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2章
50:生徒会長
しおりを挟むクラスメイトとなったみんなとの昼食を終えて、今はある場所に向かっている。
みんなとはそれなりに打ち解けれて、沢山それぞれの事を話した。俺的に1番の驚きはガルタが技科で裁縫が得意って聞いた時だったな~。見た目から絶対に武科だと思ってたからね。イヴについても気になっていたことは確認できたし、フレッドの遺跡探検の話は英雄譚を読むのと同じくらいワクワクした!というかフレッドの体験談が劇的すぎるし、話すの上手なんだよね~。フレッドと長期のお休みか卒業後に一緒に探検に行く事を約束した。イッテツはマイペースなんだけど、イライラしたりは無くて、むしろ和むと言うかそんな感じ。ノルンは常にオドオドしていてなんか守ってあげたくなる。フォーリアの話はこことは別の国の話や珍しい素材や魔道具とかの話だったんだけど、凄い物知りで質問したら色々と教えてくれた。
そんな風に楽しく食事を終えて、俺達はこれから少し用事があったのでクラスメイトとは食堂を出た所で別れ、俺とソウマにナキアさんとメアリーさんである人に会いに行くのだ。
目的地を念じて歩き、ささっと目的地に到着した。目の前には両開きの扉。扉の上には生徒会室と書かれている。
俺達がここに来たのはある人と会う約束を学園に来る前にしていたからだ。
ノックをし、許可が出たところで扉を開けて中へと入る。
「失礼します」
「失礼しまーす」
「失礼します」
「失礼します」
俺から中に順に入り横一列で並ぶ。部屋の中には中央に10人ほどが座れる長机と椅子。そこには4人の生徒会役員と思われる生徒が作業していた。そして、長机の向こう側には1人用の事務机、おそらく会長用の物があってそこに座る赤髪の美男子。レイガルド アルメキア第1王子殿下だ。その隣にはもう1人、目が細くてオレンジ色の髪をショートカットにした、多分女性。多分とつけたのは身長が高く胸の起伏が分かりづらかったからだ。
「やあ、みんな久しぶりだね」
「お久しぶりです。殿下」
「義兄さんおひさ~」
「お久しぶりです。お兄様」
「そちらの子がナキアの護衛かな?」
俺達と挨拶を交わしメアリーさんを見ていう
「メアリー クリスフォードと申します」
「ああ、クリスフォード侯爵の娘さんか。ナキアのこと、よろしく頼むよ」
柔らかな笑みでメアリーさんへと告げる
「お任せを」
メアリーさんは短くそう返す
そうすると殿下は少し申し訳なさそうに俺達を見ながら
「それで約束通り来てもらって悪いんだけどさ、全員生徒会に入ってもらう積りだったのだけどここに居る風紀委員長がちょっとうるさくてね。クウガくんには生徒会では無くて風紀委員に入って貰えないかな?」
「初めまして。うちが風紀委員長のナーナリア フォールス、ナナ先輩と呼びたまえよ後輩諸君」
ケラケラと笑いながらそんな感じで自己紹介するナナ先輩。
「よろしくお願いします、ナナ先輩。それで何故俺だけ風紀委員ってことになったのですか?」
率直に疑問に思った事を尋ねる
「それはだね、まず説明しなければいけない事から説明していくと。生徒会と風紀委員の会長と委員長は選挙で決まるのだけどメンバーは会長と委員長の指名制なんだよ。それで私は君達を指名してはいってもらおうと思っていたのだけどこの糸目がSを4人もとかずっこいぞ!とか言い出してな」
へー、つまりナナ先輩がごねたと
「それで考えたのだけど、ナキアは荒事がある風紀委員には不向きで、ソウマにはナキアといて貰いたいし、護衛の子もナキアと一緒にいて貰わねばならないしで」
「そうすると残ったのが俺だと言う訳ですね」
「そうなんだよ。本当に申し訳ないんだけど頼めるかい?」
本当に申し訳ない!という感じで手を合わせて頼み込む殿下
別にそこまでソウマ達と一緒に居なければならないという訳ではないし、生徒会に拘るつもりもなかったので逆にこちらが申し訳なくなってきた
「そんなに気にしてないので大丈夫ですよ」
「そうなのかい?」
あれ?という様な顔になり俺に問いかける殿下
「ええ。元々は殿下に誘って頂いたって事と、学園では部活動か生徒会などには必ず所属しなければいけないと聞いていたので特に入りたい所が無かったから丁度良かったくらいにしか思ってなかったんですよ」
「そうだったのかい。いやー、それでも私から誘った事だからね。まあ、でも良かった。後の事はナナに聞いてくれ」
「分かりました。ナナ先輩、これからよろしくお願いします」
「うん!こっちこそよろしくね!クウくん!」
クウくんですかい。
「ぷぷっ」
はい、そこのソウマくん。笑わない!
「あだっ!」
足を踏みつけておいた
「それじゃあ、風紀委員会本部に移動しよう。同じ風紀委員の奴等との顔合わせと説明するから」
「はい」
ナナ先輩と共に生徒会室から出て風紀委員会本部に向かった
バァン!
「はい、注目ー!新人連れてきたぞー!」
ドアを豪快に開けて中に入っていき、続いて入った俺に視線が集まる
「ほら、クラスと学科と名前」
とナナ先輩に促されたので自己紹介をする
「クラスは1-S、学科は武科、クウガと言います。よろしくお願いします」
おおー!っと歓声が上がる。どうしたんだろうか?
「委員長!Sクラスの奴なんてどうやって連れて来たんすか!無理矢理とか変な事してないでしょうね!?」
どうやら委員長は信頼が薄いようだ
「当たり前だろう!?うちを何だと思っているのさ!」
ナナ先輩がそう問うと先輩方は顔を見合わせて
「そりゃあ、なあ」
「うむ」
「委員長は自分の行動を省みるべきだな」
「こればっかりは擁護できん」
てな感じで皆さん意見は同じようだ
「お、お前ら、後で覚えときなよ」
プルプルと震えながら声を出すナナ先輩。細い目が開かれている
うーん。これに話し掛けるのは気がひけるな~。でも話さないと先に進まないだろうし
「あの~」
「なによ!」
お怒りだねー
「そろそろ先輩方の紹介もして貰えないかと」
そう言いながら先程ナナ先輩に話し掛けた先輩に目線を送る。先輩は意図を察してくれたようで直ぐに行動に移す
「そ、そうだな!よろしくな、クウガくん!俺は副委員長のサウザーだ」
金髪をツンツンに逆立てた先輩
「某はレスト」
白のオールバックの顔が厳つい先輩
「俺っちはヨロザさ」
少し軽薄そうな雰囲気を出している肩に届かないくらいの金髪を持つ先輩
「グレイスだ」
濃い青色の髪を編んで前に流す胸の大きい女性の先輩
「ここに今は巡回中の3人を入れたのが風紀委員のメンバーだよ。そいつらはまた今度だね」
とサウザー先輩
「分かりました。改めて、これからよろしくお願いします、先輩方」
「ああ、クウガくんうちらは君を歓迎するよ」
と怒りで糸目を開いた状態から戻ったナナ先輩。心なしか笑顔に迫力が増したように思われる
こうして俺は風紀委員会に所属した
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