中に、梨華の笑う声がする。
「それでも、黙って払ってくれるんだ。変な人」
冬彦は立ち止まりかけたが、聞かなかったことにしてレジへと向かう。
「馬鹿みたい。男なんて……」
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