33 / 100
本編
32
しおりを挟む
冬彦の舌が、あゆみの唇を割って口内を優しく撫でていく。歯列から舌へ、舌から歯列へ、口内をくまなく触れていく舌先の動きに、あゆみの鼻から吐息が漏れる。
その甘やかな吐息に、冬彦も満足感を得る。吸い付くのではなく撫でるように、優しく深い口づけ。激しくはないが、主導権を握っているのが冬彦だからか、あゆみの膝から力が抜けそうなのに気づいて、冬彦はそっと腰に腕を回した。
「ん……ふ……ん」
ちゅ……ちゅ、と水音がたち、あゆみの目が潤んでとろんとしてくる。冬彦は細く目を開けてそれを見て取り、唇を離した。
あゆみが、は、と息を吐く。その頬に手を添え、逆の頬に軽くキスを落とす。
「……あゆみ」
耳元で囁くと、あゆみが冬彦の首に腕を回した。
しがみつくように首に抱き着くあゆみを受け止め、冬彦はその首筋にキスを落とす。
「ん、……ぅ、はぁ」
舌先で首筋から耳までを舐め上げると、あゆみの切ない声が漏れた。耳たぶを甘噛みし、縁に沿うように舐めとると、あゆみが自分の手を口に添えて嬌声を抑えた。
(耳、弱いんだ)
一度抱いておいてそれすら気付かなかったなどと、今までなかったことだ。おおいに反省しつつ、冬彦は手をあゆみの身体に這わせる。
キスでだいぶ解れてはいるが、あゆみの身体はまだ緊張していると分かった。身体も心も無理をさせたくはないので、肩から肘をゆっくりと往復して撫でさする。
あゆみの肌に触れる手に、唇に、想いを込めるようにしながら、優しく辿っていく。
唇を寄せた耳は、外側から内側へ、やんわりと歯を立ててみたり、舌を這わせてみたりしながら、あゆみの反応を見る。
「お……のだくん、やだ……」
「嫌?」
「そ、それ……ぞわぞわ、する」
冬彦は笑った。
「ぞわぞわって、この辺?」
手で腰下のあたりを撫でる。ひゃわ、とあゆみが身体をびくつかせた。
冬彦はくつくつ笑いながら、あゆみの唇にキスをする。あゆみは潤んだ目に精一杯の反意を込めて冬彦を睨んだ。
冬彦はその恨めしげな視線を微笑で受け止め、あゆみの身体に回した腕を下げる。あゆみが戸惑っているうちにふわりと抱き上げた。
「わ、わ」
「暴れるなよ」
冬彦は言いながら、ベッドへと向かう。あゆみは足が地面を離れて不安らしい。慌てて冬彦の首に抱き着いた。
冬彦がそっとあゆみをベッドに横たえると、あゆみが困惑した表情で冬彦を見上げた。
「ちょ、ちょっとぉ」
「お姫様抱っこの方がよかった?」
冬彦が至近距離で問うと、あゆみが反意を告げるように眉を寄せた。冬彦は笑う。
「……あゆみ」
顔にかかった髪を耳後ろへよけてやり、頬にキスをする。
あゆみがふ、と息を吐き出した。
冬彦が顔を見ると、あゆみはどこか泣きそうな顔で冬彦の頬に手を伸ばした。
そっと引き寄せられるに任せて顔を近づけると、あゆみがためらいがちに唇を重ねる。その唇が震えていることに気づき、冬彦はあゆみの目を覗き込んだ。
「……怖い?」
あゆみは黙って頭を左右に振る。微笑もうとしたようだが、表情がくしゃりと歪んだ。
冬彦の頭に手を回し、抱き寄せる。冬彦は目を閉じたまま、黙ってあゆみに抱きしめられた。
「……ふゆ、ひこ……くん」
冬彦はあゆみの耳元でくすりと笑った。
「なに。あゆみ」
「ぅ……」
おもむろに、あゆみが脚をすり合わせた。
冬彦はその動きの理由を察して口角を上げる。
「あゆみ……」
囁きながら、あゆみの眼鏡を外して枕元に置き、あゆみの脇腹を撫でる。
最初はてのひらで揉むように触れていた動きを、指先だけにしてみたり、少しつまんでみたりと変えながら反応を見て、だんだんと触れる範囲を広げていく。
あゆみの緊張が解れてきたことを見て取って、冬彦はその内股に手を伸ばした。
ぴくりと反射的に膝を引き寄せようとしたあゆみの目を見つめると、おずおずと力を抜く。
そこに拒否の色が見えないことを確認して、冬彦は微笑んで唇を重ねた。
濃厚なキスと、内股を往復する手。
もう片方の手は、肩甲骨と脇のあたりをそっと行き来する。
あゆみの鼻腔から漏れる吐息はますます甘くなった。
「ん……ふぅ……」
開いた窓から風が入ってくる。
それはもう真夏の夜に感じたような熱風ではないが、ふわりと揺れたカーテンを見やり、冬彦は苦笑した。
「どうか……した?」
「やっぱり、クーラーつけような」
あゆみが目をまたたかせて冬彦を見上げる。冬彦はあゆみの髪をなでて微笑んだ。
「声とか音とか、外に漏れたら嫌だし」
あゆみがはっと目を開いたのを見て笑いながら、冬彦は腕を伸ばし、窓を締める。
「暑いけど、我慢して」
言いながら、冬彦はシャツを脱ぎ去った。
「あゆみも脱ごっか」
「い、いい、まだいいっ」
「まだ、ね」
冬彦はくつくつ笑って、あゆみの頬にキスする。
「あゆみ……」
首筋に唇を寄せながら、あゆみの部屋着の裾に手を滑り込ませる。あゆみがぷくりと身体を強張らせた。冬彦は笑う。
「くすぐったい?」
あゆみは黙って首を振るが、その顔は真っ赤になっている。
「……じゃ、気持ちいい?」
あえて優しく囁くと、あゆみが目を潤ませて冬彦を見つめた。本人なりには批難の視線のつもりらしいが、すっかりとろけたその目では意味もない。
無言を肯定と見て微笑む。軽いキスを交わしながらあゆみの脇腹から腰周り、膝へと手を這わせ、内股をさすってまた脇腹へと戻す。ゆっくりとその動きを繰り返しながら、手はときどきあゆみの中心をかすめた。重ねた唇はだんだんと深くなり、あゆみの吐息にはときどき小さな嬌声じみた声が混じる。その度、冬彦の半身にぞわぞわと熱が集まるのを感じた。
(はやく……挿れたい)
思う自分を律する。先日は経験もないあゆみを身勝手に抱いたのだから、今度は自分が我慢すべきだ。
かすめるように触れていた恥部に、徐々に大胆に触れていく。重ねていた唇を喉元や耳横へ寄せ、ときどき名前を囁くと、あゆみが甘い吐息を漏らす。
首筋に舌を這わせて鎖骨を吸い上げ、身体を撫でさする指先をときどきズボンの中へ滑り込ませる。あゆみが膝を合わせようとしたのを感じ取って、ズボンの上からあゆみの中心を指で辿る。指先をそっと上下させると、あゆみがときどきぴくりと跳ねた。再び唇を重ねつつ、そこを優しく撫でさする。
「んっ……ふ、……んんっ……ゃ……」
「かわいいよ、あゆみ」
耳元で囁くと、あゆみが熱い吐息と共に小さな嬌声を漏らした。冬彦はそれを聞きながら、もう片方の手を服の裾から中へと差し入れる。
「普段寝るときもしてるの?」
「ふ、……何が……?」
「ブラ」
言いながら、下着のワイヤー部分を指で伝う。あゆみが熱い吐息を漏らす。その目はいつ涙を流しても不思議ではないほどに潤み、目元は赤く染まっていた。その顔を見ると冬彦自身が暴走してしまいそうなので、極力見ないようにしていたのだが、つい目が合ってしまった。下腹部に集まった熱が震える。
「……し、してない」
「ふぅん」
冬彦は言いながら、あゆみの背中に手を回してホックを外した。ふわりと下着が浮き上がる。
「で、夏場は窓全開で寝てるわけ?」
「え……うん」
「ふぅぅん」
冬彦は意味ありげなあいづちを打つ。左手指はあゆみの股を撫で、右手で胸をやんわりと揉んだ。
「……柔らかくて気持ちいい」
「や、やだ、そういうこと言わないッ……!」
恥ずかしがって抵抗するあゆみに冬彦は笑うと、服と下着をしっかりと胸上までめくり上げた。右手で胸をやわやわと揉みつつ、もう片方の丘を舌先で愛撫する。
「っや、ぉのだく……」
批難の声に冬彦は欲情する。口元は自然と笑んだ。口を開いて乳輪全体を口に含み、舌で頂きを細かくノックする。あゆみが声をあげ、恥ずかしがって身じろぎした。冬彦は身体でそれを優しく覆う。
あゆみの意識が胸元に集中している間に、恥部をまさぐっていた手をズボンの中に這わせた。下着越しに割れ目を辿ると、あゆみが慌てて自分の手で口を押さえる。
「……濡れてるね」
「い、言わないでっ」
「なんで? いいことじゃない?」
冬彦はくつくつ笑って、あゆみの頬にキスを落とした。両手をズボンにかけ、ゆっくりと下に引き抜く。あゆみもおずおずと腰をあげてそれを手助けした。
ズボンを引き抜くと、下着だけになったあゆみの腰回りを両手で撫でつつ口づける。応えようとするあゆみの舌先をなめ回し、吸い上げて口内をくまなく味わう。
冬彦は腰回りを撫でていた手を下着にかけ、ゆっくり引き抜いた。片膝を立たせて片脚から引き抜くと、ぬめるそこを直接指で辿る。
割れ目を往復する指が蕾をかすめる度、あゆみがぴくんぴくんと動いた。
「んっ……ふ……ふゆ、ひこ、くん」
「うん」
「ぁ、はぁっ……ゃだぁ」
「だいじょうぶだよ」
冬彦は優しく囁く。
「怖くないよ。気持ち良くなっていいから……いっぱい感じて」
子どもに言い聞かせるように言うと、あゆみの口からはうわ言のような甘い声が漏れる。冬彦は秘部と胸への愛撫に集中した。
トロトロと蜜が漏れて来る穴の中に、少しずつ中指を差し入れる。ずぶずぶと飲み込まれていく指の感覚に、冬彦自身ぞくぞくした。性急にことを進めたくなる衝動を必死で抑え、中指だけであゆみの熱を掻き混ぜる。ときどき親指で蕾をさすると、あゆみの内側がぴくりと締まった。
「ほら……暑くなってきたでしょ」
首もとにキスを落とすと、じわりと汗がにじんでいる。冬彦は微笑んであゆみの上体を抱き上げ、ベッドの上に座らせるとTシャツを引き抜いた。
されるがままに服を脱がされたあゆみは、上気した頬と潤んだ目で冬彦を見つめる。そこにはもう、最初に見せていた羞恥心を取り繕うような色はない。ただ熱を帯びた目でじっと見つめられ、冬彦の下腹部が反応した。
冬彦は微笑んであゆみの頬に手を添え、また唇を合わせる。あゆみも手を冬彦の胸上にそえた。目を閉じ、直接触れ合う肌の温もりに浸る。
重なった唇からたつ水音と、互いの息遣いが部屋に満ちる。
窓を締めた部屋には扇風機が回っている。ときどき二人の肌を撫でる風は、徐々に温度と湿度を増している気がした。
「……あゆみ……」
「ん……ふゆひこくん……」
互いの名を囁く。あゆみが冬彦の首に腕を回す。あゆみから唇を重ねてくるのに応じながら、冬彦の手はまたあゆみの身体をまさぐり始める。
「ん……ぅん……はぁ」
あゆみは自分のタイミングで唇を重ね、離す。息継ぎするように離した隙を見計らい、冬彦はあゆみの中心をこする。
「ひぁっ、ちょ、もぉ!」
思わず声をあげたあゆみが恨めしげな目で冬彦を見る。冬彦はいたずらの成功に笑いながら唇を重ね、ゆっくりとあゆみをベッド上に押し倒した。
そのまま下腹部への愛撫を再開する。あゆみの内側はいつでも冬彦を受け入れられそうなほどとろとろに溶けていた。
「……あゆみぃ」
「はぁっ……」
「はやく挿れたい……」
つい漏れた本音に、あゆみの目が揺らぐ。
冬彦は笑った。
「でも、もっとあゆみを愛でてからね」
抱き寄せると、あゆみがふるりと震えた。
その甘やかな吐息に、冬彦も満足感を得る。吸い付くのではなく撫でるように、優しく深い口づけ。激しくはないが、主導権を握っているのが冬彦だからか、あゆみの膝から力が抜けそうなのに気づいて、冬彦はそっと腰に腕を回した。
「ん……ふ……ん」
ちゅ……ちゅ、と水音がたち、あゆみの目が潤んでとろんとしてくる。冬彦は細く目を開けてそれを見て取り、唇を離した。
あゆみが、は、と息を吐く。その頬に手を添え、逆の頬に軽くキスを落とす。
「……あゆみ」
耳元で囁くと、あゆみが冬彦の首に腕を回した。
しがみつくように首に抱き着くあゆみを受け止め、冬彦はその首筋にキスを落とす。
「ん、……ぅ、はぁ」
舌先で首筋から耳までを舐め上げると、あゆみの切ない声が漏れた。耳たぶを甘噛みし、縁に沿うように舐めとると、あゆみが自分の手を口に添えて嬌声を抑えた。
(耳、弱いんだ)
一度抱いておいてそれすら気付かなかったなどと、今までなかったことだ。おおいに反省しつつ、冬彦は手をあゆみの身体に這わせる。
キスでだいぶ解れてはいるが、あゆみの身体はまだ緊張していると分かった。身体も心も無理をさせたくはないので、肩から肘をゆっくりと往復して撫でさする。
あゆみの肌に触れる手に、唇に、想いを込めるようにしながら、優しく辿っていく。
唇を寄せた耳は、外側から内側へ、やんわりと歯を立ててみたり、舌を這わせてみたりしながら、あゆみの反応を見る。
「お……のだくん、やだ……」
「嫌?」
「そ、それ……ぞわぞわ、する」
冬彦は笑った。
「ぞわぞわって、この辺?」
手で腰下のあたりを撫でる。ひゃわ、とあゆみが身体をびくつかせた。
冬彦はくつくつ笑いながら、あゆみの唇にキスをする。あゆみは潤んだ目に精一杯の反意を込めて冬彦を睨んだ。
冬彦はその恨めしげな視線を微笑で受け止め、あゆみの身体に回した腕を下げる。あゆみが戸惑っているうちにふわりと抱き上げた。
「わ、わ」
「暴れるなよ」
冬彦は言いながら、ベッドへと向かう。あゆみは足が地面を離れて不安らしい。慌てて冬彦の首に抱き着いた。
冬彦がそっとあゆみをベッドに横たえると、あゆみが困惑した表情で冬彦を見上げた。
「ちょ、ちょっとぉ」
「お姫様抱っこの方がよかった?」
冬彦が至近距離で問うと、あゆみが反意を告げるように眉を寄せた。冬彦は笑う。
「……あゆみ」
顔にかかった髪を耳後ろへよけてやり、頬にキスをする。
あゆみがふ、と息を吐き出した。
冬彦が顔を見ると、あゆみはどこか泣きそうな顔で冬彦の頬に手を伸ばした。
そっと引き寄せられるに任せて顔を近づけると、あゆみがためらいがちに唇を重ねる。その唇が震えていることに気づき、冬彦はあゆみの目を覗き込んだ。
「……怖い?」
あゆみは黙って頭を左右に振る。微笑もうとしたようだが、表情がくしゃりと歪んだ。
冬彦の頭に手を回し、抱き寄せる。冬彦は目を閉じたまま、黙ってあゆみに抱きしめられた。
「……ふゆ、ひこ……くん」
冬彦はあゆみの耳元でくすりと笑った。
「なに。あゆみ」
「ぅ……」
おもむろに、あゆみが脚をすり合わせた。
冬彦はその動きの理由を察して口角を上げる。
「あゆみ……」
囁きながら、あゆみの眼鏡を外して枕元に置き、あゆみの脇腹を撫でる。
最初はてのひらで揉むように触れていた動きを、指先だけにしてみたり、少しつまんでみたりと変えながら反応を見て、だんだんと触れる範囲を広げていく。
あゆみの緊張が解れてきたことを見て取って、冬彦はその内股に手を伸ばした。
ぴくりと反射的に膝を引き寄せようとしたあゆみの目を見つめると、おずおずと力を抜く。
そこに拒否の色が見えないことを確認して、冬彦は微笑んで唇を重ねた。
濃厚なキスと、内股を往復する手。
もう片方の手は、肩甲骨と脇のあたりをそっと行き来する。
あゆみの鼻腔から漏れる吐息はますます甘くなった。
「ん……ふぅ……」
開いた窓から風が入ってくる。
それはもう真夏の夜に感じたような熱風ではないが、ふわりと揺れたカーテンを見やり、冬彦は苦笑した。
「どうか……した?」
「やっぱり、クーラーつけような」
あゆみが目をまたたかせて冬彦を見上げる。冬彦はあゆみの髪をなでて微笑んだ。
「声とか音とか、外に漏れたら嫌だし」
あゆみがはっと目を開いたのを見て笑いながら、冬彦は腕を伸ばし、窓を締める。
「暑いけど、我慢して」
言いながら、冬彦はシャツを脱ぎ去った。
「あゆみも脱ごっか」
「い、いい、まだいいっ」
「まだ、ね」
冬彦はくつくつ笑って、あゆみの頬にキスする。
「あゆみ……」
首筋に唇を寄せながら、あゆみの部屋着の裾に手を滑り込ませる。あゆみがぷくりと身体を強張らせた。冬彦は笑う。
「くすぐったい?」
あゆみは黙って首を振るが、その顔は真っ赤になっている。
「……じゃ、気持ちいい?」
あえて優しく囁くと、あゆみが目を潤ませて冬彦を見つめた。本人なりには批難の視線のつもりらしいが、すっかりとろけたその目では意味もない。
無言を肯定と見て微笑む。軽いキスを交わしながらあゆみの脇腹から腰周り、膝へと手を這わせ、内股をさすってまた脇腹へと戻す。ゆっくりとその動きを繰り返しながら、手はときどきあゆみの中心をかすめた。重ねた唇はだんだんと深くなり、あゆみの吐息にはときどき小さな嬌声じみた声が混じる。その度、冬彦の半身にぞわぞわと熱が集まるのを感じた。
(はやく……挿れたい)
思う自分を律する。先日は経験もないあゆみを身勝手に抱いたのだから、今度は自分が我慢すべきだ。
かすめるように触れていた恥部に、徐々に大胆に触れていく。重ねていた唇を喉元や耳横へ寄せ、ときどき名前を囁くと、あゆみが甘い吐息を漏らす。
首筋に舌を這わせて鎖骨を吸い上げ、身体を撫でさする指先をときどきズボンの中へ滑り込ませる。あゆみが膝を合わせようとしたのを感じ取って、ズボンの上からあゆみの中心を指で辿る。指先をそっと上下させると、あゆみがときどきぴくりと跳ねた。再び唇を重ねつつ、そこを優しく撫でさする。
「んっ……ふ、……んんっ……ゃ……」
「かわいいよ、あゆみ」
耳元で囁くと、あゆみが熱い吐息と共に小さな嬌声を漏らした。冬彦はそれを聞きながら、もう片方の手を服の裾から中へと差し入れる。
「普段寝るときもしてるの?」
「ふ、……何が……?」
「ブラ」
言いながら、下着のワイヤー部分を指で伝う。あゆみが熱い吐息を漏らす。その目はいつ涙を流しても不思議ではないほどに潤み、目元は赤く染まっていた。その顔を見ると冬彦自身が暴走してしまいそうなので、極力見ないようにしていたのだが、つい目が合ってしまった。下腹部に集まった熱が震える。
「……し、してない」
「ふぅん」
冬彦は言いながら、あゆみの背中に手を回してホックを外した。ふわりと下着が浮き上がる。
「で、夏場は窓全開で寝てるわけ?」
「え……うん」
「ふぅぅん」
冬彦は意味ありげなあいづちを打つ。左手指はあゆみの股を撫で、右手で胸をやんわりと揉んだ。
「……柔らかくて気持ちいい」
「や、やだ、そういうこと言わないッ……!」
恥ずかしがって抵抗するあゆみに冬彦は笑うと、服と下着をしっかりと胸上までめくり上げた。右手で胸をやわやわと揉みつつ、もう片方の丘を舌先で愛撫する。
「っや、ぉのだく……」
批難の声に冬彦は欲情する。口元は自然と笑んだ。口を開いて乳輪全体を口に含み、舌で頂きを細かくノックする。あゆみが声をあげ、恥ずかしがって身じろぎした。冬彦は身体でそれを優しく覆う。
あゆみの意識が胸元に集中している間に、恥部をまさぐっていた手をズボンの中に這わせた。下着越しに割れ目を辿ると、あゆみが慌てて自分の手で口を押さえる。
「……濡れてるね」
「い、言わないでっ」
「なんで? いいことじゃない?」
冬彦はくつくつ笑って、あゆみの頬にキスを落とした。両手をズボンにかけ、ゆっくりと下に引き抜く。あゆみもおずおずと腰をあげてそれを手助けした。
ズボンを引き抜くと、下着だけになったあゆみの腰回りを両手で撫でつつ口づける。応えようとするあゆみの舌先をなめ回し、吸い上げて口内をくまなく味わう。
冬彦は腰回りを撫でていた手を下着にかけ、ゆっくり引き抜いた。片膝を立たせて片脚から引き抜くと、ぬめるそこを直接指で辿る。
割れ目を往復する指が蕾をかすめる度、あゆみがぴくんぴくんと動いた。
「んっ……ふ……ふゆ、ひこ、くん」
「うん」
「ぁ、はぁっ……ゃだぁ」
「だいじょうぶだよ」
冬彦は優しく囁く。
「怖くないよ。気持ち良くなっていいから……いっぱい感じて」
子どもに言い聞かせるように言うと、あゆみの口からはうわ言のような甘い声が漏れる。冬彦は秘部と胸への愛撫に集中した。
トロトロと蜜が漏れて来る穴の中に、少しずつ中指を差し入れる。ずぶずぶと飲み込まれていく指の感覚に、冬彦自身ぞくぞくした。性急にことを進めたくなる衝動を必死で抑え、中指だけであゆみの熱を掻き混ぜる。ときどき親指で蕾をさすると、あゆみの内側がぴくりと締まった。
「ほら……暑くなってきたでしょ」
首もとにキスを落とすと、じわりと汗がにじんでいる。冬彦は微笑んであゆみの上体を抱き上げ、ベッドの上に座らせるとTシャツを引き抜いた。
されるがままに服を脱がされたあゆみは、上気した頬と潤んだ目で冬彦を見つめる。そこにはもう、最初に見せていた羞恥心を取り繕うような色はない。ただ熱を帯びた目でじっと見つめられ、冬彦の下腹部が反応した。
冬彦は微笑んであゆみの頬に手を添え、また唇を合わせる。あゆみも手を冬彦の胸上にそえた。目を閉じ、直接触れ合う肌の温もりに浸る。
重なった唇からたつ水音と、互いの息遣いが部屋に満ちる。
窓を締めた部屋には扇風機が回っている。ときどき二人の肌を撫でる風は、徐々に温度と湿度を増している気がした。
「……あゆみ……」
「ん……ふゆひこくん……」
互いの名を囁く。あゆみが冬彦の首に腕を回す。あゆみから唇を重ねてくるのに応じながら、冬彦の手はまたあゆみの身体をまさぐり始める。
「ん……ぅん……はぁ」
あゆみは自分のタイミングで唇を重ね、離す。息継ぎするように離した隙を見計らい、冬彦はあゆみの中心をこする。
「ひぁっ、ちょ、もぉ!」
思わず声をあげたあゆみが恨めしげな目で冬彦を見る。冬彦はいたずらの成功に笑いながら唇を重ね、ゆっくりとあゆみをベッド上に押し倒した。
そのまま下腹部への愛撫を再開する。あゆみの内側はいつでも冬彦を受け入れられそうなほどとろとろに溶けていた。
「……あゆみぃ」
「はぁっ……」
「はやく挿れたい……」
つい漏れた本音に、あゆみの目が揺らぐ。
冬彦は笑った。
「でも、もっとあゆみを愛でてからね」
抱き寄せると、あゆみがふるりと震えた。
0
お気に入りに追加
394
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
My Doctor
west forest
恋愛
#病気#医者#喘息#心臓病#高校生
病気系ですので、苦手な方は引き返してください。
初めて書くので読みにくい部分、誤字脱字等あると思いますが、ささやかな目で見ていただけると嬉しいです!
主人公:篠崎 奈々 (しのざき なな)
妹:篠崎 夏愛(しのざき なつめ)
医者:斎藤 拓海 (さいとう たくみ)
NTR動画を彼氏の浮気相手♀から送られてきたので〜──浮気する男はいりませんので──
ラララキヲ
恋愛
突然鳴ったスマホ。
そこに届いた動画。
大学で初めてできた彼氏。
告白されて付き合って半年。彼は私を大切にしてくれていたなのに知らない女から送られてきた動画には、私の知らない彼の乱れた姿が映っていた……
決定的な浮気の証拠……
どうする? 許せる?
私は許せない。
だから私は…………──
〔※男女の絡みのフワッとした描写有り。フワッとしてます〕
〔※友人に大らかな男性同性愛者が居ます〕
◇ふんわりゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げてます。
※※男性同性愛者は居ますが、作中に『男性同士の恋愛描写』はありません(無い)。
ズボラ上司の甘い罠
松丹子
恋愛
小松春菜の上司、小野田は、無精髭に瓶底眼鏡、乱れた髪にゆるいネクタイ。
仕事はできる人なのに、あまりにももったいない!
かと思えば、イメチェンして来た課長はタイプど真ん中。
やばい。見惚れる。一体これで仕事になるのか?
上司の魅力から逃れようとしながら逃れきれず溺愛される、自分に自信のないフツーの女子の話。になる予定。
私、この人タイプです!!
key
恋愛
美醜逆転物です。
狼獣人ラナン×自分の容姿に自信のない子キィラ
完結しました。感想やリクエスト、誤字脱字の指摘お待ちしています。
ここのページまでたどり着いてくださりありがとうございます。読んで頂けたら嬉しいです!
奥手な羽野君の素顔〜性欲が爆発してキスしたらなぜかキスを返されました〜
AIM
恋愛
どこにでもいる普通の女子高校生、結城凛。容姿、運動神経、学力ともに秀でたところは何も無いのに、性欲だけがちょっと強いせいで悶々とした日々を送っている。そんなある日、図書館でよく見かけていた地味で優秀な同級生、羽野智樹に弾みでキスしてしまう。ドン引きされたと思って身構えていたらなぜかキスを返されて、しかも、翌日もう一度キスされたと思ったら家に誘われてしまい……。
奥手(?)な男子高校生×性欲に振り回される女子高校生の身体から始まる恋物語。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる