Heroic〜龍の力を宿す者〜

Ruto

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2章

53:問題児の多いSクラス

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驚いているみんなを置いておいて、昼はこれからは風紀委員会の用事があるから別々になることを告げてルルを頭に乗せたままフレッドを伴って風紀委員会本部に向かった。

この学園の便利仕様で直ぐさま本部へと着き、ノックをして中から許可が出たので俺が先に入りフレッドが続く

「こんにちは~」

「失礼します」

「お、着たね。ん?そっちの子は?」

既に来ていたのはナナ先輩とグレイス先輩だけだった。ナナ先輩とグレイス先輩、それとレスト先輩とサウザー先輩は3-A1クラスだ。ヨロザ先輩は2-A2で他の昨日会えなかった先輩達も2年生。

そんなことよりもフレッドの紹介だな

「俺からの推薦です」

ナナ先輩はほほ~と言いながらフレッドの下から上に視線を巡らし、グレイス先輩は目を細める

フレッドに視線を送り自己紹介を促す

「クウガと同じ1-Sのフレッドと言います」

ちょっと緊張が表れた声で自己紹介をしたフレッド。

「おー!早速とは君もなかなかやるじゃないか~」

うりうり~と肘を当ててくるナナ先輩がシンプルにうざいなどと思っているとグレイス先輩が

「使えるのか?まだ実力すら見れていないのだろう?」

と聞いて来た

まあ、確かにフレッドの戦闘や探知を直接見た訳ではないがフレッドの話と俺の観察からは問題無いと思っているが、わざわざ聞いて来たと言うことは証明しろと言うことだろう。

因みにだが俺が来た時にそう言うことを言われなかったのはナナ先輩が連れて来たと言うのがあったからだと思われる

ま、フレッドの探知能力を見せればいい話なので問題なしだな。後は

俺はフレッドに目掛けて唐突に攻撃を仕掛けた。右脚による足払いだ。

それをフレッドは少し横にずれることで難なく躱してみせた。追撃に放った顔面への突きもダッキングで躱す。

「ちょっ!クウガ!?」

慌てつつも当然のように回避して見せたフレッド

「こんな感じで荒事でも多少は出来ますし、フレッドの本領は探知能力にあるので使えるかと」

グレイス先輩にそう告げれば、目を見開いて驚いた後にフッと微笑を浮かべ

「君は面白いな。私はいいと思うぞ」

と言ってくれた

「うちも歓迎だよ~」

ナナ先輩もおっけーみたいだ

フレッドはそれに嬉しいような嬉しく無いような、よくわからない表情を浮かべていた

「それじゃあ、フレッドくん私がここの委員長のナーナリア フォールスだよろしくね。あと、学生証で登録申請はしっかりしておいてね」

「わかりました。これからよろしくお願いします」

丁寧にお辞儀をするフレッド

「うん、こちらこそよろしく。それにしても今年のSクラスの子は良い子ばっかりだね」

「確かにそうだな私達の学年と1つ下のは酷い奴が多いな」

ん?どうやら先輩方のSクラスというのは評判があまりろしく無い人がいるみたいだ。気になるので聞いてみるか

「そんなに酷い人が居るんですか?」

「ん?ああ、新入生な訳だから知らなくて当然だね。君達には問題児と呼べる子はいるかい?」

「うーん。強いて言うならば余り周りと関わろうとしない1人くらいですかね。後は今日、早速遅刻した子とか」

そう言うとナナ先輩とグレイス先輩は少し笑いながら

「はははっ、それは可愛いもんだね。そんなのは問題児とは言わないかな」

そう言うと表情を改めて

「1年生のSクラスは確か11人だったよね?」

「はい」

「その数居ていないと言うのは凄いな」

グレイス先輩が少し驚いたと言った感じで呟く

「いや~、それは今までが可笑しかったんだとうちは思うよ?」

「それもそうか」

グレイス先輩はナナ先輩の返しに納得顔だ

「それで、うちらのSクラスは5人。1個下は7人なんだけどね、問題児って呼べるのが8人もいるのよ」

うわー、3分の2が問題児なんだ

「まあ、中には問題児ってよりもクレイジーとか馬鹿って言った方がいい奴も居るんだけど胸糞悪い奴も居るのね。私を中心に世界は回って居る!が口癖のやつとか、平伏せ愚民ども!が口癖の奴とか、雑魚は生きてる価値なんかねぇ!とか言いながら暴力を振るったりする奴とかね」

うん、確かに胸糞悪いと思う

コンコン

そんなことを話して居るとノックの音が鳴った

「入っていいわよー」

とナナ先輩が答えて扉が開き3人の人が入って来た

「こんにちは~」

最初に入って来たのはおっとりした水色の長髪の女の人。角が左右から生えている

「こんにちは」

普通の人よりもかなり身長の低い短めの金髪の男の人

「ういーす」

茶髪で右側の髪の毛を掻き上げたような髪型のちょっとチャラい感じの男の人、因みに狐の尻尾と獣耳がある

全員入って来て俺とフレッドに気づく

「あ、昨日言ってた新人っすか?」

チャラい感じの男の人

「……」

何故か口を半開きにして固まってしまった水色髮の女の人

「あれ?でも2人だった?」

と金髪の人

「ああ、彼らが新しく風紀委員会に所属してくれるクウガくんとフレッドくんだよ。フレッドくんはクウガくんの推薦でさっき決まったところ」

「そう言うことですか」

「んじゃ自己紹介だな。俺はネルフだ。よろしく」

と獣人の先輩

「私はティリアンだ。見ての通り小人族だ。高いところの物を頼むかもしれないけどその時はよろしくね」

やっぱり小人族だったみたいだ。初めて会ったよ

最後の1人に視線が集まるが硬直から復帰して来ない。どうしたんだろうか?

「おーい」

と声をかけながらネルフ先輩が女の人の前で手を振ると我に返り

「あ、あれ。今どう言う状況ですか!?」

「自己紹介だ」

「あ、はい!タウリナと言います。よ、よろしくおにゃがいします」

あ、噛んだ

と思ったら物凄い顔が真っ赤だ。静まり返る室内

静寂はナナ先輩によって破られた

「ぷぷっ、リナちゃん可愛い~」

ああ、ナナ先輩の追撃でタウリナ先輩の耳まで真っ赤になる。そんな様子を見てさらに煽るナナ先輩。タウリナ先輩はプルプルと震え始め、我慢の限界に達して周りを動きおちょくって居たナナ先輩に頭突きをかました

「あがっ!?」

と悲鳴を上げて頭が~頭が~と転げ回るナナ先輩。何をやっているんだろうか

「さ、あんな馬鹿は置いといて昼食にしようか」

と言って運ばれてきていた昼食を指して言うグレイス先輩。

そんな感じで転げ回るナナ先輩を放置して食事を始めた。食事をしながらネルフ先輩方の話を聞くと、やっぱり俺達より上のSクラスというのは風紀委員を度々困らせてくれる者が多いそうだ。

ティリアン先輩は入学初日、偶々出会ってしまった先輩がSクラスのマッドな方で、小人族を初めて見たその人は解剖させろー!と言いながら追いかけてきたそうだ

ネルフ先輩も入学早々にケツを狙われたらしい。詳しいことはあまり聞いていない

取り敢えずは2人とも思い出したのか恐怖に青褪めた顔をしていたのが強く印象に残っている。

正直関わりたくないな~という感想だ。しかし、風紀委員会に所属したので嫌でも関わらざるを得ないことだろう。少し憂鬱だ

それに比べて今年はSクラスで問題を起こした者は未だおらず、問題を起こすのはAやBといったクラスの者達だそう。

問題が起きてるなら変わらないんじゃ。とも思ったが先輩達曰く、Sクラスあの馬鹿どもに比べればどうってことない。だそう

その後も構ってよ~と言ってくるナナ先輩を放置して、ルルの紹介もして食事を終えた所で風紀委員会本部を後にした。午後にはまた来るように言われた。風紀委員会としての仕事の見回りをするのだが、毎回集まってから見回りに出るようだ

最初の選択科目は剣術だ。フレッドは剣術を取っていないようなので別れて各々の教室に向かった。

つまらない授業じゃなければ嬉しいんだけどな~

ちょっとだけ期待しながら学生証で場所を確認し剣術の講義を行う第1演習場へと向かった
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